忍びの王retake   作:焼肉定食

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第5話

「……はぁ。」

「グッチ?お前が言ったことだろう?なんだかんだでやる気あるだろ?」

「やる気あるし、別に八重樫さんや白崎となら別にいいんだけどさ。……それでも憂鬱だって。」

 

僕は更衣室の中で小さく息を吐く。

それでも、とある問題があるわけで。

 

「セリフ大丈夫か?」

「……正直やばい。あっち側も準備もあるし。」

 

本番一週間前になっても台本を覚えきれずに苦労していたのである。僕は勉強が得意な方ではないので辛く、数十ページの台本を覚えることは正直厳しい。これに加えさらに演劇までしないといけないのだ。

 

「でもさ、女子の衣装も完成したんだよな?」

「そうだね。その予定だったはずだけど。」

「でも八重樫さん楽しみだよな。絶対綺麗だって。」

「……そうなのか?俺あんまり八重樫さんが綺麗って思わないんだけど。」

「グッチも綺麗って見た目じゃないんだろ?」

「え〜。そんなことないけど。そう思ってたの?」

「うん。お姫様役だって白崎さんがやったほうが。」

「白崎は似合わないよ。今回のお姫様役は。」

 

僕は断言する。すると全員が驚いたようにしていた。

その理由を知りたいと思うので俺は説明する。

 

「白崎は可愛い役なら多分あってるけど、今回みたいに綺麗と見せるのは八重樫さんの方が合っているんだよ。それにだいたい予想つくし。でもさ、八重樫さんって本当は綺麗なのに結構地味な服きてる時多いもん。八重樫さんの猫耳パジャマ姿見たことないでしょ?」

「えっ?八重樫ってそんなパジャマ着てるの?」

「前に白崎が誕生日プレゼントに買ってた。お揃いって言っていたけど二人ともめちゃくちゃ可愛かった。」

「…グッチ。お前結構いい思いしているんだな。」

「それに八重樫さんって可愛いもの好きで部屋の中ぬいぐるみでいっぱいなんだよ?前に三人でお泊まり会した時だって八重樫さんぬいぐるみ抱いて寝てたし。」

「それはグッチだから知っているんだろ?でも学校の八重樫さんでは予想つかないけどなぁ。俺たちは八重樫さんの心がとても綺麗って思うからこうやって話しているわけだし。」

「それは僕も思う。白崎さんと八重樫さんって優しくて他人想いだから。」

 

そうやって雑談しているとするとコツコツと歩いてくる。

 

「男子着替え終わった?」

「終わった。てかこれ僕着る必要あった?」

「いいから。早く出て来て。」

「はいはい。」

 

俺はそうやって衣装合わせで僕は外に出る。

すると女子の視線が僕の方に集まる

 

「何?やっぱり似合ってない?」

「えっ?そんなことないけど?」

 

騎士役ってことだが王子様みたいな服を着ている。

見られることは慣れてるけど……コスプレみたいなもので似合ってるって思われてもなぁ。

 

「そういえば女子の方は?」

「えっとね?それが八重樫さんが恥ずかしがっちゃって。」

「まぁ、八重樫さんドレスなんて始めてだろうしなぁ。」

「ほら雫ちゃん。」

「ちょっと香織。」

 

するとカーテンからフラついたように八重樫さんが飛び出る。つーか

 

「あぶねぇ!」

 

僕は八重樫さんを支える。ドレスに慣れてないのにと思っていたけど。

 

「…へ?」

「えっ?」

 

髪を伸ばし、純白の白いドレスを着た八重樫さんを見た途端僕は少しだけ固まる。それは男子も同じようだった。

そして白崎さんの意図に少しだけ気づいてしまう。俺のは真っ黒い衣装なのでこれじゃあまるで。

 

「……新郎新婦かよ。」

「どうかな?」

「八重樫さんは似合っているけど、僕は似合わないだろ?これ。騎士でもなんでもないじゃん。どっちかでいうと執事?」

「そんなことないよ。原口くんもかっこいいよ?」

「…コスプレでかっこいいとか言われてもなぁ。」

 

苦笑してしまう。悔しいことに白崎のチョイスは間違ってなかったんだろう。

 

「ねっ。言ったでしょ。八重樫さんは今回のお姫様役にぴったりだって。」

「お、おう。」

「さすがグッチと白崎さんということか?……だからと言って化けすぎだろ。」

 

すると目線を逸らす友達はほとんどだった。

八重樫さんの魅力がちゃんと伝わったらしく白崎も少し嬉しそうだし。

 

「てかさ、グッチ?いつまで八重樫さん抱きしめてるんだ?」

「へ?」

「そうそう。でもこう見ると本当にお姫様と執事みたいだね。」

 

僕は今の格好を見る。両手を八重樫さんの腰に回し転ばないように引き寄せたのでそう見えるらしい。

そうだ

 

「それなら僕で悪いけどもう少しお姫様みたいなことしてみようか?」

「それってどういうこと?」

「こゆこと。」

 

そして八重樫さんの膝の下に手を入れいわゆるお姫様抱っこというものをしてみる。

比較的簡単に持ち上がり八重樫さんの顔がさらに真っ赤になる。

 

「ちょ、ちょっと原口くん!?」

「……なんだろう。めちゃくちゃグッチが羨ましい。」

「てかグッチも結構テンション上がってるよな。」

「悪いか?てかこれ、僕も恥ずかしい。八重樫さんお姫様抱っことか好きそうだったからやってみたけど。」

 

すごくいい匂いするし、なんだろう物凄くいたたまれない。

本当に綺麗だよなぁ。八重樫さん。こう見ると本当にお姫様みたいで。

 

「……あの、原口くん?」

「…ん?」

「あの恥ずかしいのだけど……。」

「よかったよ。やっぱり八重樫さんの騎士役をやれて。」

「えっ?」

「練習やろっか。……絶対に成功しかできないし。」

「それを言うんなら俺らの方だろ?まぁグッチは台本覚えることからな。」

「うっ!」

 

そんな中で発表会の準備が進んでいく。

そしてその裏でもう一人積極的に動いてもらっている人がいるのであった。

 




アンケートの結果サブヒロイン追加の香織はヒロインじゃないと言う結果になりました。
サブヒロインは二人の中から決めようと考えています。
ハジメヒロインでも一人サブヒロインに昇格する人もいるのでお楽しみに

香織をサブヒロインにするか

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