白銀家のきつねじゃい!   作:ポンタ ponta

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 死霊術に関して今まで書いてなかったので、出してみました。最後の方は駆け足になってます。今回いつもよりちょっと多めの一万三千文字です。時間あるときにどーぞ。
 ヤマト神想怪異譚のオウマノヨルの時代に関して今回書いてますが、具体的な時間帯は調べましたが不明だったため、ひとまずこれくらいの過去としてます。何年前とか特定してないですが、絶対に公式とは異なると思いますので、今後訂正する可能性があります。


第28話 マガツノカケラ

 青天の霹靂。

 この日が来るまで、天音かなたは自身が平々凡々な人間であることに疑いを持つことすら無かった。

 ちょっと貧乏な家庭に生まれた普通の天使。

 位階も一番下の天使で、特技と言ったら握力くらいしか取り柄のない人間。悩みといえば今後の勉強の行き先だとか、友達関係のこととかちっぽけなものだった。

 

 それがどうだ。

 

 八百万の神の中でも最古の神の議会の一人。地球が誕生した時から生きている伝説中の伝説である自然の神に相見あって、それどころか会話をして、更には『聖人』に、『仙人』にと直々に昇華させてもらった。

 

 

 ――この十分にも満たない僅かな時間で、平々凡々な世界とは、人生とは、決定的に変わってしまった。

 

 

 彼女が投げ出された光の中は、全種族、全世界の中でも選ばれた者しか入れない極地、極技。

 

 二百万年前に存在した地上の楽園―――今は無き黄金の時代。エデンが栄えていた当時のヒトビトの脳にかなたは目覚め、

 現代最強と名高い白銀イダスを上回るとされる、仙人銀鏡チヒロと同じ力へと雪がれた。

 

 だが、仙人になったといえどその力は未熟も未熟。

 鍛えなければ意味は無い。

 力なき者に未来は無い。

 弱者に死に場所は選べない。

 

「さぁ、いってらっしゃい」

 

 ガゴン、と白い扉は開かれて。

 かなたはダンジョン最深部へと叩き落された。

 

 

 

 

 

 

 

 わけがわからないよ*1

 

 某四足歩行型侵略者と同じことを考えながら、天音かなたは深い闇の中に居た。

 さっきいたファウナの神域とは異なり、ここは背すじがゾクゾクするような寒気に満ちていた。かなたは光源と熱を確保するために『灯火(トーチ)』と唱えて、ハッと気付いた。

 

「(これが、霊子の流れ……それに、ダンジョンの魔子の流れ*2も分かる……)」

 

 仙人になれば霊子と魔子を知覚できる。

 魔法を発動した瞬間、自身の魂から霊子がどう流れてどう魔法陣を形成して、発動するか、その全てをかなたは認識した。

 この瞬間、かなた自身は認識してないものの、魔法の練度が大幅に上昇した。

 

 灯火の霊子の揺らめきをボーっとした顔で眺めていたかなたは、漸く我に返る。

 そして唾をゴクリと呑み込んだ。

 

「骨だらけだ……」

 

 魔法で照らされた壁や天井、床全てが人骨でできていた。数百数千とはくだらない、夥しいまでもの人骨が視界一面を埋め尽くしている。

 

「ううっ、気持ち悪い……」

 

 かなたは吐き気を覚えながら、ゆっくりと前に進んでいく。炎の玉に照らされて、人骨の影が揺れるように踊る。まるで髑髏の目玉の影がかなたを追うように揺れていた。

 狭い壁と低い天井のせいで、どこに視線をやろうと人骨が見え、その詳細が見える。聖人となった事もあるだろうが、くっきりと頭蓋骨の内側も見えるのは控えめに言って最悪の気分だった。

 その最悪な気分から逃れる為に、かなたは走り始めた。

 

 巨大な墓場のような通路を奥に奥にと進みながら、気付くことが二つあった。

 一つ目は身体強化魔法を使っている訳でもないのに、まるでかつての全力のダッシュをジョギング感覚で出せてることに気付いた。それにまったく息切れをしてない。聖人になった影響だとかなたは思った。

 二つ目は壁に並べられている頭蓋骨の額に、幾何学模様のような記号が刻まれていたことだ。古の魔術のシンボルだ。

 

「(これ、なんて意味なんだろう………)」

 

 かなたが知る由もないが、これは古代民族が用いていた円形の象形文字。破壊神オメガがウロボロスの転移ゲートに刻んでいる象形文字のずっと前にできたものだ。

 大半のシンボルは人類の歴史より古く、現代の言葉より強力だ。その分使い勝手が悪いところもあるがそれはさておき。魔術のシンボルはエデンよりも古いものも割とある。魔術の言葉であり〝封じの理〟を表すこのシンボルは、途方も無く貴重な物を守るか、途轍も無く危険な物を閉じ込めることに使われる。大監獄〝The・Cell〟にも使われている強力な魔術記号だ。

 

 そんな記号が奥に進むにつれて頻繁に現れてくる。かなたは終わりが近いことを感じた。

 その直感を肯定するかのように、目の前には骨を組み合わせたアーチがあった。その奥は闇に包まれている。

 

「(たぶんここが、目的地だよね……)」

 

 本当は行きたくない。

 

 足が竦む。

 

 どうして自分だけがこんな目に合わなきゃいけないのかわからない。

 

 腰が引ける。

 

 別に自分で望んで聖人にも仙人にもなった訳じゃないのに、どうしてこんなことをしなくちゃいけないのか。

 

 かなたは涙を湛えて、その場に蹲った。

 

「帰りたいよぉ……お家に帰りたい……もうこんなとこやだよぉ」

 

 自分を抱き締めるように両腕を体に巻き付け、かなたは泣いた。怖いのも痛いのも、一人ぼっちも嫌だ。流されるままにここまで来て、かなたは限界が来てた。

 

「感覚が研ぎ澄まされ過ぎてて、痛く感じるのっ……自分の声しか聞こえないこの空間が、逆に怖いし、人骨の埃みたいな味もするしっ、……やだよぉ!」

 

 まるで幼子に戻ったように蹲るかなたは、さめざめと涙を流す。帰りたい帰りたいと、何十分も何度も何度も繰り返して―――そして、どうしようもないことを悟った。

 

 手を着いて、体を起こして、膝を立てて、立ち上がる。

 

 ぐしぐしと涙に濡れた頬を拭って、かなたはキッと正面を睨みつける。

 

「戻ったら絶対、あの神様の顔面殴ってやるぅ!!」

 

 哀しみを怒りに変えて、かなたは目の前の闇に飛び込んだ。 

 

 

 ―――かなた自身は気付いていないが、神を殴るとそう決意した直後、かなたの純白な翼の先端が黒く染まったのも、右肩に赤紫の紋様が浮かんだのも、決して見間違いでは無かった。

 

 

 闇に飛び込んだ先は、さっきまでいた通路とは異なり、だだっ広い円形の空間だった。壁は同じく人骨で構成されていたものの、天井は高すぎて材質は不明。床は継ぎ目が無く、巨大な骨を削ったようなザラザラとした感触が足の裏から伝わってきた。

 

 そんな部屋の中央には、セメントのように固い灰色の台座と、その隣に灰色の外套を纏った骸骨が佇んでいる。長方形の台座には、薄気味悪く光る黒色の勾玉が浮かんでいた。

 

「(これ絶対何かあるやつだ……!)」

 

 いかにもこれを取れと言わんばかりの状況。おそらく取ろうと手を伸ばした直後か、あるいは取った瞬間に何かが起こるのだろう。

 かなたは何回か深呼吸をして、意を決して手を伸ばした。

 

 手が玉に触れるか否かという刹那、骸骨が首をぐりんと回してかなたを見た。闇色に包まれた眼窩に、血のように赤い炎が灯っていた。

 

「ぎゃああああああああ!!!!」

 

 覚悟はしていたとはいえ、身を捩るような恐怖に襲われた。小さい頃、暗がりには怪物が潜んでいると想像していたような恐怖が、ベットの下に真っ黒のヒトが潜んでいると震えた恐怖が、想像したことのある恐怖が突然一緒くたになって呼び覚まされた。

 

「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ」

 

 全身に冷や汗をかきながら、ひとまず骸骨から距離を取ることに成功する。距離を取れども、恐怖は小匙一杯分も衰えず、心臓は狂ったように鼓動する。

 かなたのその狼狽する様を見て、骸骨は嘲笑うように笑った。粉々になったガラスを擦り合わせたような、空虚な笑い声で嗤った。

 

 かなたは努めて深呼吸をし、心臓と体を落ち着かせようとする。が、体がガタガタと震え、まともに息すらできない。歯もガチガチと音を鳴らし、足に力も入らずいまにも床に崩れ落ちてしまいそうだ。

 

「(落ち着け、落ち着け、落ち着け。骸骨はまだ動いてない。慌てなきゃ平気だ)」

 

 無理矢理鼻から息を吸って、吐いて、かなたはどうにか心臓を宥めることに成功する。

 一方骸骨は台座に浮かんでいた勾玉を手にして、これみよがしに懐に入れた。

 

「ご機嫌麗しゅウ」

 

 古めかしい優雅さのある動作で、骸骨がお辞儀をした。

 かなたは骸骨が喋ったと認識するまで一瞬を要した。意外にも柔らかい声音で、そして疲れ切った声だ。嗄れていた。どちらかと言うと女性の声をしていた。

 

 不意にホコリと、乾いた土と、カビの匂いが漂う。

 骸骨は乾いた笑い声を漏らすと同時に、骸骨の足元に錬成陣が展開される。眩い光と共に錬成されたのは、大きな姿見。

 その鏡に骸骨は手を押し当て、エネルギーを注ぎ込む。途端、鏡が銀色の光を放ち、やがて透明になった。像は何も映らず、渦巻くような闇があった。

 

「鏡は異界ニ通じる扉……」

 

 ホコリと、乾いた土と、カビの匂いが更にキツくなる。

 その匂いは鏡の向こうから漂っている気がした。

 

 かなたは、敵が何をしようとしているのか察した。

 

「(死霊術だ!)」

 

 かなた自身あまり魔法に詳しくは無いが、死霊術に関しては錬金術と同じくらいよく知っている。

 何故なら、ココと出会う随分と前に、ある一つの天啓がかなたの頭に閃いたからだ。

 

 死霊術で親友(マイベストフレンド)を作ろう!

 

 かーなりぶっ飛んだ発想だった。最高にイカれていた。

 島の図書館で独学で学び、拾った鳩の死体と鏡を用意して、でも直前で酷く虚しくなってやめた。深い海の底にいるような空虚感と孤独感に襲われたから。

 

 昔を振り返っている間に、この広場に数多の死者が顔を出す。広場の地面から手を突き出し、這い出てくる姿はホラー映画の如し。

 

 一番前を歩く骸骨は全体的に体が大きく、手には剣を持っていた。その背後に続くモノ達も剣や大きなハンマー、戦斧、双剣、拳銃、弓矢、戦杖と様々な武器を携えていた。

 

「(あの骸骨、強いな……)」

 

 通常の死霊術では武器までも携帯できない。だが、目の前の死者達は生前愛用していた武器を持っていた。

 それはすなわち、魂に付随する武器までも召喚できるほどの腕前を、術師の骸骨が持っていることを表していた。

 

 かなたは気合を入れ直して敵を注視する。

 

 よろよろと動く死者達は、死者らしく恐ろしい程に静かだった。聖人となって鋭くなった聴覚を持ってしても、彼らの足音は木の葉の囁きのように軽かった。

 いまや広場には夥しいまでの死者で犇めいていた。かなたを取り囲むように四方八方から距離を詰めていく。

 

「ふっ」

 

 かなたは襲い掛かってきた骸骨の肋骨目掛けて蹴りを放つ。骸骨は拍子抜ける程簡単に吹き飛び、骨を巻き散らかす。中身の伴わない空虚なカラカラとした音が響いた。

 そして、散らばった骨がひとりでに集まって、再び元の骸骨の状態に戻った。

 

「(やっぱり粉砕しないと復活しちゃうね)」

 

 かなたは足元に錬成陣を展開。描いた錬金構築式により取り出したのは、身の丈程の大きさの槌。軽く見積もって五十キロはありそうなそれを、身体強化魔法を使うこと無く軽々と回転させて、構えた。

 

「(思った通り、全体的に身体能力が上がってる……!)」

 

 羽のように軽く感じる体。

 息を吐いて、吸って、精神を研ぎ澄ます。

 

 視界の端で銃を構える骸骨が見える。

 その骸骨が引き金を引き、ダァン、と破裂音が鳴った。

 弾丸が腰を落としたかなたの頭上を通り越し、後方の壁に着弾。それよりも早くかなたは骸骨の軍勢に飛び込んだ。

 

 振り下ろされた二振りの剣を槌で受け止め、力任せに跳ね返す。前に突き出した槌を持ち替え、思いっきり振り回した。

 それだけでかなたの周囲にいた骸骨は再起不能な程の損傷を受けた。

 

 粉砕された骨の砂礫を受けつつ、かなたに攻撃をしかけたのは豹の骸骨。眼窩には鬼火のような青白い炎を灯し、かなたを食らわんと大きく顎を開き、飛びかかる。鋸のように鋭くギザギザな歯がかなたの眼前に迫る。

 

「(動物も呼び出したのか!)」

 

 豹がいるなら他の肉食系の動物もいそうと思いながらも、かなたは落ち着いて豹の噛みつきを躱す。

 いつもならこんな攻撃を躱せる筈はなく、気付かぬうちに躯を晒していただろう。弾丸すらその身に撃ち込まれていた筈だ。だが『聖人』となって凄まじく研ぎ澄まされた動体視力と跳ね上がった反射神経、肉体がその不可能を可能にしていた。

 まるで脳と手足が直結したような感覚。躱そうと思った瞬間には体が最適な回避行動を取る。

 

「せいやぁああ!!」

 

 思考速度が早く、肉体の動きも早い。ゆえに時間の動きが遅い。豹の攻撃を避けるために半身をずらしたかなたは、未だ隣で着地すらしてない豹の横腹に、振りかぶった槌を叩き込んだ。

 

 そのあまりの勢いで地面は大きく揺れ、クレータが生じる。その底には体の殆どが微塵となった豹が倒れていた。それに動く気配は無い。

 

 これなら楽勝だとかなたは思う。

 有象無象の骸骨にやられる程、弱くはないと確信する。

 だが、その確信は容易く覆された。

 

「まだマだ、これかラですヨ」

 

 骸骨のその一言から猛攻は始まった。

 今まではただの様子見だったのか、さっきとは比べ物にならないくらいの攻撃の嵐が始まった。

 ヒトの骸骨は身体強化魔法を使い、縦横無尽に動き回る。魔法使いはそれをサポートするように、繊細な魔法を仕掛ける。豹の骸骨に加えて、猛禽類の骸骨も召喚され、攻撃の隙間を尽く埋め尽くす。

 同士討ちすら次の攻撃に繋がる。突如骸骨の体が弾けたと思えば、その後ろから槍が、銃弾が、魔法が飛び出してくる。

 

「(クソ、あの骸骨めちゃくちゃ強い!!)」

 

 千はくだらぬ死者の軍勢。それら全てを手足の如く思いの儘に骸骨は操って見せる。

 かつては名高い死霊術師だったのかもしれない。

 そんな死霊術師はと言えば、姿見の側から一歩も動かない。高みの見物か。あるいは姿見を守るためか。

 媒体の姿見を壊せばひとまず死者の軍勢は供給されなくなるが、まるで近付けない。近付けたとしても、簡単に壊せてくれるかどうか。

 

 身体強化魔法は既に使ってる。戦闘力は通常の何倍にも跳ね上がっている。だがしかし、思考を読まれているかのように、先回りされて思い通りに動けない。

 

「ああ゛っ、もうムカつくぅう!!」 

 

 思い通りに動けない窮屈さがかなたに大きなストレスを与える。かなたはウガー! と吠えて力付くで槌を大きく振り回した。

 錬金術で咄嗟に伸ばした槌は、遠心力も相まって多くの骸骨を砂に返した。だが、攻撃を掻い潜った狼の骸骨の爪がザックリと両足を抉った。

 

「っあ」

 

 思わず悲痛な声を上げた。

 攻撃が止まる。それどころか動きが止まる。

 かなたのそれを好機と捉えた死者達の攻撃が激しさを増す。

 慌てて防御結界を張るも、練度が甘い。二度三度と攻撃されただけで、結界はパリンと呆気なく砕け散る。

 再び貼り直した結界は気を取り直して作ったお陰か、割られた結界よりかは持つだろう。

 かなたは再び壊される前に結界を貼ろうと詠唱を始めた。

 

「解離、断絶、白き砦。我が盾は盾にあらず。いかなる脅威も打ち払うもの。あらゆる戦火も消し去るもの―――」

 

 詠唱+法陣展開=出力強度の上昇。

 詠唱に合わせ描いた魔法構築式は陽炎のように揺らぐ。

 冬の早朝に似た光が辺りの闇を照らすように満ち溢れた。

 

「―――拒絶せよ! 聖火結界(セークリッドシールド)!!」

 

 発動した上級魔法。

 銀色の聖なる炎がかなたを守るように周囲に燃え盛る。それはまるで大きなシャボン玉が燃えてるようだった。

 構築したのと同時に、外に貼っていた結界が壊される。

 そのままこの結界まで侵入してくるかと思われたが、死者達の猛攻はピタリと止まった。

 立ち昇る銀の炎が、容易く己を滅ぼすと察知したからだ。

 

「(ハァッ、ハァッ、ハァ……危ないところだった! でもなんで攻撃止まったんだろう?)」

 

 呼吸を整え、かなたは周囲を見渡す。骸骨達の眼窩に収まる青白い炎が、まるで睨んでいるかのように見えた。

 動物達は特に顕著だった。まるで天敵に怯えるように後退して、尻尾を丸めている。

 それらを眺めながら、かなたは足を治癒魔法で治しつつ考える。

 

「(もしかしてこの炎を恐れてる? ……あっ、そうか! 死霊術は黒魔術の一種! 聖なるものには弱いんだ!!)」

 

 そもそも、この結界はかなたが知ってる結界の中で一番強そうだと思ったから使用した魔法。聖なる炎が死者達に効くことは全く考えていなかった。

 

 聖なる魔法なら死霊術に効率よく立ち向かえるとわかったものの、それらは中級以上の魔法になる。天音かなたは含有霊力量が高いとはお世辞でも言えないため、乱発することは避けたい。使い所は限られてくる。

 

「(どうしよう……)」

 

 悩める時間は少ない。そのうち魔法使いの骸骨達が結界を壊してくるだろう。早めに決断しなければ先程の怪我では済まなくなる。

 

 一対多の戦闘。それも自分より格上との戦闘は今までやったことがない。

 だが一対一なら勝てる自信がある。ゆえにするべきことは敵の分断。一対一を千回繰り返せば勝ちは見えてくる。

 戦術を立てる必要がある。力こそ正義だとか、攻撃こそ最大の防御とかちゃちなものではない、ちゃんとした戦術が。

 

 

 見通しを立てたところで―――時間切れは、頭上からやってきた。

 

 

「……うっそでしょ!?」

 

 耳が捉えた異音。ハッと顔を上に向ければ、そこには巨大な龍が浮かんでいた。

 龍は竜と異なり聖なる存在に分類される。極東の島国、ヤマトでは崇拝対象ともなる神聖な生き物だ。

 ゆえに、聖火結界による浄化は適応されない。身を脅かす脅威にはなり得ない。

 

 その龍の口が大きく開かれ、口腔内に眩い光が灯る。即ち息吹の兆候。

 

「(回避―――いや間に合わない。せめて防御を―――)」

 

 龍の口から放たれた息吹魔法。

 白き業火は容易く聖火結界を丸ごと焼き払った。

 

 ビームのように放たれた滅却の息吹は、骨でできた地面を溶かし、大きな穴を空けてみせた。

 

 砂埃が晴れた先、天音かなたの姿は無かった。

 

 

 

―――………

 

 

 

 骨でできた地面の中。天音かなたはその四肢を放り出していた。いや四肢と呼ぶには欠けている。

 指、肩、頭が焼け爛れ、特に背中は一部骨が露出している。

 だが何よりも目を引くのは、両足の焼失。方や脛から下が灰となり、方や膝から下が炭になっていた。そんな大怪我でも、出血が火傷で抑えられてるのは不幸中の幸いというべきか。

 

「ヒュー……ヒュー……ヒュー……」

 

 風切音のような呼吸音が、黒ずんだ木偶の坊―――天音かなたの喉を鳴らす。

 生きていることが奇跡だった。

 だが奇跡は何度も起こらない。起こらないからこそ奇跡と人は呼ぶ。

 かなたの命はまさに風前の灯火。間もなく息を引き取るだろう。

 

 このまま何もしなければ、もう痛い目に遭わなくてすむ。

 骨ごと斬られることも、血肉を殴られることも、溶ける程焼かれることも、ありとあらゆる苦痛から解放される。そんな世界に行ける。

 

「(僕…………頑張ったよ)」

 

 頑張った。ここまで頑張ってきた。頑張って生きてきた。

 

 かなたの心には深い闇が横たわっていた。生きることへの諦念、死ぬことへの羨望が、かなたの呼吸を止めようとする。

 

「(もう……諦めちゃ駄目かなぁ…………)」

 

 身を押し潰すような無力感が、かなたの目を虚ろにする。

 そうやって、生きるのを諦めた途端、声がした。

 

『馬鹿野郎! 何やってんだお前!!』

 

「(ココ……?)」

 

『そこで諦めたら、もう二度と会えないんだぞ!? わかってんのか!!?』

 

 走馬灯か、幻聴か。親友の桐生ココの声が聞こえた。

 心の中では死にたいと思っても、魂が生きたいと叫んでる。

 そう気づいてしまえば、知らないうちに拳を握っていた。

 

「(生き、なきゃ……)」

 

 生きて、帰らなくちゃ。

 辛いことばかりでも、痛いことばかりでも、苦しくても苦しくても、僕の帰りを待ってくれてる人がいるんだから。

 

 ぐっと閉じた瞼の裏で、ココが笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 死者達は、窺うように穴の周りに立った。術者の骸骨は一度死者達の操作を止めると、かなたの生死を確かめるべく、鳥の目玉を通して底を見る。

 

 その結果に、骸骨は驚嘆した。

 

 かなたは生きていた。龍の息吹を受けてもなお。

 素晴らしいと骸骨は思う。そして同じくらい()()した。

 だが、殺す気なのは変わらない。骸骨は再び、死者達を操り、穴の底へと送り出した―――瞬間、地面が轟音を立てて崩落する。

 

「!?」

 

 死霊術師は目を剥いた。もし眼窩に収まる炎が眼球なら、きっと飛び出していたに違いない。それ程までに、予想だにしないことが起こった。

 

 召喚した死者の軍勢が尽く地面の穴に落ちていく。鳥型の骸骨や龍などの飛行できる者達だけを残して、それ以外の全てが、術者たる己を含めて真っ暗な穴に落ちていく。

 

 不意に、滝が落ちるように、銀色の炎が下から上へと立ち昇った。穴に落ちていく死者達は瞬く間に塵と化して消えていく。

 術者は、咄嗟に鷲の骸骨を集めて盾とし、浄化の炎が我が身を焼くのを防ぐ。盾とした鷲達を炎が貫通する前に、別の鳥類系の骸骨に穴から引っ張り出してもらい、脱出。

 

 ―――広場には、崩落した影響で巨大な穴が空いていた。

 その穴から、天音かなたが浮かんでくる。その姿は、未だ痛ましい火傷の跡が刻まれていた。

 最低限の治癒魔法で体を治したかなたは、起死回生の一手を思いついていた。

 それが先程の地面の崩落からの聖なる炎での浄化である。錬金術で地面を崩落させれば、敵は上から下への一方通行に限定される。加えて、単なる剣士や動物なら無防備にできる。更には、錬金術なら霊力を失う心配はなく、聖なる炎の威力向上に霊力を注ぎ込める。

 

 威力をただ単純に上げるには主に四つが挙げられる。

 一つ目、注ぐ霊力を増やす。

 二つ目、魔法陣の外円の数や大きさを増やす。

 三つ目、詠唱と魔法陣構築の同時発動。

 四つ目、天秤による威力向上。

 

 かなたは、この全てを使って最小限の霊力で最大限の威力を実現させた。特に四つ目に挙げた天秤に関しては次のように傾け、そして釣り合わせた。

 

 片方の皿に〝三年分の寿命〟を置き、その重さに釣り合うように〝威力〟が重くなる。

 

 詠唱と魔法陣構築の並列起動により、発動された中級魔法は超級魔法に匹敵する程の威力を魅せた。

 

「(まだだッ!)」

 

 敵がまだ態勢を整える前に叩く。

 かなたは拳を握り、上に浮かぶ龍へと飛び出した。

 身体強化魔法の青色の燐光を残しながら、爆発的な速さで龍へと接近。両足が無くなった分、素早さが増していた。

 

 息吹を吐かれる前に。術者が龍を逃す前に。

 

 固く握りしめた拳が、龍の頭蓋骨に命中。

 

「だりゃあああああああ!!!!!」

 

 治療しきれてない喉から血が吹き出すにも関わらず、かなたは叫ぶ。

 瞬間、かなたの拳が硬く頭蓋骨をぶち抜いた。

 

 だが攻撃はこれで終わらない。無限の打撃が龍を襲い、無数の衝撃が龍の全身を駆け巡る。

 

 五秒にも満たない僅かな数秒。尋常ならざる連撃が、龍の全身を砂へと返した。

 

「(まだッ――)」

 

 龍を伸しても、未だ術者が残っている。他の有象無象を無視して、かなたは骸骨の死霊術師に緊迫。かなたが殴り飛ばさんと拳を振り上げ――ズキンッ!!

 

 尋常じゃない頭痛と目眩に襲われた。

 

「(クッ、もう霊力が――)」

 

 目の前には敵がいる。

 命のやり取りの真っ只中、ふらつく己を殺すのは赤子の手をひねるよりも簡単だろう。

 

 世界がひっくり返るような感覚に堪えきれず、かなたは地面に墜落する。ズザザッ、と術師の前に放り出された。

 腕に力は入らず、霊力の欠乏で魔法も出せない。喉も潰れていて詠唱もできないだろう。

 

 絶体絶命のピンチの中、かなたの耳が捉えたのは場ハズレな拍手の音だった。

 

「よくぞ……こコまで」

 

 パチパチと、骸骨が骨だけの手を叩いている。

 そしてかなたの傍に膝をついた。

 

「少し……お話しをしよウ」

 

 小雨が窓を叩くような声で、骸骨はかなたに話し掛けた。

 

 長い長い、人生だった。

 始まりはその言葉から始まった。

 

 

 

―――………

 

 

 私はヤマトの出身だ。

 オウマノヨルと呼ばれたヤマト暗黒の時代。ヤマトをケガレで覆ったマガツヒノカミを討伐せんと、我々カミガミは全身全霊で鎬を削った。多くの仲間を亡くしながらも、我々は悲願を果たした。しかし、マガツヒノカミを完全に討伐することは叶わなかった。奴のミタマを四つに分け、そのワケミタマ―――マガツノカケラをヤマトの各地に封印した。

 

 封印するのに異を唱える訳では無い。ただ、動かす事ができないことが私は不安だった。善からぬ事を企む輩はいつの時代でも存在する。私はそいつ等に悪用されることないよう、マガツノカケラの一つを、肌見放さず持ち歩いていた。

 

 私はカミだが、ただそれだけだ。

 不老も不死もない。我が身に死神の鎌が降り下ろされる前にマガツノカケラをどうにか安全な場所に封印したかった。

 ヤマト各地を練り歩き、ここはどうだ、あそこはどうだと考えるも、ここだと思える場所には巡り会えず、不安の種は尽きなかった。

 

 そんな最中天啓が下りてきた。

 

 ヤマト上空に天の島々が巡った時、天界に封印しようと考えたのだ。友の力を借りて天界の島々の一つに忍び込んだ私は、このダンジョンを発見した。

 マガツノカケラを封印するには最適な場所だった。ダンジョン最深部のここまで友と共に潜り、最終ボスを討伐した。私が戦場となった広場を修復している間に、友は〝封じの理〟を広場前の通路とマガツノカケラ自体に施した。

 

 互いの幸運を祈り、私達は別れる。

 一人になった私は、深い眠りに落ちた。覚醒条件はマガツノカケラの〝封じの理〟に揺らぎが生じた時。

 ダンジョンの性質上、ここまで来る輩は実力者に限定され、更には立地上、天使が主となる。今まで来た天使は片手で数えられる程度であれど、その全てが強敵であった。

 

 しかし、しかし強敵といえど私はその全てを下してきた。もちろん、殺さずに上層のどこかに放り出した。

 

 私がここに来てから何年、何十年、何百年と過ぎたか。覚醒と睡眠を超長期的スパンで繰り返し続け、時間感覚は曖昧となった。思考も衰え、手足が思い通りに動かなくなる。我が身の破滅が近付いていたのは手に取るように分かっていた。

 

 ヒトが食物を生きる糧とするように、我々カミは歴史(いわれ)を糧とする。

 

 歴史(いわれ)がなければ――

 誰しもが認め、誰しもに識られる存在であらなければ――

 

 ――カミは忽ち力を失い、いずれ、消え去る。

 

 敬愛、畏怖、念い(ねがい)の形は様々だけれど、他者が紡ぐ念いこそが、カミをカミとして存在させる唯一にして絶対のパラメーター。

 

 長い年月をかけて、脈々と連なり紡がれていく他者からの念い、そうして積み重なった歴史。

 

 カミガミは自らが糧とするそれのことを『イワレ』と呼ぶ。

 

 ここに引き籠もる私は、糧とするイワレを供給できず、虚無に消えることは定められた運命だった。

 そこで、私はいくつか天秤を傾けることで我が身をアンデッド化した。

 莫大な霊力とカミとしての力を代償にして、死霊術以外の魔法を捧げ、死神の鎌をはね退けた。私は寿命の鎖から放たれたアンデッドとなったのだ。

 

 だが、私の使命は今日、果たされたのかもしれない。

 何百何千年と知らぬ過去から、今日という時を迎えて、私は今を生きる者に衰えを感じさせられた。

 

 もう私がマガツノカケラの守護者として力を振るうのも今日で終わりとする。あとはもう、過去の幻ではなく今を生きる者達に襷を繋ぐべきだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そナたにお願いがあル」

 

 長い長い話しを語り終えた術師は、疲れ切った声でかなたに言った。

 

「マガツノカケラを、持っていて欲しイ」

 

 魂が摩耗したような、擦り切れた声だった。

 今までこんな疲れ切った声は聞いたことがなかった。

 

 かなたは骸骨が語っているうちに、多少は霊力が回復していた。喉を治しつつ耳を傾け続け、骸骨の言っていたことは全て頭の中に入っている。マガツノカケラの重要性も痛いくらい分かる。

 

 しかし。

 

「嫌です。断固拒否します」

 

 出した声が酷く掠れていた事にかなたは驚いた。

 

「……何故だ?」

「僕はもう、人にノーと言える天使なので」

 

 流されるまま『聖人』となり、『仙人』に雪がれ、そしてここで戦うことになった。

 かなたはもう、流されることは嫌だった。少なくとも、今は嫌だ。

 だからかなたは、きっぱりと言ってやった。少し罪悪感が湧いたが、頑張って飲み込む。

 

 かなたに拒否された骸骨は、『そうか……』と呟いて俯いてしまう。だが、『仕方ない』と膝を叩いて立ち上がった骸骨は、懐から美しく輝く緑色の結晶を取り出した。

 

「ここにイたボス――龍の核だ。私が操っていた龍だガ、あれを倒したそなたナら持つのに相応しいだろウ」

「あ……ありがとうございます」

「出口は奥にあル。見れば分かるカら、それを使え。ダンジョンから出ラれル」

「あ、はい」

「私は最後ニ大仕事をして、眠りにツク。達者でナ」

「はい」

 

 ふわふわと、かなたは宙に浮く。

 焼け焦げた羽を必死に動かして、指差された方に着くと、魔法陣があった。おそらく、転移魔法の法陣だろう。

 かなたはそれになけなしの霊力を注いで、ふっと消えた。

 

 

 それを見届けた死霊術師は、懐からマガツノカケラを取り出す。〝封じの理〟のシンボルは褪せることなく刻まれていた。

 

「(長い……人生だった)」

 

 生きてきた年数を彷彿させるような長い溜息を吐いて、マガツノカケラへと手をかざした。

 

 その数秒後、術師の体は崩れ落ち、埃となった。

 静けさが戻った広場には、凄惨な戦闘の跡と、一着の灰色の外套だけが落ちていた。

 

 術師は己の自死を代償に〝封じの理〟を強化したのだった。

 

 

 

 

 ―――イワレとは不思議であやふやな概念。

 あるカミ曰く、そのモノがそのセカイに与えてきた影響、歴史、セカイからの評価、ゲームでいうところの、ケイケンチ(EXP)のようなものだとか。

 またあるカミ曰く、つまりはデンセツであり、そのものが持つモノガタリであり、セイセキヒョウであるのだとか。

 そしてまたあるカミ曰く、イワレは自分自身に溜まるものではなく、自身を認めてくれるナニカに少しずつ溜まっていくものなのだという。

 

 ―――イワレはあやふやであれど確かに存在する。

 此度、ヒト族天使種個体名・天音かなたは、格上の敵に勝利を納め、認められた。

 そして、セカイにも認められた。

 その意思、その魂が素晴らしきものだったと、セカイに認められた。

 

 天音かなたは、この一戦で遥かに成長することとなった。

 

 

 

―――………

 

 

 

「むむ! 今、誰か偉業を成し遂げた!」

「おお! それは素晴らしいでござるな! 一体誰でござるか?」

「知らね! てきとー言った! キツネジョーク!」

 

 ウェスタ。白銀家鍛錬場にて。

 仙人になるための修行中、急に尻尾をビビッと立てた銀鏡チヒロは冗談を飛ばした。

 そんなチヒロを師と仰ぐのは、元秘密結社ホロックスの用心棒風真いろは。

 半年前に弟子になって以降、肩を並ばせて座禅を組むことはもはや日常茶飯事の光景だった。

 

「まぁ冗談はさて置き、そろそろ次の段階に進みましょう」

 

 この半年間、瞑想しか行っていなかったが、それがついに次の段階に進むらしい。いろはは、わくわくしながら続く言葉を待った。

 

「私が風真さんの手を念力で動かします。それを瞑想しながら探って下さい」

「分かったでござる!」

 

 勢いよく答えた途端、いろはの両手がピョンと勝手に跳ねた。

 そしてお化けの手のように胸の前でプラプラと揺れる。

 念力によって操られる自身の手に意識を集中するいろはに、チヒロは言った。

 

「怒ったお化けがまず先にやることって分かる?」

「?」

「正解はこれ」

 

 一本の指を残し、他は全て折り畳ませる。

 立っている指は中指だった。

 

「フ◯ッキューつってな! なはは!」

「………」

「ごめん」

 

 チヒロは聡かった。

 いろはの機敏を敏感に感じ取ったチヒロは直ぐに謝った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほぇー……コロシアムで闘技大会が開かれるんでござるか」

 

 次の日、副団長室に訪れていたいろはは、チヒロに渡されたチラシに目を通した。

 

「そうなんです。年一回の催し物で、誰でも参加可能なんですよー!」

「ほぇー」

「私とイダスさんは解説と優勝者とのエキシビションマッチがあるので、参加者としてコロシアムには出れないんですが、風真さんはどうしますか? 参加します?」

「もちろん!」

 

 この半年、剣の修行もしてきた。

 今、自分がどれくらい戦えるのか、風真いろはは確かめたくなった。

 

「そうこなくっちゃ! 参加申込しておきますね!」

 

 まだ見ぬ強敵に、いろはは武者震いをする。

 ワクワクが体の底から湧き上がってきて、体を動かさないとどうにかなりそうだ。

 いろはは『見回り行ってくるでござる!!』と勢いよく外に飛び出したのだった。

*1
(◕‿‿◕)

*2
成り立てなので体の周囲に限定される




 天音かなた
 全身ボロボロ。ダンジョンを出た瞬間に気を失った。
 次目覚める時は知らない天井を見ることになる。

 風真いろは
 六月の梅雨明けに行われる闘技大会。それに向けて頑張るぞい!

 死霊術師
 かつてはカミと呼ばれる存在だった。
 マガツノカケラを守るため、死霊術以外の術を全て捧げ、骸骨となった。なので使えるのは錬金術と死霊術だけ。
 自死と引き換えにマガツノカケラの守りを強化。あえて発見されやすくする事で更に〝封じの理〟の効力を向上させた。
 色々過去考えたけど名前は決めてない。
 オウマノヨルについても書くので、たぶんその時に詳しく書くと思う。

 イワレやオウマノヨルに関してはホロノメトリアから引用、一部書き換えして載せています。

 コロシアムは、もしかしたら書かないかも……。ウェスタで年に一回闘技大会が開かれる事を書いておきたかったので。
 こんなもん書いてたらホントにストーリーが進まないからね。
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