「零、放課後少しいいか」
「…達也か。珍しいな」
珍しいというのは零と達也があまり面と向かって話す事がないからである。零はあまりバレないようにするため、そして達也は警戒感から同じ空間にいてもお互いに話しかける事は少なかった。
尚、零が準科の中でもっとも話す仲なのはレオである。それは近づいてもあまり力に気づかないだろうという少し失礼な理由から始まったのだが。
「それで? どうしたんだ?」
「ああ。今から生徒会室に着いてきて欲しいんだ」
「絶対に嫌だ」
(え、何で生徒会? 十師族が仕切ってる集団でしょ? 絶対に嫌だよ)
「安心しろ。この前の騒動に関するものではない。もしそうなら翌日にすぐ出頭命令が下るはずだろ?」
違う、そうじゃない。達也は零がなぜ断ったのかを誤解した。
「じゃあとりあえず何で呼ばれてたのかを教えてくれ」
──────
その原因は昼休みにあった。
「でしたら! 兄も生徒会に入れて下さい!」
「それはできま...あっ」
(これはまずいぞ...)
新入生総代として会長の真由美に生徒会入りの打診を受けた深雪は達也も同時に推薦した。今までであれば自分は二科生だという事を理由に断ることができた。
(しかし俺は今...)
深雪と同じ教室で過ごせる喜びはあったが今は零を恨んでいた。この兄妹はよく手のひらを返すのである。
「そうね...枠は会長権限でどうにでもできるし...達也君は生徒会に入る要件を満たしています」
「ちょっと待ってくれ真由美。生徒会は一応の枠は埋まっているのだろ? 風紀委員は実は教職員推薦枠と森崎が退学になった事でまだ二枠空いているんだ。達也君の術式を読み取れる能力は非常にすごい。是非とも風紀委員で活躍して欲しい。」
「ちょっと待って下さい! 俺の意思はどうなるんですか? 第一まだ風紀委員がどういう仕事をするところか聞いてませんよ!」
「大丈夫です。それに深雪さんもその点では同じです」
「お兄様。深雪はお兄様の凄さを皆さんに知ってもらいたいのですが...ダメですか?」
鈴音の理路整然とした反論と、それより何より深雪からの懇願によって達也は断るという選択ができなくなった。
「なら渡辺委員長。もう一枠推薦したい人物がいるのですが...」
せめてもの道連れを増やそうと達也は考えた。
──────
「ふっざけんな! 絶対俺は行かないぞ!」
そんな理由を聞かされて零が怒らない訳がない。
「向井さん! お兄様と一緒に生徒会室に行ってはくれませんか?」
「絶対に嫌だ!」
達也とその様子を見ていたクラスメイトは目を丸くした。深雪からの頼まれ事を正面きって断る事ができる男子などいる訳ないと考えたからである。大半であれば...
「は、はい! 分かりました!」
声をかけられただけで舞い上がり、いいところを見せようと肯定してしまうか
「えっ! ...そ、その自分は...」
深雪の美貌で顔が真っ赤になりしどろもどろにしか答えられないかのどちらかであるからだ。
(((あいつ...やるな)))
意図せぬところで零の株は上がっていた。
ログインしていない方でも感想を書けるようにしています。感想を書いてくれるとすごく嬉しいのでよろしくお願いします!
twitterもやってます。フォローよろしく! @hanvanpan
生存報告を兼ねたアンケート(文字数の関係から詳細は活動報告を見てね!)
-
上書き更新してもいいよ!
-
リメイク更新ならいいよ!
-
百年早いわこの未熟者!
-
興味ないorどうでもいいor作者に任せる
-
結果閲覧用