白銀と金のクイーン   作:meigetu

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あー遅刻遅刻(2分遅れ)
お気に入り登録290↑ありがとうございます。
一話違いで約2倍になって驚いています
感想とかも全部読んでいます。



第五話 金の王女 ラナー

王城のとある一室。

 

窓の外には、多くの建物と露店が見受けられる。

また、石畳にて補強された道路には、多くの馬車が入ってきており、

多くの物流がなされていることが分かる。

その中では、金の女王を中心とした話し合いが行われていた。

 

「ねえ、レエブン公。あなたはどれ位の私兵を貸してくれるのかしら。」

 

と、ラナー王女に問われる。

 

「最大でも数千人ですね...」

「そうね...」

 

と、王女は悩んでいるように頭を傾ける。

少なからずこれ以上は無理だ。

近年、二人の王女の差配で王国全体の治安が良くなったが、自身の街を守るためにも必要な人員だ。

 

「まあ、仕方がないわね...できれば私の方にも決め手がもう一枚いればよいのだけど...」

 

現状、こと今回の兵力という御前試合において、向こうの国との取り決めとしては現役の冒険者は参加が不可能ということから、我々の金の王国のほうには戦況をひっくり返せるような駒は戦士長のガゼフストロノーフしかいない。

逆に、白銀の王国の方では、ブレイン・アングラウスと、元々前線に立っていた四大貴族のボウロロープ侯の二人がいる。

ボウロロープ候は、剣の腕前に関してはそこまででなくとも、数年間貴族をやっているにも関わらず兵の指揮に関しては一流であるし、ブレイン・アングラウスは、言うまでもないであろう。

元よりかなり不利な戦いなのだ。

 

年三回行っているうちの一回目は、ボウロロープ侯の作戦によって金の王国の兵が易々と蹴散らかされ、白銀の王国の勝利で終わった。

つまり今回勝たなければ、自然と金の王国の敗北が決定してしまう。

 

「さて...どうしましょうか...そう易々と負けるわけにはいけないし...」

「ラナー女王陛下一言よろしいでしょうか?」

 

そのように、妖艶にラナー女王が悩んでいると、戦士長であるガゼフストロノーフが声を入れた。

以前の王国であれば、そのことに腹を立てる貴族は多々いると思うが、現在そのようなことに腹を立てるような貴族は誰一人いない。

 

「どうしたの?」

「は。数日前、前王の五回忌があったと思います。」

「確かにあったわね。それがどうかしたの?」

 

と、かわいらしく小首をかしげる。

 

「はい、その際にとても屈強な戦士を見かけまして勧誘したところ、昨日いらしまして...」

「あー、あの黒いフルメイルの戦士ね。かなり目立っていたわね。」

「はい、実際は二人で来られたのですけど、その際入団のテストの際にかなり強いことが分かりまして...私に匹敵するかと...」

 

ラナー王女は珍しく驚く顔をする。

 

「そこまでなの。それも二人。」

「はい、始めこそ少し動きが鈍ってはいましたが、私と鍔迫り合うほどには...もう一人は三位階魔法まで使えるとのことで...」

「それは、ありがたいわね。まさかね...

 

と、軽く考えた後、

 

「その御仁は、参加が可能なのかしら?」

「はい。むしろ、皆と肩を並べ同じ目標を目指すのは悪くない。だそうでして。」

 

と、戦士長ガゼフストロノーフは久方ぶりにブレインアングラウスに次ぐ好敵手を見つけられたのがうれしいのか楽しそうに笑う。

それとは、逆にラナー王女は軽く悩んでから。

 

「わかったわ、決して白銀の国には取られないように丁重にもてなしてあげて。」

「は。」

 

と、戦士長は頭を下げた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

ナザリック第10階層最古図書館(アッシュールバニパル)

 

大量の本棚と美術品のように作られたフレスコ画などで埋め尽くされた図書館の一室。そこのテーブルには大量の資料が広げられていた。

そこには、ナザリック地下大墳墓の、最高頭脳の一角がいた。

 

それは、広げた資料を前にして軽く悩んでおり、時折ページをめくる音が聞こえる。

それは、東洋系の顔立ちをしており、オールバックの髪と、浅黒い顔をし、ストライプ柄の赤いスーツと丸眼鏡をした、アーチデヴィルであった。

 

「しかし困りましたね...」

 

と、あるページで手を止める。

そこには、リ・エスティーゼ王国について軽く調べられた資料であった。

なかには、おおよその人間の数や、都市と呼ばれるものそして王国の現状について書かれていいる。

特に、国が二つに分かれているというものが異常だ。

それだけで、互いの国の仲が険悪であれば、片方の国にアインズ・ウール・ゴウンの名の下で大量の兵を貸し、もう片方の国に侵略しつくすことで大きな貸しを作ることができる。

もしくは、残った国の方を食いつぶすという手も考えられる。

 

しかし、そのようなことはなく、つかず外れずで、いざ危機となると互いに手を取るという状態が非常に笑えない。

その上で隣の帝国とも仲がいいというのだから、下手に攻め入ったら収めることはできるが、それ相応の損失は覚悟する必要が出てくる。

しかも、それを数年間も治安を向上させた状態で特に大きな反乱もなくということからも非常に、計算尽くされた統治だと考えられる。

 

それに加えて、互いの国が互いに隣の国には負けないという競争心があり、それによって非常に物事の発展が速い。

資料からも5年前に比べて街並みなど様々なものが一気に発展した様子などが書かれている。

そのような、国を二つに分けるという統治実績がなく、非常に国内が不安定になりそうなマイナスとも思われる状態だというのに、それをうまいことまとめ上げ、逆にプラスの状態に持っていく人間に軽い興味がわく。

 

「これは...想像以上に警戒する必要があるかもしれません」

 

そこには、人間という劣等種族に対する嘲笑であろうか、もしくは、同等の頭脳を持つ者に対する喜悦であろうか、その悪魔の口には笑みが浮かんでいた。

 

 

 




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