魔法少女リリカルなのは~異世界からの転生者~ 作:gankon
「お・・・だ・い」
何か音が聞こえる。意識がハッキリせず、聞こえる音も何か壁一枚通した先からの様で上手く聞き取れない。
「もし・・し」
今度は少し近くで聞こえる気がする。その声の主を確認しようとまどろむ意識に活を入れ目を開ける。
「きゃあぁーー!」
「うひゃ!!もぉ~、大きな声出さないでくださいよ驚いたじゃないですか~」
目を開けると視界いっぱいに青い目をした少女の顔が現れた。それに驚き叫び声を上げてしまい目の前の少女は耳を押さえ文句を言ってくるが心拍が上がり過ぎてそれどころじゃない。しばらくして落ち着くと改めて少女を観察してみると信じられないものが目に入った。
黄金のような金色の髪とサファイヤのような青い瞳を持つ。ここまではいい。色がハッキリしすぎてる気がするがありえなくはない。だがその背中からは一対の翼が生えていた。どう見ても作り物には見えない。翼を持つ目の前の少女はいったい何者なのだろうか。そう考えていたがその答えは目の前の少女からもたらされた。
「考え込んでいるところ申し訳ないんですが、私は天使ですよ~」
(・・・・ずいぶんと軽い天使もいたものね。本当かしら?)
「本当ですってばぁ~」
「!?・・・心を読んだってわけ?」
考えていることに返事を返され、目の前の少女が普通ではないと認識した。
「そうですけど分かりやすいでしょ?心を読むとかしたら」
「分かったわ。少なくとも私の考えてることが筒抜けということが」
「そんなに警戒しないでくださいよ~。別に取って食おうだなんて考えてませんから~」
「眠っている人にキスできるほどの距離まで近づく相手なんて信用できないと思うのだけど?」
先ほど驚かされたことを根に持っているのかジト目で自称天使を睨む。
「そんな熱いお眼差しで見ないでくださいよ~。照れるじゃないですか。ダメです!私達は女性同士なんですよ!お気持ちは嬉しんでs「違うわよ!」え~」
「え~、じゃない!・・・・まったく、天使だというならもう少し真面目にやって欲しいわね」
「ぶーぶー差別だ~。私達天使は遊ぶことすら許されないのですか!!」
芝居がかった仕草で崩れ落ち慟哭する天使に女性は眉をヒクつかせ、怒りのオーラを纏う。
「やっぱり貴女は遊んでいたのね。どうしてくれようかしら」
「ひぇ~!そ、そんなに怒らないでくださいよ~。ちょっとしたジョーク、エンジェルジョークじゃないですか」
女性の怒りに怯んだのか、すぐさま立ち上がり宥めようとする天使。
「・・・・まあいいわ。それで私にいったい何の用?それにここは?」
「よく聞いてくれました!実はですね、100年に一度神界に住む者の娯楽として特典つけて転生させよう!企画に貴女は選ばれたのです!おめでたいですね~」
「何それ?無駄に長くて説明をそのまま持ってきたような名前の計画は」
「なっ!分かりやすくていいじゃないですか~」
「そのまんますぎるわよ!」
「そんなにカッカすると血圧あがりますよ?それとここは神界です」
「誰のせいよ!・・・・はぁ。とりあえず自称天使がいるのだからやっぱり神界ってわけね」
「自称じゃないですちゃんとした天使です~。あっ、天ちゃんもしくは天タソとよn「呼ばないわ。絶対」・・・・・そうですか」
「それで?転生ってどういうこと?」
女性はブーたれる天使を無視して話の続きを促す。
「んっん。ご説明しましょう。聡明な貴女ならすでにお分かりかと思いますが貴女はすでに死んでいます。そして転生対象として無作為に選ばれた魂のうち一人が貴女です。ちなみに一名様を先に転生させてますからひとりじゃないですよ?」
予想していた事ではあるが流石に自分が死んでいると聞かされると呆然としてしまうが気になることを自称天使が言っていた。
「・・・・貴女の言い方からは複数の人物を転生させるみたいに聞こえるのだけれどいったい何人対象になっているのかしら?」
「選ばれた魂は3人です。それ以上は増やす予定はありません。死者の魂を全員転生させるのもめんどく・・んん!制約があるのでできませんし」
「貴女、今めんどくさいって言おうとしなかった?」
「ぴゅ~、ぴゅ~」
頭の後ろで腕を組み顔を背け何故か言葉で口笛の真似をする自称天使。女性はジト目で睨むが、無駄だと判断しコレはこういう物だと認識することにした。
「まあいいわ。転生する世界ってどんな所?」
「おっと、こりゃ失敬。転生先はですね【魔法少女リリカルなのは】の世界とn「何ですって!!!」わっひゃう!」
自称天使が転生先を明かした瞬間、女性とは思えない握力で彼女の肩を掴みこむ。自称天使ですら視認できないほどの速度で近づかれたため驚き声を上げるが、肩を掴む力があまりの
強すぎて骨が軋む。
「いだいいだい!痛いですってばぁ!」
「あ、あら御免なさい。つい力が入ってしまったわ」
「つい、で天使にダメージを与えるなんて貴女何者ですか!?・・・・まったく。肩が砕けるかと思いましたよ~」
「悪かったって言ってるじゃない」
女性はうらめしげに涙目で睨む天使の視線にバツが悪そうに視線を逸らす。
「そ、それでどの時期になるのかしら?無印?A's?StrikerS?それともViVid?Force?あっ、もしかして劇場版の方?」
次々にまくし立てる女性に押されながら何とかダメージが回復した自称天使。かなりの食いつきの良さに驚く。
「か、かなり詳しいですね~。前回の方は無印しか知らなかったのですが・・・・」
「べ、別にいいじゃない!大人になってアニメにハマっていても。自分で稼いだバイト代から払っていたんだから」
「いえ、悪いなんて言ってませんよ~。・・・・・ああ!大きいお友達の方ですか」
「誰が大きいお友達よ!私はただなのはちゃんやフェイトちゃんそれとはやてちゃんが頑張っている姿を見るのが好きなだけよ!だからアニメのDVD、BDを全部揃えたりとか漫画も全巻持っていたりとか映画放映初日に朝から並んで待ったりグッズを集めたりするのは普通のことよ!」
「誰に言い訳してるんですか?まあいいですけど。とりあえず転生してくださるという事でいいんですか?」
「もちろんよ!」
「分かりました。それでは説明しますね?まず転生先の世界はアニメ版と劇場版の混ざった世界で基本アニメの世界で無印からです。転生された皆さんにはランクAAA相当の魔力と管理局で使用される一般的なストレージデバイス与えます。そして海鳴市に主人公たちと同年代になりますが特典として三つまでは希望を叶えます。まあ限度は有りますがね~。ここまではよろしいですか?」
「なるほど。よく分かったわ」
「なら特典について希望はありますか?生まれや性別、容姿は特典の一つになりますよ」
「それじゃあ一つ目、の前に他の転生者について知ることはできるのかしら?」
「ふむふむ。その件についてはノーコメントとさせてもらいます。特典の一つとしてならお教えしますが?」
「そう・・・ならとりあえずは保留で」
「分かりました。それでは一つ目の特典をどうぞ?」
「まずは高町なのはの双子の姉として生まれること」
「ほほう、そうきますか。構いませんよ。容姿については高町なのはに瓜二つとしときますよ?」
「ありがとう。それでいいわ。二つ目だけど私用のインテリジェントデバイスを貰える?」
「はい。人格、形状はどうします?」
「レイハさんと姉妹機みたいなのがいいのだけど、できる?」
「お任せあれ~。高町なのはの持つインテリジェントデバイス、レイジングハートの姉妹機ですね。原作開始時、ユーノ・スクライアに待たせておきます。その時受け取るようにしてくださいね~」
「原作開始前に練習したかったのだけれど仕方がないわね」
「まあ高町なのはの双子として生まれる条件だと思って納得してください」
「分かったわ。それで三つ目なんだけどアリシアを救う手立てってできるのかしら?」
「う~ん。残念ながら死者蘇生を可能には出来ませんねぇ~。私は神ではなく天使ですから」
「やっぱりそうなのね。仕方ないわ。それならアインスを救うこともできないの?」
「はい~、申し訳ないです」
「そうよね。なら転生者の情報を貰えるかしら?」
「了解しました~。一人目は元女子中学生で特典は【インテリジェントデバイス】、【魔法を練習できる環境】、そして【優しいお兄ちゃん】です」
「・・・・・・・・・・はっ?前二つは分かるけどその三つ目ってどういうこと?」
あまりにも予想外な物が聞こえて思考がフリーズしてしまったが何とか再起動に成功し、聞き間違いじゃないかと再度確認する。
「どういうことも何もそのまんま【優しいお兄ちゃん】だそうです。いや~、一人っ子だったから兄妹というものに憧れていたみたいでやってみたい事を暴露していましたよ」
「そ、そう。可愛いじゃない。平和的で」
「ええ。それと三人目の転生者ですがまだ会ってないので特典等は彼が転生したならお教えしますよ」
「分かったわ。それにしても彼ってことは男性なのよね?」
「はい。死亡時の年齢19歳、無しょk、んん。自宅警備のヤングでナウい若者です。死因は某アニメショップへ買い物に行き帰宅途中、通り魔に遭遇し焦って逃げようとした瞬間、足元に転がっていた空き缶を踏み、滑って後頭部を強打。通り魔(未遂)のTさんが慌てて救急車を呼ぶも後頭部を強打したことにより脳内出血で病院に運ばれるも死亡となります」
「・・・・なんというか会いたくない人物ね。言うのもなんだけど間抜けな死に方だし。どんな基準で転生者を選んだの?」
「棒倒しです」
「・・・・・・は?」
「だから棒倒しですって。知らないんですか~」
「知ってるわよ!なんでそんなもので決めるのよ!」
「だって死者の中から探すの面倒なんですよ~。死者って言っても沢山いますし。公平に決めるにはあえてこういう適当なものがいいんですよ」
「面倒、適当って・・・・はあ。選ばれた私が文句を言っても仕方ないわね」
「気にしちゃだめですよ。それにただの棒じゃないんです!なんでも昔、お猿さんが使っていたどこまでも伸びるすんごい棒なんですよ!」
「それって如意棒なんじゃ・・・・・・・はあ。もういいわ。疲れた」
「そうなんですか?まあいいんですけど。では他に質問がなければ貴女を転生させますがよろしいですか?」
「ええ。お願い」
「わっかりました!それでは第二の人生を楽しんでください!かもーん!」
天使がパチンと指を鳴らすとどこかで見たことあるような巨大な黒い門が現れた。具体的には等価交換がどうとかいうアレ。
「まさか!っきゃぁぁぁーー!!」
ガコンと大きな音を立て門が開くと巨大な目玉が現れ門の中から黒い手が沢山こちらに向かってきて、私はなすすべなく門の中に引きずり込まれた。
「ぷっ、くふふふふふ!!可愛らしい悲鳴をあげますね~。第一印象はクールな感じでしたが中身は少々残念な方でした。彼女もなかなか面白かったです。さて次でラスト。女神様は何をしに行ったのか分かりませんが未だに帰ってきていないですし。早急に三人目の方にお話せねばなりませんね」
そう言った天使は門を消し、次なる転生者の魂を呼び出した。