前の話でも書きましたが最後に全部ネタバラシします。意味の分からない描写があるかもしれませんがそこは気にしないでね。
「達也さん。今回の一連の騒動。あなたと深雪さんの介入の一切を禁じます。正当防衛のためなどという例外も認めません。騒動が起こればあなた達は速やかに安全な場所に避難しなさい」
それは今朝、達也の元に秘匿回線で告げられた内容。自分達の叔母、四葉真夜によって下された命令であるため無碍にする事などできない。よって達也はゼロの演説の後、テロリスト達が侵入してきたが深雪を連れて即座に講堂を抜け出す事しかできなかった。
「(四葉は今回のテロについてどう考えているんだ? この国の力を削ごうとする連中を四葉が放置するとは思えん...。既に鎮圧の目処がついているという事か?)」
達也は自らの叔母の考えを推し量る事ができなかった。
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達也は爆発が起こる少し前に深雪を連れて会場を抜け出していた。精霊の目を使えばテロリストが接近していた事は達也には丸わかりであったからである。魔法師と言えど耐久力は並の人間と大差ない。攻撃を封じられてしまえばいかに脆弱なテロリストであろうと深雪を再生を使わずに守り切るのは難しいと判断した。
魔法科高校の中でエリートと名高い一科生であってもそのほとんどが実践経験などある訳が無い。荒事専門の風紀委員といえどそれは同じである。襲撃に対しては初手の対応で全てが決まる。元々何か動きがあれば風紀委員達は会場の二科生を取り押さえる予定だった。ゼロと真由美の講演中も二科生の位置を逐一捕捉していた。
轟音が鳴り響き、外部からの襲撃を受ける。手はず通り二科生を取り押さえる...筈だった。が、そのような事ができる筈もない。その二科生達は...何の不審な行動も取らなかったからである。何も動かぬ者達を取り押さえる事などできる訳がない。
襲撃に対しては初手の対応で全てが決まる。二科生を取り押さえる事は予め決められていた事で、準備、脳内でシミュレーションする事ができた。が、初手でその想定はいきなり崩れた。そして先ほども言ったが風紀委員と言えど多くの生徒は実践経験などない。準備もなく、咄嗟に戦場に立っても何かができる訳が無い。
冷静にその場を観察し、即座に対処法を編み出す事ができないからこそ、彼らは入念な準備を行なったのだ。が、その準備は不十分で何の備えもシミュレーションも持たないといった状態で彼らは戦場に放り込まれてしまった。
そんな状況で、そのような精神状態で初めての殺し合いなどできるはずがなく...
「「「う、うああああああ!!!」」」
大多数の講堂に集まった生徒はパニックに陥ってしまった。
「みんな落ち着いて!」
「お前ら! 冷静になれ!」
この場で尚、冷静さを保てていたのは十師族の真由美と摩利ら、ごくごく一部の生徒だけであった。
襲撃が始まってから数十分。戦況はテロリスト側が優勢であった。理由はシンプルである。魔法科高校側の生徒の大多数がパニック状態になっており指揮系統の一切が機能していない事。それからテロリストがただ無策で挑んできた訳ではなくしっかりとした戦術を組んで襲撃してきたからである。
現在魔法科高校側は真由美、克人、摩利などが応戦しているが所詮は多勢に無勢。局地的な戦闘では押してる戦場もあるが、全体で見ればやはり魔法科高校側の劣勢は誰の目にも明らかであった。
「クッ! 魔法師の奴ら、講堂が陽動で俺たちが本命だとは誰も気づいてないようだな」
「剣道部の奴らがいないが...まあ奴らなどいてもいなくても大して何も変わらないからな」
いくつもの戦場で戦闘が繰り返される中、数人のテロリスト達が魔法科高校の図書館にて笑みを浮かべながら作業をしていた。彼らの真の目的は魔法科高校に保存されている魔法の最先端研究の資料の強奪。陽動で頑張ってる仲間達のためにも彼らは工作活動を急ぐ。これさえ終われば後は撤退してもいいほどなのだから。
最先端資料をコピーし終えた段階でテロリスト側の勝利宣言は達成される。
「よし! アクセスできたぞ! これでこの国の最先端の魔法研究資料が手に入る!」
テロリスト側にも腕の立つクラッカーがいたようで、魔法科高校のセキュリティを突破し、ついに記録用端末で情報を抜き取る段階にまで至った。
「待ちなさい」
テロリスト側がもうあと一歩で勝利宣言を出せるというところで図書館に来訪者が現れる。
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「待ちなさい」
図書館に乱入してきたのは魔法科高校の生徒であった。胸と両肩にエンブレムは...ない。つまりその生徒は実力が低いという事を示している。その生徒は刀状のCADをテロリスト達に向ける。
「壬生! クソッ! 裏切ったのか!」
テロリストの内の一人を即座に沈めた図書館への来訪者、壬生紗耶香に対してテロリスト達は忌々しい目を向ける。
「裏切ったのなら容赦はせん! お前ら! キャストジャミングを使え!」
テロリストの仲間が一人沈められても残りのメンバーには余裕が浮かんでいた。それは対魔法師として有効なキャストジャミングを起こせるアンティナイトを持っていたからだ。テロリスト達は紗耶香に対してキャストジャミングをぶつける。
「なっ! なぜキャストジャミングが効かない!」
「...私もなんでか分からないけど今、これまでで一番魔法をスムーズに発動できるの」
「ハァッ!」
キャストジャミングの中、紗耶香は魔法を発動し、テロリスト達を全員沈めた。
「壬生! 無事だったか!」
紗耶香がテロリスト達の記録端末を処理していると剣道部の木下という男子生徒が遅れて図書館に入ってくる。そして木下の後ろには剣道部や差別をなくす有志連盟の皆が揃っていた。
「準備はできたのね」
紗耶香の問いかけに皆が頷く。
「私達は確かに一科生に比べて魔法の実力は劣るかもしれない。でも! それだけで私達の剣を否定させない。魔法の三技能が劣っていたって魔法戦闘まで劣っているとは限らない。一科生の人達に見せてあげるのよ! 私たちの力を! 私たちが! 学校を救うのよ!」
「「「おおおおおおおおおお!!!」」」
紗耶香の演説にこの場の全員の士気が上がる。これより死地に向かうと分かっていても、その顔に恐怖は宿っていない。
「行くわよ! みんな! 私に着いて来なさい!」
図書館から差別撤廃有志軍が出陣した。
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戦況は明らかにテロリスト側が有利
もうじき学校は完全に制圧されるだろう。誰もが「もうダメだ...」と思っていた。そんな中...
「行くわよ!」
「うおおおおおお!」
風紀委員含む大半の生徒が怯え、逃げ惑う中、彼らは真っ向から立ち向かっていき、その磨き抜かれた剣技によって次々とテロリスト達を斬り伏せていった。戦闘は一気に魔法科高校側が有利となる。
「敵将、討ち取ったり〜!」
次々と敵の指揮官も撃破しあっという間に講堂を制圧してしまった。
「喰らいなさい!」
有志軍は講堂だけではなく学校中のほとんどの戦場でまさに無双の如く働きを見せていた。剣道部らしく魔法ではなく剣を主体としたその攻防。剣術と違い、魅せる剣技でもある剣道部の戦いはただ黙ってみているだけの一科生達からは...ただただ輝いて見えた。
数刻前にゼロと真由美の演説で告げられた「テストが正しく実力を測れているのか...?」と誰もが抱いたその問いが今、まさに目の前で実践されていた。確かに魔法三技能において自分達は彼女達より優っているのかもしれない。ただ、今この場でただ震えている自分達と恐怖に打ち勝って戦っているだろう彼女達では...明らかに彼女達が優等生であった。
これまで二科生を見下すような発言をしてきた者達も目の前の光景を前に、ただ押し黙る事しかできなかった。
有志軍が全戦場を支配し、ついにテロリスト達は完全に学校から駆逐された。
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