「ゼロさん、どなたとお話しされてたんですか?」
朝礼前。まだ教室にはあまり人も集まってない時間帯。ゼロが通信端末を耳から離すと深雪にそう尋ねられる。
「あー、昨日剣道部の先輩から誘ってもらったんだけど、その予定の確認で」
「それは女性の先輩ですか?」
「え? うん。壬生先輩っていう一個上の先輩だけど」
別に隠す必要はない。紗耶香と話した事がバレても計画までは気づかれないと思ったゼロは隠す事なく答える。
「...そうですか。まだ私とはしてないのにその先輩とはもうプライベートナンバーを交換しているんですね」
刹那、季節が春から冬へと逆行した。深雪は強大な魔法干渉力を持つ。CADを使っていないのにも関わらず強大な冷気が深雪から漏れ出した。
「も、もしよければ司波さんともプライベートナンバーを交換したいのですが...」
ゼロ、深雪のあまりの圧力に魔法力とは別のところで恐怖する。
「深雪。ほのかや雫と同じように私の事も下の名前で呼んでください」
「いや、でも...」
「ゼロさん」
「...分かった」
周りの男子からのやっかみとかそういう次元の話ではない。ゼロは首を縦に振るより他なかった。そしてこれはゼロの預かり知らぬ事だが、ゼロは半ば脅されて深雪の下の名前呼びをさせられたという事が拡まり、この事が原因でゼロが男子生徒からやっかみを買う事はなかった。
「......」
そして妹のそんな様子を見た兄は固まっていた。
司波深雪が司波達也の事を見始めたのは三年前からである。しかし達也は違う。達也は物心がつく頃より深雪の事を見ていた。そんな彼女が変わったのは間違いなく三年前、あの沖縄を訪れる直前だという事は目に見えて分かっていた。そしてその時何があったのか、否、誰に会ったのかという事は想像に難くない。
深雪は達也の事を尊敬している。しかしそれはあくまで兄妹のそれであって決して男女のものではない。両者共にそのような事は望んでいない。
しかし達也はゼロと深雪の恐怖映像を見せられてつい思ってしまった。
「(もし深雪が俺に対してそのような念を抱いていたとしたら...)」
脳裏に浮かぶのは今のゼロのように女性と連絡先を交換しただけで冷気を撒き散らかす光景...
女性からバレンタインに義理チョコを貰っただけで殺気を向けられる光景...
「(今、どうして藤林さんの顔が浮かんだんだ?)」
そして自分が再生で死なない事に端を発するのか、ニブルヘイムで氷像にされる光景...
「......」
今世では経験したはずがない記憶、しかし一歩間違えればそういう未来もあったかもしれないと悟り、達也は大量の冷や汗を額に浮かべた。
そして心の中でゼロに対して十字架をきり、その場から逃げ出した。
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