白銀家のきつねじゃい!   作:ポンタ ponta

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 サブタイ『果てしない宇宙の広さに比べたら我々の悩みなどはるかに小さいものではない。人々が抱える悩みは宇宙でさえもその深刻さを理解することはできないだろう』
 byラプラス・ダークネス 同期とのAmong Usコラボのタイトルより。

 今回悟ったんですが、大抵どの話しにもholoxが出てくるので、もしや私はholoxの二次小説を書いているのでは!? となりました。本当は三期生をメインに書きたかったんだ。
 そしてようやく三日間の航海を終えて幹部達がウェスタに帰還しました。たった三日間なのにリアルでは四ヶ月以上かかってごめんなさい。そういう精神と時の部屋にいたと思って許してください。


第12話 秘密結社の用心棒! ここに見参!!

 空島の端。

 そこは天の空と地の砂漠を同時に眺められる場所。

 だがそこは、決して観光スポットなどではない。

 

 死者を弔う場所なのだ。ここは。

 

 

 シークレット・アーカイブ・ユニットの創始者は、地面を掘っていた。

 魔法などを使わず唯のスコップで地面を掘り、大人一人分の穴を作っている。

 魔法を使わずに地面を掘るのは、そのぶん心が込もるからだ。

 

「お前は確か、火葬も納棺もいやだったよな。そのまま埋めて欲しかったんだよな……」

 

 作っている墓は殉死したゼータのものだ。

 創始者はかつて交わした内容を、偲びながらも思い返す。

 

「葬り方は土葬で、だったな」

「ちなみに、何故土葬なんです?」

 

 土の掘り起こしが完了したちょうどその時、創始者の傍にいたアルファがそう問いた。

 創始者は墓石に名前を刻みながら答える。

 

「死んだ妹を土葬したそうだ。だからだろうな。彼も土葬を望んだのは」

「そうなのですか」

「ああ」

 

 一度途切れた会話は、そのまま創始者が名前を刻み終えるまで続いた。

 

「優しい奴だったな。ベスティアの面倒もよく見てくれた」

「妹と重ねていたのかも、知れませんね」

「そうだな」

 

 さて、あとは当の本人を納めるだけ。

 創始者は膝に着いた土を払うと、アルファへと振り向いた。

 

「今から彼を連れてくるが、一緒に来るかい?」

「いえ、私はここで待っています」

「そうか」

 

 創始者は肩を竦め、虚像世界を開いてそのまま中へと入っていった。

 目指すはウェスタへと帰還中の軍艦。そこにあるゼータの回収だ。

 

 

 

 

 

 

 

 場所は軍艦内の牢屋。遺体を人の目が沢山ある甲板から牢屋へと移したのを見届けたセドナは、そのまま踵を返す。

 牢屋の中には誰もいない。胸を貫かれた遺体だけがある。

 

 それなのに。

 

「これはありがたい。海に捨てられていなくて助かった」

 

 突如背後から聴こえてきた声に、セドナと三人の海兵は戦闘態勢を整えながら振り向いた。

 

「貴様どこから沸いて出た」

 

 誰もいなかった筈の牢屋には、フードを被った人が浮いていた。

 侵入者とおぼしき人物は、闇を纏ったような漆黒のフードを被り、爛々と光る金の眼だけが窺える。認識阻害がかけられた類いだろうか。

 セドナ達を見つめる視線は月光のように冷ややかな眼差しだ。

 

(なんとも言えぬ圧迫感……私より強いか?)

 

 チラリと後方で銃を構える海兵のひとりに視線を移し、微かに頷いてみせる。そうすればセドナの意図を汲んだように、海兵は速やかにこの場から離れた。

 

(これで恐らくイダスがやって来る。それまで時間稼ぎできるか?)

「もう一度問う。貴様どこからやって来た? その男の関係者か?」

 

 男の顔を覗き込んでいた侵入者は問い掛けられた質問を無視し、ゼータの遺体を浮かしてその腕に抱いた。

 

「すまないが彼を貰っていく。我々の大事な仲間なのだ。それに死霊術を使われるのは困るのでな」

「そう言われてみすみす渡す奴がおるか。貴様をここで捕縛して色々吐いて貰うぞ」

「いいや、返して貰う。そして時間稼ぎに乗るつもりはない」

 

 有無を言わさない物言いに、セドナは時間稼ぎが失敗したことを悟る。

 侵入者の爪先が一瞬床に掠った直後、決して逃がさんと展開した魔法陣が輝いた。

 

 だが、発動することは無かった。

 魔法陣が引き裂かれたように消えたのだ。

 それだけではなく、銃の砲筒も不自然に圧し潰れた。

 

「っ……!? この現象、まさか貴様『仙人』か!?」

 

 更に、大波に拐われたのか軍艦が大きく揺れた。危険なまでに凄まじい揺れだ。

 

「くそ、こんな時に……!!」

「沈没しないよう頑張ってくれ。それでは」

 

 空中とは思えないほどの流麗な仕草で腰を折った侵入者は、侵入した時同様虚像世界を開いて中へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 空島に戻った創始者は、遺体をそっと穴の中に納めた。

 そして土をかけて完全に埋め、黙祷を捧げる。

 

「……ゼータさん、笑ってましたね」

「そうだな」

 

 隣で黙祷を捧げていたアルファが言った。その青い瞳にはうっすらと水面が張っている。

 死体をその目で実際に見て、やっと実感が湧いたのだろう。桜色の唇は微かに震えていた。

 それを察しながらも、創始者は指摘するような真似はせず、手中にある『Ⅶ』と刻まれた髪紐に目を落とす。

 

「何を思って最期を迎えたのかわからんが、笑えて死ねたなら良い最期だったのかもしれん」

「そうだと良いですね……いえ、そう祈っています」

 

 髪紐をぐっと握り締めた創始者は、不意にしゃがみこんで墓石に指を這わした。そしてこう刻んだ。

 

『同志よ、貴殿の意志はしかと受け継がれた。安心して眠るがよい』

 

「理想郷を必ず掴む。それが一番の弔いだ」

「……ええ、そうですね」

 

 アルファは何か思いつつ、そっと目を閉じた。

 

 

 

―――………

 

 

 

 髑髏島を出航して数時間後、私達はついにウェスタへと帰還した。

 港町の人々が、私達の帰還を祝福するように海岸ギリギリまで駆け詰めていた。

 

 だが私はそんなことより手元にある封筒に目がいっていた。

 報酬で貰ったものだ。厚さからして期待ができる。

 

「へへ、報酬はおいくら万円かなっと」

 

 取り出した万札を数えていると、ワァッ、と歓声が上がった。どうやら宝鐘さんが神器『宝鐘』を掲げたらしい。

 私もワァッと歓声を上げた。数えた報酬は百万近くあった。ありがてぇありがてぇ。

 

「なんだか帰ってきた気がするでござるなぁ」

「そうだね」

 

 歓声鳴き止まぬまま船着き場に到着し、軍艦を降りた私達に向けられる拍手とカメラのフラッシュ。個人のものなら写っても多少構わないが、テレビのものは困る。

 私達は秘密結社の構成員。つまりシークレットな存在なのだ。

 こよりはともかく、そんな存在がテレビに出るなど、忍ばない忍びと同じもの。でもN○RUTOは面白いからオーケー。個人的にはSPY○FAMILYもオススメ(・・・)です。私、タカですけどー。

 

(うむ、今のは我ながらグッドなシャレだったのでは? あとでネタ帳に書いとこ)

 

 なんてしょーもないことを考えつついろはの手を引いて、そそくさとその場を後にする。人気の無い裏路地に入った私は、いろはに向き直った。

 

「急に引っ張っちゃってごめんね」

「いやいや、大丈夫でござるよ。それよりどうして急に?」

 

 コテン、と首を傾げたいろはに、私は胸を張ってこう言った。

 

「君を我々holoxのアジトに案内するためだよ」

「ええぇえええ!!?!?」

 

 中々ナイスな叫び声をあげるいろはに、私は意気揚々とアジトへと道のりを踏み出した。

 

「ほら、置いてっちゃうよ!!」

「あっ、待つでござる!」

 

 呆けていたいろはは我を取り戻し、追い付いたそばからルンルン♪ と言った感じで私の隣をご機嫌に歩く。

 そんなに嬉しそうだと私もなんだか嬉しくなってきた。

 今日はいろはの歓迎会を含めて豪勢にしようかな。報酬も入ったことだし、お高いお肉やお酒も今日ばかりは解禁しようかな。

 おっとその前に帰ってきたことを連絡しないと。それにいろはも連れていくことも言っておかないと。

 

「そういえば、構成員って何人いるんでござるか?」

 

 何度目かの話中音*1のあと、切れ目を狙うようにいろはは訊いてきた。

 全くもう、電話にでんわなんて何してんだ一体。

 そんな心の苛立ちを圧し殺し、私は勤めて笑顔になった。

 

「少ないと思うけど、私含めて三人しかいないよ。昔……創設当初は五人だったけどね、二人減って、代わりにこよりが入って、そして今三人。でもいろはが入ってくれたから四人になったね」

「その“こより”という人物はどんな人でござるか?」

「私達の科学者で、博衣こよりっていうコヨーテの獣人だよ。髪の色が珍しいピンク色だからひと目で分かると思う。好奇心旺盛な人でたまに悪戯してくる子だけど心根は優しいよ」

「そうでござるか」

 

 ふんふん頷くいろはに、私は総帥のラプちゃんについて話すことにした。

 

「それで、私達のトップがラプラス・ダークネス。総帥だよ。見た目は子供だし言動も子供だし味の好みも子供だけど」

「逆に大人っぽいところは?」

「うーん……態度?」

「あはははっ!」

「あと秘めたる力を解放すれば強いよ」

「ほぉ、『秘めたる力』……カッコいい響きでござるな!! ちなみにかざまと総帥が戦ったらどっちが勝つでござるか?」

 

 あれ、こんなに血の気が多い感じだったっけ? 戦闘狂の気質があるのかな。

 

「いろはが勝つよ。けど」

「けど?」

「けど、封印が解かれたラプちゃんには、いろはどころか誰も敵わないよ」

「封印?」

 

 不思議そうな顔をして首を傾けるいろはに、私は少し言い淀む。ラプちゃんの首に枷を嵌められた経緯を、私は知らないのだ。

 

「本来頭も良いし、力も膨大だけど、今は力の大半が封印されているんだ」

「なんで封印されているでござるか?」

「それがね、私はちょっと事情で寝てたから知らないんだよ。訊いてみてもその時の記憶が無いらしくて、もう手掛かりなしよ」

 

 その時からだ。ラプちゃんにあのカラスが纏わりつくようになったのは。

 

「総帥の側にカラスがいてね、コイツもまた変なヤツでこよりが入ってからソイツのDNAとか調べて貰ったんだけど、不明な領域があったり変な欠落とかあったりして意味不明だって言ってた」

「もしかしてカラスじゃないのかも……」

「いやでも、だいぶ可愛らしいとはいえ見た目がカラスだし、カラスのDNA持ってるんだよ? なのにカラスじゃないだなんて、そんな筈ないよ!」

「あはは、そうでござるよな!」

 

 でもあのカラス、ずっと生きるんだよね。

 まるで、死んでいることを忘れているかのように。

 

 …………。

 

 なんだか薄ら寒くなってきたからこの話やめよ。

 

 

 

 

 

 

 

 我々holoxが持っているアジトはいくつかあるが、その中でもよく使うアジトだ。もはや月にある本拠地とここだけでも良いかと思っているが、やはり念には念を入れておきたい。

 

 いろはを案内状したのは、そのアジトである。

 西○△(まるヤマ)商店街の一角に立つ四階建ての古びたビル。その三階。まぁ一階と二階部分をぶち抜いているし、地下にも通路あるので実際にはビルそのものなのだが。

 

「ここだよ、私達のアジト」

「……あの、ひとついいでござるか?」

 

 私の隣に立ついろはは、とある一点を指差した。

 その指の先を辿れば、『秘密結社ホロックス』と塗られた窓が。

 

「ほんとに秘密なのでござるか? 堂々と窓と看板に、名前書いてあるでござるが」

「うん秘密だよ?」

「えっ?」

「え?」

 

 なにその反応。

 

「名前書いとかないと宅配物届かないだろ」

「あ、なるほど! そういうことでござるか!」

 

 ホロゾンは大事。Uberも大事。

 動かなくても届けてくれるのは楽である。

 

「さて、それじゃあ中に入ろうか! 私達のトップ。holoxの創設者、総帥が待ってるよ!」

「は、はい!!」

 

 階段をトンテンカンと上り、汚ねぇ字で『いりぐち』と書かれているドアをオープン。

 中は真っ暗だった。

 

 あ、これ絶対ラプが何かやるつもりだ。

 

 夜の闇よりなお暗い。そんな雰囲気に腰がひけたのか、いろはは私の裾をギュッと握った。あらやだカワイイ。ぽこべぇはいろはの足にしがみついた。あらやだカワイイ。

 

「足元階段だから気を付けてね」

「ルイねぇ、なんか中からおぞましい気配がするんですけど!? 中に入って本当に大丈夫なのでござるか!?」

「うん。それがラプちゃんのだから」

 

 おぞましい気配、ね。やっぱり分かる人は分かるモンなんだね。

 ラプラスの気配を捉えられるなら、やっぱり期待は大きいな。なんとしてでも引き込まないと。

 さて、歓迎のつもりだろうから灯りを付けず、いろはを背中にくっつけたまま階段を下りていく。

 

 すると。

 

「………!」

「……ァ!」

 

 暗闇の向こうから、何かの声が聴こえてきた。

 

 苦悶に身を捩るような声。

 荒い息遣い。

 何かを啜る音。

 

 おっとこれはホラー路線だろうか。

 

 私幹部は見抜きました。

 きっとこよりもひとつ噛んでいるに違いない。ホログラムを使って脅かしてくるだろう。

 

 私はホラーが大の付く程嫌いだが、多少分かっていれば心の準備はできる。しかも相手は気心のしれたラプとこより。恐怖心はそれで衰えた。

 しかしいろははそうじゃない。現に私の裾を握る手が強くなっているのを感じる。

 

「ぐふふふふふ……!!」

 

 ラプの声らしき声が聴こえた途端、いろはが少し跳び跳ねた。

 

 しかしなんだその気持ち悪い声は。

 アニメでみる腹がでっぷり肥えたハゲニート(30代後半)みたいな声じゃねぇか。

 

 一体どんな想定をしてやっているのか気になる。

 誘拐した小娘を脅す輩の演技か。

 それとも下卑た笑みを浮かべる輩の演技か。

 

 どちらにせよ、何でそれを選んだか不思議でしょうがないが。

 

「ドゥフフフフ……」

 

 気色悪い。いやホント気持ち悪いな。思わず鳥肌が立った。鳥だけに。タカカカカカカカカカカッ!!!

 これを演技でやっていると思うと、改めてラプは凄いなと思えてくる。こんなこともできるなんて、長年の付き合いなのに知らなかった。

 

 後で演技のコツでも聞いてみようかな。

 そう、ラプのことを見直した直後、

 

「あぁ! ママから産まれるよぅ! 受け止めてぇええ!!」

「なにやってんだお前はぁぁ!!!!?!!?」

 

 

 

 

 

 

 いや別に自分の性癖(?)を暴露するのがholox流の歓迎ではない。むしろそれをやってたら頭の正気を窺う。割りと本気で。

 

 ラプラス・ダークネスが博衣こよりの甘々ボイスを手に入れたのは、ちょっかいを出さない代わりに貰ったものだ。

 せっせこ実験している中で総帥を煩わしく思った博士は、多少時間が無駄になるけどこのまま居続けられるよりはマシとのことで、わざわざ総帥へと向けた甘やかしボイスを録った。そして渡した。

 総帥はソレを、ひゃっほいエエもん手に入れたぜ、と小躍りしながらラボから戻り、玉座の上で暫し思考の海に潜った。

 

 それは。

 

(これをどういうシチュエーションで聴くべきか……)

 

 である。

 

 中身は既に博士が言っていた。甘やかすものだと。

 それすなわち博士=ママ。我輩のママ。ママァ!!

 そんな崇高で厳粛な荘厳たるものを、

 どんな宝石よりも気高く美しいものを、

 果たして適当に流すだけで良いのか?

 

 いいや、断じて否である。まごうことなき否である。

 だがしかし、では実際にどう聴くべきか。

 

 夜寝る前に聴くべきか。

 朝日を浴びながら聴くべきか。

 風呂に入りながら聴くべきか。

 穏やかな昼下がりに転た寝をしながら聴くべきか。

 

 いや時間帯だけではない。どんな想定で聴くのかも大事だ。

 

 例えば、疲れきった社会人の新人が実家に帰って母親の作ったご飯を食べて愛を感じる想定か。

 例えば、お外で遊んでいて転んだ幼児が、母親に『痛いの痛いの飛んでいけ~』と慈しまれる想定か。

 例えば、母親の腕の中でこの世に怖いものなどないと眠る赤ん坊の想定か。

 

 ああ難しい!

 

 服装をビジネスマンにしたりキャリーウーマンにしたりと着替えていたら、博士にバレそうになったのは危なかった。

 

 ああでもないこうでもないと、総帥は苦悶の声をあげ続ける。

 どんな数学の証明問題よりも難しいこの問いに、総帥は何時間も頭を捻らせた。それはまるで『1+1』の証明。見た目は至極簡単なのに難しい。

 人によってはクソ程どうでもいいこと*2に数日費やした結果、総帥の頭に天啓が舞い降りた。

 

(果てしない宇宙の広さに比べたら我々の悩みなどはるかに小さいものではない。人々が抱える悩みは宇宙でさえもその深刻さを理解することはできないだろう)

 

 悩みに悩んだ結果に得た天啓で、こんな迷言が出ました。やだ頭のネジが弛んでる。絞め直さなきゃ。

 

 総帥は神妙な顔で角をグリグリしていると、ひとつ案が浮かび上がった。

 

 原点帰りして戴こう、と。

 

 そうして出来上がったのがこちら。

 

 どっから調達したのか不明な赤ちゃんのおきるみを着て、

 口にはおしゃぶりを咥えて、

 首もとにはよだれ掛けを準備して、

 目元はタレ目が書いてあるアイマスクをして、

 耳には博士のボイスを聴くために高性能イヤフォンをして、準備万端な総帥である。しかも母の子宮内を再現するためにわざわざ暗闇の中で聴く徹底ぶり。

 

 ここで問おう。

 

 これが悪の組織のトップの姿であろうか?

 これが悪の組織のトップの姿であろうか?*3

 

 その答えは以下のやり取りをご覧戴こう。

 

「痛い痛い痛い!!? ちょっおま、何で我輩を殴るの!!? 何で無言で殴るの!?!? ここVALORANTじゃないんだけど!!?」

「………」

「痛い痛いやめろやめろ! やめろってお前やめろっっおま千葉ロ○テ!!?」

「…………」

「ごめんなんか我輩やった!? 痛い痛い! すまん正直やらかしたこと多すぎてわかんないだが!!? 待て鞭取り出すのはマズイって我輩そんな性癖持ってないんだわ!!」

「……」

「だからってヒールで踏むのは痛いって!! ごめんごめんごめんなさい!! 我輩のママは鷹嶺ルイだから嫉妬しないで!!」

「………」

「やめてぇ! 我輩のライフはもうゼロよぉ!!」

 

 とんでもねぇ絵面だった。

 背後に鬼神を背負い、怒りで燃える鷹嶺ルイは恐ろしい程に無言で総帥を殴り続けた。ビンタではなくグーで。

 もはや怒りで炎が見えるレベル。あなたってもしかして鷹じゃなくて不死鳥ですかってレベルで燃えていた。

 だがその怒りも理解できる。威厳溢れる佇まいを期待していたのに真逆のベクトルに突き抜けている姿を新人に見られたら、もう共感性羞恥心で赤っ恥どころか顔面から火を吹くレベルで穴を掘るから埋めてくれと懇願したいところ。せめていつものようにゲームをしていてくれれば助かったのに。

 幹部の心は羞恥心100%アンド憤怒100%の計200%で破裂寸前。

 

「まぁまぁルイねぇ、ここはひとつ落ち着いて、ね?」

「スゥゥゥゥハァァァァアアアア…………」

 

 ふざける余裕を失くした総帥が両頬をパンパンに腫らせて泣きじゃくりながら「ずみ゛ま゛ぜん゛でじだっっっ!!!」と土下座するまで続いた珍騒ぎは、holoxのニュービー、サムライの風真いろはの仲裁によりなんとか治まった。しかし暴力の嵐の後は絶対零度の猛吹雪。幹部の他人行儀が総帥を襲う。

 

「私、何度も連絡したよね? ここまで来る間に最低でも十回は連絡したのに、一体全体どういう了見で連絡を無視したのかな?」

「き、気付きませんでした……」

「そうかそうか。私からの重大な連絡を無視できるほど何かに熱中していたのかな?」

「その件は本当に申し訳ございませんでした」

「私がせっかく戦闘員を確保したのに? 髑髏島に行って死地を潜り抜けてきたのに? 金も稼いできたのに? そんな功労者に何のひと言も無いのですね?」

「お帰りなさいませ!! さささ、こちらのソファーに座っていただいてね、僭越ながらわたくしが肩を揉ませていただきますね!」

「は?」

「すみません」

 

 たったひと言で地に沈んだ己の上司を、幹部はソファーに腰掛けながら見下ろした。

 

「別にね、私もあなたからのお帰りの言葉を期待してた訳じゃないの。私はね、この子の歓迎会を期待していたの。どんなふうにお迎えするのか期待してたの」

「はい」

「ドア開けてみれば中暗いし変な声するし、てっきり怖がらせてからの歓迎! 的な感じでお迎えすると思えば……ハッ。こよりから貰ったボイスを聴いているとか……ほとほと呆れて失望したわ」

「はい」

「我々のトップが、かつて魔王と死闘を繰り広げた伝説の秘密結社が、その創設者が、そんな格好している上におしゃぶり咥えていて恥ずかしくないんですか?」

「はい」

 

 未だ赤ちゃん姿でいる総帥は、もはや『はい』しか言えなくなっていた。

 ガクビシャブルブルマナーモードで土下座し続ける総帥に、幹部はトドメのひと言を放った。

 

「二ヶ月コーラとゲーム禁止ね。没収します」

「う゛うっっ!?」

「返事は?」

「Yes My Hawk!!」

 

 直ぐ様敬礼のポーズ*4を取った総帥はもう……なんというか……その……うん、端的に言って哀れだった。

 首もとのよだれ掛けは涙と鼻水でぐしょぐしょだし、なんなら足元の床も涙で塗れてるし。

 見るからに近寄りがたい姿であるが、しかし、それはずっと蚊帳の外にいたいろはの母性を揺さぶった。

 いろはは今すぐに駆け寄って抱き締めてやりたいと思ったが、それをやったら幹部に怒られると思い、頭を撫でてやることにした。

 

「よしよし、恐かったでござるな」

「ううっ、しんじん。お前優しいなぁ……しんじんの優しさに全我輩が泣いたよ……」

「はいはい。お鼻チーンしましょうね~」

「ヂィィィイイイン……」

 

 しばらく入社当日の新人に膝枕で甘やかされる社長(赤ちゃんコスプレ)のような構図で精神回復していた総帥は、ハッと思い付いたように立ち上がって胸を張り、ピシッといろはに指を差した。

 

「頭が高いぞ控えおろう!! 我輩はラプラス・ダークネス! かの秘密結社holoxの創設者である!!」

「自己紹介できて偉いでござるなぁ。拙者は侍の風真いろはでござる」

「む、我輩偉いんだぞ!! 生まれ故郷だと皇族だったんだぞ!!」

「そうでござるかぁ、かざまも族長の一族でござる」

 

 もはや威厳など塵ほども無いので、いろはは敬うことをしなかった。なんなら赤ちゃんだとも思ってる。

 だっておくるみ着てるし、おしゃぶりも持ってるし。

 

 さて、そんな感じに親交を深めていた二人であったが、席を外していた幹部が博士を連れて戻ってきた。

 

「君がルイルイが言ってた風真いろはちゃん?」

「そうでござる。以後よろしくお願いするでござる」

「うん、よろしくねいろはちゃん。それでひとつ、訊きたいことがあるんだけど……」

「なんでござるか?」

「holoxの“ニュービー”風真いろはと、マヨネイズの“キューピー”……この相似は果たして偶然かな?」

「えっあっえっ、あ……え?????」

「こめん今のは冗談。本題はこっち。サラダにかけるのはマヨネイズ派? それともドレッシング派? まさかのケチャップ派?」

「えっと、かざまはそのまま戴く派でござる」

「異端者め!!」*5

「なんでぇ~?」

 

 この言葉の通じなさ。

 こんな感じがholoxかといろはは何となく分かるようになった。

 

「者共出合え魔女狩りじゃああああ!!!」

「なぁあんでそんなに怒ってるんでござるかぁぁああ!!?!!???」

 

 

 

―――………

 

 

 

「ねぇねぇラプちゃん。ルイルイにガチギレされてどんな気持ち? 新人によしよしされて今どんな気持ち??」

「くっ……」

「『Yes My Hawk!!』と叫んでどんな気持ち??? ねぇねぇ教えてよ!!」

「くっ……殺せ!!」

「そういえばこより。実験の方はどうだった?」

「うウッ!? ベ、ベツニナントモナイヨ? ホントダヨ? コヨリウソツカナイ」

「ふ~ん……助手くんいるー?」

「すみません無駄にお金使っちゃいました!!!」

「へぇ。おいくら?」

「ご、ごごごご、ごごっ!!」

「五十万? 五百万? それとも五千万? どちらにせよ言えよほら早く怒らねぇからよ」

「ほ、本当に?」

「うん」

「五億でっす!!」

「………」

「……」

「……………」

「……あれ? 本当に怒ってない?」

「……ガハッ」

「あ、ルイルイが白目剥いて吐血したぁ!!? ごめんなさーい!!」

 

 数分後。

 

「あ、起きた?」

「……お前マヨネイズ三ヶ月禁止ね」

「えっ、さっき怒らないって言った! ルイルイさっき言った! こよバッチリ聞いてた!!」

「マヨネイズ無限に禁止が良かった?」

「いえ滅相もないです。Yes My Hawk!!」

 

「ねぇねぇはかせ、後学のために訊きたいんだけど『Yes My Hawk!!』って叫んだ今の気持ちってどんな気持ち?」

「……むきぃぃぃいいい!!!」

「ウェーイざまぁ!!」

「てめぇの体こよんこよんにしてやんよ!!」

「やってみやがれお先ダークネスにしてやんよ!!」

「うるさい」

「「はい」」

 

 秘密結社holoxの実質的なトップはルイねぇかもしれないと悟ったいろはであった。

 

 

 

 

「ううっ、節約しないと……」

 

 でもなんだかんだ一番泣きたいのは幹部だったのかもしれない。

 家計簿ソフトを立ち上げてキーボードを叩くその背中には、しめじめとした哀愁が漂っていた。

 

 

 

―――………

 

 

 

 遺体を奪われたのは最悪だった。死霊術をかけて操れば、情報を抜けたと言うのに。

 今回は本当に私の失態が多い。もうヤダ鬱になりそう。

 しかし私がしゃんとしなければ部下に示しかつかない。そして何よりも自分の尻は自分で拭わなければ。

 

 私は宝鐘海軍総帥。『海王』の称号を受け継ぐもの。

 

 心の中で頬を叩き、私はマイクを持って立ち上がり大きく息を吸った。

 

「これより会議を始める」

 

 集ったのは我々宝鐘海軍と白銀騎士団、そして大空警察の三組織。会議室の端には数人だが王族護衛団も立っていた。

 

 議題はもちろん神器『宝鐘』を狙った侵入者。そして白銀家の屋敷を爆破した犯罪者についての一連の事件だ。

 

「軍艦に忍び込んでいた侵入者は、“我々”と名乗っていた。そして“獣”と呼ばれる人物が銀鏡チヒロの私物を盗んで騒ぎを起こしたことも判明している。これらより、相手は何らかの組織であることが考えられる。また、この侵入者の死体を仲間とおぼしき人物に盗まれた。この人物に関しては私、『海王』が展開した魔法陣を霧散させたため、長年の研鑽を重ねた『仙人』、あるいは『聖仙人』である可能性が高いと思われる。もちろん、希望的予測に過ぎないが」

 

 そこで、スッと警察の者が手を挙げた。

 そこに目を向ければ、その警官は驚く程身長が高かった。おそらく二百は越えているのでは?

 そんな私の感想なぞ露知らず、警官は席を立って口を開いた。

 

「『海王』と『最強』が搭乗しているのに、戦闘と呼ばれる戦闘が無かったのは可笑しいと思われます。無論、あなた方を疑っている訳ではないです。私の考えでは、おそらくその死体を盗んだ人物は空や海からの侵入ではなく、変わった方法で海に浮かぶ軍艦に侵入したと思います。具体的にどう侵入して去って行きましたか?」

 

 その質問に、私の代わりにイダスが口を開いた。

 

「当時のセドナからの報告によると、その人物は神話魔法に分類される魔法、『虚像世界』を展開することで軍艦に出入りした。補足すると、虚像世界と呼ばれる世界はここの世界とは少しずれた次元で、その世界の展開と維持に膨大な魔力、あるいは霊力を必要とするが、それに見合った力を発揮する。虚像世界だと自由に移動でき、かつあちらからはこちらの動向を観測できる。しかし干渉できないため、干渉するには一度虚像世界を解いてこちらに出る必要がある。なお予め言っておくがこちらからの感知や干渉は不可能だ」

「イダス、詳しい説明をありがとう。以上により、そいつはこちらからの感知を潜り抜け、死体を持ち帰った。神話魔法を自由に展開していたため、膨大な魔力、あるいは霊力の持ち主だと思われる。我々からは以上だ」

 

 私が着席すると、今度はチヒロがマイクを持って立ち上がった。

 

「私の所有物で盗まれたものが判明しました。騎士団の方々はよくご存知だと思いますが、私がよく首から下げていたものです」

 

 そう言われて思い出してみれば、確かに航海中のチヒロの首には竜の爪しか下げられていなかった気がする。そうか。あれが盗まれたのか。

 

「あれはペンダントに、加工した竜の宝玉が嵌め込まれたものです。しかしこれを何故盗んだか理解できません。あれは異世界へ渡れる力を持っていましたが、今やその残骸に過ぎません」

「なに、異世界へ渡るだと?」

 

 賑やかに会議室が騒がしくなる。私も思わず眉尻が跳ねた。

 だがしかし、それ程までに貴重な代物なのだ。その希少さは比肩するものが無いと言っても過言ではないくらいの物だ。

 

「それはウツシヨへの扉を開くものですか?」

「えーと、それは明言できないですね。覚えている限りではこちらのカクリヨと大して変わってなかったので」

「おお……」

 

 更にざわめきが増した。私も思わず瞠目する。

 ウツシヨが存在することは確かだ。だが、それは誰も見たことがない世界。ウツシヨからの流れ物でしかその存在を確認できなかったと言うのに、それを直接目で確認したのかもしれないとは。

 いや今はウツシヨや異世界のことは置いておこう。本題がずれる。

 

「んん゛っ、その話はとても興味深いが今は脇に置いてもらおう」

「そうですね。話を戻します。先ほどもお伝えした通り、あれに力はもうありません。破壊されたことで刻まれた術式も殆どが失われています。解析することも難しいでしょう」

「なるほど……他に何か気付いた点は?」

「そうですね………強いて言えば、かけていた強固な保護魔術が破られたことでしょうか。魔術は私でしか解けない筈だったのに……そこが不可思議なところですね」

「そうか」

 

 チヒロによる報告は終わり、次に大空警察の報告に移る。

 

「調査の結果屋敷を爆破した人物は銀髪で身長140~160センチの十代女性であることが判明しました」

 

 と、そこで会議室の中央のテーブルにホログラムが投影された。

 しかしそこに映された者は合成された人形だった。

 

「監視カメラなどには映ってなかったのか?」

「ええ。そのため目撃情報により作成したのがご覧になっているものです」

 

 なるほど。

 つまりこの女性は侵入する際に監視カメラやセンサーを弄くって映らないようにしたと。

 ならば電気系統のものを支配する、とかそういうワザの持ち主か?

 いや、屋敷には侵入者対策の魔法が掛けられている筈。なら魔法系統のものも支配するのか。

 一体どんなワザなのだ? それとも機械や何かの魔法具などを使ったのか?

 

「この女性に関しては目下捜索中であります。また、屋敷の地下にある犯罪者収容施設において、昨日の爆発に便乗し、犯罪者共の暴動が発生。結果一名の脱獄者が出ました」

 

 先ほどの人形が消え、今度は脱獄者の顔が拡大されたものと、全身の姿が映し出された。

 

「この囚人の名前は残念ながら残っておらず、一連の事件から名付けられたものとなりますが、『七変化』と呼んでおります。その名の通り、他人に成り済ます『七変化』というワザの持ち主であり、『七変化』はこれを悪用して強姦、強盗、殺人等を行いました。また、そのワザにより未だ不明である事件等について、関与の有無を調査しておりました」

 

 ホログラム上の脱獄者は、警察の説明に応じて背も歳も性別さえも異なる七人の男女に変化してみせた。

 

「『七変化』の弱点としては、成り済ますためには一度手で触れる必要があること、そして複数の人物の要素を取り込んだ、いわゆるキメラのような人物にはなれないこと、指紋や声紋などは変えられるがDNA自体は変えられないこと、成り済ます人物の記憶は持てないこと、最後に継続して『七変化』できるのは二十四時間だと判明しております」

「質問。例えば、八人以上の人物に触れた際、始めに触れた人には変化できるのか?」

「いいえ」

「そうか。ならば少しは安心だな」

 

 過去に触れた人物にも変化できるとなると、その厄介さは想像を絶することになるだろう。

 これだけでも充分楽になる。

 

「現在検問を要所要所に設けており、ウェスタに出入りする人々にも、須く身分証の提示、或いは友人や家族からの確認*6を行っております」

「そうか」

「また、こちらの『七変化』に関しては、かつて事件解決と逮捕に協力して頂いたアメリア・ワトソン様にも再度のご協力をお願いし、快諾を頂いております。ワトソン様には我々と同じ捜査が出来るよう、特別捜査権を渡しておりますので、そちらのカードを提示された場合、ご協力をお願いいたします。以上です」

 

 一礼した警察は腰を下ろし、次に入口付近で立っていた王族護衛団の一人が、おもむろに話し始めた。

 

「昨日の爆発による重傷者に関して、陛下から神器『姫森』を展開して戴くこととなりました。よって、現在負傷者が集められている『ウェスタ魔科学総合医療病院』にて、三日後の昼十二時に陛下が親臨なされます。この場をお借りしまして、白銀騎士団及び大空警察の方々に関しては、我々王族護衛団との合同護衛をお願い申し上げます」

「了承した。私白銀イダスと銀鏡チヒロ、及び三名の隊長で参上致します」

「こちらも微力ながらお力添え致します」

 

 

 ――情報の擦り合わせなどは終わり、会議はお開きとなった。

 次の予定はテレビの取材。

 会議室で溜め息を吐いた私は、重い腰を上げてテレビ局の方々が集まる別室へと移動を始めた。

 

 長い廊下に響く私の足音。

 遠くから聞こえる誰かの話し声。

 

 それらになぜか、妙に嫌な予感がして止まらなかった。

 

 

 

―――………

 

 

 

「ベータ」

 

 そう一言、創始者は呟いた。

 吐き出された声音を、独り言と断言するには気が早い。そこには創始者しか居ないと言えど、向けられた言葉は己自身ではない。

 

「会議はどうだった?」

 

 ベータは大空警察に潜入している工作員。

 先ほどまで行われていた会議にも出席していたのだ。

 裏を返せば、それほどまで重要な会議に出席できるほど、地位が高いことを示している。

 

「そうか。我々にはまだ気付いていないか」

 

 創始者は淡々と話を聞き、続きを促した。

 

「ほぅ、三日後に姫森が城を出ると。神器を奪うなら良いチャンスだな。……ふむ」

 

 現状、創始者が求める神器で一番欲しているのが神器『宝鐘』。そして二つ目が神器『姫森』である。

 しかし、どちらも今必要ではなく、おいおい必要となるもの。別に今焦って計画を立てる必要はない。代替措置も考えてある。

 

「いや、今回は見逃そう。天才科学者をかどわす前に、無駄に警備を増やされては少々困る。それとベスティアに繋がるものは極力消すか捏造しておいてくれ。以上、報告ご苦労だった」

 

 『Ⅱ』の髪飾りを使った通話を切った創始者は、座っていた椅子から立ち上がった。

 そして目の前の大釜に手を当てた。

 中には何も入っていないように見える。

 

「神を殺す“神喰呪(かみがじゅ)”。はてさて博士の頭脳は、これの完成に役に立つかどうか」

 

 おどろおどろしい音を立てて、泡が弾けた。

 

 憎悪が鼓動し殺意が脈打つ。

 渦巻くのは底知れぬ憤怒。

 煮え立つのは相容れぬ慈愛。

 

「私は必ず、理想郷をこの手に掴む」 

*1
ツー、ツー、ツーのヤツ

*2
『1+1』は2に決まってるやろ常識やで

*3
大事なことなので二回

*4
荒ぶる鷹のポーズではない

*5
前話参照 マヨネイズガチ勢

*6
長命種や聖人などは身分証を作成しても年齢と見た目が合わないため、本人の確認が難しい。そのため、友人や家族からの本人認証が必要となる。また、国家権力者の認可があれば友人や家族でなくとも大丈夫。銀鏡チヒロはこれに該当する




 ラプラス・ダークネス
 ASMRのくだりは配信『はかせ、お前のこと今日はママって思っていいんだよな?』を元に作成。
 Yes My Darkよりも先にYes My Hawkを言わされる。
 こよりの甘々ボイスは木っ端微塵となったしコーラとゲームは没収された。泣き崩れた。もうタイミングが悪かったとしか言いようがない。
 オイオイと目から涙のナイアガラ。
 ダラダラと鼻から洟のダークネス。
 徒然なる無聊の暇を慰めるため、何よりも幹部の機嫌を直すため、バイトを始めるかと思い始める。
 ↑より前にSAN値ピンチになる出来事が。次回に続く。

 鷹嶺ルイ
 激おこカムチャッカファイヤー。
 どんな感じに歓迎するのかな~とウキウキワクワクしてたらまさかの総帥が赤ちゃん姿でキモいこと言ってて気分が急転直下。腰の鞭は武器ではなく調教用に使われることが多い。
 実家に帰らないだけありがたいと思え。
 申し訳ないが用心棒の給料は暫く払えそうにない。
 純真だから五円チョコで騙されないかなぁ~と思ってみたり。でもそれはそれで良心が痛くなる。
 ネタ帳が無いことに気付いた。

 博衣こより
 マヨネイズ過激派ガチ勢異論は狩る。
 天才科学者だが幹部の前では形無し。マヨネイズは禁止となった。禁断症状が出るかもしれない。
 五億だぇ~~! 五億の無駄遣いだぇ~~!!
 次回学会。命の危機。

 風真いろは。New!!
 この度秘密結社holoxに用心棒として入社。抱いていた幻想が*1打ち砕かれるも、すんなりと受け入れた。仲良くできそうでハッピー。しかし全員陽の者の気配がしてほんのちょっぴり肩身が狭い。
 入社して真っ先に学んだことは幹部は怒らせると恐いこと。この度給料のピンチを迎えた。はてさて初任給は貰えるのか!!?

 沙花叉クロヱ
 未来のインターン。今はウェスタ魔科学総合医療病院に入院中。

 創始者
 実は滅茶苦茶強い。二柱の神の力を使えるし、どんな魔法も効かない。なのでゼータを奪う時も魔法陣消さなくてもよかったし、なんなら気付かれる間も無く奪えたが、それやったら演出上つまらないのでこうしました。
 どうやら自然に嫌われている様子。次回に続く。

 死霊術
 死者に魔術をかけて己の意思通りに動かす魔法。腐っていようが骨になっていようが問答無用で動かす。主にネクロマンサーが扱う黒魔術の一種であり、蘇る訳ではない。命を弄ぶこととなるので、人間などには基本やってはいけない。倫理的にアウト。ただ、犯罪者や家族からの要望等で情報を聞き出すために行うには大丈夫。しかし、この場合では脳味噌が必要となるので死体の頭部が最低限必要となる。それ以外は無くても可。
 悪用しようと思えばいくらでも悪用できる。

 身分証明書等に関して。
 エルフや聖人、仙人、カミ様などなど長命種は身分証明書を作っても意味がなくなってしまう。何故なら年を取ってるのに顔がずっっっと同じなら偽造が疑われるし、病院に滅多に行かなければ健康保険証も更新しなくなる。自動車免許やパスポートも同じ。
 そのため、友人や家族が身分証明を要求する人に対し、その人物がどんな人かを説明して戴ければ基本よしとされている。もちろん、齟齬がないよう最低三人にはお伺いするが。
 つまり、ぼっちには辛い。
 ちなみに、友人や家族でなくとも仕事仲間でもよしとされている。また、天涯孤独のようにひとりぼっちで証明してくれる人がいない場合、専門機関に要請するか、国家権力を持つ人が認めることでクリアできる。本来ならば銀鏡チヒロは専門機関に要請しなくてはならなかったが、白銀騎士団の入団試験において国家権力(犯罪者をその場で処刑できる権利)の持ち主である白銀イダスが認めたため、面倒な手間隙は省くことができた。
 結論、ぼっちは辛い。

*1
特に、幹部から聞いて想像していたよりも総帥が遥かに子供どころか幼児なところ。

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