side 天滝 燕
母親の天滝 光と買い物に出かけることとなった。前世のこともあり俺は上辺では父さん母さんと呼ぶも、心から接することができないでいる。そのため未だに彼女の横を歩くことはできず、一歩下がって後ろからついていくという形で今も近くのスーパーまで歩いている。
そんな歩いている中、前からニット帽とサングラスを身に着けた男性が歩いてきた。
・・・・どこからどう見ても怪しい。最近は暖かくなってきたのにニット帽を身に着けるのは、極度の寒がりの可能性もあるがそれにしてもだ。それに今日なら半袖で十分な位で、髪を隠すなら帽子でもいいほどだ。
そう考え、身構えていると―――――――――
ダッ! ドンッ!
「キャッ!」ドサッ!
ッ! 案の定だ! カバンを盗まれた。しかも盗んだ対象は天滝 光となんとも運の悪い。
しかし立ち位置がよかった。このまま盗人がこっちに来れば―――――――――
タッタッタッタッ! ガッ!
ドサッ! 「ぐうぅ!」
ビンゴ! 足を引っ掛けることに成功した。
しかも運よくその拍子にカバンを落としたので素早く回収し、盗人のせいでこけてしまった天滝 光に近寄る。
「母さん、大丈夫?」
「えっ、えっええ大丈夫よ。」
いきなりの事で現状に混乱しているが怪我はない様だ。よかったと安心しながらカバンを彼女に渡す。
「くそっ! このガキがっ!」 スチャ
「っ!」 盗人が懐からナイフを取り出した。
「よくも邪魔してくれたなァァァァァ!」 ダッダッダッブンッ!
「つっ燕ッ!」
盗人がナイフを勢いよく振り下ろしてきた。それを――――――――――――
「っ!」
冷静に当たるか当たらないかギリギリの紙一重で躱す。
「このやろうっ!」 ブンッ!
二度目も冷静に紙一重で躱す。
「おわっ!」 二度目を外した盗人のバランスが崩れる。
(今の俺の筋力ではまともなダメージを与えられない。――――ならッ!)
ブンッ! ガスッ!
「はうっ!」
「(よし)」
燕は足を振り上げ相手の急所である場所(男ならだれで弱い場所)を蹴り上げた。
「~~~~~~~~~~~~~~~っ!」
そして盗人は蹲り、声にならない悲鳴を上げていた。
side out
side 天滝 光
私は今の光景に目を離せないでいた。
未だに離れて歩く燕の事を考えながら歩いていると、いきなり男性がぶつかってきてその拍子にこけてしまい、さらに持っていた鞄を男性に盗まれてしまった。
いきなりの事に何も反応できずにいると、燕が男性の足を引っ掛けて転倒させ、鞄を取り戻していた。
燕の行動に驚いていると男が立ち上がり、ナイフを構えて燕に襲い掛かった。
「つっ燕!」
危ないッ! と声を上げようとしたとき、信じられないことが起こった。
燕は襲い掛かる凶刃を怖がりもせずジッと見据え、ギリギリで躱した。
―――――――私は夢でも見ているのだろうか。大人でも難しい、ましてや3歳の子供にアクション映画でよくあるような行動、しかもそれより素人でもわかるほど洗練された動きで躱し、次の二度目の凶刃も躱した。
男性が避けられて勢い余りバランス崩した隙に、燕は足を男性の股間に向けて蹴り上げた。
男性は変な声をあげて蹲ってしまった(そんなに痛いのかしら?)
その後警察が来て男性を連行し、事情聴取として私たちも同行していくつか質問を受け、私たちは無事帰された(燕が男性を倒したことは伝えたが信じてはいない様子だった)。
「燕、貴方は一体・・・・・・・」
「・・・・・・・父さんが帰ってきたら全部話すよ。」
少し展開が速いだろうか?