白銀家のきつねじゃい!   作:ポンタ ponta

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 こんこよ~!

 今回掲示板形式が入っております。これ書くのなかなかにメンドクサイですね。ちなみに、始めの一万文字ほどは掲示板であり、残りの一万文字に博士、ウェスタ、Ⅶを入れてます。つまり合計二万文字(と千文字)。久しぶりに書いたぜこんな量。時間がある時にお読みください。
 掲示板の見方なんですが、>>10など、青文字になっている部分を長押しすると、その人のカキコミなどが見れます。ただ、何故か表示される場所が画面の下過ぎるので、スマホで閲覧している人は注意してください。……これ投稿したら直るのかな……?
 追記。文字数増えたら見えなくなりました。パソコンも表示されなくなりました。
 よって私は匙を投げました。poi

 やっと博士を出すことができて良かったです。また、私も科学を学んでいるので、科学関係の話も出します。特に生物学や遺伝子工学などは組み込むつもりです。ただ、ロボット工学やコンピューター科学などは分野外なので組み込まないつもりです。悪しからず。
 また、あらすじの方に書いておいたのですが、ホロメンは今のところ三名死ぬ予定です。なお、まだまだその展開には進まないのでご安心ください。


第11話 名無しの冒険者達の雑談

 【速報】天体観測してたらやベェー流れ星が流れた件について【天変地異の前触れか?】

 

1:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 ちょっとこの件について話し合おうやおめぇーら

 

2:名無しの冒険者 ID:j4s5oJqmn

 立て乙。ちょうど俺も見てたところや

 

3:名無しの冒険者 ID:kk44Xwa9o

 乙。ミーも気になる

 

4:名無しの冒険者 ID:n6ZbmdnCz

 我輩頭空っぽでキレーとしか思っとらんが、そんなにヤバい奴なん?

 

5:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 やベェーもやベェー。なんせ事前に察知できなかったんだぜ。

 

6:名無しの冒険者 ID:BT8RccGPM

 そういうものなの?

 

7:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 基本的に事前に分かるもんなのよ。ガキでも分かるよう簡単に言えば、それこそ宇宙望遠鏡とかで見える筈なんだよ。あれ程の規模だとよ

 

8:名無しの冒険者 ID:GF/2cP6oV

 あ~なんとなくわかる

 

9:名無しの冒険者 ID:X6CVJrc17

 だが、今回はそれがわからなかった、という訳だな?

 

10:名無しの冒険者 ID:hwP5SGSTS

 現魔科学宇宙航空研究開発機構務めの私が通りますよっと(・ω・)ノ

 ひとつだけ言っていい?

 

 宇宙望遠鏡『イカロス』が壊された。ぴえん(。´Д⊂)

 あの流星許すまじ!!( ;゚皿゚)ノシ

 

11:名無しの冒険者 ID:tH0u1oP30

 ふたつ言ってて草

 それはそうと、伏線回収でまじワロタ

 

12:名無しの冒険者 ID:PaaseWJx1

 >>10ちっ、エリートがよ。

 

13:名無しの冒険者 ID:voDfUosc+

 顔文字かわいい。かわいくない?

 >>10はおにゃのこと見た!

 

14:名無しの冒険者 ID:hwP5SGSTS

 なにわろてんねん!! こちとら葬式の雰囲気やで!!

 私じゃなくて研究員のグループが

 

 あ~辛い顔が心に刺さるぅ~

 他人の不幸は蜜の味ぃ~~

 心がピョンピョンするんじゃあ~~

 

 おっ、茶柱立ってら。イイコトあるかもズズ

 

 >>12あと私は唯の事務職です。別に研究とかしてません

 物理ウッ頭が…………イタイ

 科学ウッ腹が…………ブリュ

 レベルですが何か?

 

 >>13禿げ上がりのオッサンですが何か?

 そんなオッサンが顔文字使ってて悪いですか?

 

 ( ・-・)

 

15:名無しの冒険者 ID:k5E9IAJdj

 お前も色んな意味でこっちの者だったか…

 歓迎するぜ!!

 

 あと漏らして無になってんじゃねえかw

 

16:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 >>15お前と違って働いてんだよなぁ…

 

17:名無しの冒険者 ID:RsOE0Norf

 >>16やめろそれは俺に効く=(;゚;Д;゚;;)⇒グサッ!!

 

 でもぶっちゃけた話、ニートを隠す為に冒険者ですって言う人いるよね

 

18:名無しの冒険者 ID:XIXx68uYP

 いるいる。俺も直ぐ側にいるぜ

 

 なんせ俺だからな!!

 

19:名無しの冒険者 ID:WaCMiiheF

 自慢じゃねえからなそれ

 

 確かイカロスってあのイカロスだよね? 空飛ぼうとして飛んだのはいいけど、結局墜落した男の名前

 

20:名無しの冒険者 ID:zRFxBE5Ta

 そうやで。その男が不憫だから空どころか宇宙に飛ばしてやったんやで

 

 壊されたらしいけどなwwwww

 

21:名無しの冒険者 ID:vS9RFq7uQ

 しかも発射する時に『年中お祭り気分のアホキツネ』の力も借りたんだろ?

 念力で確実に宇宙に届けて貰えるように

 

22:名無しの冒険者 ID:RYJ13c0Yw

 その変な名前の奴は誰なの?

 

23:名無しの冒険者 ID:GUIrMgOKV

 ウェスタにある白銀騎士団の副団長の二つ名だよ。正式は『白銀の仙狐』だけど

 いつも狐のお面を被ってるからあんな二つ名もついてんの

 

24:名無しの冒険者 ID:3KWWKCVID

 面白い奴もいるんだな

 ところで、仙狐ってことはそいつは狐の獣人で仙人なの?

 

25:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 そうやで

 仙人だから念力が使えるんだけど、その範囲と強さが次元が違うんやで

 ちなみに、今はあの神器『宝鐘』を回収しにウェスタにいないけどな

 『白銀の仙狐』について詳しいスレはこっちな

 (゚Д゚)ノ⌒『銀鏡チヒロの都市伝説シリーズ』https://syosetu.org/novel/290515/5.html(後の方)

 『銀鏡チヒロが男である三つの考察』https://Shiromichihirogaoto……

 『銀鏡チヒロが女である三つの考察』https://Shiromichihirogaonn……

 

26:名無しの冒険者 ID:LVGJbfn/P

 あっそれ聞いたことある!

 ていうかニュースでやってたな

 

 そうだったのか。あとそのスレ見てくる。ありがと

 

27:名無しの冒険者 ID:EeSyizACf

 俺はウェスタの巨剣が副団長の物だと信じている

 

28:名無しの冒険者 ID:JUa46zuxE

 あれ*1お前だったんかい!!

 

 >>25結局副団長が男か女か不明で草

 

29:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 脱線しすぎた。話を戻そう

 俺がいるところじゃ、何者かの仕業じゃないかって意見が出てる

 

30:魔科学宇宙航空研究開発機構、の事務員 ID:hwP5SGSTS

 うちの方も何か言ってるね。別の研究グループがなんか、流れ星が降る前に魔子と霊子の大きな乱れが観測されたとかナントカカントカ……ウッ頭がッ

 

31:名無しの冒険者 ID:EogIRJGk0

 もうちょい頑張れ。その先が気になるねん

 あとコテハン事務員強調してて草

 

32:名無しの冒険者 ID:MioNmion

 ウチはカミなんだけど、凄いゾワッてきたよ。尻尾もゾワゾワした

 もしかしたらそれを感じとったのかも

 友達のFちゃんも感じとってたから、何か関係あるかも

 

33:名無しの冒険者 ID:U0tTmjhNu

 カミ様だ! いつもオツトメありがとうございます!!

 

34:名無しの冒険者 ID:OQoaogG5s

 ん? 一人称がウチ? 友達のF? もしや…おっと誰かきたようだ

 

35:名無しの冒険者 ID:Yjm17I00D

 個人の特定に繋がる行為は禁止だぞ

 

 いつもお世話になってます!

 

36:名無しの冒険者 ID:t1yeb3FB0

 ジョーダンやジョーダン。ごめんなソーリーヒゲソーリー

 

37:名無しの冒険者 ID:12nGLM7A6

 ネタ古いわ

 

38:名無しの冒険者 ID:PdwosGpw1

 >>32のカミ様は感じとったそうだけど、他のカミ様とかは何か感じたのかな

 

39:名無しの冒険者 ID:KikkirakiEN

 私の友達に神様がいるけど、こっちは何か怯えるように肩を震わせてたよ。概念的な神だけど、正式な神様じゃなくて弟子だからかな?

 

40:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 カミ様じゃなくて神様!? それゃすげぇな。あとなんの概念か気になるが……

 んでもって、神様の方も何か感じ取れたのか

 ますます天変地異の前触れなんじゃねーのか!?

 

41:名無しの冒険者 ID:MvzMq6qsp

 やべっ、何か鳥肌たってきた

 

42:名無しの冒険者 ID:gmVKxEiWr

 俺もゾクッてきた

 

43:名無しの冒険者 ID:VmK+N6KKu

 ワイも

 

44:名無しの冒険者 ID:+lTTm2QFF

 上に同じく

 

45:名無しの冒険者 ID:ciLtIlAvT

 下に同じく

 

46:名無しの冒険者 ID:plpaYA6tK

 俺も勃ってきた

 

47:名無しの冒険者 ID:ciLtIlAvT

 >>46おまい変なこと書ぐな。ワイが変質者になってしまうねん

 

48:名無しの冒険者 ID:/BA5AxGZl

 >>47は冒険者から変質者へコテハン変えて。どうぞ

 

49:魔科学宇宙航空研究開発機構、の事務員 ID:hwP5SGSTS

 聞き耳立ててきた。前回の続きなんだけど、何か魔法の前兆に少し似てたらしいで。

 

 あと>>47は強く生きてもろて

 

50:名無しの冒険者 ID:pZ5yxv7IT

 へー、ちなみに、どんな魔法か分かる?

 >>47は強く生きてもろて

 

51:魔科学宇宙航空研究開発機構、の事務員 ID:hwP5SGSTS

 魔法の種類はわからないけど、もしこれが魔法で地上に落ちていたらこの星終わってたかもって……

 

52:名無しの冒険者 ID:62sKnHvyH

 ヤバスギィ!!

 

53:名無しの冒険者 ID:mIC5AT0sn

 マジヤバスギィ!!!

 

54:名無しの冒険者 ID:8TaMRbQ5j

 とんでもねぇぜ!!

 

55:名無しの冒険者 ID:T4gmxFzlK

 お前ら頭のネジ飛んだか?

 おっと元々ネジ無かったかスマソ

 

56:名無しの冒険者 ID:pbrTGbvHp

 ハァ……ハァ……敗北者?

 取り消せよ今の言葉っ……!!

 

57:名無しの冒険者 ID:T4gmxFzlK

 そんなこと一言も言ってなくて草

 

58:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 >>56は耳鼻科か眼科か脳外科行ってもろて

 そんでぇぇぇえええええええ

 

59:名無しの冒険者 ID:Ed9VqkgfC

 どうした?

 

60:名無しの冒険者 ID:7ET9qpsZ2

 急に発狂するやんけ

 

61:名無しの冒険者 ID:pRpBiNAS8

 おるやんけ

 

62:名無しの冒険者 ID:cz8M9i8AZ

 何かあった?

 

63:名無しの冒険者 ID:+EyUOXVuE

 やべぇ、今家の近くで爆発があった!!

 

64:名無しの冒険者 ID:q5w1MUUz8

 なに!? kwsk

 

65:名無しの冒険者 ID:ZbHyh64No

 気になる!!

 

66:名無しの冒険者 ID:6aVOF/kVG

 俺も凄い揺れを感じて外見てみたら、凄い煙が昇ってる

 あの方角に何か爆発するようなもんあったっけ?

 

 http://gazo……画像(星夜の中、赤い炎と黒い煙が立ち上っている)

 

67:名無しの冒険者 ID:UbfPG7kzr

 マジやんけ!!

 一体何が起こってんだ!!?

 

68:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 詳しい状況を書くから下空けといてくれ

 

69:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 ありがとう

 

 まず俺がいる天文台から見えた景色を見てくれ

 http://gazo……画像(山の頂上から撮った写真。遠くに激しく燃える屋敷がある)

 

 次に同じ場所から超解像度カメラで撮った奴だ。

 http://gazo……画像(屋敷の破片と思われる物が近辺の家を破壊している。また、泣き叫ぶ子供の姿や、血に濡れる通行人とおぼしき人がいる。騎士やメイドも見える)

 

 爆発したのは白銀家の屋敷だな。立派な屋敷が半壊して、地面が大きく抉れてる。見事な庭園も跡形も無い

 俺の同僚も唖然として見てる。何かしてやりたいけど遠すぎてなんもできん

 

70:名無しの冒険者 ID:AHVcMsxwR

 ヤバいっていう言葉じゃ足りないほどヤバいやん

 大丈夫なのこれ? 犯罪者とか脱走しない?

 

71:名無しの冒険者 ID:flUWoUFF2

 うげ、腕が捥げてる人がいる……かわいそう

 

72:名無しの冒険者 ID:JJtY5vw4Z

 もう訳わかんねぇ

 当事者じゃないのに心臓がばくばくしてる

 

73:名無しの冒険者 ID:hY1mHTlD6

 俺治癒魔法使えるから行ってくる。ついでに脱走した犯罪者がいたら取っ捕まえておく

 

74:名無しの冒険者 ID:Q0c4wHyyW

 俺もポーション溜まってるから行ってくる

 

75:名無しの冒険者 ID:qVTkpswbz

 おう頑張れ。俺はウェスタに住んでないからなんも出来んが、ここで応援してる

 

76:名無しの冒険者 ID:w46iYUJnW

 もし誰か実況できるなら実況して欲しいんだが……

 

77:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 おけ。ワイがやってくる

 

78:名無しの冒険者 ID:InKNSJGaj

 頼む

 

79:名無しの冒険者 ID:gWi2Lz4Kt

 頼む。だが気をつけろよ

 

80:名無しの冒険者 ID:Y7tM6EvhB

 ごめん。今言うことじゃないんだけどさ

 >>77のコテハンが名無しの変質者になっとるやんww

 

81:名無しの冒険者 ID:8B22mMRA3

 草。受け入れたんか

 

82:名無しの冒険者 ID:/18F/Vp+i

 それな

 

83:名無しの冒険者 ID:VWXydkz6f

 ともかく、情報が入るまで書き込みは控えよう

 実況だし、もしかしたらスレが足りなくなるかもしれん

 

84:名無しの冒険者 ID:m0R5A1Qec

 賛成

 

85:名無しの冒険者 ID:5zcpwMjy6

 酸性

 

86:名無しの冒険者 ID:uVTXjQs8+

 ラジャー

 

87:名無しの冒険者 ID:VWXydkz6f

 書き込み控えろって言うたやん

 

88:名無しの冒険者 ID:MQr8EMGUf

 そろそろ二時間くらい経ったけどまだかな……

 

89:名無しの冒険者 ID:CRuxBFcEx

 待つんやで

 

 競馬と一緒や

 

 パチンコと一緒や

 

 信じて待つんやで

 

90:名無しの冒険者 ID:BDU1lZHLq

 それ大抵期待を裏切るやつやんw

 

91:名無しの冒険者 ID:PGemxeSaN

 >>89俺も分かるで

 

 夜中外に出て帰ってこなくなったヨメさんを待つのと一緒だよな

 

92:名無しの冒険者 ID:hHKZyYbjz

 そりゃドンマイ

 

93:名無しの冒険者 ID:Pc4SnfAlh

 ドンマイ……でいいのかこれ?

 

94:名無しの冒険者 ID:58gexDy9f

 死んでは、ないんだよなそれ?

 

95:名無しの冒険者 ID:PGemxeSaN

 実家にいるから大丈夫やで

 

96:名無しの冒険者 ID:j0lZ/atM1

 安心したわ

 

97:名無しの冒険者 ID:tWO+98m/l

 ほっとしたわ

 

98:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 皆待たせたな。ワイ着いたで

 

99:名無しの冒険者 ID:YVjCDmh+9

 待ってましたー

 

100:名無しの冒険者 ID:4isgCebVP

 待ってたぞー

 

101:名無しの冒険者 ID:8Y8WALL7O

 頼むぜ

 

102:名無しの冒険者 ID:ZNRnyGMWY

 よろしく

 

103:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 脳内の思考を直接文字に変換してるから長くなるかもしれんがよろしく

 

 あと変なこと考えてても見逃してくれ

 

104:名無しの冒険者 ID:GN5DUjSkk

 分かってる。変なことなw

 

105:名無しの冒険者 ID:IGqXJS6Ui

 変なことってなぁに?(純粋な瞳)

 あたしわかんなぁい(舌っ足らずな声)

 

106:名無しの聖職者 ID:GI3HFwefB

 それはね

 

 生命の本能であり

 生物の使命でもあり

 世界の定めでもあり

 神の望むものでもあり

 

 神秘でもあるのです

 

 そう、それは全ての始まりであり、全ての終わりに繋がるものなのです

 

107:名無しの冒険者 ID:+Iyt0j0i0

 微妙に合ってるのか間違ってるかわからねぇ

 セーフとアウトの境界線を反復横跳びすな

 

108:名無しの冒険者 ID:lXXzU1wDo

 はぁーい質問!

 聖職者の後に変態って付きますか?

 それとも紳士って付きますか?

 

109:名無しの聖職者 ID:GI3HFwefB

 私は欲張りな者ですから、どちらも付きますよ

 

110:名無しの冒険者 ID:/MtSP8r5w

 くそじゃねぇかww

 

 神に謝れ土下座しろ。告解次いでに魂を捧げろ

 

111:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 ワイの他にも冒険者達が集まってきてる

 鎮火作業も始まっててあちこちが濡れてるね

 阿鼻叫喚の地獄絵図っていうわけでもないが、未だ煤と灰と血の匂いが鼻をくすぐるな

 

 あっ、『頭ピンクコヨーテ』がいる

 

112:名無しの冒険者 ID:4oOZdInD0

 最後吹いたんだがw

 

113:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 あの天才科学者の博衣こよりもいるのか

 それはそうと『助手くん』にはいつも世話になっております

 

114:魔科学宇宙航空研究開発機構、の事務員 ID:hwP5SGSTS

 あ、うちにその人のファンいるよ

 テンション高くなると『はい!はい!はい!はい!』って言うんだ

 

 でも声、野太いから気持ち悪いんだわ

 

 

115:名無しの冒険者 ID:d/TPVh/bQ

 ガチムチな男を想像して吹いた

 『はい!はい!はい!はい!』(野太い声)

 

116:名無しの聖職者 ID:GI3HFwefB

 >>110あぁかような暴言を吐くだなんて、きっとそなたの心は貧しいのだ

 私は悲しい。辛い。堪えられない

 神も嘆いておられる

 

 しかしこれは私の使命であり宿命

 さぁ迷える子羊よ。私がそなたを主に代わって導こう

 

 ヤらないか?

 

117:名無しの冒険者 ID:2do3N3aTF

 お前マジで聖職者なん?

 なんの神を信仰しとるん?

 それに聖職者なら死人がこれ以上増えないように祈れよ

 

118:名無しの冒険者 ID:o9qHUOZNk

 >>116いっぺん死んでこい

 >>114『はい』テンションなんですね分かります

 

119:名無しの冒険者 ID:Wiorqpc7c

 腐女子のワイ、ニートやめて聖職者になることを決意した

 

120:名無しの冒険者 ID:YmCAEkO22

 やめてもろて

 

121:魔科学宇宙航空研究開発機構、の事務員 ID:hwP5SGSTS

 その道は茨だぞ!!

 

122:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 博士も住民達の救助に来てたらしい

 ポーションとか丸薬とか負傷者に飲ませてる

 

「ジ○ネリック認証ですよー」

 とか

「こよの薬が飲めないのかー!!」

 とか

 

 博士ってもしかしなくても酔ってる?

 

123:名無しの冒険者 ID:M7a+4Qkd6

 >>119今ならまだ間に合う引き返すんだ!!

 

124:名無しの冒険者 ID:y8nD4GelY

 >>119ニートのままでも良いんだぞ!!?

 >>121薔薇だけにってか?

 

125:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 誰か反応してやれよ

 >>122近々学会があるからその疲れじゃね?

 深夜テンションじゃね?

 

126:名無しの冒険者 ID:j6LN3lJzH

 >>122『こよの薬飲めないのかー!!』

 酔っ払いの絡み酒で草

 

127:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 騎士は当たり前として海兵もちらほらいるね。メイドさんもいる

 白銀騎士団の隊長も何人か見かけたし、大空警察の人達もいる

 怒声交じりで色々と指示出してるね

 

 あっ、こっち見た

 

「おいお前」

 

128:名無しの冒険者 ID:WekZN2aNb

 どうした?

 

129:名無しの冒険者 ID:IujyQLSxn

 まさか……

 

130:名無しの冒険者 ID:c0/80KNBN

 まさかとは思うが下、履いてるよな?

 

131:名無しの冒険者 ID:btGRpph7+

 履いてるに決まってるだろ

 いや履いてるよね?

 

132:名無しの冒険者 ID:GMSfVpQtZ

 履いてなかったらマジもんの変質者で草

 

133:名無しの冒険者 ID:hhqa/bd3K

 むしろお前が逮捕されるやん

 

134:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 賢者なワイはにこやかな笑みを浮かべ、犯罪者ではないことをアピールすることにした

  

 ワ「こんばんは。今日はいい天気ですね」

 警「こんばんは。今の状況を見てそれを言える君は大丈夫かい?」

 

 中々に失敬な警官だな。初対面の人間に遠回しで精神を疑うようなセリフを言って

 ワイのどこを見てそう言ってるのか

 しかし心優しいワイは笑顔でそれを流してやった

 

 ワ「ええどこもおかしくはありません。ワイは今大変清々しい気分ですよ」

 警「そのセリフはこれをやった犯人が言うセリフでは?」

 

 何故だ

 素晴らしい会話のやり取りをしてるのに疑われてる。

 

135:名無しの冒険者 ID:UF7qdfYmi

 草。初手からもうダメなんだよ

 なんだよ「今日はいい天気ですね」ってww煽ってるだろw

 

136:名無しの冒険者 ID:1dpwgYrSG

 賢者じゃなくて変質者な。誤字ってるぞ(笑)

 あとマジでワイって言ってんの!?

 

137:名無しの冒険者 ID:FoVqJjZMv

 変質者の言う素晴らしい会話とは我々の考えるものとは異なるのかもしれない。変質者に小1時間程問い詰めたい気分だ

 

138:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 疑わしい視線をワイに向ける警官に、ワイは再び爽やかな笑顔を見せる。気分は恋愛漫画の主人公だ

 

 ワ「ワイに一体どのような要件でしょうか? 告白ですか?」

 警「いえ特にありませんでしたが、強いて言うならご同伴願いたい」

 ワ「そうですか。ではママに遅れるって連絡するのでちょっと待っててください」

 

139:名無しの冒険者 ID:3PpYbtMkO

 ママww

 

140:名無しの冒険者 ID:oK+vQs0Lh

 吹き出したお茶返せ

 しかも告白スルーされてるしww

 

141:名無しの冒険者 ID:SnOVLqBiT

 お前年いくつだよ

 

 >>138ツンデレかもしれん

 

142:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 電話の許可貰ったのでちぃっとばかし失礼して

 

 あ、もしもしママ? なんかボクちゃん大空警察の警官に同伴をお願いされちゃった!

 え? 変なことしてない? やだなぁそんなことするわけないじゃないの! 安心してて直ぐに帰ってくるから!

 じゃあね、ん~~まっ♡

 

143:名無しの冒険者 ID:PQdw1X6NO

 オエェエェエエエ

 

144:名無しの冒険者 ID:3uNcV/2PO

 お前一人称ボクちゃんなのかよ……

 今世紀イチの驚き

 

145:名無しの冒険者 ID:krUPbovPs

 >>103てかもしかして変なことってこのこと?

 

146:名無しの冒険者 ID:Yg2R1UoBD

 えっ、それマジで?

 

147:名無しの冒険者 ID:DWzAaHB1p

 それが本当だとしても見逃せへん、ツッコンでまう

 

148:魔科学宇宙航空研究開発機構、の事務員 ID:hwP5SGSTS

 それな( ・`ω・´)

 

149:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 とまぁ、そんな訳でワイはドナドナされました。っと

 

150:名無しの冒険者 ID:VOwaA3JA5

 次回変質者死す!! デュエルスタンバイ!!

 

151:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 そうそうと実況するやついなくなっちまったじゃねえーか。どうすんだこれ

 

152:名無しの冒険者 ID:fxG/fYyRI

 でもなんか大丈夫そうじゃね?

 いや変質者視点だからわかんねぇけど

 

153:名無しの冒険者 ID:Gter6s8Nu

 スマンが俺はドナドナされた変質者の行方が気になる

 

154:名無しの冒険者 ID:sKWI2a15f

 拙者も

 

155:名無しの冒険者 ID:WGKfkJKhV

 今北産業。何がどうなってんの今?

 

156:名無しの冒険者 ID:WGKfkJKhV

 流れ星やベェー

 屋敷やベェー

 変質者やベェー

 

 だよ

 

157:名無しの冒険者 ID:BlRYChmt5

 なるほど分からんが了解

 

158:名無しの冒険者 ID:NRlghAjte

 了解なんかw

 

159:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 ワイ今、パトカー内で取り調べナウ

 

 警「君は何しにあそこに?」

 ワ「や、頼まれて」

 警「頼まれた?」

 

 えっ何でそんな鋭い目でみるん?

 ワイなーんも悪いことしてへんよ

 

 ワ「えぇ、人助け次いでに状況報告を」

 警「ほぉ」

 

 えっなになになに!!?!?

 

 

160:名無しの冒険者 ID:gy2IHQpEx

 言い方!!

 

161:名無しの冒険者 ID:E4FyLA0BS

 お前頭悪いの?それともわざとなの?

 

162:名無しの冒険者 ID:fOJXptKtQ

 おかしいな「(爆発するよう)頼まれて」と「(仲間に)状況報告を」という副音声が聞こえるぞ?

 

163:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 なんだろう

 

 「ほぉ」と言ってから黙るのやめて貰ってもいいですか?

 ドアの鍵ガチャンと閉めるのやめて貰ってもいいですか?

 

 何もしてないって言ってんじゃん!!

 

 泣いてやろうか!!

 

 

164:名無しの冒険者 ID:oi4udK1LD

 羞恥も誇りも投げ捨てて

 外聞も心も捨て去って

 幼児みたいに泣き叫べば頭オカシイ奴と思われて解放されんじゃね?

 

165:名無しの冒険者 ID:0+PK2LZAZ

 その後には一体何が残ってるの?

 

166:名無しの冒険者 ID:/eCs5c7RH

 え?

 涙と鼻水じゃね?

 

 あとおしっこ

 

167:名無しの冒険者 ID:P2aI+n1Si

 当たり前だろjk

 

168:名無しの冒険者 ID:0+PK2LZAZ

 私女子高生じゃないんだけど

 

169:名無しの冒険者 ID:xzhVgCb10

 jkイコール常識的に考えての略なww

 JKが女子高生なんよ

 

 そしてDKはドンキーコングなんよ

 ここ、テストに出るで

 

 ……え?男子高校生はって?

 そんなもんに価値ありゅ?あんな青春に恋に虐めに全力注いでる奴に?

 

 ペッ

 

170:名無しの冒険者 ID:xDQj+V3yE

 お前一体男子高校生に何されたんだ…

 

171:名無しの冒険者 ID:xzhVgCb10

 強いて言うなら男子高校生はSDですね

 

 サーチ&デストロイ

 

 見敵必殺です

 

 奴らはGと一緒。見つけたら駆逐してやりましょう♪

 

172:名無しの冒険者 ID:I2aJHx5z3

 お、そうだな(無関心)

 

173:名無しの冒険者 ID:bPQK7OHKM

 お、そうだな(無感情)

 

174:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 無言の圧が怖いです

 ワイ、恐怖で涙腺が弛みそうです

 

 次いでにケツも弛みそうです

 

175:名無しの冒険者 ID:hgp6OZ2pV

 \(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!

 

 警官の

 

176:名無しの冒険者 ID:egedczM5X

 確かに目の前でデカイ方漏らされたらSAN値だだ下がりだなw

 

177:名無しの冒険者 ID:xfVBo2Old

 >>174そのまま漏らしてしまえ!

 

178:名無しの冒険者 ID:YqJg7JIJH

 イッキ!イッキ!イッキに漏らせ!!

 

179:名無しの冒険者 ID:Sm84XHCz0

 >>178極悪で草

 

180:名無しの変質者 ID:ciLtIlAvT

 あ

 

181:名無しの冒険者 ID:0CyZw6ijf

 どうした?

 

182:名無しの冒険者 ID:e28jfC51a

 マジでやったん?www

 

183:名無しの冒険者 ID:VhhWopaHW

 『あ』だけなのリアルさがあって笑える

 

184:名無しの冒険者 ID:sSmh9eMMt

 おいどうした?書き込みが止まったぞ

 

185:名無しの冒険者 ID:nNWouu/Hd

 脳内の思考も止まってる…てコトォ!?

 

186:名無しの冒険者 ID:xQuA30cCL

 変質者遅いなぁ

 

187:名無しの冒険者 ID:gXNDybQzb

 パトカーの中で爆弾(意味深)を爆破させたから捕まってんじゃない?

 

188:名無しの冒険者 ID:05LIDnzUU

 なるほど現行犯

 

189:名無しの冒険者 ID:eLFgGiiE3

 爆弾魔ですね

 

190:名無しの冒険者 ID:hMBfX6s92

 リアルフレッド&ジョージで草

 

191:名無しの冒険者 ID:6Gg20lmrG

 一人二役しとるやんw

 

192:名無しの冒険者 ID:wNacUn8iU

 つまり警官はアンブリッジということですな

 

193:天体観測者 ID:STD7U2Uxj

 にしても遅いなぁ。ちょっと心配になってきたで

 

194:名無しの冒険者 ID:hE/XqJqe5

 もうかれこれ30分経ってるもんな

 

 

 

 

 

511:名無しの冒険者 ID:/XqJqe5Gi

 わりぃ、俺眠いから落ちるわ

 

 (´・ω・`)

_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_

  \/     /

     ̄ ̄ ̄ ̄

 

 (´・ω・`)

_( つ ミ  バタンッ

  \ ̄ ̄ ̄\ミ

     ̄ ̄ ̄ ̄

 

 (´・ω・`)<サラダバー

_(   )

  \ ̄ ̄ ̄\

512:名無しの冒険者 ID:VOwaA3JA5

 スレが半分たっても音沙汰無し…

 殆どの奴が落ちちまって、スレが終わるのも時間の問題か……

 ……来ないなぁ……あいつ

 いい奴だったよ…ホントに

 

 惜しい奴を失くしたぜ

 

 >>511おう、お休み

 

513:名無しの変質者こと爆弾魔 ID:ciLtIlAvT

 やったー!間に合ったー!

 

 なお下半身は無視するものとする

 

514:名無しの冒険者 ID:VOwaA3JA5

 生きとったんかワレェ!!

 

515:名無しの冒険者 ID:/XqJqe5Gi

 間に合ってねぇんだわ

 

516:名無しの変質者こと爆弾魔 ID:ciLtIlAvT

 なんか証拠でもあるんですかぁ~?

 ワイが漏らした証拠でもあるんですかぁ~?

 

 ないですよねぇ~?

 

 はい、証明完了Q.E.D

 

515:名無しの冒険者 ID:/XqJqe5Gi

 うぜぇし自分でコテハン変えてるくせに何言ってんだお前

 >>513>>516さてはおめぇー博士のファンだろ

 はい、証明完了Q.E.D

 

 

 

―――………

 

 

 

 近々開催される学会。

 論文自体はとうに仕上げてあるし、だからこそ参加できるんだけど、どうせならみんなの度肝を抜きたいと思って試行錯誤すること、数十日。

 

 こよはもう、限界だった。

 

「ぬわぁぁぁんんん!!!!」

 

 holoxの本拠地にある巨大な研究施設。

 ラボオートメーション*2が全体に施された自慢の施設。

 助手くん達がせこせこ働いてる傍らで、ラプちゃんがでっかい文字で『わからん』と落書きしたPeriodic Table of the Elementsの前で、こよは駄々っ子みたいに床に転がった。

 

 ゴロゴロジタバタ

 ジタバタゴロゴロ

 音にするとこんな感じ。

 

「んぎゃああああああ!!!」

 

 あっちこっちと転がって、白衣とスカートがあられもなく巻き上がり、こよのおパンちゅがコンニチワ。ルイルイが見たら目を三角にして怒ってくるだろうけど、今はウェスタに居ないからその心配はない。

 

「ぬわああああああああ!!」

 

 別に見られても恥ずかしくないし。ここにはこよとココロンと助手くんしか居ないし。

 

「あ」

 

 そういや風呂入ってないわ。

 というわけで、こよはひとっ風呂浴びてこよ。なんちゃって。

 

 こよのサービスシーンの始まりである。助手くん達よ刮目せよ。

 

 我がビューティーかつキューティーなセクシーボディー。

 ボン、キュッ、ボンな体型は世の女性達が羨む体。

 肌は毛穴が見えない程にキメが細かく、モチモチかつふんわりな触感を与えるだろう。

 ぜってー触らせねぇけど。

 

 一糸纏わぬ姿になったこよは鏡の前でポージングを取った。

 いや~素晴らしい。本当に素晴らしい。思わずデスゲームの主催者のような拍手が出る。

 

 仕上がってるね、仕上がってるね。

 大胸筋が弾んでる。

 背中に女神を背負ってる。

 

 今日もこよは美しい!!

 

 と、我に返った所で風呂入ってきます。

 ここから先は、見せられないよ!

 

 

 

 

 さて、お風呂から出てこよの気分は天国気分。ホカホカルンルンこよんこよん。

 

 しかしいくら気分が戻っても、現実は変わらないものでして。

 こよはジーっとそれを見た。

 

 ポーションがもたらす回復現象を化学で再現しようとして、できたのは良いのに必要な機械が巨大過ぎるから小型化しようとして、出来上がったのがこちら。

 

「どっからどう見てもマヨネイズやん……」

 

 そこには、『かけて良し』『飲んで良し』『ASMRに使って良し』の三拍子が揃ったこよの第二の相棒があった。

 

「マヨネイズは万病に効くお薬だった……?」

 

 いや流石に無いか。

 マヨネイズが薬なら、今頃全世界の人間はマヨラーだ。猗窩座だってそう誘うに違いない。*3

 つまりケチャップ派とソース派は異端。

 

「ひとまずLC-MS*4にかけとくか」

 

 一部をフラスコに取って近くの助手くんに分析を頼み、こよは鼻と唇の間にボールペンを挟む。ついでに腕と足を組む。

 

「原因はなんだろう……」

 

 元々作成したものより小型化を目指して早……何日だっけ? まぁいいや。

 雨にも風にも負けず、ちょっかいを出してくるラプちゃんにも負けず、日々減っていく予算と無言の圧をかけてくるルイルイと睨めっこしながら取り組んできた研究の成果が、これだった。

 

 ザ・マヨネイズ☆

 

「……つぎ込んだ研究費用いくらだっけ? いくらの無駄遣いになる? ルイルイに怒られちゃう? あ~んゴメンねルイルイ悪気は無かったんだぁ~!」

 

 いままでかけた資金がバブルみたいに弾けちゃう。

 はぁ、これで何度目の失敗作だろう。最低でも数億をかけた現実も、泡沫の如く消えちゃえば良いのに。

 

 ルイルイに怒られるなぁ……。

 きっと『これは一体どういうことかな?』と笑顔で訊いてくるんだ。そしてこよは『ゴメンナサイ』と土下座で謝り、縛られて鞭で叩かれるんだ。目隠しされた状態で焦らされるようにじっくりと、しかし時に激しく愛し合うように……おっと待てよご褒美かもしれない*5

 いやでも、ルイルイ怒ると怖いし引き摺るし、ラプちゃん煽ってくるし、どうしよう。最悪『記憶にございません』と言ったら切り抜けられるか!?

 でもそう言ったらマジギレされるよな。この作戦はボツにしておこう。

 

 タイムマシンが欲しい。そして実験を始める前に戻るんだ。せめてこのマヨネイズ(笑)を生み出す前に戻りたい。

 この時ほど青タヌキのタイムマシンをジャックしたいと思ったことはないと思う。

 

 どれもこれもコイツのせいだ!

 こよはキッと目の前のマヨネイズをねめつけた。

 

「このっ、愛くるしいボデぇーで何人の女を誑かしたんだ! 何人の人間をマヨラーの道に落としたんだ! 何本のキュウリをマヨ漬けにしたんだ!! こら!! あと加えた筈のHeLa細胞*6と山中因子*7はどこいったんだ!!?」

 

 これにはこよが大のマヨネイズ好きでも黙って首を振るレベル。でもマヨネイズには罪はないから赦すしかない。

 

「ま、なんとなく理由は分かるんだけどね」

 

 答えは単なる寝不足。

 深夜故のハイテンションを続けた結果。

 そしてろくに計算も予測もしないでバカスカ高い薬品をごちゃ混ぜした結果。

 更に言えば途中で助手くんと闇鍋感覚で食べ物を入れた結果。

 あれ、そう言えばココロンに噛み付かれた覚えがあるような無いような……。あれは多分荒れてたこよを止めようとしてくれていたんだろう。

 ごめんね。こよは急には止まれないんだ。

 あと途中で参加してきた助手くんにはお仕置き確定。食べ物入れるってバッカじゃないの?*8

 

 と、そこまで考えていた時、分析を終えた助手くんが帰ってきた。

 助手くんが分析の結果をホログラムで示してくれて、こよはじっくりとピークを見る。

 

「……ん? 何だこのピーク」

 

 普段なら気にもしない程の小さなピーク。誤差か夾雑物が何かのピークだと思うけど、何故かそれが気になった。

 

「助手くん。NMR*9とIR*10、あとXRD*11にかけて分子構造特定しといて*12。あ、あと他社のマヨネイズのデータとも比較しといて。よろしくねー」

 

 ちょっとワクワクしてきたのを自分で感じる。

 もしかして未知の化合物だったり……。

 

「ふふっ」

 

 これだから研究をやめられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 全ての解析が終わるまで時間があるし、ちょっと深夜の散歩でもしゃれこもうかな。

 

 そう思い立ってアジトを後にし、ついでに学会の会場も見ようとウェスタの街並みをブラブラ歩く。

 

「いい夜ですな~」

 

 星が煌めく空を眺め、ココロンにそう呟く。ココロンも同意するように、こよのポケットから顔を出した。

 

「なんか買って帰ろうかなぁ~。プリン買ったらラプちゃん喜ぶかなぁ……」

 

 と、独り言を呟いた瞬間、耳をつんざく轟音。

 たまらず耳と尻尾が丸まった。

 

「うぇぇえええ!!?」

 

 聴こえてきた方向を見れば、赤い炎が高く登り踊っていた。

 たちまち周囲の家の明かりが付き、何事かと家主が顔を出す。

 そしてこよと同じように驚愕の声を上げた。

 

「ココロン、ちょっと寄り道していくね」

 

 目の前の惨状を捨て置く訳にはいかない。

 ポッケに潜ったココロンに告げて、こよは白衣を翻した。

 

 そして辿り着いた現場。目の前に広がる光景は、まるで夢の様な景色だった。

 

 鼻を擽る香りは食欲を唆り、

 鼻腔を満たす匂いはこよの食指を疼かせる。

 

 こよは知らずと唾液を飲み込んだ。

 

 言い忘れていたけれど、ぼくはコヨーテの獣人。それ故か血の匂いに反応してしまうことが多かった。

 

 しかぁし! ぼくはただのコヨーテに非ずぅ!

 秘密結社holoxの頭脳にして超が付くほどの天才科学者!!

 本能を抑えるのも容易なもんよ!!

 

「よしっ!」

 

 気合いを入れるために頬を叩き、マヨネイズ*13でエネルギーを補充! しゃあやったるで!

 

 怪我して流血する人に駆け寄り、治癒魔法を施していく。深くない傷や放って置いても大丈夫そうであればポーションで対処していく。

 逆に重傷者なら、こよ特製のお薬を処方した。

 

 おら、こよのお薬飲むんだよぉ!!

 え、不味いから飲みたくない?

 

「こよの薬飲めないのかー!」

 

 良薬は口に苦しって言葉を知らないのか!

 なんやねんこいつぅ……腹いせにラムでもぶっかけてやろうか*14

 

 それにジェ○リック認証と言っても飲んでくれる人少ないし……*15

 

 えっ? もしかしてこよって信用されてない?*16

 

 いやいやまさかぁ! そんなことないよね! んねっ! んねっ!?

 こよは世界的に有名な論文に何度も名前が載ってるし*17『助手くん』も沢山買ってくれてるし!!*18

 不安に駆られてココロンに訊ねれば、コクリと頷きが返ってきた。よし、こよは嫌われてない*19

 

 そんなこんなで走り回っていたら、他の冒険者達も集まってきていたり、騎士や警察の方々も集まってきて屋敷の鎮火が速やかに行われ、負傷者への対応も落ち着いてきた。

 もうこよの出番は無いだろう。こよもやることあるし、正体バレたらまずいし、ここらでトンズラさせて頂くぜ。

 

「うん! おつこよ!」

 

 博衣こよりはクールに去るぜ。

 あとは任せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん……これは違うか」

 

 アジトに帰れば、ラプちゃんがなにやら鏡の前で怪しい動きをしていた。一体何してるんだろう?

 

「ラプちゃん? 何してるの?」

「お!? お帰り早かったなはかせ! 別に我輩何もしとらんが!!?」

 

 服を隠そうとあわてふためいてるくせに、何言ってんだお前。全然バッチリ見えてますけど?

 ラプちゃんが何かを隠しているのは火を見るより明らか。そして何を隠しているのかは考察するまでもない。

 

 思わずくすりと笑いが漏れた。

 

「何笑ってんだお前見せモンじゃねぇぞ」

 

 ふふっ、全くラプちゃんったら。

 背ちみっこいくせにこういう時ばかりは背伸びするんだから。

 でも、仕方無いよね。女の子なら当たり前だもん。

 

 そう、それはつまり。

 

「ラプちゃん。別に隠さなくても良いんだぞ? デートなんだよね。こよも手伝ってあげる」

「何言ってんだお前」

「大丈夫、大船に乗った気でいて! 惚れ薬とかちょっとエッチなお薬とか、色々あげる!」

「何持ってんだお前」

「気にしないで、ルイルイは今いないし、帰ってきてもそれとなく誤魔化しておくから!」

「我輩の言葉通じてる?」

「あ、朝帰りしてもいいけど匂いは落としといてね。バレたら怒られると思うから」

「お前の耳四つある意味あんのかよぉオオオ!!?!」

「ギェェェエエェエェェエエエエェェエェエ!?!!?!!」*20

 

 なんだ違うのか。引っ張られたこよのキューティクルなケモ耳が痛い。

 

 こよも人の子コヨーテの子。猿も木から滑ると言いますし、間違えることもありますよ*21

 

「じゃあ何してたの?」

「ん、秘密だ」

「えー教えてよ!!」

「やだ!」

「なんでよ!!?」

「やだぁ!!」

 

 押し問答の末、結局根を上げたのはこよの方。ラプちゃんは強情なのだ。

 

「言うわけないだろ馬鹿め! ガハハッ!!」

「う~、でも知りたいかったんだもん……」

「ふっ、これは理解しようとして理解できるものではないのだよ」

 

 鼻で笑ったかと思えば、ラプちゃんはそう言った。一体何を考えているんだろう? 録でもないことでなければいいな。できれば巻き込まないで欲しいけど、そんなことは土台無理な話なんだよね。うん知ってる。

 

 

 

―――………

 

 

 

 昏睡状態。

 今の沙花叉クロヱの状態は、そう呼ぶに等しいものだった。

 

「起きないか……」

 

 神器で眠らせて以降、クロヱは全く目を覚ます気配が無かった。

 どこも怪我をしてる訳ではないのに、神器の権能が未だ続いている訳ではないのに、だ。

 友人である風真いろはや鷹嶺ルイの呼び掛けにも応えず、その口元は真一文字に結ばれたまま。

 

 さて、どうやってクロヱを目覚めさせればいいのか。

 セドナは形の良い顎に指を添えて考える。

 

(ひとまずウェスタに着くまでは様子見だな。幸いにも沙花叉の財布の中に個人情報があったし、私が直接ご家族の方々に詫びを申し出よう。病院については、腕の良い脳外科医がいる所を予約しておこう)

 

 ある程度の方針を立てたセドナは組んでいた足をほどき、近くに立っていたガーディに声をかける。

 

「すまないが、亡くなった海兵達への弔いの準備をお前に任せてもいいか? 私は暫く沙花叉の件に付きっきりになると思う」

「かしこまりました。今回旅立たれた冒険者達への花向けも、同時に進めておきます」

「すまんな。よろしく頼む」

 

 ふぅ、とひと息吐いたセドナはおもむろ視線を天井に向け、目を細めて虚空を見つめた。

 その心は水平線の向こう、ウェスタを見つめている。

 

(屋敷の爆発か……ただ事ではないな)

 

 あれから何度か本土と連絡を交わし、詳細の事実を知った。チヒロは既にウェスタに着いているそうだ。

 

(イダスはともかく、チヒロのあれ程の焦燥っぷり。チヒロのあれは本当に演技だったのか)

 

 今ここにはいないチヒロの心が、セドナは少し心配だった。

 

 

 

(おっとそうだ。侵入者の遺体を移さねば。たとえ犯罪者であろうと衆目に晒されたままでは可哀想だ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は少々巻き戻り、ウェスタにチヒロが到着した頃まで巻き戻る。

 

 上空数キロメートルを音速に近い速度で飛行し、眼下に特徴的な街並みを持つウェスタを認めたチヒロは、白銀家の屋敷に向かって急降下を始めた。

 

「非常事態ゆえ手荒な入国許してください!」

 

 誰かに届く訳でもないがそう謝罪し、チヒロは片手を広げた。

 ウェスタの上空に張ってある結界の構成成分である霊子を念力によって動かし、結界の一部に大きな穴を開けたのだ。

 そしてチヒロはその穴をリヴァイアサン諸とも潜り抜け、落下速度を落とすこと無く屋敷の庭に着地し、盛大に大きな砂埃を上げた。無論、リヴァイアサンはある程度上空に浮かしている。

 

「白銀騎士団副団長銀鏡チヒロ、ただ今到着しました。現状報告を願います」

 

 山程に大きいリヴァイアサンのお陰でチヒロが帰還したことに気付いたらしく、颯爽とチヒロの部下が近寄ってきた。

 

「はっ、現在大空警察の方々にご協力頂き、調査を始めております。今は侵入経路の確認及び夜警の騎士、メイドへの取り調べを行っております」

「なるほど。負傷者の数及び死亡者の数は?」

「一般人含め負傷者総数四十三人、死亡者十二人であります」

「脱獄した犯罪者はいますか?」

「ひとりです」

「そうか……そして奥方と御息女の様子はどうですか?」

「お二人は幸いにも爆発に巻き込まれず、五体満足でありますが多少精神に影響が見られます。御息女にかかれましては先程眠りに落ちたようです。奥様は別室にて休まれております」

「ふぅ、そうでしたか。無事で何よりです」

 

 あらかた現状を知ったチヒロは、爆発現場である自身の私室へと向かった。ただ、爆発により最早跡形も原型を止めておらず、外から眺める形となったが。

 

「………」

 

 うっすらと鼻を擽る炭の匂い。吹き抜けた木枯らしは冬の訪れを告げ、それが余計に空虚さを募らせる。

 

「……」

 

 鉄筋が剥き出しになり、白く眩しかった壁は黒く染まって、足元に転がる石は元は立派な大理石だったものだ。

 軽い物や燃えやすい物は須く飛散あるいは焼失したのだろう、見える光景は正に伽藍堂だった。

 果たしてどんな思いでチヒロはそれを見つめているのか。表情を窺おうにも面が邪魔して察せない。

 

「…………」

 

 かつて部屋があった場所をしばらく眺め、チヒロはおもむろに口を開いた。

 

「私の私物で、何か残ったものはありますか?」

 

 その声音に、どこか縋るような色が含まれているのを部下は感じ取った。

 

 部下に案内された先には、今回の爆発で飛び散った物や、焼け残った物が集められていた。

 長机の上に並べられたものを、チヒロは全て見て回り、戻ってきた頃には白衣に似たコートと数百ページ程の本がその手にあった。

 しかし探し求める物は足りず、二度、三度、もうひと度と長机を往復し、幽鬼のような足取りでそれを探し求める。

 

「……っ」

 

 しかし見つからない。

 重なっているのかと写真や衝立などを退かしてみても、何もない。

 見落としているのかと何度も見直しても、そこにはない。

 

「………ふ」

 

 そしてついぞ悟ったのだろう。ピタリと足を止めた先に吐き出された悲嘆の吐息は、幼な子が母を探す声とどこか似ていた。

 

「一番大切な物が、ありませんでした」

 

 ぎゅっと抱き締めるようにコートと本を胸に押し付け、チヒロは耐えきれないとばかりに膝を折る。

 

「副団長!?」

 

 思わず部下はすっとんきょうな声を上げた。これ程弱々しい上司の姿を見たことなかったのだ。

 スンスンと鼻を鳴らすチヒロの肩に、部下は取り敢えず手を置いた。慰めになるか不明であるが、部下はこうするしかなかったのだ。

 

「あ、あの、大丈夫ですか?」

「…………」

 

 暫くしゃがみこんだ状態で鼻を鳴らしていたチヒロは、心の整理が着いたのだろう。ゆっくりと立ち上がった。

 

「……ありがとうございます。みっともない姿を見せてしまいましたね。忘れて下さい」

「いえ、そんな……あ、それより涙拭くなら俺、あっち向いてますよ」

「ううん。平気です。涙は出てないので」

 

 狐の面から覗く碧瞳は、確かに赤らんでいたが涙を流した跡は見当たらなかった。

 

「では、警察の方々と合流しましょうか」

「かしこまりました。ご案内致します」

 

 

 

―――………

 

 

 

 そこはとある空島。

 その島には草原と木々が広がり、国立公園のような自然溢れる景色が見渡す限りに広がっている。また、島の中央部には立派な教会が建っている。青と白の装飾がされた壁には幾何学模様のステンドグラスが嵌め込まれており、日光を透かして万華鏡のような模様を残していた。

 そんな荘厳な教会を取り囲むのは七つの石門。未知の言語と象形文字が刻まれたそれは、見る者の背筋を妙に冷たくさせる。

 

 此処は誰にも認知されない空島。

 この島こそが、教会こそが、シークレット・アーカイブ・ユニットの本部であった。

 

 その教会の鐘が、突如として厳かな音色を奏でた。

 

 鐘が打ち鳴らされた途端、石門のひとつが瞬いた。

 水面に波紋するように鐘の音が木霊し、門に空色の膜のようなものが形成される。そして鐘の音が静まる頃にはひとりの人物が門から現れた。

 

 再び鐘が鳴る。

 先程とは別の石門がうっすらと輝き、空色の膜が波打つ。そしてまたひとり現れた。

 鐘が鳴る。

 またもうひとり。

 鐘が鳴る。

 現れる。

 

 都合五回の鐘が鳴り、五人のエージェントが教会の中に入っていった。

 教会の内部は外観からは想定出来ない程に広い。天井は馬鹿みたいに高く、太い柱が両脇に規則正しく並び、幅も奥行きもかなり広い。素材は外観同じく不明であり、継ぎ目が何処にもなかった。

 一番奥には真っ赤に染まった巨大な十字架があった。しかし色同様向きも普通ではなく、逆さまの状態であった。つまり意味するのは“神への反逆”或いは“神の不在”であり、これを掲げた者は生半可な覚悟ではないことが窺がえる。

 

 十字架の前には円卓があり、集った五名はそれぞれ定められた席に座った。八つある席は残り三つ。ひとつは殉死したゼータの席であり、もうひとつはアルファの席。そして最後のひとつがこの組織の創始者の席である。

 

 全員が席に着いたのを見計らったかのように、何処からともなく大気に皹が入った。空間に刻まれた皹が彼らを取り囲むように広がる。

 彼らはそれを当たり前のように受け入れ、そのまま万華鏡のように煌めく空間に呑まれた。

 

 ―――それは虚像世界。この世に存在しつつ、位相がずれたあやふやな次元空間。

 水面のあちら。

 鏡の向こう。

 目に見えども決して触れることが叶わない世界。

 

 その虚像世界には、先程まで誰も座っていなかった創始者の席にフードを被った人物が始めから居たように座っていた。その両側には、アルファとベスティアが直立している。

 神話魔法の虚像世界を発動した術者である創始者は、まるで魔力を微塵も消費してないように、各々のコードネームを呼んだ。

 

「アルファ」

「はい」

 

 赤色のリボンをした彼女は、返事をすると『α』と刻まれている席に座った。

 

「ベータ」

「ここに」

 

 長身の彼はひとつ頷いた。

 

「ガンマ」

「……」

 

 獅子の獣人の彼は首肯のみ。 

 

「デルタ」

「うむ!」

 

 悪魔の角を生やした彼女は、腕を組んで頷いた。

 

「イータ」

「あい」

「シータ」

「あい」

 

 天使と悪魔のハーフの双子は、幼い見た目通りの返事を返す。

 

 全員揃っていることを確認した創始者は、嘆くような声音で口を開いた。

 

「既に察していると思うが、ゼータが亡くなった。悲しい限りだ。……我々の目指す世界の為に尽力してくれた彼に、杯を捧げよう」

 

 創始者の隣に立っていたベスティアが、各々の前に酒が入った杯を置いていく。なおイータとシータは年齢を気遣ってか杯の中身はオレンジジュースである。

 

「あ、我輩はエナドリで」

「チッ」

「あっコイツいま舌打ちしたぞ!?」

 

 訂正。デルタは酒からエナジードリンクへと変更で。

 さて、全員の前に杯があるのを確認した創始者は、自分のそれを掲げた。

 

「献杯」

「「「「献杯」」」」」

「「あい」」

 

 ひと息に呷り、コツンと杯を円卓に置けば直ぐ様ベスティアが回収していく。

 暫く黙祷を捧げたのち、創始者はさてと口火を切った。

 

「神器『宝鐘』の強奪は失敗に終わったが、これはさほど痛手ではない。あれはいつだって盗もうと思えば盗めるうえに、まだ必要ではない。それに、一番の目的である代物は手に入った」

「ほぅ。もしやベスティアに任せていた任務のものですか」 

「そうだ」

 

 ベスティア、と創始者が呼べば彼女はそれを取り出した。白銀家から盗み出したものだ。

 見た目はただの首飾り。親指の爪程大きさの玉が、金のペンダントに嵌め込まれている。

 

「これは銀鏡チヒロが持っていた首飾りだ。見た目は単なる首飾りだが、この宝玉はある力を持っている」

 

 パキリとペンダントを壊し、妖しく輝く宝玉を取り出した。

 

「別世界への扉を開く力だ」

「なっ!?」

「それは本当ですか!?」

 

 アルファとベータの声が上がる。それ程までに珍しい代物なのだ。

 立ち上がりかけた二人を手で制し、創始者はただ、と続けた。

 

「残念ながらこれは破片だ。これそのものには力はもう無い。言うなれば脱け殻だ」

 

 弄ぶように掌で転がした後、創始者は親指でコインを弾くように上へと投げた。

 

「だが一部とは言え術式は残っている。これを解析できれば御の字だ」

 

 空中で制止した宝玉は、くるりくるりと回転する。

 外から注ぎ込む日光が、きらりと反射した。

 

「とは言え、元の何分の一程の大きさだ。術式もその分欠けている。解析するのも私だけでは時間がかかる。そこで次の獲物だ」

 

 指を組んだ創始者はニヤリと嗤う。

 

「目標はウェスタで開かれる学会。そこで天才科学者―――博衣こよりを強奪する」

 

 フードの闇の向こうで、金の瞳が輝いた。

 

 

 

 

 

 

 さて、次の目標が定まった所で、空いたゼータの席についての議題が上がった。

 一番手に手を挙げたのはベータだった。

 

「そもそも、教会の孤児の中で優秀な子は居られるんですか?」

「ううん。まだ候補と呼べる所までは育ってないかな」

 

 ベータの問いに対して、アルファは首を振りながら答える。そしてアルファはデルタへと水を向けた。

 

「魔界には何か良さそうな人とかいる?」

「ん~……我輩が知ってる限りだとおらんな!」

 

 勧誘自体は各々が自由にやっているが、その成果は無いにも等しい。

 戦闘や隠密、情報操作など、結社が望む基準の最低ひとつは飛び抜けて高い方がいい。誰彼構わぬ仲間にしても、それはこちらの首を絞めるだけ。

 特に戦闘能力は最低でも白銀騎士団の隊長並は欲しいのだ。

 

 と、オレンジジュースをごくごく飲んでいたイータが声を上げた。

 

「ベスティアねーちゃは?」

「ほう。それもいい考えだな。どうだ?」

 

 イータとベータの提案に、ベスティアは決断を委ねるように創始者を見る。目を細めて宝玉を眺めていた創始者は、事も無さげに頷いた。

 

「良いだろう。許す。お前は今からV.7。……そうだ折角の機会だ。名もベスティア・ゼータと改めよ」

「承知しました」

 

 しずしずと腰を折ったベスティア・ゼータは、早速『Ζ』の席に着いた。

 彼女が着いた『Ζ』の隣は『Θ』の席であり、そこに座るシータは目出度いと言わんばかりに両腕を上げて、満面の笑みを溢す。

 そしてゼータへビシリと指を差した。

 

「ねーちゃ、シータの後輩な! あんパン買ってこい!」

「牛乳もな!」

「お前らどっかで張り込みすんのか?」

 

 早速後輩をイビるシータとイータにデルタの突っ込みが飛んだ。

 同じように、イータの対面に座るアルファからの教育が飛ぶ。

 

「シータちゃん、イータちゃん。言葉遣いは気を付けなさいね」

「あーい」

「あーい」

「よろしい」

 

 満足げにアルファが頷いた所で、創始者は手を打った。

 

「では本日は解散する」

 

 虚像世界を解き、彼らは元の世界に戻ってくる。

 アルファは創始者と共に姿を消し、ベータとガンマは石門を潜って元居た場所へと帰っていった。

 一方、イータとシータはデルタとゼータの手を引いて、遊ぼうと外に出ていった。

 

「デルタ! お歌歌って!」

「シータも聞きたい!!」

 

 いくつかある大木のひとつの根元にて、イータとシータは羽をパタパタ動かしながらデルタにせがむ。

 せがまれたデルタも、どこか恥ずかしげに後頭部を掻いて叫んだ。

 

「しょーがねぇなあ! 耳かっぽじって刮目しとけよ!」

「わーい」

「やーい」

「チャーン」

「おいいまタラちゃんいたか?」

 

 ゼータはそっぽを向いた。

*1
 第5話後書き参照

 ウェスタの中心に刺さっている剣が、本当のチヒロの剣である。

 ↑言った奴馬鹿だろwww

 ↑てめぇが馬鹿だろ。

*2
全自動で実験が行われるため正確かつ再現性が高く、操作から分析を行い、結果からAIが新たに条件を定めて実験をやってくれる。

*3
お前もマヨラーにならないか?

*4
成分分析に用いる機械のひとつ。HPLCとMSがくっついたもの

*5
我々の業界ではご褒美です

*6
ヒト細胞株で増殖が速い

*7
Oct-4、Sox2、KIf4、c-Mycの四つの遺伝子

*8
ブーメラン

*9
水素あるいは炭素の存在状態が分かる

*10
官能基が分かる

*11
結晶構造が分かる

*12
他の解析方法も用いるが割愛

*13
飲み物です

*14
いわゆる75%アルーコール消毒。ただ、正規な消毒薬ではないので、涙が出る程どちゃくそ沁みて痛い。やらない方がいい

*15
そもそもジェネ○ック自体があまり信用されてない

*16
二つ名が『マッドサイエンティスト』と『頭ピンクコヨーテ』であることからお察し。特に前者

*17
科学者にとって、世界的な論文に載ることは有名かつ優秀な証

*18
盗聴盗撮その他諸々自爆機能付き

*19
現場コヨーテ

*20
マンドラゴラ感

*21
猿も木から落ちる、である




 銀鏡チヒロ
 首から下げているのはお守り代わりの竜の角。そして親指の爪程の大きさの宝玉。髑髏島への航海は失くしたらまずいため、宝玉の方は自室に置いていた。
 一番大切な物が宝玉あるいは竜の角
 一番思い出深いのが白衣に似たコート
 一番盗まれたらマズイのが本
 ちなみに、可愛くてふわふわな物が好きなので、『助手くん』シリーズをコンプリートして部屋に置いていた。爆発して消えたが。
 基本給与はこういうものに消えていく。

 博衣こより
 ヒトミミ二つにケモミミ二つの隠れぼくっ娘な頭ピンクコヨーテ。こよの煩悩(ずのー)が火を吹くぜ!
 マッドサイエンティストと呼ばれるようになった経緯は、脳に関するとある論文が由来。
 実験中ちょっかいを出してくるラプラスには、とあるものを渡して追い払った。次回に続く。

 助手くん
 生体ロボットと機械のハイブリッド。魂が宿った存在で自我と知能を持つ。だが忠誠は全て博士とココロに向けられているため、反乱の可能性は微塵もない。ちなみに、2021年11月には皮膚と筋肉からなる生体ロボット「ゼノボット」が自発的に周囲の細胞を集めて子孫を作ることができることが確認されている。これと似た感じで、『助手くん』は『助手くん』から創られる。創り方は企業秘密。
 梱包された助手くん達は色んな人に買われてその人の元で助手のような立ち位置となる。販売文句は『猫の手でも借りたいあなたに助手くんを! コヨー手があなたの負担を和らげます』。値段は54万円。元々は540万円だったが、量産の目処と製造コストの削減と製造効率上昇と諸々安定したため徐々に安くなった。いずれは5万4千円で買える日が来るかもしれない。
 オプションで盗聴盗撮その他諸々自爆付き、というのは無論公表してない。とは言え、自爆=火気厳禁なのでそこは表記してある。なお自爆する時は博士かココロの命令があった時か、勝手に改造など分解されそうになったら。また、助手くん達がその場所で得た情報はマザーであるココロに届けられる。今回天文台の方と魔科学宇宙航空研究開発機構の事務員が登場したが、ここの情報はまるっとスッパ抜かれてる。他の研究所や企業も同様、秘密事項や機密なども抜かれてる。個人情報も抜かりはない。個人情報保護法などガン無視である。仕方無いよね、世界征服のためだもん。
 ちなみに、尻尾をぶん回すことで飛行することも可能。
 
 ラプラス・ダークネス
 我よからぬ事をたくらむ者なり。

 沙花叉クロヱ
 何やら博士と出合うフラグが立った。
 秘密結社に入る日が近い……と思われる。

 脱獄した犯罪者
 いずれ出す予定。

 シークレット・アーカイブ・ユニット
 とある空島にある教会を拠点としている。教会なので孤児も育てているが、その目的はエージェントの育成。しかし個人の意思を尊重しているため無理強いはしていない。
 創始者が空島と教会を建てた。地下には研究施設がある。

 神話魔法・虚像世界
 簡単に言えばドクターストレンジのミラーディメンション。外部からの感知は不可能であり、内部から外部への干渉も不可。それ故発動と維持に莫大な魔力あるいは霊力を消費する。

 ベスティア・ゼータ
 この度サクッと七番目の称号を獲得。
 名前もゼータが付いたが、訳すると七番目の獣になるので、そこは考えてはいけない。
 ベスティア・ゼータ、カッコいい名前ですね。

 おつこよ~!
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