魔法少女リリカルなのは~異世界からの転生者~ 作:gankon
3歳の誕生日に私は全て思い出した。
【魔法少女リリカルなのは】の世界に特典を貰って転生したが、どうも自分には兄妹がいないようでどうゆう事なのか、確認したかったが天使に連絡する方法がないため、とりあえず保留にした。別の特典のインテリジェントデバイスはお母さんから誕生日プレゼントとして貰った。形状は黄色のオーブに朱色の羽が付いたペンダント型だった。初回起動時には
「おはようマスター。私はヴェルミリオンって言うんだ!よろしくね!」
「うん!よろしくね。私は早山マユミだよ。ヴェルミリオンかぁ・・・それならヴェルミだね!」
「ヴェルミ?」
「そう!愛称だよ?。可愛くない?」
「可愛い!ありがとうマスター!」
という会話があり、ヴェルミリオンというのは格好良いが可愛くないのでヴェルミと呼ぶことにした。
どうやらお母さんは結婚していないようで父親らしき人物を今まで一度も見たことがない。
それと仕事が忙しいらしくなかなか家にいないが、どうしても帰ってこれない時は家政婦さんを雇っている。ちなみに家政婦さんは気のいいオバチャンだった。
私の住んでいるところは住宅地にある普通のマンションの二階なので特に言うことがない。
家政婦さんも保育園の迎えに来てくれるのだが夜の9時には帰るので、お母さんが忙しい時は一人になる。身体が幼いからか一人でいると寂しくなるが、ヴェルミがいるため色んな事を話したりしていたので気は紛れた。
ヴェルミと二人きりになった時は特典の一つである特殊な結界魔法を使い、魔法の訓練を行っていたのでヴェルミと相談したりして魔導師としての方向性を見つける事ができた。ヴェルミは“マスターの特技は数の暴力で蹂躙だね!”と言っているように私は砲撃魔法は苦手だが複数のシューターを同時に使う才能があるようで着々と同時使用数を増やしていった。
ちなみにバリアジャケットは朱色を基調とした恐らくどこかの制服だろうミニスカートに半袖とブーツやアームガードが付いていて、デバイスは黄色のオーブに朱色の羽根が7枚付いた大きめの杖だった。
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あれから数年経ち、来年は私立聖祥大附属小学校に入学する予定だ。住んでいる場所が離れているからか、なのはちゃんと会うことはなかった。最近のお母さんは仕事が更に忙しくなり、家にいる時間が少なくなっているが私の前では疲れを見せない。
そういえば久しぶりの休日にどこか不安そうな顔でお母さんが“お父さんとお兄ちゃん欲しくない?”と聞いてきた。これが特典のことかな?と思い考えていたら嫌だと思っていると勘違いしたのかお母さんが慌てて相手の男性がどういう人なのか伝えようと話し出す。あの人は誠実だとか、子供好きだとか、子供っぽくてカワイイだとか、優しくて真面目だけど抜けているとか、仕事をしているときの顔が格好良いだとか、誰が聞いても惚気話としか言いようがないものを延々と聞かされ続けた。正直なところ、お母さんが選んだ人なら誰でもいいんだけど、自分の兄になるだろう男の子の事の方が気になる。
それを聞くとお母さんはここが攻め時と思ったのか相手の息子について話しだした。お母さんは会ったことはないが写真で見た印象は女の子のような見た目で綺麗な黒髪の少年。相手の人から聞いた話では、礼儀正しく家族思いで落ち着いて、保育園では年下の子を面倒見ていたらしく年齢の割には大人びた子らしい。
実際に会ってみないとどうか分からないけど話を聞いた限りではかなり好印象で、今は小学1年生だから精神的に私より幼いかもしれないけど大きくなったときはいいお兄ちゃんになっていそう。だから私はつい、お兄ちゃんが欲しいと言っていた。
お母さんはお父さんではなくお兄ちゃんが欲しいと言った私に微笑みながら“分かったわ”と言った。
今度、結婚相手の男性と食事をするようでその時に相手の息子と私の顔合わせを予定しているらしい。お互いに同じ職場だがなかなか時間が取れなくて、その日以降はいつになるか分からなかったらしい。私はその日を楽しみにしながら久しぶりにお母さんとの休日を満喫した。
数日後、お母さんの結婚相手との食事の日。場所は個人経営位の雰囲気のいいレストランで、相手はすでに来ていた。相手の男性はスーツをビシッと決めたタレ目の優しそうな人だった。そしてその隣にはクールな女の子に見える黒髪の男の子が居た。見た目は父親に似ていないが優しそうな雰囲気はソックリ。彼は私の視線に気がついたのかこちらを向いてニコリと微笑んだ。その笑顔を見たとき私はドキッとした。たぶん顔は真っ赤になっていると思う。私の状態に気がついたお母さんは嬉しそうに笑っていたが、すぐさま相手の男性に声をかけた。
「御免なさい。待たせたかしら?」
「いや。私たちもついさっき来たところだよ。とりあえず座ったらどうだい?」
「ええ。マユミも座りなさい」
「う、うん」
「それじゃあ、改めて自己紹介といこうか。私は御崎秋久という。マユミちゃんのお母さんとは結婚を前提にお付き合いをしているんだ。それでこっちの男の子が私の息子の冬花だ」
「初めまして。僕は君の一つ上で小学一年生だよ。よろしくね」
「よ、よろしくおねがいします!」
「そんなに固くならなくていいよ?1歳しか違わないし、もっと気楽にね」
「ふふふ、マユミはお兄ちゃんが欲しかったみたいなの。だから緊張してるみたい。許してあげてね冬花君」
「はい。構いませんよ」
「ありがとう冬花君。ほら、マユミも自己紹介しなさい」
「私は早山マユミです。よろしくおねがいします!・・・・お、お兄ちゃん」
「うん、よろしくマユミちゃん」
精神年齢は私よりも年下のはずだけど、年上の男の子と話しているようで緊張してしまう。
「私は早山和泉よ。まあ、もうすぐ御崎和泉になるけど、良かったらお母さんって呼んでね?」
「分かりました。その・・・・お母さん」
しかし大人びた冬花君もお義母さんと呼ぶのが恥ずかしいのか少し躊躇していたが、少し顔を赤くしていた。それを見た私とお母さんの考えていたことは同じだったようで。
「可愛い!」
(可愛い!)
「秋久さん。やっぱり冬花君って女の子じゃないの?」
「うん。私も何度かそう思ったよ。だけど男の子なんだよなぁ。まだ子供とはいえ、かなり女顔だからね。よく間違えられるよ」
やっぱり父親でもそう思うんだ、と驚いたが無理もない。たぶんスカート履いていたら間違いなく女の子だと思う。
「やっぱり、皆そう思うんだね。リニスからもそう言われたし」
「ん?リニスって誰のこと?」
「ほら前に話していた家に住み込みで正式に雇うことになった家政婦さんの事だよ」
「ああ!そういえば信用できる優秀な家政婦を見つけたって話してたわね。外国の方なの?」
「そうだよ。なんでも冬花達と同じぐらいの子供の世話をやったこともあるみたいで長期の仕事を探していたようだ。私が面接をしたから性格に問題はないし日本語も喋れる。年齢は18歳と二人に年が近いから話易いだろうし家庭教師もしたことあるようだから丁度いいと思ってね。いい娘だからきっと和泉とも仲良くできると思うよ」
「へぇー、スゴイわねその娘。私達も人任せにはしたくはないけど信頼できる人がいるなら仕事で会社に泊まることになっても安心ね」
「そうだな。まあ、あまり任せっぱなしだとリニス君に怒られてしまうだろうな」
笑いながらそう言う秋久さんにお兄ちゃんは苦笑していた。たぶん怒られたことがあるのだろうと思う。それから他愛もない話をして秋久さ、お父さんは1代で大企業の仲間入りさせるほど会社経営の才能があるようで、近いうちにマンションを引き払いお父さんの家に引っ越すということ。またお母さんの仕事はその秘書だということなどを知った。途中お兄ちゃんがヴェルミに興味を持ったみたいだけど相棒みたいなものだと言ったら自分も大切なものがあるよと言って指輪型のペンダントを見せてくれた。最初、お兄ちゃんは3人の転生者のひとりでヴェルミがデバイスだとバレたのかと思ってヒヤヒヤしたけど特に何も無かった。食事やお話で2時間ぐらい経っていて外は暗くなったのでお開きとなった。
家に帰りヴェルミに聞いてみたけどお兄ちゃんとペンダントからは魔力を感知できなかったみたいで魔法関係者じゃないと言っていた。次に会うときは引越しの時なるので一ヶ月後になる。お兄ちゃんは小学生とは思えないほど大人びていて、でもノリは悪くないので話しやすく、自分で言うのも変だけど驚く程すんなり懐いてしまい殆ど素で喋っていた。これからはお兄ちゃんのいる生活が待っていると思うと顔がニヤけてしまう。それにお兄ちゃんだけでなくお姉ちゃんみたいな家政婦さんも一緒なので引越しの日がとても楽しみだな。
後2話で無印に入る予定です。