聖杯戦線記録!@SE.RA.PH   作:いちのさつき

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聖杯戦線最終日

 突然の展開にぽかんと見た後、藤丸はマップを見た。ハートの形で、今までの中で複雑だという印象が強い。そして宝箱の配置がいやらしい。

 

「クソマップじゃん。めんどくせ! 勝てるけど、今回宝箱全部回収出来るかな?」

 

「ちょっとセンパイ? 本気で勝つ気ですか?」

 

 BBが不満そうに言った。マスターになってから、だいぶ経ち、サーヴァントの育成が進んでいることもあり、普通にクリアするだけなら大した難易度ではない。宝箱全部回収しようとなると、一気に跳ね上がるだけなのだ。

 

「うっわー。このイケメンの海賊、すっげえうるさいんすけど」

 

 助っ人枠のジナコが近くにいる褐色肌の伊達男を見た。彼の目線はだいぶ遠くにいるシールダーのマシュに行っている。そのマシュは呪腕のハサンと妖精騎士ガヴェインとおしゃべりをしている。

 

「お。ヘラクレスも来た。さあて! 勝って、お宝もいただくとしますか!」

 

 今イベントの最後の聖杯戦線が始まった。全員が前に進む。呪腕のハサンとバーソロミューが先頭を取る。

 

「マスター! ひと箱めを取りましたぞ!」

 

「よし! 次行っちゃって!」

 

「承知!」

 

 素早いハサンが1つめの宝箱を拾う。それに続き、珍しくヘラクレスも箱を拾う。

 

「ガヴェイン! 行ける!?」

 

「ええ! これぐらい造作もない!」

 

 妖精騎士ガヴェインはバーサーカーのランスロットを追い詰める。途中で相手が入れ替わったりもしたが、彼女のやるべきことは変わらない。

 

「此奴の回復力どうなってるわけ!? ガハッ」

 

 BB側の鈴鹿御前は致命傷をくらい、後方に飛ばされる。1対2の状態でもびくともしない。傷をくらっても、すぐに回復をする。それでも限界が出て来る。

 

「お待たせしました!」

 

 マシュが駆けつけ、バーサーカーのランスロットを撃破する。援護をもらい、防御が固くなり、更に倒されない状態になる。

 

「ヘラクレス! ガヴェイン達のとこに行って! バーソロミューはキングプロテアの援護に回って!」

 

 展開が早い。藤丸は頭をフル回転で動かし、サーヴァントに指示を出していく。

 

「どーん!」

 

 最初はバーソロミューは低コストで動けるライダー枠として採用したが、支援として大活躍だった。相性の悪いBB側のギルガメッシュ相手に宝具込みとはいえ、追い詰めることが出来ているのだ。

 

「おのれおのれ!」

 

 バーソロミューが銃を放ち、ギルガメッシュのゲージを破壊する。

 

「うーん。アンデルセンさんは瞬殺されるのはまあ分かるんですけど、普通ギルガメッシュさんをボコボコに出来ちゃうもんなんですかね?」

 

 遠くで見ていたBBが呟く。恐らくスキル強化の賜物なのかもしれない。それだけではない。クリティカルが発動しやすくなっていたのも理由だろう。星を出したり、星の集中を調整していたので。

 

「バスターでごり押しすればいいんだよ!」

 

「珍しく脳筋プレイの発言ありがとうございます!」

 

 メタ的なことを書くが、普段の攻略でごり押しは滅多にしない。相手に合わせて、戦うスタンスなのだ。聖杯戦線はルールの性質上、バスターと相性がいいため、珍しく脳筋思考になって遊んでいた。

 

「そのお陰でBBちゃんのサーヴァント、一気にいなくなりましたよ! あれ。これ。向いてないのでは?」

 

 短時間でBBは3騎(鈴鹿御前とランスロットとメデューサ)も失い、藤丸側はゲージがなくなったのもいるが、全員生存している。BBが自信を失いつつあるのも……分からなくもない。更にしれっと妖精騎士ガヴェインがBBちゃん(1騎め)を倒している。

 

「それ今言う?」

 

 色々と察していた藤丸は突っ込みを入れた。

 

「ひっどーい! みなさーん! センパイのサーヴァントをぼっこぼこにしちゃってくださいね! げ。キアラさんもうダウンしちゃってる!?」

 

 知らない間にキアラはキングプロテアに潰れていた。ペシャンコという奴だ。

 

「流石の火力。キングプロテアは北の方に行ってね。バーソロミューは宝箱の回収して、ジナコと一緒に水着カーマを倒しに行っちゃって」

 

 一番進行しているのは西側、つまりマシュたちがいるところだ。先頭は妖精騎士ガヴェイン。確実にぶつかるジャガーマンをうっかり倒しそうだ。

 

「ガヴェイン、マシュと先頭チェンジ!」

 

「了解しました! マシュ、頼みました」

 

「はい!」

 

 マシュは盾を構え、ジャガーマンを誘うように動く。火力のあるガヴェインとヘラクレスは近くで待機。呪腕のハサンは遠い位置で様子を見る形だ。

 

「えーっとキングプロテアの体力は……よし。令呪を使おうっと」

 

 流石に英雄王相手ではきつかったのか、キングプロテアの体力が残り僅か。勝手に令呪が回復する仕様なので、藤丸は躊躇なく使った。BBとしてはふざけるな案件だろう。

 

「そんでやっちゃえ」

 

「どーん!」

 

 ギルガメッシュを粉砕。そのまま進められるわけではない。水着のBBが控えているのだ。今の彼女にとって問題ないが。

 

「なんでこっちが攻めてるのに、やられるんでしょうね!?」

 

 水着BBが積極的に攻めているが、キングプロテアには効いていなかった。悲しいことに通常攻撃の方が効いている。そして幼子みたいに遊ぶだけで潰れる。理不尽すぎる。

 

「それ聞かれても。こっからが問題か。どうやって回収しておこう。2人めのBBはすぐ終わるだろうけど、相性を考えるとしばらく李書文と対面で大丈夫として。ジャガーマンか」

 

「ちょ。このセンパイ、何企んでるんです?」

 

「いやまあ。宝箱を取る作戦を。マシュ。ついでに隙があればでいいんだけど、BBちゃん殴っていいからね」

 

「はい!」

 

 マシュは力強く返事をした。

 

「ちょ!?」

 

 上手い具合にジャガーマンの誘導が出来たのか、マシュはBBの近くまで来ていた。宝箱を拾ってから、盾を構える。BBは引きずった顔になる。

 

「あの? マジでやる気ですか?」

 

「はい。マスターからの命令ですので。そんなわけで」

 

 前進してのシールドアタック。痛い。めっちゃ痛い。

 

「いったーい! ジャガーマンさんと李書文さんは何してるんですかね!?」

 

 BBを助けるサーヴァントはいない。というかそんな余裕はない。ジャガーマンの前には駆けつけた妖精騎士ガヴェイン、李書文はキングプロテアという巨大な相手に夢中になっている。

 

「やーらーれーたー」

 

「見事だ」

 

 ジャガーマンがやられ、李書文(負けたというのに満足気)がやられ、最終日の聖杯戦線が終わった。この後はネタバレになりかねないので、書く予定はないが、藤丸はBBに期待をしているのは確かだろう。

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