忍びの王retake   作:焼肉定食

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第4話

僕たちは小学校最後の学年となり、最後の学芸会で演劇を披露することとなったとある日のこと

 

「はい。お姫様役に雫ちゃんを推薦します」

「えっ?」

 

驚いたような八重樫さんに僕は少しだけ苦笑してしまう。

確かに八重樫さんはお姫様の役は確かに似合っているだろう。

この物語はありふれた騎士とお姫様のラブロマンス物語。八重樫さんの好きそうな物語であったのだ。

 

「確かに八重樫さんなら似合ってそうだね。」

「えっ?原口くん?」

「うん。雫ちゃんのお姫様姿絶対に可愛いよ!!」

 

席替えで偶然にも隣になっていた八重樫さんが驚いたようにしている。

まぁ乙女チックな八重樫さんにはあっているんじゃないかな。

僕ももちろん賛成だった。

 

「グッチ。それならグッチが騎士役やれば?」

「へ?僕?」

「グッチの騎士役俺も見てみたいんだけど」

「どうか〜ん。グッチって今まで裏方でずっと照明とかだったから。グッチの騎士役見てみたい!!」

 

俺は少しだけ苦笑い。相変わらず男子の人気は凄まじいものがあり男子はすでに天之河くん以外は僕に賛成らしい。

 

「えっ?原口くんより天之河くんでしょ?」

「そうそう騎士役は天之河くんがいいよ!!」

「雫ちゃんがお姫様やるんだったら私が騎士役やってみたいな」

 

最後の香織が騎士役でもめている、でもたった一言で変化するはめになった

 

「え〜逆でしょ?」

「香織ちゃんがお姫様で、八重樫さんが騎士役でしょ?」

 

と言い始めるとものすごい騒ぎになっていた。

女子は八重樫さん、男子は僕。

このままで行けば普通に八重樫さんが騎士になるだろう。

司会である僕はちょっと待ってと声を上げる。

 

「ちょっと待って。八重樫さんはどうしたいの?」

「……私?」

「そう。いつもわがままばっかりなんだから八重樫さんは自分のしたい方をするべきだと思う。毎回男子の配役じゃ嫌でしょ?」

 

雫は驚いたようにしているがそんなに変か?

女子に睨まれているが僕は関係なく続ける。

 

「八重樫さんって女子なのに女性の役ほとんどやらないじゃん。髪だって伸ばし始めたし絶対綺麗なお姫様になると思うんだよね。それに白崎が姫とかだと不安しかない。絶対に本番で大きなミスやらかす。ドレスを踏んづけて転倒とか、セリフをアドリブで言って誰かを困らせたりとか。」

「ちょっと原口くんどう言うことかな?かな?」

「「「「あぁ…。」」」」

「ちょっとみんな酷くない?」

 

納得したような全員の様子にどうやら聞こえていたらしい。

聞こえていたかと小さく苦笑する。すると全員がそれじゃあどうするのっと言う顔になる。

 

「つーか白崎は本当に騎士役でいいの?」

「へ?」

「もし八重樫さんがお姫様役をやるんだとしたら衣装係になればお前八重樫さんを着せ替え人形にできるよ?」

「ちょ、ちょっと。」

「先生私衣装係やりたいです」

「「「「即答!!」」」」

 

まぁ、香織はそうするよな。八重樫さんのことをもっと可愛くしたい女子の一人だし。センスもいい。だから衣装役に向いているんだよな。

 

「……偶には素直になってもいいんじゃないかな?僕も見てみたいっていうのはあるんだけどそれでも八重樫さんが一番やりたい役をやるのが一番いいさ。最後の学芸会だし、お姫様役やってみたいんだろ?そんならやってみろよ。ただでさえ男性役ばっかりやってきているんだ。衣装も白崎だから失敗はないよ。」

「えっ?原口くんは私のお姫様役見てみたいの?」

「僕のイメージだったらお姫様ってしっかりものの綺麗な女性ってイメージだから白崎さんよりも八重樫さんの方が似合っていると思うんだけど。白崎さんってどちらかといえば可愛いって思うけどこういったのって可愛いよりも綺麗な八重樫さんの方がいいと思うんだ。」

「……

 

すると八重樫さんは少し考える。そして一呼吸おいて

 

「私、お姫様役やってみてもいいかな?」

 

と小さな声で言った。これでミッション完了だな。

 

「いいよね?みんな。」

「うん。賛成!!」

 

そして白崎の方を見て小さく謝る。すると白崎さんは首を二回横に振っていることから

白崎さんが騎士役だと明らかに反対意見がでるからどうしても裏方に回らせたかったのだ。

 

「じゃあ騎士役はグッチじゃない?」

「そうそう。お似合いだしね?」

 

すると急に適当になる女子。八重樫さんも男性役としては人気だけど女性として見られるのは少ない。

 

「誰もやろうとしないなら、俺がやろうかな?」

「えっ?」

 

すると天之河くんが手をあげる。そしてその流れを察し先に流れを潰す。

 

「それなら。」

「ちょ、ちょっと待って。もうお姫様役は八重樫さんで決定だよ。最初みんなお姫様役をしたいって言ってなかったでしょ?」

「え〜。」

「ちょっと優遇してよ!」

「しません。というより僕もやってみたいし。みんなからの推薦だし、毎回裏方回っているから!!舞台には上がりたかったしね。僕がなったらやめるとかそれはなしだよ。」

 

すると女子の声がやむ。いい加減だけど女子の扱い方が分かってきた。

司会権限を使いそれだけは阻止する。当然おぉっと男子が声を上げる。

少しだけやってしまった感が強いが八重樫さんのためだ。どうせ多数決で負けるだろうし。

 

「騎士役はその二人?……せっかくだし八重樫さんに騎士役選んでもらおうか。」

 

すると今まで見ていた先生が告げる。

僕も、八重樫さんもその言葉に驚いてしまう。

 

「えっ?」

「いいんじゃないか?どうせ多数決なら光輝一択だけど八重樫さんが誰を選んだ方が騎士役の方が二人も納得しやすいだろ?」

「……別にいいけど。」

 

どうせ天之河くんを選ぶだろうし、結局舞台には上がらないといけないだろうけどそれでも主役はならないでいいだろう。

 

「それなら。私は原口くんがいいです。」

「……へ?」

 

予想だにもしてない声に口が開いて塞がらない。そして黒板に僕の名前が書かれる。

赤いほおに染められた八重樫さんに僕は小さく息を呑む。

……流石にツケがきたか

そう思わずにはいられなかった

 




謝罪の意味も込めてもう一話投稿です

香織をサブヒロインにするか

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