魔法科高校のゼロ   作:マイケルみつお

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活動報告にヒロインアンケートを載せています。回答よろしく!

レオってエリカの事「エリカ」って呼んでたのか少し記憶が曖昧ですが間違ってたら指摘お願いします。


16話 ヤンヤンギスギス

 「そういえばゼロさん。結局壬生先輩の事、まだ何も聞けてませんでしたね」

 

「深雪から聞いたよゼロくん。私も聞きたいなー」

 

ブランシュによる学校襲撃から数日が経ち、校舎の修復も済み日常が戻ってきた。そんな中、ゼロは身体の半分を凍らせられ深雪とほのかから詰問されていた。

 

「ブランシュの襲撃の後、何度も話を聞きたいと思ってゼロさんの元を訪れましたが......私達の事を避けてましたよね?」

 

ニッコリと通常なら見惚れる深雪の笑顔だがゼロは恐怖を禁じ得なかった。

 

「(逃げるに決まってんだろ!)」

 

などと言える訳もなくただ俯く事しかできなかった。雫はこの光景を見るなり「殺さない程度にね」と言い残し、ゼロに対して十字架をきってから現場を離れ、達也は深雪がどうなっても受け止めるために「俺は無だ。何も考えない。何も感じない」と言い残して出て行った。ゼロが彼らに対して

 

「(薄情もの!)」

 

と思ったのは当然である。

 

「壬生先輩とどんな関係なんですか(なの)?」

 

「どんな関係でもないと思うわよ」

 

そんな彼を救ったのは......ほのかとゼロの共通の友人の雫でも深雪の兄の達也でもなく、襲撃が起こった後にただ一人何の意味もない巡回を繰り返していたエリカであった。ゼロに対して「後でジュース一本ね!」と言ってから深雪とほのかの方に向き直す。

 

「どんな関係でもないってどういう意味エリカ?」

 

「付いてくれば分かるわよ」

 

そう言ってから深雪とほのかを連れて行った。

 

「「「「「ふぅ......」」」」」

 

尚、このやり取りは放課後の1年A組の教室で行われており一連の出来事が終わった後、皆が皆エリカに対して深い感謝を抱いていた。

 

 

 

 

連れてこられた先は都内の病院。第一高校の生徒達が検査、入院をしている病院である。

 

「あれって壬生先輩と桐原先輩?」

 

楽しそうに談笑する紗耶香と桐原を見て深雪とほのかの圧は収まった。紗耶香も検査をしてみれば何者から精神操作を受けていた事が判明した。......現在指名手配中の司一の仕業であると考えられている。

 

「桐原先輩が毎日さーやに会いに行って今、いい雰囲気よ。だからさーやとゼロ君は特に何の関係でもないと思うって訳」

 

ゼロはクラスメイトと同様、エリカに対して深い感謝を抱いた。ジュース一本どころではなく百本くらいは奢りたくなった。

 

余談だが、向井零は四葉真夜と世界最強の父親との間に生まれた息子である事から容姿はかなり優れたものを持っていたが......単純に紗耶香のタイプではなかったようである。

 

──────

 「大変だったな、お前も」

 

「だと思うんなら助けて欲しかったよレオ」

 

「無理を言うなよ......」

 

深雪とほのかからようやく解放されたゼロは疲れたような顔をしていたが、しかし親友のレオといつもの喫茶店で談笑していた。

 

「にしても今回のテロ、ちょっとおかしな点がいくつかあったよな」

 

「......おかしな点って?」

 

いつもの達也のグループの中でレオは比較的頭が良くない部類に入るが、しかし決して鈍い訳ではない。何か勘付かれたか? とゼロは思ってしまい返答に詰まってしまった。

 

「いや、俺は今回ずっと避難所にいたからな。達也やエリカから話を聴いただけなんだが」

 

ほのかと雫は言わずもがな。レオも並の一科生よりかは戦闘力はあるがしかし銃火器やキャストジャミングを使う者が相手なので万が一も考えられた。よってゼロの手によって秘密裏に、そして半強制的に達也達と同じく避難誘導をしてもらっていた。

 

「ま、過ぎた事を考えるのは俺の性に合ってないよな!」

 

「そうだな」

 

「そんなに即答されると少し微妙なんだが......」

 

 

 

 

「そういえばもうすぐ夏休みだな」

 

注文した軽食とコーヒーが届いてからゼロは話題を転換した。

 

「ま、その前にテストがあるけどよぉ......」

 

レオは成績に評価される範囲の実技は二科生レベルである上に理論もそこまで得意という訳でもなかったためテストを憂鬱に感じていた。テストの成績が悪かろうと二科のクラスに移される訳ではないがそれでも張り出される順位で下の方に名前があれば落ち込むものである。

 

テストの成績によって一科と二科のクラス替えをするというゼロの提言は通らなかった。あの演説、襲撃の後、熱が冷めやらぬ間に七草真由美を筆頭とした生徒会が教職員らに対して提言を行ったがクラス替えの方()通らなかった。学内の差別撤廃の事を考えれば通った方が良かったのかもしれないが、しかしゼロの対面に座るこの男(レオ)にとっては助かる判断であったかもしれない。

 

尚、「もう一つの二科生にもエンブレムを」という提言は通り今朝、二科生に対してエンブレムが配布された。

 

「そういえばゼロ、夏休み入ったら富士山登らねぇか?」

 

レオは登山部に所属している。

 

「いいね。じゃあ夏休み入ってすぐに行こうよ」

 

「いやお前......夏休み入ってすぐは九校戦があるだろ?」

 

「俺達が選ばれる事はないよ」

 

「(むしろ全力で拒否するまである)」

 

「事前練習とか参加する必要ないだろうし、当日に間に合うようにすればいいんじゃね?」

 

九校戦は富士山の麓で開催される。移動に日数はかからないだろう。

 

「けどそれよりも今はテストだな」

 

「う......せっかく現実逃避してたのによぉ」

 

「まあ勉強なら教えるからさ」

 

向井零が露見するのを恐れているのは一科生を大きく超える魔法力。一科生レベルの魔法力も、学力もバレたとしても大きな問題はない。

 

──────

 「本当、今日はありがとうな達也」

 

「達也くん、ありがと〜」

 

ゼロとレオが勉強するという話をエリカがどこからか聞き出し、そしてその話が深雪の耳に入り達也も付いてき、更にいつもの一科、準科のメンバーが加わり大所帯となった。いつもの喫茶店で勉強会が開かれた。

 

魔法理論であれば感覚派のゼロより理論派の達也の方が試験の成績も良く、また教えるのも上手いので達也が加わった時点でゼロは教師役を全部達也に押し付けた。

 

「お〜、ここはこうやって解くのか〜。初めて理解できたぞー」

 

分かっているのだが面倒臭いのでゼロは理解できないフリをしながら生徒役に加わった。

 

「今回の試験で九校戦の代表が選ばれるんだよね?」

 

「そう。だから今回はいつもより本気でやる」

 

ほのかの問いかけに対して雫が答える。

 

「雫の張り切りよう、すごいわね」

 

「うん。九校戦は毎年観に行ってたから。今年は何としても出場したい」

 

雫は幼い頃からの九校戦マニアであり魔法科高校に入ったら何としても夢の舞台に出場したいと思っていた。そのため今回のテストに対する執着は凄かった。

 

「雫は出場したらどの種目がいいの?」

 

「アイスピラーズブレイクとスピードシューティングかな。ほのかはミラージバットとバトルボードだよね。深雪は?」

 

ここにいる一科生は九校戦の出場がほぼ内定しているほど成績の良い者達である。司波深雪が九校戦に出場する事を疑う者はいない。

 

「私はアイスピラーズブレイクと......()()()()()()()に出場したいわね」

 

深雪はほのかの方を見てそう告げた。その視線を受けたほのかも深雪から目を離さない。

 

お互いが高いレベルの魔法師。同じ高校であろうと鎬を削りたいとお互いが思う事は自然である。

 

しかしそうであれば深雪がほのかのみに対してそのような視線を向けるのはおかしい。アイスピラーズブレイクには雫も出場する。雫もまた、優秀な魔法師であるからだ。しかし深雪は雫に対してはほのかに対するような視線を向ける事はない。

 

まるで高いレベルで魔法を切磋琢磨する事などそもそも二人が考えていないように。

 

「そういえばゼロさんは出場するのならどの種目がいいのですか?」

 

「あ、それ私も聞きたかった!」

 

矛先が突然ゼロの方にと向けられる。

 

「(どこにも出場したくない、って即答しそうになったけど......何言われるか分からないしなぁ。そもそもここで何を言ったって選ばれる事はあり得ないからな。試験で本気を出せば(点数を調整する事)確実に選ばれる事はない)」

 

「出るとしたらモノリスコードかな? 花形だし。尤も、実力的に選ばれる事はないだろうけど」

 

「(モノリスコードならチームのお荷物として振る舞うムーブできるし一番目立たないように振る舞える種目だからな)」

 

この回答を後に後悔する事になるとは、この時のゼロは思わなかった。




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