魔法少女リリカルなのは~異世界からの転生者~   作:gankon

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遅くなりましたが久しぶりに投稿です。


原作開始前3 高町家と小学校

元大学生である私は高町なのはの姉、高町このはとして生まれた。

 

 姉と言っても双子でほんの少し早く生まれたからで、年齢に差があるわけではない。あの天使はどこか胡散臭かったのでまともに特典をくれるか疑わしかったがどうやら希望通りに転生させてくれたようだ。

私は元大学生であった頃の記憶がまだ残っていたので、精神年齢的に年下の恭也兄さんや美由希姉さんに甘えるのはやはり恥ずかしく、二人にはそっけない態度をとってしまい、二人は少し寂しそうだった。

 

自我の覚醒直後は高町家の家族に対しどこか芸能人に対するような気持ちであったが時が経つにつれ、その感覚にも慣れて高町家の皆は自分の家族だと認識できるようになった。

 双子だからか、なのはは私の後ろについて来て私の真似をよくする。幼児なのはを見ているだけで興奮してしまい、鼻血が出てしまった。それを見たお母さんが慌てて鼻にティッシュを詰め込んできた。そんな事が何度かあり、私は鼻血が出やすい子という認識を持たれてしまった。無念。

 

 三人目の転生者の特典については夢の中に胡散臭い天使が現れ教えてくれた。内容は【王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)】、【ニコポナデポ】、【銀髪、赤と青のオッドアイのイケメン】とかなり最悪なようで胡散臭い天使をどうしてくれようかと思ったが、どうやら上司である女神様が【ニコポナデポ】の効果を反転させたようで、注意すべきは【王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)】のみらしい。だがそんな特典を望むような人物には正直関わりたくない。しかしなのはの近くにいればほぼ確実に関わることになるだろう。この転生者については色々考えていたほうがいいと思う。

 

 あるときお父さんが仕事で怪我をして入院した。意識不明の重体でお母さんはお店とお父さんのお見舞いで忙しく、恭也兄さんや美由希姉さんもお店の手伝いでも私たちを構っている暇が無くなり二人だけで留守番することが増える。そんな日々が続き、次第になのはは暗くなっていった。

 

 この経験が無理してでも頑張り続けることにつながるんでしょうね。これを引きずってあんな事故を起こし怪我をして欲しくないので今のうちから性格の矯正しておこう。

 

「なのは」

 

 夕方、近くの公園まで珍しく一人で出かけていたなのはを見つける。なのはは何をするでもなくただ一人で公園のベンチに座り俯いていた。

 

「このはお姉ちゃん・・・・」

 

呼びかけられ、こちらを向いたなのはは声をかけた相手が私だと分かると少しがっかりしているように見えたがすぐに頭を振っていつもの表情に戻った。

 

「こんなところでどうしたの?家に帰るわよ」

 

「・・・・うん」

 

何か言いたそうだけど、結局何も言わないなのはに私は質問する。

 

「やっぱり、みんなが居ないから寂しい?」

 

「・・・うん。でも、いい子にしてなくちゃ。お父さんも怪我で病院だしお母さんはお店で忙しいしお兄ちゃんと美由希お姉ちゃんはお手伝いで忙しいから仕方ないもん。ワガママ言ったら悪い子になっちゃう」

 

 思ったとおりの思い込みをしている。これはマズイわね。このままじゃ辛いことを自分の内に溜め込んでしまうようになる。

 この経験がフェイトちゃんを構おうとする事につながるのかもしれないけれど知って放置するなんてできない。

 

「そんな風に内に溜め込んだって辛いだけよ?言いたいことがあるならちゃんと伝えないと何にも変わらないわよ」

 

「ちゃんと伝えるって・・・・でもお母さん達、忙しいし迷惑じゃないかな」

 

「子供は親に迷惑かけて当たり前よ。そんな遠慮されたらお母さん達は悲しいって思うはずだわ」

 

「そう・・・なのかな」

 

「そうよ。だから帰ったら言いたいこと言ってあげなさい」

 

「・・・うん!お母さん達に言ってみるね。ありがとう、このはお姉ちゃん」

 

「どういたしまして。姉妹なんだから私には色々相談しなさいよ?」

 

「はーい」

 

 それから家に帰ると丁度家には入院中のお父さんを除いた全員が帰ってきていた。早速話し合いをしようと思う。

 

「お母さん、恭也兄さん、美由希姉さん」

 

「何?このは」

 

「みんなに話があるの。なのは」

 

「う、うん」

 

私達の表情がいつもと違うことに気づいたお母さん達はちゃんと聞く態勢で待ってくれる。

 

「どうしたの?」

 

「あ、あのね、お母さんたちが大変なのは分かるの。けどみんなおウチにいなくて、このはお姉ちゃんはいるけどお母さんたちとお話できないから寂しいの」

 

 なのはの話を聞いたお母さんたちは驚き、すぐさま後悔しているような表情をする。お母さんはなのはを抱きしめ涙を流していた。

 

「ごめんね、なのは。寂しい思いをさせて。これからはちゃんと一緒にいられる時間をつくるから」

 

「うん」

 

「すまない。店のことや自分たちの事でいっぱいになっていた」

 

「そうだね、お店も大事だけど可愛い妹達を放ったらかしにしてちゃいけないよね。それにしてもこのははよく言ってくれたね」

 

「まあ双子だし、殆ど一緒にいるからね。一応お姉ちゃんだから」

 

「このはお姉ちゃん、ありがとう!」

 

「どういたしまして」

 

 転生して原作知識があるからだけど双子だからというのも嘘ではない。なんとなくなのはが考えていることが分かる。今では自分の大切な妹が寂しい思いをしているのを見てはいられないから何かあれば私は行動する。年齢的におかしな行動だとしてもなのはが笑っていられるならそれでいい。

 

 それからお母さん達はなるべく誰かが家に帰ってこられるようにしていた。そのおかげかなのはも寂しそうな表情を浮かべることが減り、笑顔が増えていった。

 

 しばらくしてお父さんも意識が戻り、順調に怪我も治り退院した。お父さんが入院している間にあった事を聞いて私達に謝ってきたがこれからはこんな怪我をしないよう気をつけてねと注意すると神妙に頷き、考え事をしていた。恐らく裏の仕事を引退するのだろう。確か怪我が治ったあたりで裏から引退するとかそんな話をどこかで聞いたか見た気がする。

 

 お父さんが復帰したおかげでお店の方も順調に売上を伸ばしていったのでアルバイトを雇い時間的余裕もでき、家族で旅行に行くということもできるようになった。

 

 最近は私がなのはを外に連れ出して遊ぶため運動が苦手だったが少しずつ改善されている。私自身もこれから先に起こる事を考えると体力はあったほうがいいので自分も鍛えられて一石二鳥だ。

 

 余談だが最近、公園に誰かを探しているのかぶつぶつと独り言を呟く銀髪オッドアイの少年が目撃されるらしい。十中八九転生者だろうから公園に近づくのは止めておこう。面倒なことにしかならない。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 転生してから数年経ち、入学式を終え現在は私立聖祥大附属小学校の1年生。なのはと同じクラスで席も隣同士だったわ。

 

 同じクラスにアリサ・バニングスと月村すずかもいたのでこの機会に仲良くなっておこうと思う。自己紹介時にクラスメイトを観察していると一人、私と同じくらいの魔力を持っている子がいた。赤いペンダントを首から下げていたし私と同じくらいの魔力を持つという事は多分、もう一人の転生者でしょうね。相手もなのはと私を交互に見て驚いていたし。私はなのはと違って髪をストレートに伸ばしている以外はソックリでお店の常連客でも入れ替わっていては気づかないぐらいなのでさぞ混乱しているのがよくわかる。幸い彼女はお兄ちゃん希望の転生者だろうから特に敵対するようなことにはならないだろうし、こちらの力になってくれそうだわ。彼女、御崎マユミさんとは早めに話しておいたほうがいいでしょうね。

 

 昼休みになり、3人にどう声をかけようかと考えていたら教室に銀髪オッドアイの少年が現れた。その容姿に一部の女子は黄色い声を上げたが私となのは、アリサ、すずか、御崎さんは訝しげな視線を送る。銀髪の少年は扉の近くにいたアリサにウザったいくらいの笑顔をしながら近づき声をかける。

 

「探したぜ!3人共このクラスにいたのか」

 

「あんた誰よ」

 

 アリサは銀髪の少年の馴々しい態度やその笑顔にイラついているようで睨みつけている。その態度に疑問を思ったのかぶつぶつと独り言を呟く。

 

「・・・・どういうことだ?【ニコポナデポ】で俺に惚れるはずだろ!」

 

「はぁ?何言ってんのあんた」

 

「い、いや、何でもないぜ。アリサ、すずか、なのは!俺と一緒に昼飯食おうぜ!」

 

「いきなり馴々しいわね。大体、名乗ってもいないのになんで名前を知ってんのよ!」

 

 いきなり名前を呼び捨てにされたアリサはさらに機嫌が悪くなり、すずかは不審者を見るような目を銀髪の少年に向け、なのはは怖がり私の背中に隠れる。なにげに私を盾にしたわね、なのは。そのせいで銀髪に目を付けられてしまった。

 

「ん!?なのはが二人だと!お前、誰だ?」

 

「はぁ、さっきからの態度で分かってはいたけど、本当に自分勝手ね。人の名前を聞く前にまずは自分から名乗りなさいって言われなかった?」

 

「悪い悪い!俺は天野英司だ」

 

「・・・・私は高町このはよ」

 

「高町ってことはなのはの家族か?」

 

(原作にはいなかったがあれかバタフライ効果とかいうやつか。まあいいやこいつも俺のモノにして今のうちからイロイロ教え込んでやるか)

 

「ええ、双子の姉よ。それとうちの妹を勝手に呼び捨てにしないでくれない?」

 

「いいじゃねぇか!仲良くしようぜこのは、なのは」

 

 再度、ウザったい笑顔をしながら天野はこっちに近づいてきた。こいつの視線は私となのはの体中を舐めまわすかのようで気持ち悪い。そういえばこいつの中身はロリコンっぽかったはず。なのは達を守らなきゃと思っていたけど自分自身も標的にされるとは考えつかなかった。

 

「ひぅ」

 

 なのはもその視線を感じ取ったようで小さく悲鳴を上げ天野の視線から隠れるように顔も私の背中に押し付けてきた。頼ってくれるのは嬉しいけど天野の視線が私に集中するのからなんとも言えない。

 

 アリサやすずか、それに御崎さんもこちらに同情の視線を送ってきた。どうあしらおうかと考えていると教室に新たな人物が現れた。その人物は黒髪の女の子みたいな顔した男の子で手には大きな弁当箱を持ち、誰かを探しているようで近くにいたクラスメイトの声をかけていた。

 

「こんにちは、このクラスに御崎マユミって子がいると思ううだけど呼んできてもらえないかな?」

 

「は、はい。御崎さーん」

 

 どうやら御崎さんの知り合いのようだけど彼も転生者なのか。胡散臭い天使の話では転生者は3人で男一人、女二人いて一人は私、もう一人は多分御崎さん、そして目の前の天野のはず。彼は何者なんだろう。その答えはすぐに分かった。

 

「はーい、何?ってお兄ちゃん!?」

 

 本人から直接聞いたわけじゃないが御崎さんはお兄ちゃん希望の転生者だろう。初めは驚いていていたけど御崎お兄さん?を見てすっごい嬉しそうな笑顔で手を振っていた。尻尾があれば千切れんばかりの速度で振っていたはずだ。

 

 御崎さんのその行動に気がついた天野が教室の入口にいた御崎お兄さん?に口を開く。

 

「おい!お前誰だよ!ガキが出しゃばんじゃねえよ。ひっこn「「冬花さん!」」え?」

 

 御崎お兄さん?に突っかかった天野の言葉を遮りアリサとすずかが御崎お兄さん?へ同時に声をかけた。二人はお互いを見つめ合い驚いていたが、御崎お兄さん?は少し驚いた表情を見せたあとすぐさま笑顔になり手を振り声をかける。

 

「久しぶりだね、アリサちゃん、すずかちゃん」

 

「久しぶり、冬花さん」

 

「お久しぶりです、冬花さん」

 

「元気そうでなによりだよ」

 

 どうやら御崎お兄さん?とアリサ、すずかは知り合いのようだ。しかし御崎さんのほうを見てみると目を点にしてポカーンとしていた。多分知らなかったんだろう。一体どんな関係があるんだろうか。

 

「冬花さんはどうしてこのクラスに?」

 

「妹を迎えに来たんだ。お弁当は僕が持っているからね」

 

 そう言って御崎お兄さんは手に持っていた大きな重箱を掲げてみせた。確かに一人で食べる量では無い。

 

「へぇー、そうなんだ。あっ、よかったら私も一緒にいい?」

 

「そ、それなら私もご一緒してもいいですか?」

 

「うん、僕はいいけど妹にも聞いてみるね。マユミちゃん?」

 

 御崎お兄さんの言葉が耳に入ったのか御崎さんはポカーンとしていた顔を改め3人に近づく。

 

「はい!何?お兄ちゃん」

 

「彼女達もお昼を一緒にどうかなって」

 

「あ、はい。おっけーです」

 

「マユミちゃんもいいって」

 

「ありがとう。御崎・・・は冬花さんもだからマユミって呼ぶわね!私はアリサでいいわよマユミ!」

 

「私はすずかでいいよ?マユミちゃん」

 

「うん、よろしくね。アリサちゃん、すずかちゃん」

 

 3人は互いに名前で呼ぶようで先程より距離が近くなっている。天野は自分が無視されたことにイラついてるようで御崎お兄さんに食ってかかった。

 

「てめぇ、アリサとすずかが嫌がってるだろうが!さっさと離れろよ!」

 

 どう見ても嫌がってるようには見えないのに言いがかりをつける天野に御崎お兄さんは困惑していた。

 

「嫌がってるってどういうことかな?」

 

「お前が無理やり誘ったんだろ!!」

 

「何言ってんのよ!私から頼んだじゃない」

 

「そうだよ。冬花さんに一緒にいいですかって私達から聞いたんだから変なこと言わないで」

 

 当たり前だが二人から庇われる御崎お兄さんを見てさらに怒りが込み上げてきたようで拳を握り締め睨みつける天野。何かやらかしそうねと思っていたら魔法で体を強化して御崎お兄さんに殴りかかった。魔法で強化されたパンチを小学生が食らったら大怪我をしてしまい、最悪死ぬかも知れない。ただのパンチに非殺傷設定もないだろうからマズイ。すぐに制止しようと声を上げるが間に合わない。

 

「やめっ」

 

 天野の拳が御崎お兄さんに触れる瞬間、弁当を持ってない方の手でその手を掴み片手で背負投げのように誰もいない方へ投げ飛ばした。その光景を見ていたみんなはそろってポカーンとしてしまった。まさか子供とは言え人間が宙を舞う光景を生で見るとは思わなかったからだろう。投げ飛ばされた天野は特に怪我をしておらず、目を回しているだけだった。

 

「・・・・やりすぎたかな?」

 

「ふん!自業自得よ!冬花さんが気にしなくていいって」

 

「そうだよ。いきなり殴りかかったのが悪いよ。ねっ」

 

 すずかが“ねっ”と言ったとき黒い笑顔で周りを見回しクラスメイトを威圧している。御崎お兄さんは特に気にしてないようだけどアリサと御崎さんは顔を引きつらせていた。その黒い笑顔を見たクラスメイト達もブンブン縦に頭を振って肯定している。

 

「まぁ、怪我しないように投げたから問題ないかな」

 

「そうそう、早くお昼ご飯にしましょ!」

 

「どこで食べます?」

 

「屋上がいいじゃない?天気もいいし」

 

「あ、みんな。他の人も誘っていいかな?」

 

「僕はいいよ」

 

「いいわよ」

 

「私も」

 

「ありがと!それじゃあ、高町さーん!」

 

 御崎お兄さん達が教室を出ようとしてるところを見てると御崎さんが声をかけてきたので少し驚いてしまった。

 

「え、何?」

 

「高町さん達もよかったら一緒にお昼ご飯食べない?二人とも話してみたいんだ。ダメ?」

 

「あ、いいわよ。なのはもそれでいい?」

 

「うん!私もみんなとお話できたらうれしいな♪」

 

((O☆HA☆NA☆SI))

 

 なのはのお話発言に私と御崎さんは反応してしまった。そういう意図はないのだろうがお話がO☆HA☆NA☆SIと脳内変換された。姉妹で喧嘩なんかしたらO☆HA☆NA☆SIされるんだろうか。そんな不安がこみ上げてくる

 

 とりあえず考えてばかりも時間がもったいないのでお弁当をもって合流する。

 

「それじゃあ行こうか」

 




三人目の転生者(天野くん)については、書くか書かないか分からないです。
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