ヴァンパイアに転生したんですけどスローライフしたいです。   作:麗紫 水晶

26 / 26
 今回は……早かった…私自身が驚くほどに……で、では更新しますのでよろしくね!



ゴブリン襲来!

 いよいよ街が動き出すまでに至りました!“雅 煌太(みやび こうた)”ことリュードです。ヴァンパイアに転生し、やっとここまで……な、涙がウルウル……。

 苦節何十年(ウソです)……長かった(んな訳ないし)……。

 みんなに助けられつつ、ここまで来ました。思い残す事は……一杯あるので、死んでられません!

 まだまだ序の口、この世界は知らない事が山ほどあります。生き抜いて行くために、当然頑張りますとも!

 

 さて、ラスマンド侯爵さんの力も得ていよいよ外交を始めたいとお声を掛けた所、早い方が良いと早速動いてくれて大人数での訪問となりました。

 ところがですよ、道中こちらの世界って当たり前の様にあるんでしょうか?スムーズに通らせてくれないんですよこれが。

 

 盗賊?…ではない……モンスター?って、あらぁ……この独特なお姿はもしや……小柄で全身深緑な体色で武器を持ち醜い顔立ちです。これって、今や有名なゴブリンさんですか?ですよね?集団行動で、普段はあまり統率力までは無いようですが、今回はなんと体格が大きいホブゴブリンも数体居ます。動きも少なからず統率力もあるでしょう、油断出来ません。

 それがまた、お約束の様にラスマンド侯爵率いる荷馬車集団に近付いていたのです………!

 

「右前方に敵襲!!騎士団は前衛に戦闘準備!衛兵は荷馬車を守れ!!」

 

 騎士隊長さんが、大声で叫びます!騎馬隊と騎士が前方に集まります、衛兵が荷馬車を囲む様に守り敵襲に備えます。それに気付いてゴブリンの集団が猛然と襲い掛かって来ました!

 

「ギギャァ!」

 

「ギギィッ!」

 

「馬車に近付けさせるな!」

 

「「「「「ハッ!!」」」」」

 

 騎士や騎馬隊の皆さんが剣でゴブリン達を凪ぎ払っていきます、ゴブリン達も負けじと攻撃を仕掛けて来ます。お互いに怪我人や負傷者を出しながら、乱戦となっていました!その内の数匹が荷馬車に近付いていきます……ラスマンド侯爵も自ら剣を取り、側近と共に荷馬車に近付いたゴブリンを倒していました。

 

「ゴブリンを近付けさせてはならぬ!」

 

「ぐわぁっ!」

 

「がっ!」

 

 侯爵の激も空しく衛兵さんが2人、ゴブリンの攻撃に怪我を負って倒れます!それを見たラスマンド侯爵がそこへと向かいます!

 

「くそっ!間に合わんっ!」

 

「きゃあっ!」

 

「ヒィっ!」

 

「くっ来るなぁっ!」

 

 2匹のゴブリンが荷馬車にしがみつき、中の人達が悲鳴を上げたその時です!

 

「シールドバッシュ!!」

 

「ギャガァッ!!」

 

 側面からの盾の突進に1匹が地面に吹き飛んでいました!

 

「水の結晶、氷となりて敵を穿て!アイスクルランス!!」

 

「ギィィッ!!」

 

 1本の氷と化したランスが、もう1匹のゴブリンを串刺しにして地面に突き刺さっていました……。

 

「おおっ!済まぬ、助かった!」

 

「ラスマンド侯爵とお見受けする!我々は冒険者パーティー“レインボー・ダイヤ”ギルドを通して領主の依頼で加勢に来た!後のゴブリン達は我々に!」

 

「そうであったか!済まぬ恩に着る!騎士団達よ、体勢を立て直すぞ!!」

 

「「「「「「ハッ!!」」」」」」

 

 侯爵の掛け声に騎士たちが集まって体勢を立て直していきます。怪我人は後方へと下がっていました。

 

「さて、残るはホブゴブリンと数引きか……。」

 

「ラミアは怪我人にヒールを!」

 

「分かったわカイト!先に皆にバフを掛けておくわね!女神の名においてこの者達に力を“アルイラの加護”!!」

 

 彼女が杖をかざすと3人が全身光に包まれます。身体強化や攻撃力・防御力が一時的に1.3倍に上昇するとの事……何ですかそのチート!私にも教えて欲しい……ダメですか?

 

「よし!後は任せろ!」

 

 リーダー・アシムの声に、ラミアは頷いて後方の騎士団達の元へ。ヒールの魔法で、傷の重い者から治癒を施していきます。他にも何人かはヒールが使える様で、総動員で治療に当たっていました。

 

「さて、俺達も残りの奴等を片付けるとするか。」

 

「そうね、さっさと終らせてリュード様に報告に行かなきゃ……照」

 

「いや…まずは敵に集中しようか……。」

 

「随分と余裕そうだな……。」

 

 ヤル気満々の3人を見て騎士団の隊長が呆れていました……。

 

「じゃあ俺がヘイトで奴等の気をこっちに向ける、リーダーは右からラーナは後ろから攻撃を頼む!」

 

「了解!」

 

「任せて!」

 

 カイトさんが盾を叩いてゴブリンの注意を引き付けます!その隙にアシムさんが右から回り込んで剣を振り下ろし、ラーナさんはカイトさんの後ろから炎の矢の攻撃魔法を同時にゴブリン達にぶつけていました!しかし……。

 

「ギルザナアリギギ……。」

 

 なんと!ゴブリン達の周りに結界が張られ、2人の攻撃が無効化されます!

 

「コ、コイツら……。」

 

「…後ろにメイジが居たなんて……。」

 

 3人はその想定外に驚きます!ホブゴブリンもさることながら、ゴブリンメイジまで居ようとは……。

 

「くそっ、どうする!」

 

「これじゃ攻撃が通らない!」

 

 3人の表情を見て、ゴブリン達もしてやったり顔で口角を吊り上げていました……。

 

(……許せない……。)

 

「ん!?…ラ、ラーナ…今なんて?」

 

 小声で何かを言っているラーナさんにカイトさんが驚きます。

 

「…許せない……リュード様に早く逢いたいのに、無駄な抵抗でしかもどや顔してるなんて……許せない!」

 

 ラーナさんが滅多に見せない怒った表情でゴブリン達を見据えます!

 

「マ、マズイ!アシム!ラーナの後ろに!俺は盾でラーナの前に立って勢いを防ぐ!」

 

「分かった!」

 

「ラミアァッ!結界を張れえぇっ!」

 

 大声で後方に叫んだカイトさんの声を聞き、ラミアさんがそれに気付いて急いで杖を頭上にかざすと、詠唱を始めました!

 

「女神の名において、この場に居る全てに守りの加護を!“聖なる障壁(ホーリーシールド)”!!」

 

 すると荷馬車を含め騎士や衛兵、侯爵や侯爵の馬車等半透明な結界が全体を覆います!

 

「炎の魔神エプロジア、ラーナの名において契約を行使せよ。目の前の敵全てを灰塵に帰せ!“大爆裂(エクスプロージョン)”!!」

 

 ラーナさんが、詠唱を叫ぶとゴブリン達の上空に直径7メートル程の豪火球が現れ、ゴブリン目掛けて落下していきます!ゴブリンメイジが張った結界をも簡単に破壊し、成す統べも無いままゴブリンたちは火球に呑み込まれていきます!

 

「ガ、ガアァ!!」

 

「ギィィッ!!」

 

「アギアァァッ!!」

 

 火球が地面に到達した瞬間、激しい光と轟音を伴い大爆発を起こしていました……。風圧と土煙が、ラーナ達や馬車の団体に襲い掛かり、吹き飛ばされそうになります!辛うじてカイトが盾でラーナ達を守り、ラミアが障壁を張ってくれたお陰で人や荷馬車等、吹き飛ばされることから守られ負傷者はありませんでした……。

 

 ひとしきり爆風が収まったあと、ゴブリンの方を見ると直径15m程のクレーターが……。そのくぼみの中心に黒焦げになったゴブリン達が絶命していました……ラーナさん恐るべし!ま、まずい…わ、わたしも怒らせないようにしないと………ホント怖っ!

 

「ふうっ、これで帰れるわ。」

 

 落ち着いた顔をするラーナさん。

 

「いや、一つ間違えれば被害甚大だったから!」

 

 思わず突っ込みを入れるカイトさん。

 

「大丈夫よ!仲間が居るもんww」

 

 舌を出してテヘペロ顔でごまかそうとします。

 

「あ、あのなぁ……。」

 

「まあしょうがないさ、ラーナだしな。」

 

「まあなぁ、ラーナだしなぁ。」

 

「そうねぇ、ラーナだしねぇ。」

 

 3人の呆れ顔にラーナさんが突っ込みを入れてました。

 

「ちょっと、それどういう意味!」

 

「「「いや、そのままの意味!」」」

 

 からかい半分の会話にお互いに顔を見合わせて笑い会う4人、良いパーティーです。羨ましくも思います。

 

「見事であった!!」

 

 4人の傍にラスマンド侯爵が声を掛けて来ました。

 

「今回は誠に助かった、貴殿らの加勢が無ければ今頃全滅していたかもしれぬ。改めて礼を言う!」

 

「いえ、我々は依頼を果たしただけの事です。それより皆さんが無事で何よりです。」

 

「そうか…分かった、私からも報酬額を上乗せしておこう。」

 

「それは、ありがとうございます。」

 

「やたっ!拠点の費用に当てられるっ!」

 

「でもラーナ……このクレーターは……。」

 

「アハハハ……やっぱダメ?」

 

「「「当然!」」」

 

「はあぁ~い……。」

 

 しょげながらもラーナさんは土魔法を唱えて、地面を持ち上げ、雑草までは回復とはいきませんがクレーターを平らにしていました。あの…貴女……どんだけ属性持ちなの?

 

「3台目の荷馬車の荷物を他の馬車に移動しろ!振り分けるんだ!私の馬車にも荷物を詰め込んでよい、空いた3台目の馬車で怪我人を休ませろ!移動中にヒールが使える者は怪我人の治療に当たるように!」

 

「「「「「「はっ!!」」」」」」

 

 衛兵や騎士たちは手分けして3台目の荷物を1台目・2台目・侯爵の馬車にと荷物を振り分けて積み込んでいきます。空いた3台目の馬車を怪我を負った兵たちを乗せ、ヒールを使える者とラミアが同乗して治療をしながら移動することに。

 

「街の入り口まではもう少し先になりますが、我々も案内しますので一緒に向かいましょう。」

 

「うむ、それは助かる、済まんがよろしく頼む。」

 

「了解です。」

 

「では出発!!」

 

 先頭にラスマンド侯爵に騎士隊長、レインボー・ダイヤの面々が立ち、残りの騎士と衛兵が馬車を囲うように並んで移動を始めました。

 

 いや、そうですね……樹海の中ではないにしろ……この世界では魔物はどこにでも現れる……それが現れる確率があるとしても……まあ、私のようにヴァンパイアも居るし魔物だけではなく脅威なモノとしては人間も……盗賊や、敵対する国の者だったり……しがらみがたくさんありますよね……。

 

 ただ、今回の商隊は私たちにとってもとても大事なお客様……まして侯爵様もいるとんでもないお客様……万が一はあってはなりません!!その為にレインボー・ダイヤの皆さんに指名でお願いしたのですし、私の中では信頼できると信じた冒険者たちですので……ピンチを乗り越えてくれると思ってました。

 

 実際、後で報告を受けた時はびっくりでしたけど。まさか、リアルで馬車が襲われるなんてね~偶然も重なり過ぎると異常でしょ!どんだけ街の外って危険なんですか!あれ?でも待てよ……これだけ魔物が跋扈する街の外……盗賊さんたちって…襲われたりしないんですかね?上手く切り抜けてる?マジで?……ないわあ……。

 

 と、そこはさておいて。私は待ちきれずに樹海の境目である作り立ての街への入り口に颯爽と待ち構えておりました。

 ”樹海の街エンルージュ”街が出来ての初外交です、気合が入ります!気持ちだけが先走りしていました……まさか道中大変な事になっていたとは……想定外が気付けずに、ただ待ちわびている私なのでした…………………。

 

 

 

 




 読了ありがとうございます。その時によって更新速度が違うのですが、呆れずにお付き合いくださいね……では。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。