ヴァンパイアに転生したんですけどスローライフしたいです。 作:麗紫 水晶
あ、どうも。女性2人と入浴してしまいました、貴族でも無い転生したヴァンパイア“雅 煌太(みやび こうた)ことリュードです。
ミレーナの紹介でエンルージュの樹海内の拠点でリッチのメリザさんをお迎えするために待ちわびている所なのですが……待っていると時間は長く感じる物で……。
何はともあれ増築をしたので、迎える準備は大丈夫だと思いつつ。でも建物は粗末な私の作りで“大九”??とはいきませんが、崩れることは無いかと。オシャレさは無いのでどんな印象を持たれる事か……。
合流して打ち合わせをした後は、早速動いてもらって街道整備をしてもらいましょうか。後はお風呂で疲れを………ってあれ?…そう言えばお風呂って入れるの?熱さとか大丈夫かな?骨だから濡れるのは平気だろうけど……疲れって癒やされるんだろうか?いや、そもそも疲れるのか?
何にしても先ずは別の場所に公衆浴場を作らないとですね……さて何処に作ろうか………あぁ、あと宿屋もかな。ギルドに酒場、武具屋に道具屋。食材関係の店まだまだあるな……岩山も少しずつ崩しておいて、建物の材料に加えるのもアリだな。
いやぁ、考え出したらきりがないね。
ただねぇ……優柔不断で悪いけど、ネックになっているのは私が領主って事なんだよねぇ……自信が全くありません。確かに街を創りたい願望は滅茶苦茶あります、でもねぇのんびりスローライフしたいんだよなぁ……ダメですか?
「どうかしたんですか?」
私が椅子に腰掛けて考え事をしていると、心配してアリシアが声を掛けてくれました。優しい子です、可愛いし……コホッ。
「いや、どうやって職人さん達を説得しようかなと……。」
「そうですね、どうやって街の人達に移住を説得するか……。」
「やはり、一旦全員集まって相談した方が良くないか?リュード殿。」
ルージェも思う所もあったのでしょう、話し掛けて来ました。
「うん、そうだね。ここは一度集合しようか。皆が居れば文殊の知恵ってねw」
「えっ?文殊?」
「ああ!いやいや、気にしなくて良いよ。悪い意味じゃないんだ、人数がいる方が良い考えに纏まりやすいって意味だね。」
「あっ!それには賛成です!流石はリュード様!」
アリシアが期待の眼差しで見つめて来ます……そんな大袈裟な……。
「ならば、早い方が良さそうだなリュード殿。」
「そうだね、連絡してここに集まろうか。あ、それなら部屋数を増やさなきゃだな。」
「あ、それなら部屋は1つ空きますよ。」
「え?どうして?アリシア。」
私は訳が分からず聞き返していました。
「私はリュード様と一緒のベッドに寝ますから~~。」
うわっ、笑顔で照れてますけど目が笑ってない!
「そ!それならば、私だってリュード殿と…その……。」
ああ!ルージェまでアリシアの挑発に乗ってる~!
「い、いや、それはその………。」
私まで、恥ずかしいじゃないですか!ドキドキしてきた……。
(いったいなんの話をされているのですか?旦那様?)
「ひいっ!」
突然頭の中に声がしたので驚いてしまい……。
(サリーナ、何か用事か?)
(ルージェ、貴女とアリシアが今聞き捨てならない事を喋っていた様なので、話しに参加させてもらおうと。)
サ、サリーナさん……怒ってます?
(いえ、大したことではありませんよ。サリーナさんが気にする程では。)
(いや、気にするでしょうアリシア。先ほど旦那様とベッドを共にと言っていたでしょう?ルージェ貴女もよ、どういう事かしら?)
(い、いや、私は……。)
ルージェがしどろもどろになって動揺してます。
(私は大恩人であり主であるリュード様の物です。夜のお供も当然の事です!)
なっなんですとぉっ!アリシアさん初めて聞きましたよそれっ!
(何を勝手な……それを言うなら、私やルージェも同じでしょう?旦那様は貴女だけのものではありませんわ!)
あの……念話でなんつう会話を……。
(クスクス…面白そうじゃの?我も混じっても良いか?)
ぎゃあ、ミレーナまで来たぁ!
(なんと言おうと譲る訳にはいきません!)
アリシアさん、貴女いつからそんなに強くなられたの?
(私だって退くつもりはありませんわ!)
何がどうしてこうなった?
(ならば、皆で共にしようぞ。よいか主殿?)
……これ多分…悶絶か寝不足になりそう……ってことは1つだけ大きな部屋とベッドを用意しなきゃって事かな?
(分かりましたわ、旦那様、大きめの部屋をお願いします。私はベッドを持ち込みますので。)
マジか~~いっ!リアルになってるぅっ!
(よ・ろ・し・い・ですか?)
(は、はいっ!分かりましたっ!)
誰も見てないのに直立しちゃった……こんな美女達に囲まれたら……い、いかん、既に鼻血が………。
(そ、そうだ、今繋がってるから話すけどこの拠点に全員集合したいんだ。今後の方針を相談したい。)
素に戻って、話を切り替えます。これからみんなでどう動くか……。
(同感じゃ、我はアラネロと共にそっちに行こう。)
(こちらも同意見です。バルジオとキングベッドを持参しますわ。)
ベッドは持ち込むんだ……汗
(ホッホ、お盛んですなぁ。)
バルジオみんなを止めて~~!!
集合する意味……ホントにわかってるかな……ガクッ。
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「ほう……あの女狐が?」
「はい、貴族ではなく低俗のヴァンパイアの下に就いたとか。」
ここはさるお城の中……。
月明かりと数ヵ所に取り付けられたランプの灯りだけの玉座の間で、肩肘を付いてくつろいだ体勢で居る男は黒髪のリーゼントに黒基調の上下のスーツ、高級そうなネックレスや腕輪をはめ、両手の指には指輪が数個……でもって美形!2枚目!が脚を組んで報告に来た部下に話し掛けてました。
その返事を返した男は、同じリーゼントではありますが茶髪でスーツではないものの、装飾の付いた正装で騎士の様な出で立ち。すらりとしていて、同じく美形!2枚目!の彼が右手を左胸に宛て頭を垂れながら玉座に座る男と話していました。
玉座に座る男は“リアストリーニ侯爵”(ヴァンパイア側の)。そしてその側近である“イグニスト近衛隊長”(ヴァンパイア側の)でありました。
「ランドル公爵(ヴァンパイア側の)にも付かず、貴族でも無い者に従うとは……一体何者だ?」
「はい、閣下。その者はリュードと名乗りラーウッド男爵を倒したそうです。」
「フム、あのラーウッドをか……何故低俗な者の中にその様な強き者が居る?」
どうやら侯爵は私を疑っているようです。普通は貴族でも無い限り、上位の者は倒せないんだとか?貴族であっても、階級と強さはある程度比例するのだとか。
なら、男爵を倒した私って何!?
「原因は分かりかねますが、それなりに強き者である事は事実かと。」
「面白いな。イグニスト、其奴を我が前に連れてこい。我の眷属としてこき使ってやろう。」
「では、奴の周りにいる女供を捕まえて呼び出しましょう。お任せを……。」
頭を垂れながら後ろに下がり、暗闇に消えていく近衛隊長。
侯爵は口角を吊り上げて、月を見上げていました……。
「その女達も楽しみだ……。」
侯爵家(ヴァンパイア側の)が動き出したのは私達も知る由もなく…………。
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さて、お話は戻って樹海の拠点に居る私達。
何故か2階に大きな部屋を追加と相成りまして、増築中でありました。まあ、これ以上アリシア達に喧嘩をして欲しくありませんし……わたしもちょっとは期待………失礼。
なんと言っても可愛い彼女達、頼もしいバルジオやこれから加わるリッチのメリザさん……前の世界と偉い違いです!失いたくない!何としても守らねば!
ん!?何だこの音?無数に何かがぶつかる様な擦れる様な………。
「ス、スケルトンの集団だぁ!」
「大変です!リュード様ぁ!」
あらら、2人とも慌てちゃって。ミレーナの話をちゃんと聞いて無かったね?
私は作業を中断し、1階へと降りました。玄関へ向かうと2人が武具を装備して、向かえ討とうとして身構えてます。もう、言わんこっちゃない……。
私が外に出るとスケルトン集団の先頭にフード付きの黒いマントを羽織ったモノが1人……。
「貴殿はリュード殿で間違い無いか?」
突然の女性の声。逆にイメージと違って普通に会話が出来るとは……。
「済まない、私がリュードだ。貴女はメリザ殿か?」
「む、無論だ。名前を覚えていてくれるなど身に余る光栄だ。しかも大恩人であるし……。」
え?初対面なのに大恩人って……。
「以前お会いした事が?」
私には見当がつかず不思議な面持ちでメリザさんを見入ってました。
「貴殿はあのガルドを討伐して下さった。」
ガルド?…………ああ!あのリッチの事ね!ミレーナが帰る前に言っていた……。
「いや、あの時は大事な人を守るため成り行きで倒さないといけなかった……私には当たり前のことです。」
「だ、大事な人って……リュ、リュード様ったら……照。」
い、いや、反応するとこそこ!?
「いや、それでもだ。私にとっても嫌みな奴だったので相性が悪かった……しつこさも1番だったのでほとほと参っていた所だ。いずれ私が引導を渡してやろうと機会を伺っていたのだがミレーナ様より貴殿が討伐したと話を聞いてな。早速礼を言わねばと、ここに行くように命を受けたので楽しみにしていた。」
余程参っていたんでしょう、話を聞いていても嫌さが伝わって来ます。それで解決したものだから、安心したようで何よりです。
「それは良かった。困り事が解決したのなら何よりです。作業は明日から進めてもらって、先ずは中へとどうぞ。」
「ありがとう、私の部下達はどうしたら良いだろうか?」
ああそうだね、休んでもらってもあんまり意味が無いかな。それならば……。
「じゃあ、この周辺を見張ってもらうのはどうかな?」
「分かった、その様にさせましょう。」
早速スケルトン達に周辺を固めるように指示していました。1000体も居るものですから精鋭と思われるスケルトンは建物の周りを。残りは周辺を警戒しつつ配置に就いていました。
凄いですよ、スケルトンホースを駆るスケルトンナイトやスケルトン竜牙兵、スケルトンの魔獣を駆るスケルトンライダーやスケルトンドラゴンまで居る?……え?あれってスケルトンの侍か?か、刀……だよね腰に下げているのは……マジか?
なんて精鋭だ、後は剣士のようで剣と盾を持つ者、剣だけの者と様々だね。マジで上位も上位のリッチさんですよ!生半可じゃ無いって事はすぐに分かります、そのリッチのメリザさんを従えてるミレーナって……私よく勝てたな……。
取り敢えずは中へと誘います。フワフワ浮きながら、中へと入ってきました。
「ごめんよ、なんにも無い部屋で。」
「いえ、建物の中に入るのはミレーナ様のお城しか無かったですし興味が尽きません。」
確かにいろんな所をくいるように見て回ってる……そんなに珍しいのかな?でも、生前は人間の暮らしをしてたんだよね?何でだろ?
と考えている内に転送魔法でサリーナとバルジオが到着しました。
「だ、だ、だ、旦那様~~~~!!」
「うわっ!?サ、サリーナ?ちょっちょっと!グフッ……。」
「きゃあ!リュード様ぁ!」
「アリシアもアリシアだがサリーナもか……。」
傍で呆れるルージェ……。
「ホッホッホ、お盛んですなぁ。」
バルジオ落ち着きすぎ~~~!ってか止めてちょうだいぃっ!!
「なんじゃ、楽しそうだの。我も混ぜておくれW」
わ!ミレーナも来た~~~……つ、つぶされるぅ……。
「皆様にお茶と菓子をご用意いたします。」
執事のアラネロさん何故にマイペースぅっ!!
何だかんだと、久々に無事に全員集合です。何でしょう…この雰囲気は心地よい気がします……さて、今後の相談といきましょうか………WW
読了ありがとうございます。次話もお楽しみに。