Episode.XXX ビッグブリッヂの死闘 作:サンサソー
1話だけのつもりだったのに連載になっちゃったよ。みんなギルガメッシュ好きなのね。(皆も書いてくださいそして読ませてくださいお願いします)
「ありゃ!ば、ばかな!次元最強じゃないのかー!!」
勝負はあっさりとついた。それはもう一太刀で終わった。題名をつけるならば確実に『瞬殺!』これしかない。
武蔵の大太刀に対し、ギルガメッシュはガンハルバードを振るいメガフレアを発動……できなかった。
スカッという音とともに小さな煙が発生し、武蔵の一撃に吹き飛ばされ座に帰りそうになる始末。誰かれ問わず口を開けて呆然としたのは言うまでもない。
それもそのはず。武蔵は種火をたらふく喰らい霊基再臨も最終段階まで終わらせている。対し、ギルガメッシュは召喚されたばかりの無再臨レベル1。
第1スキル解放程度にしか能力を扱えない上に霊基も育てられていない彼にとって、武蔵の一撃は耐えるどころか即死する威力。未だ踏みとどまっている事が奇跡であった。
「ち、ちょっと腕が鈍っちまったみたいだぜ…」
「いやいや、それ以前の問題だし。というか待って!新規獲得できたのに即刻居なくなるとか許さないから!?」
「へ、へへへ…手当を頼む!」
手放してなるものかと全力で魔力を注ぐ立香。とりあえずの応急処置ではあるが、なんとかレアプリズムになることだけは阻止できそうだ。
「召喚直後にサーヴァントはどうなってるのか忘れちゃってた、ごめんなさいねギルガメッシュ」
「あ、謝るな!こ、これは……クッソォ!」
悔しげに膝を叩くギルガメッシュ。その振動が傷に響き悲鳴が出る。なんとも情けない姿だが、さらなる困難がギルガメッシュを襲うことになる。
「負傷者を感知しました。今すぐ医務室へと連行します」
ド派手に召還室の扉をぶち壊して
「お、おい!?何するんだ下ろせ!」
「お静かに。安静にしてください。医務室で治療を行います。ええ、心配はありません。殺してでも治します」
「あぶねえ女だな!?ちょ、オレは別に大丈夫だ…話を聞け!?」
喚くギルガメッシュを気にせずストレッチャーを凄まじい勢いで押すナイチンゲール。しかしその激しさとは裏腹に患部への刺激は最小限であり、やはり患者第一なのだと立香は感じた。いや、そう思うことで現実逃避をした。
「く、くそっ!きょ、今日のところは、これくらいにしといてやる!おぼえときな!あふん……」
大声は患部に響くと判断したナイチンゲールはすぐさまギルガメッシュの首に手刀を当て気絶させた。やがて2人の姿も見えなくなり、ただ疲れた立香と未だに茫然自失としたマシュ、武蔵が残るのみだった。
医務室にて、ギルガメッシュはナイチンゲールという脅威に必死に抗っていた。
「胸部から下腹部までの深い裂傷。加えて少々浅い腕の切り傷。ここまでの負傷であれば致し方ありません。患部を切除しましょう」
「お、おい?やめろ?オレの腕を親の仇を見るかのように睨むんじゃない!?やめてくれ!切り落とさないでくれ!」
バタバタと暴れナイチンゲールの魔の手から逃れようとするギルガメッシュ。そこへ医務室の扉を開け新たな来訪者が現れた。
「何をしている」
「アスクレピオス氏ですか。これから手術を開始するところです」
アスクレピオスと呼ばれた男はギルガメッシュを、正確には傷をじっくりと観察する。そして……手のジェスチャーでGOサインを出した。
「おおい!助けてくれよ!?」
「何を言う。これから助けてもらうところだろう。それに安心しろ、万が一死んだとしても俺が解剖して治験に役立ててやる」
「とんでもねえ奴らしか居ねえのかココは!?」
堪らず第1スキル『ギルガメッシュチェンジ』を発動。本来は宝具であるが、スキル扱いにされていることと火事場の馬鹿力が幸いし滞りなく効果を発揮した。
拘束を破壊しとんずらをこくギルガメッシュ。その後を無表情のままのナイチンゲールが追いかける。
「止まりなさい。まだ治療が完了していません。消毒も済んでいないというのに激しく動けば、傷口も開きますし雑菌も入ります」
「腕を切り落とされるぐらいならまだマシだぜ!魔力を回復したらハイポーションでも使って自分で治す!」
「いけません。後ではなく今、処置します」
腰に手をやるナイチンゲール。取り出したるは銃。牽制でもなく、ギルガメッシュへと発砲した。
「あぶね!?お、おい!治すって言ってる奴が新しく傷を増やそうとしてどうするんだよ!?」
「必要なことです。貴方が大人しく止まり、医務室へと戻れば済む話」
「それは嫌なんだよ!?」
何とか銃弾を躱しながら逃げまくるギルガメッシュ。廊下の角を曲がり、次いでナイチンゲールも曲がる。
「……?」
しかし、そこにギルガメッシュの姿は無かった。
「ふぅ……助かって、ないな」
ギルガメッシュは咄嗟に扉を開けてナイチンゲールを撒いた。しかし一難去ってまた一難。部屋はサーヴァントの物であり、中にいた部屋の主に槍を向けられていた。
「ふむ、私の部屋に押し入るからどのような輩かと思えば。見慣れぬ顔だな?」
「お、すまねえな。ちとおっかねえ女から逃げててよ。少しでいいから匿ってくれねえか」
戦闘タイツに身を包んだ紫髪の女。その赤い槍はギルガメッシュの関心を惹きつけてやまないが、今はそれどころではない。
「ほう。謝罪はいいが質問には答えんか。名も何も名乗らず、随分と厚かましいな」
「へへへ…オレが誰かと問うならば。耳かっぽじってよおく聞け!我こそは、伝家の宝刀求めて次元の狭間をさすらう男。天下一の傾奇者、あ、そ〜の〜名〜も〜……ギルガメッシュ、見参!」
ギルガメッシュがポーズをとると、デデンッ!という音とともに大きな『見参』の文字が浮かぶ。どういう原理で出ているのかは知らないが、よく考えない方が良いだろう。
「召喚された時にちと一悶着あって怪我しちまってな。治療するとか言ってる女に殺されるところだったぜ」
「怪我…治療……ああ、ナイチンゲールか。なるほど、状況は理解した。名乗り遅れたな?私の名はスカサハ。しばし要望を飲んでやろう」
「ありがてえぜ!匿ってくれなかったらどうしようかと不安になっていたところだ!」
スカサハが槍を下ろすと、ギルガメッシュはその場にへたりこんだ。未だに傷が痛むのに、ギルガメッシュチェンジを使ったりナイチンゲールから逃げたり、ポーズをとったりと激しく動いたことで無理をしすぎたのだ。
「傷か……私がルーン魔術を使って治してやろうか?」
「へへ…ありがてえけど、それなら魔力をちっとばかし分けてくれねえか?そうすりゃ自分でなんとかできるからよ」
「そうか。なら私に触れるといい。魔力を融通してやろう」
「おう」
ギルガメッシュがスカサハの肩に触れる。するとスカサハがルーンを刻み、腕を通して魔力を送り始めた。しばらくそうしていると、ギルガメッシュはもういいぜと手を離した。
「よおし、こんだけありゃ……よっと」
空間が歪み、そこから瓶が一つ出てくる。使用した者をたちまち癒すハイポーション。蓋を開けると勢いよく呷り、傷の回復を待った。
「ほう。魔道具のようなものか」
「ああ。お、そうだ。助けてもらった礼に何かお前にやるぜ」
「魔力を分けてやっただけなのだがな。まあくれると言うのであれば貰おうか」
ギルガメッシュが空間に腕を突っ込み、何かないかと漁る。やがてギルガメッシュが腕を引き抜くと、手には1枚のカードがあった。
「これをやろう!オレ様からしか貰えない激レア限定スペシャルカード!」
「貴様からしか貰えない?」
「おう。オレ特製、気に入った奴にしかあげないプレゼントだ!」
「貴様が作ったのか……使い道は?」
「集めて楽しいぞ!」
「……他は?」
「全部集めると、友達に自慢できるぞ!」
「………………」
呆れたように片手を頭に添えるスカサハ。ギルガメッシュは『あるてぃめっとかーど?』をスカサハに握らせると、立ち上がり部屋の扉を開けた。
「世話になったな!今度あった時は、またカードをプレゼントしてやる!」
「……そうか。まあカードはともかく、早めに慣れられるといいな」
「おう!ではなスカサハ!我が心の友よ!」
ギルガメッシュは部屋の外へと出て行った。次いで響く走音。どうやら彼女に発見されたらしい。
『手間取りましたが、もう逃がしません。何としてでも処置します』
『お!?おい、もう治ったから!もう追いかけて、来るなあああ!!』
騒がしさも、音が遠くなるにつれて消えていく。スカサハは手の中にあるカードを見てみると、そこにはギルガメッシュが剣を振るう姿と『神々のタソカレ』という文字が刷られていた。
『ではなスカサハ!我が心の友よ!』
「……フッ」
思わず笑みがこぼれる。心の友など、誰に対して言っているのかわかっているのだろうか。
「なんとも奇妙で、不思議な男だったな」
『あるてぃめっとかーど?』数えて5種類。スカサハはそれを集めることが1つの趣味になることを、まだ知らない。
「……ん?ギルガメッシュ?」
スカサハがほんわかしている間、ギルガメッシュはまたもやナイチンゲールを撒きカルデア内を散策していた。
「にしても、そこかしこから強いオーラをビシバシ感じるぜ。こりゃあ、召喚された甲斐があったってもんだ。だが今のオレは弱っちくなっちまった。さて、どうしたものか…」
うーんうーんと悩みながら廊下の角に差し掛かると、角の向こうからやってきた誰かにぶつかった。
「うおっ!?す、すまねえ。考え事してて前を見てなかったぜ」
「あ、いえ、はい。こっちこそすんません。平気っす」
ぶつかったのは木刀を持った気の弱そう……いや、人見知りをしていそうな雰囲気を纏う男。ここに所属する英霊なのだろうかと、ギルガメッシュはにこやかに話しかけた。
「オレの名はギルガメッシュ!先程ここに召喚されたんだ。アンタは?」
「通りで見たことないって思った……あ、俺はマンドリカルドっす。よろしく……って、ギルガメッシュ?」
軽くお辞儀で返すマンドリカルド。しかし、名に思うことがあるのか、思わず聞き返してしまった。ギルガメッシュはどうしたのかと聞いてみると、マンドリカルドは少し困惑しながらも疑問を口にした。
「ああいや、大したことはないんすけど……このカルデアにもギルガメッシュって名前の…ええと、王様がいるんすよ」
「ほう…!そいつは、是非とも会ってみたいもんだな!」
「あー……やめといた方がいいっすよ。傲慢を素で行く性格で、近寄るのも物好きだけっすから」
「ほうほう。ま、そん時はそん時だな、ありがとよ」
その流れで談笑をしていると、召喚室での出来事から立ち直った立香が通りかかった。
「やあマイフレンド。っと、ギルガメッシュ!傷は大丈夫?」
「お、マスターか。このとおり無事完治したぜ!まだあのナイチンゲールっていう女からは狙われてるけどな」
ギルガメッシュは力こぶを見せて笑った。ギルガメッシュは立香が笑みを浮かべたのを見た時、ふと気になるものを見つけた。
「ん?マスター、腕擦りむいてねえか?」
「あ、うん。ちょっと転んじゃってね」
「ならちゃんと絆創膏でも貼るなりしといた方がいいっすよ」
「まあ後でね……と、そうだ。ギルガメッシュに種火と再臨素材を渡したいから来てくれないかな」
「たねび?さいりんそざい?なんだそりゃ」
「ギルガメッシュの霊基を育てるためのものだよ。強くなるには種火を食べて、用意した素材で霊基再臨っていうのをしないといけないんだ」
「ほー、ソイツはいいことを聞いた!このまま本調子がいつまでも出せなかったらどうしようかと不安になっていたところだ!マスター、早く行こうぜ!」
「わわっ!?ちょ、ちょっと引っ張らないでええぇぇ……」
あっという間に姿が見えなくなる2人。残されたマンドリカルドは、マスターの苦労に同情しつつその場から去ったのだった。
所は変わり工房にて。ギルガメッシュは大量の種火を食い漁っていた。
「んぐ、んぐ……はぁ…」
確かに力は湧き上がってくる。しかし、味の無い種火を食べ続けるのはかなり辛いものだ。
「なあマスター。まだ食わねえとダメか?」
「うーんと……あと3つ食べたら再臨して、また沢山食べてもらうね」
「うげー……」
うんざりとしているギルガメッシュ。しかし文句は言わず黙々と食べ続けた。そして、全ての再臨が終わる頃には…。
「━━━━━━」
「ぎ、ギルガメッシュ?」
「━━━━━━」
「ギルガメッシュ!起きて!?」
色も抜けて灰となったギルガメッシュが残るばかりだった。何十個も味のしない大きな種火を食いまくる。さすがのギルガメッシュと言えど、その生き地獄には堪えた。
「うっ……もう種火は食いたくねえな…」
「あはは、一部のサーヴァントからも味をつけるべきって声は出てるけどね。やり方が確立されてないんだ」
本来、種火はとある神の恩恵でもある。その火に手を加えるのは中々に厳しかった。そのことを伝えると、ギルガメッシュはもはや諦めたように項垂れた。
「……まあいいや!力も十全に出せるようになったしな!」
「うん。なら良かった。それじゃあギルガメッシュには悪いんだけど……」
「お?なんだなんだマスター。遠慮することはないぜ?やって欲しいことがあるなら言ってみな!」
「……そうだね。まず、種火と再臨で何かしらの異常が無いか調べないといけないんだ。まずは身体面、つまりナイチンゲールたちに見てもらわないと」
「うっ!急用を思い出したぜ。必ず、戻ってくるからな!」
ギルガメッシュがその場から逃げ出そうとしたその時、ギルガメッシュの肩に手が置かれた。ギギギと音を鳴らしながら振り返ると、そこには先程まで自身を追いかけていたあの無表情の女が立っていた。
「ではマスター。この方は私が」
「うん。お願い」
「ありゃ…マスター…置いてけぼりはなしだぜー!」
「仕方ないことなんだよギルガメッシュ。行ってらっしゃい」
「ぐぅ!貴様も道ずれだ!ナイチンゲール!マスターは転んで腕を擦りむいてるぞ!」
「え、ちょ、ギルガメッシュ!?」
「マスター」
「え、あの…」
「マスターの傷も消毒、殺菌し処置します。共に行きましょう」
「うう…はい…」
「はーっはっはっ!」
立香とギルガメッシュは引きずられていき、医務室へと連行されるのだった。
文字数は5000程度で行きましょうかな。1話の文字数を続けるのは流石にキツいです、はい。
出して欲しいキャラがいればこちらにお願いします。
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ヒロインいる?
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いらねぇよなぁ!
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何言ってんのいるよ