「それで零、俺が言いたいことは分かるな?」
(お前は四葉の人間だ。何が目的だ? 俺の監視か?)
「......」
(やはり...向井さんがあの時の彼だったんですか?)
「......」
(やっぱりバレちゃったか...。まあこの秘密は俺にとっては優先度は低い方だし、それに達也と深雪なら最悪バレても何の問題はない)
三者三様、それぞれが心の内で考えを巡らせる。だが、零だけはこの二人とは違った結論を導いていた。深雪が四葉本家で自分を見たと達也に伝えている事を知らないからだ。
(あれから何も確認してこないし、深雪はあの時の事を覚えてないんだろう)
零は勘違いをした。
「まあ...そうだな。俺はお前と一緒だ」
「......」
(やはり四葉の人間か。しかし俺と同じ? 零もガーディアンか? なら誰の?)
「お前は俺たちに敵対する存在か?」
「は?」
零は予想していた問いかけとは違ったものに一瞬思考がストップした。
(対立? 何のことだ? ...もしかして正体をバラさないか? って事か?)
「悪い。一瞬意味が分からなかった。いや、俺はそんなつもりはない。お前の正体をバラしたら最悪俺までバレかねないからな」
(俺の事をバラせば零の事もバレる? どういう意味だ?)
「お前もその事がバレたらマズいのか?」
「まあ、俺はそこまでマズくはない」
(ん? お前も? あ、そっか。達也からすればそれがバレるのはマズいな。でもその意味では俺も変わらないが...)
「とりあえず、詳しい話は次回の出社日の時で頼む。次からは俺も顔を出すから」
「待て零。何の話だ?」
「え? お前トーラスの事を言ってるんだろ? シルバー」
珍しく達也の思考が一瞬止まった。
「トーラスは牛山さんのはずだが」
(牛山さん、約束守ってくれたんだ)
「ハードの設計は俺、そして製造が牛山さんだ。だから厳密に言えば俺と牛山さんでトーラスだね」
(ハードの設計の相談をした時、毎回持ち帰られていたが...そういう事だったのか)
(トーラスなんて恥ずかしい名前、全部牛山さんに預けたいんだけどね)
「達也は何か違う話だったようだけど...」
「いや、それはこちらの誤解だったようだ。すまない」
「そうか? まあ気にするな」
達也も自分の考えが外れていた事を理解した。彼がトーラスなのであればこれまでの実力にも納得がつけられると思い、零に向けていた敵意を収め警戒も緩めた。
「向井さん...いえ、零さんとお呼びしてもいいですか?」
「深雪?!」
しかし深雪は違う。何かしら見当を付けた上で臨む思考は、心当たりなく進むそれとは達する結論が大きく異なる。
「えっ? まあいいけど」
(間違いありません。向井さん...零さんは...あの時の方です!)
恐らくこの小説で初めて達也が零に対して警戒を緩めた瞬間です。歴史的快挙です。
ログインしていない方でも感想を書けるようにしています。感想を書いてくれるとすごく嬉しいのでよろしくお願いします!
twitterもやってます。フォローよろしく! @hanvanpan
生存報告を兼ねたアンケート(文字数の関係から詳細は活動報告を見てね!)
-
上書き更新してもいいよ!
-
リメイク更新ならいいよ!
-
百年早いわこの未熟者!
-
興味ないorどうでもいいor作者に任せる
-
結果閲覧用