ヴァンパイアに転生したんですけどスローライフしたいです。   作:麗紫 水晶

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こう~し~んさせてください!ダメですか?嫌でもします!よろしくね……では。


街の再興②。

 リュードです……ヴァンパイアの転生した異世界人です。あの……今ですね……尋常ならぬ状況で……冷や汗が止まりません……。

 

 まだ、冒険者パーティーに出会った事を話していない私……いや、アリシア達に顔を合わせてなかったので話す事が出来ませんでしたけど。

 それが、そのパーティーの魔法使いの女性が私の腕に抱きついて来たのでさあ大変!!

 冒険者ギルド内で修羅場になろうとは……ヤバイ……私…積んだ。

 

「リュ~ウ~ド~さ~ま~……これは、どういう事ですかぁ~……。」

 

 ヒイィィィィッ!!誰か助けてぇっ!怖いお姉さん達が迫って来るぅっ!

 

「えっとぉ、あなた達は誰ですかぁ?」

 

 この娘冒険者だけあって度胸あるぅっ!ってか感心するとこかここ!(ノリツッコミ)

 

「私達はリュード様に忠誠を誓った身です。ずっと一緒に居る者です。貴女こそ誰なんですか?」

 

「あたしは冒険者パーティー“レインボー・ダイヤ”の一員で、魔法使いをしている“ラーナ”よ。彼と夕食の約束をしているの。勿論メンバー全員とね。」

 

「へぇー、夕食をねぇ~………。」

 

 いや、だからアリシアさん怖いぃっ!

 

「あ、あのね、アリシア。街の外れに巡回した時にモンスターに職人さん達が襲われててさ、それを助けたのがレインボーダイヤの皆さんなんだ。そこに居合わせて、かくかくしかじかで………。」

 

 それまでの経緯を詳しく話しました。道路工事の進捗や休憩所を作り、そのあと街外れで作業している人達の安否を確認に向かった事。その時出会ったのが、このメンバーだった事。何かの縁と思い、食事をご馳走する事になった事……。

 

「成り行きは分かりましたわ。では、私達も加わってもよろしいですか?旦那様。」

 

「あ…ああ、サリーナ。勿論一緒にしようよ。」

 

「では、皆さん食事処へ移動しましょう。今日はリュード様の奢りだそうですww」

 

「やったー!」

 

 ラーナさん、えらい喜びよう……。…ってか、全員分奢り……?

 

「有難い!」

 

 カイトさん?いや、確かにご馳走するとは言いましたけど!

 

「さすがリュード様!」

 

 アリシアさんっ?

 

「神の慈悲に感謝します。」

 

 ラミアさんまで!?もしかして意外とお酒強かったりします?

 

「フム、冒険者とやらの噺を聴けるなど知見を知るには良い機会じゃの。我も馳走になるぞよ。」

 

 成る程ね、ミレーナからすると敵になり得る事もある訳なんだけど……相手の事を知るチャンスと言う事だね、たくましいわぁ……。

 

 などと色々思っている内に食事処へ。

 

「あ、サリーナ様にバルジオ様!」

 

 給仕をしている女性が、サリーナ達に気付いて声を掛けて来ました。さすがに一月分を無償で提供しているだけあって、見事な混雑ぶりです。家が決まって、持ち帰りで食事を頼む者も居ます。1人でゆっくりしたい人…残った家族で団らんしたい人…この食事処で楽しみたい人……現実は大変なのは分かりますが……一時でもホッコリする事が出来れば……そう願います。

 

「エミリー、個室は空いてるかしら?」

 

「あ、はいサリーナ様。今ご案内しますので少々お待ち下さい。」

 

「分かったわ。」

 

 エミリーと呼ばれた給仕さんは食事を運んでいる途中で、頼まれている席まで持って行きました。

 食事を提供して、そのままこちらに来てすぐに案内を。結構、大きな建物でありそれで人々を一度に大人数受け入れる事が出来る場所です。なので、個室も数室あってその内の一室に通されました。長い長方形状のテーブルに人数分の椅子が並べられてます。自然と私達側とレインボーダイヤ側に分かれて座ってました。唯一、私の隣にラーナさんがべったりと……それに負けじとアリシアさんも反対側の隣に座り、これまたべったりと……。

 ……わたし……無事に食事にありつけるんでしょうか………?

 ってそれ以前に支払い出来るんでしょうかワタシ……いや、何とかしよう……!

 

「それじゃ、新たな出会いに……乾杯!」

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

 皆さんエール?ビール?のジョッキを飲み干します?あ、アリシアさん大丈夫かな?

 

「リュードさまぁ、これおいひぃれすらよぉ…さぁさぁ……。」

 

 やっぱり~!酒類に弱い筈のアリシアがジョッキを飲み干すなどと……最早既に呂律が回ってない……汗

 

「こんな所でご馳走が食べられるなんて幸せ~!」

 

「ああ、リュードさんとの出会いに感謝だな。」

 

「お酒も美味しいですぅ。」

 

 あ、やっぱりラミアさんお酒強い……良いんですか、聖職者ですよね?

 

「あれ?でも、元々ラザルドの冒険者を?」

 

「そう!この街を拠点に活動してたの。街が襲われた時は、クエストに出ていてクリアして他の町に寄った時に情報を聞いて慌てて戻って来たの。」

 

「そうだな、拠点にしていた家も心配だったしな。」

 

「え……もしかして壊されてた……とか?」

 

「ああ、ほぼ全壊だったよ。」

 

 マジかぁ!ここでも迷惑掛けてるぅっ!

 

「そ、そ、それは申し訳なかった!お詫びとして、あなた方の拠点を建てさせてくれないか?」

 

 私はテーブルに額を着けて謝りました。直接じゃないにしろ、結果的に家を破壊したのは間違いない訳です。何かしたい……。

 

「いやぁ、気にしないでくれ。」

 

「そうよ、なにもリュードさんが拠点を建てな………ってええっ!」

 

 そこで初めて4人が驚いて私に注目します。

 

「い…家を建てて…くれる…のか……?」

 

「ええ。またここで活動して貰えるのなら、あなた方の拠点を私が建てましょう。」

 

 私は手を差し出しました。味方や仲間は多いに限ります。お詫びを兼ねて私がやらねば……。

 その私の手に4人が手を乗せて来ました。

 

「感謝する、これから宜しく!」

 

「こちらこそ!」

 

「頼もしい味方が出来ましたな。」

 

「ああ、バルジオ。嬉しい限りだよ。」

 

「では、私達の紹介をしなくてはいけないですわね。」

 

「おおっと、そうだった。紹介するよ。こっちは………。」

 

 私は順番に僕(しもべ)達を紹介していきます。色んな種族が居ることにも驚いてましたが、子爵位のミレーナもいて、リッチを従えスケルトンも多勢引き連れて居ることに少し引いてました。お気持ちはよく…分かります……スゴいこと…ですよね……。

 

「では、材料を運ばせましょう。人手はお任せを。」

 

「そうだね、バルジオ宜しく頼むよ。」

 

「御意。」

 

「わ、わたしも手伝って良いだろうか?」

 

「え?ルージェも手伝ってくれるの?あ、でも道路工事の方は?」

 

「メリザ殿が、取り仕切っているので問題ない。むしろ私が居るとかえって邪魔になるだけだ。ならばリュード殿を手伝う方が良いと思ったのだ。」

 

「……ああっ!そうか、ルージェさんって元騎士団長の?」

 

 ラーナさんが突然思い出して話し掛けて来ました。

 

「あ、ああ。かなり後方の分隊ではあったが…。」

 

「やっぱり!憧れでもあったんです、あの数多い騎士団の中で女性騎士は居ても騎士団長はルージェさんだけでしたから、カッコいいって……。」

 

「い、いや、そんな大したことはない、照……むしろ、街を襲ったヴァンパイアにはあっさりとやられてしまった…私もリュード殿に助けられなければ、ここには居られなかっただろう。」

 

「でも、ルージェさんはここに居る……これからも強くなれるって事ですよねww」

 

「ラーナ殿……。」

 

「イヤだなぁ、ラーナで良いですよ。」

 

「ふっ、ではラーナ、これから宜しく。」

 

「こちらこそ!」

 

 お互いにジョッキを当てて、飲み干してました……良い繋がりが出来たようで何よりです。

 

「そうだ、皆さんの拠点を建てる上で何か希望はありますか?」

 

 私はパーティーのみんなに希望を聞いてみました。

 まあ、それぞれの思いがあるようでなるべく応えられる様に話を聞いていました……。

 まあ、私が打ち解けるよりも先に全員が大盛り上がりになり……楽しく一時を過ごす事が出来たんです…………。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 次の日、早速ルージェを伴って宿屋へ。ってアリシアも付いて来ちゃったけど……。

 

「わ、わたしだってリュード様を手伝いたいんです!」

 

 ほっぺを膨らましながら照れるアリシアも可愛い……。

 

「分かったよ、アリシア。宜しく頼むね。」

 

「ハイ、リュード様!」

 

 彼女は喜んで私の腕に抱きついてました……健気だ……涙。

 

「あ、ああ済まない…無理に起こしてしまって……。」

 

 部屋から出てきた彼等は、昨日の余韻から覚めてないようで、寝惚け状態で欠伸をしながら半目で私の方を向いていました。

 

「おはよう御座います。」

 

 おお!その中で一人だけ……ラミアさん、流石です。身支度が出来ている。

 

「お、おはよう御座います。どこかお出掛けに?」

 

「いえ、部屋で神に祈りを捧げていたので…日課なのです。むしろそれをしないとかえって気になってしまって……。」

 

 成る程、ラミアさんの生活パターンと言う事ですか。えっ!?ちょっと待って!昨日だよね?アルコールジョッキを飲んでたの?ラミアさん、やっぱりお酒強い?……念を押しますけど聖職者…ですよね……?

 

「それで、私達にご用ですか?」

 

「ああっと、ごめんなさい。間取りの要望は聞いていたのですが、場所を何処にしようかと……?」

 

「ああ、成る程そうですね。」

 

「ラミアー、なんだってー?」

 

「ええ、ラーナ。私達の拠点を建てる場所を決めたいんですって。」

 

「そうなんだぁ、ラミアに任せるぅ、リュードさんゴメンねぇ、こんななりじゃとても出れなくてぇ。」

 

「フフッ…いやいや、こんな姿のラーナさんを見れて安心しましたよww」

 

「あ、後は頼んだよラミアっ!」

 

 顔を赤らめて慌てて部屋に入っていきました。可愛いらしい所もあるんですねw

 

「それじゃ行きましょうか?」

 

 ラミアさんを連れて、場所を決めに向かいました。ギルドからは付かず離れずに、かといって商店街からはちょっと離れた住宅街に……良い土地を見つけました。ラミアさんも納得してくれて、ここに建てる事に。

 ラミアさんにはメンバーの事もあるので戻ってもらい、私達は早速取り掛かる事に。

 私とルージェで、地面を掘っている間にバルジオに材料を頼みました。ルージェも騎士団の時に訓練として、剣の鍛練ばかりでなく、地面を掘ったり木を集めて、やぐらや簡易住居を作ったりして経験していたようで、穴堀は様になってました。

 バルジオは人手を使い、荷車に資材が乗せられてどんどん運ばれて来ます。

 私は地杭を何本も埋めて土台を作り、そこに長い丸太を縦半分に伐った木を平らを上にして並べていきます。杭を打ち込み、固定してから壁や屋根を組んでいきます。勿論扉や窓も併用して進めていきます、最終的には石材等も使い補強をかけて三階建てに……。

 申し訳ない……建てるのが面白くて、内装含めて5日で建てちゃいました……やっぱりチートですね。

 

「えっ!?おいっ……!?」

 

「なんと………。」

 

「う……嘘でしょ……。」

 

「す、素晴らしいです!」

 

 私が建てた拠点を目の前にして、驚きでラーナさん達が声になってませんでした。

 

「ここが、あなた方の拠点になります。どうぞ、中に進んで下さい。」

 

 4人が恐る恐る中へと足を踏み入れます。

 

「「「「おおっ!!」」」」

 

 なんと言う事でしょう!!

 

 1階はリビングに台所、客間や会議室、トイレにお風呂まで完備しています。2階に上がると鍵つきのドアに、中は倉庫となっていて、武具や食料、雑用具の3つに仕切られています。

 3階へと上がるとそれぞれの寝室が10畳程の大きさで4部屋あり廊下を中心に左右二部屋ずつになっています。片方二部屋はラーナさんとラミアさんで。もう片方をアシムとカイトさんで使う事に。そこにもトイレを1つ完備しました。

 更に階段を登ると、屋上兼物見場所に。

 終始、驚きと感動とご満悦頂きました!私も鼻高々で~す!

 

「リュードさん、感謝する!俺らもこんなに良くしてもらったのは初めてだ。俺らに出来る事があったら何なりと言ってくれ。」

 

「是非、協力させてもらうぞ。」

 

「この恩に報いる為にも。」

 

「…あたし…好きになっちゃったかも………照汗」

 

「「「何ぃっ!」」」

 

 ……あ、あははははは………こ、困ったな、どう答えたら良いの?

 

「ま、まずはメンバーの皆さんで荷物を整理してもらって、拠点完成のお祝いをしてはどうでしょうか?私は用事があるので、これで戻りますから。では。」

 

 私は颯爽とその場を離れます。ラーナさんが名残惜しそうにこちらを見ていました。頬を染めたラーナさん……可愛い!眩しすぎる!

 

 ところが、そんな浮かれた気持ちが戻ってから一変することに……。

 

「大変です!道路工事の現場で……!」

 

 そうなんです……実は彼等がやって来たのです……………。




読了ありがとうございます。次話もお付き合いくださいね!
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