我の進む道こそ王道なり   作:ごーたろんす

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ギル様のオラリオでの立ち位置にめっちゃ悩む。

冒険者として最前線に立たせるか、ベル君を育てる為の師匠にするか。

感想にて質問してくださる方、アドバイスくださる方、何より感想を書いてくださる皆様、本当にありがとうございます。

作者の文が拙いせいで作者はこう書いたつもりなのに!と、伝わっていない事が多々あります。

わけのわからない批判はちょっと遠慮させて頂きますが、思ったこと、質問、こんな方向性も良くない?などはどんどん書いてください!

感想だけでなく読んでくださっている皆様にも感謝でいっぱいです!



導くというのは難しいものだな

教会近くの土地を買い、アルフィアと住む為の家をゴブニュファミリアに依頼して、フードを被ってオラリオを、オラリオに住む我が民を見ていく。

 

さまざまな種族がごった煮のように住んでいる世界の中心とも呼ばれているオラリオ。悲しいかな。どれほど眩い光を放つところでも光があれば闇もある。

 

 

ーーーダイダロス通りか。ここには孤児やならず者が多いようだ。親の愛を知り、自由に育ち、未来へ向けてその在り方を形作る幼き頃にこのような劣悪な環境に身を置かねばならん宝がこうも沢山いるのか。

 

 

ある教会を見た。辛いこともあろうが懸命に今を生きている宝達。笑顔を絶やさず友のため、一緒に暮らす家族の為に貧困すらも糧とするその気高い魂。

 

我が手を貸すのは簡単だ。黄金を渡して教会ごと建て直してしまえばよい。だがそれをすれば強く輝きを放っているあの子達の未来を潰しかねん。

 

 

 

 

ーーーここの母たる人物よ。この強く輝きを放つ宝達に我は何をすれば良い?

 

 

 

 

 

フードを深く被っているが耳が見えたエルフの方と横に佇む女性らしき二人組に声をかけられた。

 

私は孤児院を経営しているマリアという。その方々は子供達を憐れみ、決して同情せず、今を必死で生きていることを認めてくださっているのが最初の言葉だけで良く分かった。

 

 

「冒険者様でありますか?ここの私の自慢の子供達を認めてくださってありがとうございます。

 

でしたらこの子達は冒険者様に憧れております。どのような冒険をされたか話してくださればとても喜びます。」

 

 

「ふむ。確かに括りとしては我もアルフィアも冒険者にはなるのだろうが……。生憎我々は外から来たばかりでなダンジョンにも潜った事はない。

が、我は下界の王にして英雄王。世界中、旅をした。その時の話でも良いか?」

 

まぁ!あの子達の視野も広がるいい機会ですねと喜ばれたので波紋からヴァリスを出してせめて食だけでも良いものを。と食材を買わせに行かせる。

孤児院の母が大量には買えんだろうとアルフィアはマリアに着いていく。

 

 

我はフードを取って子供達の前に姿を現せる。みんなポカンとしていたが我の溢れ出てしまう王気にやられたのかキラキラした目でこちらを見てくる。

 

ふははは!愛いやつらよ!近くの犬人族の子を抱き上げてやると嬉しそうにしており僕も!私もー!と近くによってくる。

 

良い良い!我は下界の王!子は至高の宝よ!存分に甘えるが良いぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冒険者様。申し訳ございません。本当に助かりました。」

 

 

 

「…いや。私にも愛する息子がいる。もう一人の、あいつは旦那なんだが子は宝だと常々言っている。

私もそう思っている。」

 

 

「……それはとても素敵ですね。本当は、最初は同情心で孤児院を手伝っていたんです。でもずっとあの子達を見ていて、孤児院から大きくなって出た子達も何人もいて。

 

みんなお金を稼いで孤児院に恩返しをするんだ!って言って学もあまり学べないので冒険者になる子が多いんです。

 

私としては恩返しなんていいからもっと安全な職業について欲しいんですけどね。」

 

 

ーーーすごく気持ちはわかる。ベルがあの時覚悟を私達に見せたときに、嗚呼、止められないと思った。

 

それから毎日毎日恩恵の無い子は決してしない鍛錬を欠かさずやった。

 

本音を言えば私達の英雄になろうとするのはとても嬉しい。しかしどうしてもベルの安全を確保したくなる。

 

ここまで私は弱かったかと思ってしまう。

 

 

 

私はマリアとたくさんの母としての話をする。このような友は初めてだ。

 

 

 

 

 

買い物を終えて孤児院に帰ると、恐らく王の財宝から出した黒板に何かを書いて子供達はうんうん考えながら手を上げて答える場面を目撃した。

 

 

 

「ふははは!正解だライ!貴様は計算が得意みたいだな!将来はさぞ高名な商人になるだろう!そこのリーナは手先が器用だ!服を作ったりご飯を作ったりすれば大成するであろうさ。そこの……」

 

 

ギルが一人一人の名前を呼んで得意なことを褒めて、こんな職業があると教え、頭を撫でている。

 

子供達はギル様ギル様と嬉しそうに抱きついて、あれを教えて!これは何!?と質問攻めをしていた。

 

その一つ一つを子供相手だからと手を抜く事なく小さな子にもわかるように噛み砕いて教えていた。

 

 

 

「ふはははは!む。帰ったか。マリアにアルフィアよ。よし全員座るが良い!良い良い。素晴らしいぞ。

お前たち宝には特別に紹介しよう。

 

我が生涯愛すると決めた唯一の伴侶だ。分かりやすく言えばお嫁さんのアルフィアだ。

 

お前たちも成長し、大きくなればいつか人を愛する。その愛は素晴らしいものだ。できれば大切にしてほしい。

 

 

良い時間になったな。また今度色々教えに来よう。さて、教えたことはできるか?」

 

 

子供達は全員立てってこっちを向いて声を合わせる。

 

 

 

「「「「ギル様、アルフィアさん、今日はありがとうございました!」」」」

 

 

「うむうむ。挨拶は大切だ。どういたしまして。また来よう。それまで病気や怪我をしないようにな。」

 

「…また来る。マリアもまたな。」

 

 

 

みんな手を振ってバイバーイと言い続けていた。本当にギルはすごいやつだ。マリアの言っていた話を伝える。

 

 

ーーーそうか。これは我の責務であろうよ。マリアにも苦労をかける。しかしギルドはオラリオを統治していると豪語しておるのだろう?

 

それに憲兵のガネーシャファミリアだったか?ふむ。オラリオのファミリアはどうにもダンジョンと同じ冒険者に対する比重が重すぎるように感じるな。

 

基盤となるのはこのオラリオという都市そのものだろう。ならばオラリオで働く一般人、それに次代を担うに足る子供達に目を向けるべきだと思うのだがな。

 

 

 

 

 

そのギルの言葉はギルにとって当たり前の考えだったのだろう。だがヘラファミリアに所属してダンジョンと妹、メーテリアに明け暮れていた私には全く考えつかなかった。

 

ベルという何にも変え難い宝を得た今だからこそよくわかる。私達冒険者がなんと傲慢で浅慮なのかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルは急に私の頭を撫でてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーそう考え込むな。アルフィアは気づいてそのような考え方もあると理解した。そして前に進もうとしている。

 

 

さすがは我の伴侶だ。誇れ。貴様はもう我の唯一無二よ。

 

 

 

 

 

 

 

「……わかっている。私にとってギルは王ではなく自慢の伴侶だ。」

 

 

 

 

 

顔を真っ赤にして頭を撫でられながらそろーっと横に近づいて服をちょんっと摘むアルフィア。

可愛いやつよ。そう思って手を繋ぐとキュッと握り返してくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人で街を散策しながらフラフラしているとなんとも大きい館があった。

ほう?これがロキファミリア。姉上のいるファミリアか。行くぞアルフィア。

 

 

 

 

 

 

 

「おい雑種。リヴェリアを呼べ。」

 

 

 

 

急に来たフードを被ったやつにロキファミリアの副団長にしてハイエルフのリヴェリア様を呼び捨てにした挙句命令された門番は一気に血が頭に登るのを理解した。

 

 

 

「誰を呼び捨てにしてんだ。てめえみたいなどこの馬鹿か分からんやつにリヴェリア様に会わせられるわけねーだろ!!」

 

 

 

 

 

「ふむ。これでいいか?呼べ。」

 

 

 

フードを外し、素顔を見せてもう一度伝える。

 

 

 

「て、てめぇエルフのくせに誰を呼び捨てにしてんだ!!この田舎もんが!!リヴェリア様はハイエルフだぞ!?」

 

 

 

 

何を言っているのだこの雑種は。

 

 

「やれやれ。だからリヴェリアを出せと言っている。言葉も理解出来んのか。オラリオの雑種は。」

 

 

 

「ふざけた事ばっかり抜かしてんじゃ「面倒だ。福音。」」

 

 

 

門番ごと音の威力で門を破壊する。中から慌ててロキファミリアの冒険者が出てくる。

口々に言葉を発する雑種ども。

 

 

五月蝿い(ゴスペル)

 

 

またしてもゴスペられて大半のメンバーが吹き飛んで気絶していた。

 

 

 

「…五月蝿い雑音だ。こちらは礼儀として律儀にノックまでしてやったと言うのに……何度言えば雑音は理解できる?」

 

 

 

 

「これはどういうことかな?ヘラファミリア、レベル7の静寂のアルフィア。」

 

 

槍を持った小人族と共に大量に出てくる雑種共。

 

 

 

「……ああ。勇気を履き違え、勇者など大層な二つ名を持っている人工の英雄(ただの道化)か。貴様ら雑音に用などない。あの年増を呼べ。」

 

 

 

その一言にロキファミリアの戦意は最高潮になる。自分達の団長のフィンを貶され、エルフ達は崇拝するハイエルフを年増と呼ばれ臨戦体制をとる。

 

 

 

「……はぁ。面倒だ。ギル。あいつが出てくるまで全員叩き潰すか?ザルドに本気も出させられんやつらなんぞただの雑音共だ。」

 

 

 

エルフは門の外から入ってくる人物を見て固まり、即座に跪く。エルフ以外はエルフが震えながら跪いているのを見て唖然とし、フィンは即座に気づいた。

彼がリヴェリアが良く話題に出す下界の王であり王の中の王と言われるギルガメッシュ・リヨス・アールヴだと。

 

 

「良い。楽にせよ。我はリヴェリアを出せと言った筈だがそれすらも出来ぬ程に貴様ら雑種は無能であったか?」

 

 

その言葉にエルフは全員震えが止まらない。フィンは不味いと思いながら話しかける。

 

「すまない。リヴェリアの弟である「喚くな雑音。貴様如きがギルに話しかけるな。」っっ!!」

 

 

アルフィアの殺気を受け、フィンはもちろんのことエルフ以外のメンバーもとんでもない相手を敵にしたことに今更気づいた。

 

 

「良い良いアルフィア。しかしながら貴様らはいったいオラリオで何をしているのだ?ザルドには手も足も出ず、姉上を呼べという簡単なこともできぬ。

 

そこの同胞よ。何ができるか言ってみよ。」

 

 

 

波紋から椅子を出して脚を組んで座る。当てられたエルフ、アリシア・フォレストライトは震えながら口を動かす。

 

 

「お、畏れ多くも口を開かせていただけるのなら、今すぐにギルガメッシュ様を歓迎し、リヴェリア様を呼んで参ります。」

 

 

「ふむ。歓迎などいらん。貴様らと仲良くする気などない。姉上だけ呼んでこい。

無能に無能を重ねよって。同胞のヘディンとヘグニは我がオラリオに来た門のところで待機しておったぞ。

 

ほとほと愛想が尽きる。我が下界の王で無ければ貴様ら雑種なんぞ見捨てておったわ。

 

そこのアマゾネス。純粋そうな方だ。名乗れ。」

 

 

 

「え?私??え、っとティオナ・ヒリュテです?」

 

 

「ティオナか。良い名だ。さてティオナ。一つ問う。ここのエルフはエルフの誇りがあると思うか?無理な言葉は使わずいつもの自分の言葉で答えよ。」

 

 

うーんうーんと悩み、どういう事か理解してから口を開こうとするとリヴェリアがやってきた。

 

 

「ギル!?何をしているんだ!」

 

 

「久しいな姉上。だが少し待て。今我はティオナに問いを投げた。そしてティオナは己で考えて答えを出そうとしている。

ならば王として民の答えを聞かねばならん。」

 

 

リヴェリアは納得したのか静観する構えだ。

 

 

 

「えっと、ぎ、ギル様?エルフの誇りってのは良くわかんない!でも家族としてはあたしがわかんない事とか教えてくれるし、アリシア、さっきリヴェリアを呼びに行ったエルフもすごっく優しいよ!」

 

 

ギルは微笑んで立つ。

 

 

「そうか。己に理解出来ない事が起こっている中でその元凶とも呼べる我の問いに対し、純粋に、そして何の下心もなく真摯に応えたティオナ・ヒリュテに免じて此度の事は不問にしてやる。

 

せいぜいティオナに感謝しておけ。

 

待たせたな姉上。久しいな。」

 

 

 

「ああ。弟に会えて私も嬉しいよ。だがやり過ぎだろう。」

 

 

姉上に連れられて館の中に入り、王の財宝から出した紅茶を入れて3人でお茶をする。

 

中々来なかったのは今面倒を見ている子供を怒っていて手が離せなかったようだ。姉上はザルドの背後に我がいた事にも気づいているので全て話してやる。

 

姉上は懐かしい額に手を置いてため息を吐くポーズをしている。

 

「それで姉上。見ればわかるが強くなったみたいだな。」

 

「おかげさまでな。オラリオの最高位はレベル7だ。フレイヤファミリア、猛者オッタル。そしてギルの配下の白黒エルフ。あとは私だ。」

 

 

「ほう?我を差し置いて王と名乗るなど不快極まりないが我の見る目は違えていなかったことを証明した姉上、ヘディン、ヘグニに免じて見逃そう。」

 

 

「年増。レベル6になったのはザルドの件だろう。レベル7にはどうやってなった。」

 

「年増と呼ぶな静寂。新しいスキルが出てステイタスが上がりやすくなった。これは私とロキ、それにフィンとガレスしか知らんから他言無用で頼む。

それで魔力がSになったからウダイオスをソロで燃やし尽くした。

 

私はな、王として産まれてきたがたった1人の可愛い弟に呆れられるのは嫌なんだよ。」

 

 

姉上の成長、そして配下としてのヘディンとヘグニの成長が嬉しく、とても気分が良くなり良い気分のまま帰ることとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…おい。年増。いや、ちゃんと言うか。これからよろしくな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お義姉ちゃん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「は?」」」」」




ちなみに凶狼ことベートきゅん。何で食ってかからなかったって?

ダンジョンに行ってたんだよーん。

ギル様子供に挨拶は大切と教えて雑種相手には王様ムーヴするのマジ好き

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