白銀と金のクイーン   作:meigetu

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お気に入り登録70↑ありがとうございます。
なかのひとは想像以上に伸びていることにかなりおどろいています。

感想も全部読ませてもらってます。


第二話 ジルクニフの憂鬱

絢爛とまではいかなくても、ある程度豪華に整えられた一室。

外には、数台の馬車が行きかっており、非常にこの街自体が栄えていることが分かる。そこに、一人の男がいた。

その男は、ある程度豪華な金の装飾を付けた衣装を身にまとっており、頭には金の王冠のようなものをかぶっている。

その男、バハルス帝国皇帝ジルクニフは、一通りの仕事を収めた後、その豪奢な見た目に反して、執務室にて頭を抱えていた。

すると、扉をノックした後二人の騎士が入ってきた。

 

「どうだった?」

 

と、ジルクニフが半分あきらめた様子で、入ってきた二人に問う。

 

「すみません。何の成果もありません。」

「申し訳ない。」

 

と、二人の騎士は、頭を下げた。

片方は、金髪に深い青い目をした端正な顔立ちをしている騎士であり、もう片方は体格がよく見るからに偉丈夫である騎士が目の前にいる。

 

「何かわかったことは?」

「特には...一応、アジトのようにはなっていたのですが、俺たちが向かった時にはもう、」

「鼠一匹いませんでしたね。」

 

はぁ。と、ジルクニフは大きくため息をついた。

 

事の始まりは、数年前だ。

あのわけのわからない、双子が王位を持った途端、王国のすべてが改革された。

それも、私以上の速度で。

私が手を出して妨害する暇もなく、王国内の黒粉が排除され、そのうえ送ったスパイたちががいつの間にかに消息を絶った。

挙句の果てには、双子で王国を金と白銀の二つに分けて遊び始める始末だ。全く何を考えているかわからない。

 

それで、現在俺の頭を悩ませているのが、王国での規制が厳しくなったせいで帝国へと逃げてきた新八本指の対処だ。

今回、新八本指の本部をつぶすために四騎士を出したのだが...

 

「わかってはいたが...四騎士を出してもダメか...」

 

イラつきからか、頭を掻く。

 

「逃した俺らが言えた口ではないが、誰が指揮しているんだ?襲撃したところは、パラダイン殿に直前に確認してもらったところだろ。」

 

と、雷光のバジウッドの声が聞こえる。

 

「ああ、多分。あの王女のどっちかだろう。それしか考えられん。」

 

認めたくはないことではあるが、王政や何事においてもあの双子の片割れでも俺を遥かに超えている。

そのことは確かだ。それが二人いるとなると考えたくもなくなる。

現にあの双子が指揮を取った途端、数年もたたないうちに、あそこまで腐りきっていた王国が今の帝国以上に再生した。

 

「それは、本当ですか?」

「ああ、逆にそれしか考えられん。」

 

激風のニンブルに聞かれる。

 

「考えられないってことは証拠はないんですかい。」

「ああ、しかし、俺自らが四騎士の指揮を取って、制圧する前に撤退するとなるとそれしか考えられん。」

 

うまくいかない現状に、頭を掻く。

現状、新八本指が帝国へと来たことで優秀な帝国魔法学院の生徒が、誘拐にあい帰って来なくなったり、俺が切ったはずの使えない貴族をうまいこと再利用したりして、治安の悪化に役立てていることにその当時殺しておけばよかったと後悔の念が出る。

 

「そういえば...王国の双子の王女の話で思い出したのですが、明々後日って。」

「あ、あああああ。」

 

と、ジルクニフは、頭を掻きむしる。

普段、皇帝が決して見せない様子ではあるが、あの二人の王女の話になると毎度この様な反応をする。

4年前に比べ薄くなってしまった頭髪を見てニンブルは、哀れみからか

 

「そんなに嫌なんですか...」

「本当に、勘弁してくれ。」

 

明々後日は、あの王女たちとの国交回復4周年の会食だ。

ただでさえ、目を合わせるだけでもいやだというのに、会食というのならなおさらだ。

 

「はぁ。それで、爺はどうした?」

「それは...」

 

と、四騎士の二人顔を見合わせる。

 

「どうした?」

「いや、新八本指の情報を魔法省を通じて聞きましたがパラダイン殿とはあったわけではありませんから...」

「ん?」

 

2人が口を合わせて言う。

確か俺は、爺に直接伝えろ。といったはずであったが...

 

「し、失礼します。」

 

と、ノックもなしに一人の近衛が入ってきた。

 

「どうした。」

「魔法省に、パラダイン殿がいません。」

「は?」

 

その情報にあっけにとられる。

 

「その代わりこのような手紙が...」

 

と、近衛が手紙を見せてくる。

そこには、ジルクニフへと書かれた手紙があった。

ジルクニフは近衛兵から奪い取るように手紙をひったくると、そこには

 

【ジルクニフへ

 

急遽、白銀の王国の方で魔法の学会が開催されるようなので、行ってきます。

ミラー様ともあくまで魔法を探求する同志として魔法談義をかわすので、帰りは遅くなると思います。

 

p.s.お土産を買ってくるので楽しみにしてください。

 

パラダインより】

 

と、言った内容だった。

 

「魔法省が妙に静かだったので、護衛の者が中を探ったところ、選ばれし30人含め魔法省の頭の人は皆おりませんでした。」

「...それは誠か。」

「はい。」

 

と、沈黙が流れる。

近衛は口をつぐんでおり、気まずい雰囲気で支配される。

 

「そうか...はぁ。なぜ、ここまでうまくいかないんだ。」

 

と、天井を見る。

頭の中はあまりものうまくいかなすぎることに対しての、諦観からか真っ白になる。

天井は豪華なシャンデリアがぶら下げられており、とてもきれいだ。

 

「あ、シャンデリアきれい。」

「だ、大丈夫でしょうか...」

「聞くな、ニンブル。」

 

横では、何やら四騎士が話しているが、話を聞き飛ばしつつただただ上を眺めていた。

 

 




帝国は王女たちに、足を引っ張られています。

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