放課後になり、零はすぐに帰ろうとしたのだが達也と深雪に両側を固められ、逃走を諦めた。
「司波達也です」
「司波深雪です」
「...向井零です」
(来たくなかった...十師族が首領を務める生徒会には...あまりこことは関わり合いになりたくなかったんだけどな...)
零は力無く虚空を見つめ、そして覚悟を決めた。三人は生徒会室に入る。
「よ! 来たな!」
「いらっしゃい深雪さん、達也くん、向井くん!」
会長の真由美と風紀委員長の摩利、書記のあずさ、会計の鈴音、そして零が初めてみる男子生徒の五人の人間が生徒会室には集まっていた。
「副会長の服部刑部です。司波深雪さん。生徒会へようこそ」
その男子生徒、服部は達也、零を無視して深雪にのみ挨拶をした。その様子に深雪は不快感を覚え、達也は特に何とも思わずそして零は...
(まだ希望はある!)
なぜか服部の存在を歓迎していた。
「じゃあ風紀委員本部に移動しようか。手続きの事とかは実際に風紀委員本部の方が説明しやすい。機材も色々あるしな」
達也と零は風紀委員加入に反対で、その話し合いのためだったがもう二人が加入する事を前提として話を始める摩利を達也は睨んだがしかし何も起こらなかった。一方の零は
「待って下さい、渡辺先輩」
零の祈りは届いた。
「そこの一年生達を風紀委員に任命するのには反対です。準科...ウィードの実力の者に風紀委員は務まりません」
「私の前で禁止されてるその呼び名を使うとはいい度胸だな」
「取り繕っても仕方がないでしょう! 風紀委員はルールに違反した生徒を実力で取り締まる仕事です! いくら外面をブルームで飾ってもその実はウィード。実力で劣るウィードには務まりません!」
「確かに風紀委員は実力主義だが実力にも色々あってな。そこの達也君には起動式を直接読み取り、発動する魔法を正確に予測する目と頭脳がある。向井君は...非常に高度な障壁魔法を扱う能力がある」
少し口篭ったのは摩利がその情報を間接的にしか受けてなかったからである。生で見ていたが摩利には、そして真由美にも零が障壁魔法を使ったという事は分からなかった。
(ここがチャンスだ)
「すみません渡辺委員長。自分は障壁魔法を使った覚えなどないのですが...」
全力のおとぼけ顔。まるで鳩が豆鉄砲を食らったような顔を零は全力で浮かべる。
「委員長! 向井零はこう言っていますがどうなんですか?」
ここに零と服部の即席コンビが結成された。
「......」
(乗るしかない! このビックウェーブに!)
「自分はよく内容を知らされずに連れてこられましたが自分は魔法を使った一科生達を捕まえるほどの魔法技能はありません! 自分の実力では不可能です!」
「会長! 自分は副会長として向井零の風紀委員就任に反対します! 魔法力のない二科生に風紀委員は務まりません!」
「自分なんかを任命してしまい、重大な問題を起こしてしまえば!」
「会長の顔に!」
「「泥を塗ってしまうかもしれません!」」
その息のあった言葉に真由美も返す事ができない。真由美でさえも零が高度な障壁魔法を使用したという事は達也からの発言で初めて認知する事ができたものだからである。
「...お前、ウィードであるがしっかりと身の程を弁えていて、会長の事まで考えているんだな」
「服部先輩こそ、すごく話が分かる方で! 自分、一生着いて行きます!」
「よせやい。照れるじゃないか」
「服部先輩!」
「向井!」
ガシッと二人は堅い握手を交わし、その雰囲気のドサクサに紛れて零は生徒会室を後にした。
この後、達也が服部をフルボッコにし、達也のみ風紀委員への就任が決定した。
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零は『改竄』で周りに気づかれないよう魔法の発動を細工して服部に精神干渉系統の魔法を使っていました。普段の服部であればウィードごときが会長を語るな!と言いかねないので。(仮)とはそういう意味です。
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