ギル様の嫁になって嫁力も上がったらそれこそ
「嫁の作法を教えてやろう。」
が炸裂するよ?ベル結婚できる?
読んでくださって評価して下さる方々本当にありがとうございます。
やっぱり原作リスペクトしつつクロスオーバーって難しいなとは思います。
自己満小説で本当に申し訳ありません。最初にも書きましたが気に入らなければブラウザバックをお願いします。
ーーーオラリオにギルガメッシュ様も来られた話を知っているか?
ーーー当たり前だ。我々エルフ族にとっての王の中の王だぞ!
ーーーロキファミリアのホームをぼろぼろにして九魔姫以外のエルフに説教かまして勇者は一言喋って黙らされたってやつか??
ーーー何よりギルガメッシュ様の伴侶はヒューマンらしい。
オラリオ中のエルフに激震が走る。多種族が共に生活しているオラリオにおいてエルフ以外の種族ですらその噂を知って、あらゆる所で話されている。
エルフ族は王家を崇拝し、その中でも特に王の中の王と名高く、オラリオに来ているエルフ達も実家のある森からギルガメッシュが森中を歩き回り、交流をしたことでとにかく評価が高い。
ギルガメッシュ本人からすれば民無くして王ならずという信念の元、そして自分の見聞を広げる為にやったことなのだが、この王はやればやる程、動けば動くほどに上手く行ってしまう。
とにかく結論。エルフ族の頭はカッチカチ。
ーーー誰だ相手は!!ギルガメッシュ様の伴侶にヒューマンがなるなど許せるか!!!
1人のエルフが路上で叫んだせいで他のエルフもそうだそうだと騒ぎ始める。そしてファミリアの壁なんぞ粉々に砕かれ、オラリオ中のエルフがギルガメッシュを探し、その伴侶を見定めてやると意気込んでいた。
「リヴェリア?これ、どうするんだい?」
ロキファミリアの黄昏の館では全エルフが大人しかった。なんせギルガメッシュ本人に会い、苛烈にして器の大きさを見せつけられ、己らの不誠実な対応を許されたのだ。
これ以上恥の上塗りをしたくはない。
何よりギルガメッシュに懐いてしまったアマゾネス。ティオナがギルガメッシュに迷惑をウチの団員がかけるなら容赦しないと門番(内側)をしていて外にすら出れない。
「どうもこうもないだろう。どうせギルには何もできん。アルフィアに文句なんぞ言ってみろ。福音で吹き飛ばされて終わりだ。」
その言葉に対して何かを返すことはフィンですら無理だった。この騒動は始まりの時点で結果が見えている。
始まりの終わりだ。
「それにこう言ってはなんだが同胞だけで下界の王、ああ、今は英雄王を名乗って居るんだったな。
あの王を納得させられるものを出せると思うか?ギルは民の声はきっちり聞いて取捨選択をするが、オラリオの冒険者となっている同胞のことは相手にもせんぞ。
私が言ってしまってはいけないんだろうが幻滅している。己の出来ることをしていない。限界を越えるなんてことはギルからすれば普通のことだ。」
リヴェリアは何かと弟のギルガメッシュを持ち上げると思っていたがこの前、かの王を目の前にした時に決して大袈裟に言っていたのではないということが分かった。
この騒動はどうなることやら。
「呼び出してごめんなさいね?ヘディン、ヘグニ。貴方達の崇拝する王様が大変な事になってるみたいだけど、貴方達の魂にはちっとも揺らぎが無いわ。少し気になっちゃってね。」
ヘディン、ヘグニの主神であるフレイヤに呼ばれ、そんな言葉を投げかけられる。
「う、うう。その、ギル様は、問題ないから、です。」
「…ふぅ。言いたいことは分かるがもう少し頑張れヘグニ。フレイヤ様。私達の王はオラリオにいる有象無象如きにどうこうされるようなお方ではありません。
ここで私達が心配して行くことこそ王に対する不敬。」
2人がキッパリと言い切るのでフレイヤは目をぱちぱちさせてくすくすと笑い始める。
この2人に出会ったのは本当に偶然だった。エルフの部族同士が不毛な戦争をしていたのだ。だが目を引く2人は互いの部族の王として、とても楽しそうに戦っていた。
フレイヤが2人に声をかけても一切魅了されることもなく会話をしていく。そこにとても惹かれて自らのファミリアに誘った。
ーーーこの2人はその王様に魅了されてしまってるのよね。下界に降りて神威を封印している状態の私じゃ上書きできないくらいの魅了。
いえ、魅了ではないわね。カリスマによる魅せ方。ある種の魅了だろうけど私とは本質的に違うわ。
「ねぇ?本当に私のものにならないの?」
「私は王に全てを捧げてでもついて行くと誓っているので。」
「お、俺もギル様の為の剣となるって決めてるので。」
【白妖の誓い】 【黒妖の誓い】
2人ともスキルに出る程に王を崇拝している。決して過保護になることもなく、互いが互いを認め合って適度な距離感を保っている。
ーーー美の女神ですら叶わない、そしてこれ程美しい繋がりがあるなんて。嫉妬しちゃうわね。
フレイヤらしからぬ苦笑を浮かべる。ヘディンとヘグニはフレイヤファミリアに入団する際にこう告げていた。
ーーー私達が心から崇拝するのはギルガメッシュ・リヨス・アールヴ王のみ。女神フレイヤに崇拝を捧げることはできません。
女神フレイヤと王が同時に危険になった場合、かの王はなり得ぬとは思いますが。私達は王の元に向かいます。
それでもよろしいでしょうか?
もう姉上には会いに行ったしフードは良いか。
アルフィア!静かな所を好むのは分かるが我は王だ。よって民の生活を知らねばならん。
だから昼間に見つけた居酒屋というのか?あの店にいくぞ!
ーーーギルガメッシュ様!!!
なんだこの雑種は。いったいどんな人数だ。
口々にやれ伴侶がどうだ、ヒューマンはダメだなどと囀る。こいつらは何様のつもりだ。
ブワッと上空一帯に王の財宝の波紋を開く。全員が黙ったことで口を開く。
「偉くなったな雑種共。我に意見をするなど。勘違いも甚だしい。」
口を開こうとした雑種の足元に剣を射出する。土埃を舞い上げ、剣が突き刺さっている。
その雑種はガタガタ震えながら座る。
「頭が高い。我はエルフの王などの器ではない。下界の王。引いては英雄の中の王。英雄王だ。
その英雄王が自ら見つけ出した至高の宝に対して、雑種如きが批判するだと?不敬にも程がある。」
アルフィアは横で目を閉じたまま薄っすらと頬を染めながら微笑むのを我慢している。うむ。可愛らしい。ベルの可愛さは確実にアルフィア、メーテリアの血であろう。
「何が誇り高いエルフだ。閉鎖的で前に進もうともせずに停滞する種族。そこの雑種。貴様はレベル8に勝てるのか?
我の伴侶、アルフィアは元ヘラファミリアのレベル8だ。
それでも認められぬのなら認められぬで構わん。存分にアルフィアと戦うが良い。」
誰一人言葉を発することができない。それ程に実力がかけ離れていた。
「そういうところが停滞していると言うのだ。何故格上に挑戦しようとしない。自分達は安定安心な位置から動かない。
本当にくだらん。我は毎日アルフィアと殺し合い一歩手前の模擬戦をするぞ?下界の王といえど我はエルフ。
同じ種族の王は出来て雑種は出来ぬ。何とも呆れた話よ。貴様ら雑種を相手にする時間など無い。わかったら消え失せよ。
それと不満不平が根底なれど我の為にファミリアの垣根を超えて集まり動いたことだけは褒めてやる。
さて、飲食店は客を集める時間だ貴様らも道の真ん中で邪魔をしたのだ。店に貢献してから帰れ。
待たせたな。我の宝よ。行くとしよう。」
アルフィアの手を握り、昼間に見つけた豊穣の女主人に入る。
取り残されたエルフは王の命だからとファミリア関係なく近くの店に謝罪して飲食を楽しむ。そして楽しむついでにギルガメッシュに言われたことについて話し合い、いつも以上に気合いを入れて冒険をするようになる。
ーーーせ、静寂!!
ーーーん?フレイヤのとこの小娘か。
どうやら店主はアルフィアの知り合いだったようだ。
「ほう!これは美味いではないか。ザルドと良い勝負だろう。」
「…まぁ美味いな。あの小娘がここまで料理できるとは思わなかった。」
その声が聞こえたのか店主は嬉しそうに笑っていた。店主、ミア・グランドと喋りながら食事を楽しむ。
そこに金髪エルフがやってきた。
「お初にお目にかかります。ギルガメッシュ様。挨拶が遅れ、申し訳ありません。」
「良い。許す。貴様はこの店の従業員として己の仕事をしていただけだ。仕事を途中で投げ出して挨拶に来る方が、我の中では不敬で不快だ。
やるべきことをやる。それが下界で生きる子としての最低限だ。どうもこの街の雑種はそれすらもわからんらしい。」
酒が入って上機嫌なギルは楽しそうにグラスを回して口を開く。
「……私も噂は聞いていました。仕事が無ければ行っていたかもしれません。真に申し訳ありません。」
「ふははは!!来てもいないのに謝るとは面白いやつよ。我はなやるべきことをしている民の話は必ず聞く。
貴様もそうだ。ミアの素晴らしい食事をこぼすことなく丁寧にしかし素早く運んでいる。
恐らく元冒険者だろう。ウェイトレスに当たらぬように上手く身体を使っている。
ふふふふ。貴様はやるべきことをしかとやっている。よって話を聞いてやろう。おい!ミア!此奴を借りる。」
「はぁ。わかったよ王様。でも長時間はやめとくれ?」
リュー・リオンというエルフを座らせる。オラリオにはそこそこ前に来ていたようだ。
ーーー何?アストレアファミリア??あれか。オラリオ中の馬鹿な冒険者に見捨てられたファミリアの生き残りか。
通りで瞳が曇っていると思った。エレボスにも心を揺らされたか。復讐か。なるほどな。勇者と名ばかりの小人が手伝ったのか。
「貴様は雑種ではない。やると決めたことをやり抜いたのだからな。そもそも正義とは何かなんぞ我もわからん。」
驚き、こちらを見るリューに説明してやる。
「正義と王は密に繋がっておる。王がこうすると決まればその国にとってはそれが正義となる。
例えると、それが賢王ならば生産業の活性化。愚王ならば他国との交流を切る。征服王ならば他国を征服する。とな。
だが問題はここだ。それが正義と信じれるものなら良いが、少なからず被害を受けてしまう相手からすればそれは正義ではなく悪政だ。」
「な、なら!!私達の正義は無意味だったと!?」
「そんなことは知らん。そもそも正義とは己の本質だと我は思っている。
我は王として下界の民全てを守り、導くと決めている。しかし己の身一つでそんなことできるわけがないのも分かっている。
それでも心が叫ぶ。その信念を貫き通せと。」
ーーーそれだけだ。貴様の正義なんぞしらん。正義が何なのかも知らん。そんな形も色も見えんものを追いかけるくらいなら、自分がどうあるかを考えて行動するんだな。
そして貴様は1人か?ファミリアが壊滅してからずっと1人なのか?周りをもう少し見ろ。以上だ。
ミアに勘定を投げる。
「王様。なんだいこりゃ。」
「美味い飯の礼だ。我の伴侶がいつもより食べていた。」
「それでも貰いすぎだよ。」
ーーー迷子の我が民を守ってくれていた礼だ。
ーーーあれがあの白黒エルフの言っていた王かい。くくっ。あたしでもついて行きたいと思わされたよ。ったく。
この金は礼じゃなくてあの馬鹿娘をよろしく頼むってことだろう。
ーーーアルフィア?ユニコーンいるか?いらない?あの愚王が婚姻すると言ったらユニコーンとか言い始めてだな。純潔とかもう貰ったのにどうしろと。
む。なんだ。
分かった分かった。確かに我もベルのような可愛い子が欲しいからな。
ーーーなんだこのなまくらは。
ーーーなんだと???
そろそろ神様決めるか。
次回予告!!
ダイダロスにいる貧困を司る女神!ペニア!
黄金律を持っているギルと貧乏神!どちらが勝つのか!!
ごめんなさい冗談です。ソードオラトリアぱらぱら読んでたら頭によぎった笑