黄金律これくしょん   作:満員座・スノー

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#4 鎮守府の一員となる

 

 

ティシー「そ、んな……?」

 

ティシーと呼ばれた、その"黒き刃"は動揺するあまり、動きが固まってしまう。

 

褪人「おぉ!やっぱりティシーか?」

 

ティシー「…マスター?本当に…マスター、なのですか?」

 

褪人「おうそうだとも。我らが褪せ人さんだ!なんてな」ハッハッハ!!

 

「「ワンワンッ!!」」ザザッ

 

褪人「はぐ公!!!はぐ公じゃないか!おーよしよし!」

 

「「~♪」」モフモフ

 

"はぐれ狼"、通称はぐ公。

かつて自らの群れを抜け、褪せ人と共に戦ってきた三匹の狼だ。

 

褪人「まさかお前達も此処に来ていたとはな!」

 

ティシー「アァ…ワガハハヨ。ワタシハ…ヤッタンダアァァァ…!」ウワノソラ

 

褪人「おーい、ティシー?」

 

ティシー「カンシャ,イタシマス…」ウワノソラ

 

 

 

褪人「…おーい?」チラッ

 

褪せ人はフード越しに放心状態の彼女の顔を覗き見る。

 

ティシー「…はっ!?お、おやめくださいっ!///」バッ

 

褪人「やっと気づいた。相変わらず可愛らしい奴だな!」ハッハッ

 

ティシーは"黒き刃の刺客(くろきやいばのしかく)"と呼ばれる一団の団員である。それは狭間の地における重大な事件の関係者であり、狭間の一部の面々は恐怖する程のやり手である。

 

そんなことから彼女は一見堅物で、普段の口調や礼儀正しさは尚更だが、実は本来の性格は人懐っこい。勿論そんな面を見せるのは信頼を置いた仲間だけであり…特にこの褪せ人にはただならぬ思い入れがあるとか。

 

 

 

天龍「な、何がどうなってんだよ?これ…」

 

龍田「…さあ?」

 

 

 

ちなみにその頃青葉はというと…

 

「ガゥガゥ!」ザザッ

 

青葉「ちょっとぉ!青葉のことも助けてくださいよーー!!」ダダダッ

 

残りの一匹と追いかけっこしていた。

 

 

…………

 

 

 

褪人「ということで、うちの遺灰ファミリーがすまなかった」ペコリ

 

ティシー「…」ペコリ

 

はぐ公's「「「ワォンッ!!」」」

 

 

電「はわわ、騎士さんのお仲間さんなのですか…?す、すごいのです」

 

雷「ほんと…騎士さんが敵じゃなくてよかったわ」

 

 

響「ねえ、騎士、さん…?」

 

褪人「うむ。貴公は…あぁ!雷電の姉分の響か」

 

雷電「「まとめないで(なのです)!!」」

 

響「うん。えっと…はぐ公達と戯れて来てもいいかい?あんな立派な狼と遊んでみたかったんだ」キラキラ

 

はぐ公は立派な忠犬…いや忠狼なのだが、好戦的でその大きさと見た目から怖がられてばかりだった。

 

しかし、それに恐れもなさず遊びたがるとはな!物好きな少女もいたものだ。久々にあいつらも喜ぶことだろう。

 

褪人「勿論!よーしお前ら、この子とあっちで遊んでこい!」

 

はぐ公's「「「バゥッ!!」」」サーイエッサー

 

響「やった!!」ダダッ

 

雷「私も一緒にお世話してみたいわー!」ダダッ

 

電「あっ、待ってー!電も行くのですー!!」ウワーン

 

 

 

青葉「そうです!いいですよ!」カシャカシャ

 

ティシー「あ、あの、一体これは、な、なにをして…」

 

青葉「てかあなた普通に喋れたんですね…あ、そこもっとキリッとしましょう!あーナイスですね!」カシャカシャカシャ

 

ティシー「も…もう、いいです…か!?」

 

先程の急な襲撃のお詫びとしてネタにされる(撮影)ティシー。

ちなみにぎこちないポージングが青葉新聞に掲載され、大ウケした褪せ人に保存されまくったとか何だとか。

 

 

 

………

 

響達の戯れを遠くから見届ける褪せ人、天龍一行。

 

褪人「うむ。彼女達も幸せそうで何よりだ」

 

天龍「(さっきの話…褪せ人、狭間の地…か。ヤベェ、めちゃカッけぇじゃねぇかよ!)」キラキラ

 

天龍は褪せ人の話(主に狭間の地)を聞いてから大興奮である。

本人は表にそれを出していないつもりだが、顔がニヤつきすぎて皆にバレているのは内緒。

 

 

龍田「そういえば、さっきの石をくれたのも貴方だったらしいね?ありがとうございます」ニコッ

 

褪人「うむ。しかしあれでは大したものにはならぬだろう?何かよい手立てがないかを探しに行っていたんだが、執務室には何もないと大淀から教えてもらってな。今に至る次第だ」

 

暁「そうだったの…って大淀さん!?いたの!?」

 

 

大淀「は、はい…何でしょう?」ビクッ

 

暁「ずっと探してたのよ!まさか、執務室にいたの…?」

 

大淀「はい…。元はあの提督のいた場所、彼処なら誰も来ないと思って…隠れてました」

 

暁「どうしてそんなこと!暁達のこと嫌いになったの?」ウルウル

 

大淀「い、いえ!むしろ逆で…」アセアセ

 

天龍「俺達が…ってことかぁ?んなわけないだろ!なあ龍田?」

 

龍田「そうよ~。あの屑提督の命令を陰でなるべく誤魔化そうとしてくれてたのは他でもない貴女よ?それで難を逃れた子達もいるし、感謝してたわ~」

 

大淀「!!」

 

褪人「それならば、尚更恨む理由も無いじゃないか。よかったな?大淀よ」

 

大淀「………」

 

 

 

大淀「……はいっ!!」

 

あの提督の下へ長い間着いている大淀にとって、そういった計らいはあの極悪人の補佐を受けた身としての自分なりの罪滅ぼしだった。当然のことをしただけ。

それでも到底許されない光景を容認してきた…そんな自分を許せなかったし、周りも同じに決まっている。

 

…そう決めつけて殻に籠り続けた彼女にも、少しは光が戻っただろうか。

 

 

 

暁「大淀さんも分かってくれたみたいね!」フフン

 

褪人「妙に誇らしげだな」ボソッ

 

暁「それじゃあ暁も一緒にあそびた…あの子達に付き合ってあげないとだから!」

 

暁は元気っ子と言わんばかりの様子で響達の元へ走っていった。

 

褪人「さては暁、ずっと遊びたがっていたな?」ハッハッ

 

天龍「アイツ妙に大人ぶるからよ、そこが逆に子供らしいっつーか、可愛らしいっつーか…」

 

 

天龍「…しかしすまねぇ大淀。本当は俺達が色々するべきだったのによ」

 

大淀「いえ、とんでもないですっ!!そんなことしなくとも、あなた達がいつも此処で守ってくれたから…それで十分ですよ」

 

褪人「守る?」

 

天龍「ん?そういや言ってなかったか。俺達姉妹と第六メンバーは、この鎮守府の初めの初め~の頃から居てな」

 

天龍「いわゆる最古参って奴よぉ!」キリッ

 

滅茶苦茶カッコつけてる…!?

どうやら彼女らは此処の古株のようらしい。だから雷や電はいろいろと知っていたのか…。

 

大淀「私や青葉はその後大本営からの命で着任したんです。あの頃の鎮守府は綺麗な物だったんですけど…」ウツムキ

 

目の前の寮を見ると壁や窓はひび割れ、所々破壊されている。そういえば、鎮守府本館や周りもかなりひどいものだった。

 

かつての鎮守府はそうではなかったというのだろうか?

 

 

龍田「そうねぇ~。ちなみに提督も昔はああじゃなかったんだよ?」

 

褪人「…な、何?あの子達の痛ましい傷や噂を聞いていると、とてもそうは思えぬが…それはただ本性を隠していただけなのではないか?」

 

龍田「…でしょうねぇ。だ~か~ら~、あの屑が消えて本っ当…せいぜいしてるわぁ~」ウフフ

 

当然の報いだ、というように龍田はいつもの様子で笑った。

 

 

天龍「…ま、そんなわけでアイツも俺達とは暫くの付き合いがあったわけでさ。無闇に手出しはしてこなかったんだよ」

 

天龍「だからこの寮の前で見張りして、他の皆に降りかからないようできる限りの歯止めをかけてた。それが"天龍組"ってワケさ。どうだ?カッけぇだろ?」

 

 

私のいた狭間の地でも権力の濫用はよくあったものだ。だが、それは力故のものだった。

 

彼女らは決してそういうわけではない。その暴君の力を容易に上回っていたというのに、従い続けたのだ。

束になれば反乱は起こせたはず。しかしそうしなかったのは、あくまで"国を守護することが使命"だから。

 

彼女らなりに、戦ってきたのか…。

 

 

褪人「…あぁ、本当に仲間想いなのだな。その心懸け、そして愛国心、私は大いに感動したぞ!!」グッ

 

天龍「よ、よせやい!そこまで真面目に返されると困るだろうが」テレテレ

 

大淀「フフッ…なんだか、褪せ人さんが提督になったらここの皆も幸せになれそうな気がします」

 

褪人「!な、何だと…私が?」

 

天龍「おぉっ!いいじゃねぇかそれ!(教えてもらいたいこともっと沢山あるしな~)」キラキラ

 

大淀「それに今は提督不在のため、上からは空き鎮守府と同じ扱いを受けているんです。だから新たに提督が着任すれば、きっと支援を受けられるはずです」

 

褪人「何と。だがこの私が…貴公らを引っ張っていくというのは…」フムム…

 

大淀「何も一人で背負うことはありませんよ。我々も最大限サポートしますから!」

 

龍田「天龍ちゃんを可愛がってくれるなら私はいいわよ~?」ニコニコ

 

天龍「お、おいお前なぁ!」

 

 

第六's『さんせーい!!!』

 

青葉「ネタの宝物庫は歓迎ですよ」ニヤニヤ

 

褪人「貴公ら!いつの間にいたのか…。お前達はどうだ?使命からは外れてしまうが…」

 

我々の元の目的はかの王の玉座。

私は使命に縛られるのは好まないのでいいが、ティシーやはぐ公たちはそれを許すのだろうか…?

 

ティシー「私は…マスターに忠誠を誓った身。使命等はどうともありません。何があろうと、未来永劫御供致しますから」サッ

 

「ワン!(兄貴に!)」

「ワオォン!(着いていくぜ!)」

「ワン…ワフッ(この娘共…可愛いしな)」

 

どうやら…皆がみな、乗り気のようらしい。

そろそろあの地で亡者共に追い回されるのも退屈になってきたことだし…そこまで言うのなら。

 

 

 

褪人「…よし分かった。引き受けよう!」

 

天龍「しゃあ!!!」グッ

 

第六's『やったー!!!』ピョンピョン

 

龍田「ふふふ♪楽しくなりそうね~」

 

青葉「記念に一枚!!」カシャ

 

大淀「決定ですね。では手続きをして参ります。久々の任務、この大淀にお任せください!」

 

褪人「あぁ!」

 

 

斯くして、褪せ人は提督となった。

これは狭間から遠くかけ離れた地…、異形たちと艦娘による、謎と謎とを紡ぐ、何とも知らぬ物語である。

 

 

 

「大変…"大和"さんに報告しないと…!」ダッ

 

しかしそれは、まだまだ始まったばかりだ。

 




導入が長いんじゃ!といった感じで申し訳ないですが、やっと褪せ人が提督となりました。
ティシーは本家エルデンでは喋らないnpcなので個人のお好みぶっ込みまくりです。忠犬がいっぱいだ(^O^)

艦これ、エルデン双方ともキャラが多いのでバランスを保つのが難しいですが、情報の詰め込みすぎにならないよう気をつけます…。
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