久々のSE.RA.PHに降り立った。青い海の中にある不思議な空間である。マスターの藤丸は全体を見渡す。サーヴァントのスタート地点を確認し、
「配置終わったから始めよう!」
そう元気よく話しかけた。肩には小さくなったBB。遠いところには相手のジナコがいる。そのジナコから
「1人欠けてるんすけど、始めちゃってもいいんすか?」
という指摘がある通り、全てを埋まっているわけではない。アサシンには刑部姫、バーサーカーには安心と信頼のヘラクレス、ランサーは頼れる兄貴のクー・フーリン。助っ人枠でランサーのエリザベート・バートリー。本来ならキャスターも配置できるが、あえてというか悲しいことにコストがないため、空白である。それでも問題はない。最強のヘラクレスがいれば、ある程度はなぎ倒せる。バーサーカーは世界一強い。そして他の2騎も育てあげているので強い。だから藤丸は力強く返事をする。
「うん!」
「それじゃあスタートっす!」
このような形で聖杯戦線1日目がスタート。マスターのイメージ通りなら、ヘラクレスが暴れる構図だった。そのはずだが……、
「ボエー!」
助っ人枠のエリザベート(宝具3回ぶっぱ)と、
「おりゃ!」
狂犬みたく戦っているランサーが暴れる形になった。相手の方にアーチャークラスが2騎もいたことが大きいだろう。一方のヘラクレスは強敵枠の刑部姫を倒すのに専念した。
「なんで
味方側の刑部姫はサポートをしたり、宝箱の回収をしたり、ガネーシャ神(石像)を倒したりと大活躍。単騎もいけるし、味方にバフ盛れるしで何だかんだ便利なので採用したくなる。
「よし。このまま、ちまちまとやっていけば宝箱全部回収できる!」
因みにかなりゆっくりめに進んでおり、強敵枠の後ろにある宝箱以外は全て回収。マスターの目論見はあと少し。そのはずだったが、
「しまった。全部倒しちゃった。ヘラクレス! もう終わりだって!」
ジナコ側が積極的に攻めてきて、返り討ちしたため、知らない内に終了となってしまった。ものすごく偶然なのだが、エリちゃんの歌で始まり、エリちゃんの歌で終わった形となった。事実上のコンサートという奴か。うん。戦うためにやっているので、普通に地獄である。ランサーは無事なのだろうか。ガッツ持ちとはいえ、やられる時はやられる。なんせ幸が薄いから。
今はどうでもいい。回収しそびれた分はどうしようかと藤丸は思考する。
「どうします? また挑戦します?」
BBが考え事していた藤丸に尋ねる。宝箱回収は確かにうまうまだ。コンプリートするのが最高なのだが、聖杯戦線は時間がかかる。藤丸は時間を見て、横に振る。
「やめとく。挑戦するにしても……もう遅いし、あと面倒だし」
最後が本音である。ルールが変わり、操作慣れしていないのがキツイのだ。メタいが。