魔法科高校のゼロ   作:マイケルみつお

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3話 準科という転科者

 「じゃあ俺は事情聴取に参加してくるね」

 

森崎達が連行され、騒ぎを更に大きくした零までもがその場を離れた事で辺りは微妙な空気が支配していた。

 

「「...」」

 

先ほどまでの様子を物陰に隠れて見ていた真由美と風紀委員長の摩利もあまりの事にしばらく放心していた。

 

「た、達也くん...それよりさっきは何があったの?」

 

しかし流石は十師族。すぐに冷静を取り戻した。真由美は発動前の魔法式を吹き飛ばす術式解体を使う事ができる。真由美の力があれば森崎達の魔法など吹き飛ばす事ができた。しかしなぜそれをしなかったのか。それは達也が何も焦る様子を見せず端末を操作しようとしていたからである。

 

真由美はショッピングモールの爆破テロ事件から司波兄妹を彼らの入学前から知っていた。高い実力を有していると推測していた。ならばなぜ二科生なのか、その理由を探る目的もあった。

 

「自分もいつもと違って魔法式を読み取る事ができなかったので明確には分かりませんがおそらく零の障壁魔法だと」

 

「ほお、まるで魔法式を読み取れるような口ぶりだな」

 

「...実技は苦手ですが分析は得意なので」

 

口で言うが冷静だが達也の心情は複雑だった。

 

(精霊の眼でも読み取れないだと...向井零。警戒ランクをあげなければ)

 

──────

 第一高校に激震が走った。入学2日目にして多数の一科生が魔法の不正使用での現行犯逮捕。当然退学処分となったのだ。一科が欠員となったので二科から人員を補充しなければならない。二科の成績上位者からその転科者は選抜されるものだと誰もが思った。しかしそうはならなかった。

 

この学校は教職員までもが一科二科の差別意識を持つものも少なくない。一科は自分たちの講義を受ける者達。二科はそうでない者達。当然教職員からしてみれば一科が圧倒的な実力を持ち、二科よりも優れていることは当然の事なのだ。

 

普通であれば二科は一科が欠けた場合のスペアとして用意されている。当然二科の入試成績上位者が一科に転科となるはずだ。しかし一科と二科はテストの点数によって決まる。つまりテストの成績上位者から転科者を選ぶという事はそれは一科と同じ基準で彼らが選ばれたという事を意味する。

 

まだ入学して2日しか経っておらず授業も行われていない。その転科者が何か特別な努力をした訳でもない。それなのに昨日まで二科と見下していた存在が自分たちと同じ基準で一科になる事は耐えられない。

 

そんな意図が誰かにあったのか、今回の件で二科から選ばれた転科者は成績上位者ではなく何かしらの長所がある生徒が選ばれた。それは理論の上位者であったり、体術が優れていたり、何か固有の能力を有していたり。勿論それは第一高校の評価基準とは異なる。

 

これは実験的な取り組みで、要するにあの転科者達は正規の基準で一科になった訳ではないという言い訳を一科生に与える側面もあった。やがてその転科者を自分達と同じ一科ではなくあくまで準一科、「準科」と呼ぶようになる新たな差別が生まれてしまったのだが...

 

おおよその一科生はこの転科に否定的であり準科生を見下している。しかし新入生総代の司波深雪は...

 

「お兄様と同じ教室で学べるなんて夢みたいです!」

 

達也があまり事を大きくしたくないという、事なかれ主義な部分から最初は零の通報に対して否定的であったが...

 

「向井さん! 森崎君達を通報して頂きありがとうございました!」

 

手のひらを返して感謝された。

 

 

 逮捕され退学した生徒はいずれも1年A組だった。つまり準科の人間もA組に入れられた。学年で優秀なA組の中に元二科の生徒が混ざるなんて微妙な空気になるかと思われた。しかし

 

「お兄様! ここはどうすればいいのでしょう」

 

「深雪、お前も分かってるとは思うがここはこうやって解くんだ」

 

司波深雪が幸せな空気を出しており、準科発言を許さないという雰囲気まで出していた事から大きな衝突は起こらなかった。

 

──────

 「それで深雪、零を最初に見た時何か様子が変だったがあいつと以前に会った事でもあったのか?」

 

それは入学式の日の夜。零がホームルームに参加せずに帰った後の事であり、まだ森崎は逮捕されていない。

 

「はい。私はあの人に一度あった事があります。...四葉の本家で...。かなり前の事でしたのでもしかしたら人違いって事もあるかもしれませんが...」

 

「四葉だと? しかし俺は見たことがないぞ」

 

「いえ、私もあれから見てはいないので分かりませんが...。あの人はあの時...」

 

「ん? どうしたんだ? 深雪?」

 

「え...わ、忘れてくださいお兄様!」

 

不意に顔を赤らめた妹を見て達也は零への警戒を更に高めた。




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