私達3人はポータルから出ると、早速メインストーリーを始めていた。
前回のIDクリアで、この町のクエストは終わりなので次の町に向かって歩いている。
「こうやってここを歩くのも久しぶりだなぁ。」
「そうなんですか?」
街道沿いに真っすぐと3人で歩いていると、ディリスタさんがそう漏らした。
「メンバーになってくれたのは君達が久々でね。」
やはり断る人も多いという事だろうか。
ユキさんもエルシャの町に常に居座るわけにもいかないだろうし。
中にはコミュニケーションが苦手でって事もありそうだ。
「まぁ、人が少ないだけあって、こういうのにも遭遇できるわけだが。」
そう言ってディリスタさんが指刺した方向を見ると……
”グ¥%&ァ!”
巨大なスライムがいた。
「あいつはネームドモンスターだ。 折角だから狩ってくぞ。」
そう言って武器と盾を構えた。
「なぁ、ネームドモンスターってなんだ?」
恒例の卍エクスカイザー卍質問タイムだ。
そろそろ自分で調べるように言った方がいいのだろうか?
「ネームドモンスターっていうのはね、フィールドに一定周期で現れるモンスターの事よ。」
「レアなのか!」
レアと聞いて彼の眼が輝く。
何かが彼のハートに火をつけたらしい。
やる気満々で剣と盾を構える卍エクスカイザー卍。
私も弓を構える。
「卍エクスカイザー卍くん、君が転職後どっちの職を選ぶか分からないがシールダーとしての動きをよく見ておくんだ。」
「”プロテクトシールド” ”ウォークライ” ”ガーディアン”」
ディリスタさんは即座にスキルを3つ使用する。
”ウォークライ”は見慣れたスキルなのでよく分かる。
私はディリスタさんのバフ情報を確認する。
”プロテクトシールド”
どうやら自己バフ型で、防御と精神を上昇させるようだ。
”ガーディアン”
盾を構えてる間、周囲10mのヘイトを上昇し続けるようだ。
おそらく上位職、シールダーが扱うスキルなのだろう。
「”ブレイブショット”」
私も黙って見ているわけにはいかない。
このPT構成でもアタッカーは私だ。
ディリスタさんは火力の問題上、攻撃には参加しないはずだし。
スライム系も炎が弱点のため、今回も”ブレイブショット”が期待出来るはずだ。
しかし、さほどダメージを与えられていない。
「こいつは物理攻撃に耐性を持っているんだよ、弱点を突いても期待するほどのダメージは出ないよ。」
物理耐性……その手のモンスターもいるのか。
今ならゴリ押せるだろうが、高レベル帯となっていけば無理だろう。
私は再び矢をつがえて狙いを定める。
本来ならキャスター系統が倒すのが定石、つまりメインアタッカーになる。
普段アタッカーとして立ち回るアーチャーならこういう時どう動く?
「”ブレイブショット”」
そう考えながら”ブレイブショット”を放つ。
後でアーチヤー系のスキルでも調べてみようか。
横目で卍エクスカイザー卍を見ると、真剣な眼差しでディリスタさんを見ている。
単純な彼の事だ、シールダーになりたいとか言い出しそうだ。
「”ブレイブショット”」
CTが明けたので再び”ブレイブショット”
物理耐性を持つなら、他にスキルは使うだけMPの無駄だろう。
―――
――
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”ブレイブショット”のCTが明けるたびに放つ作業を繰り返すこと5分。
やっと終わりが見えてくる。
特に変わった動作をする事もなく、最後の”ブレイブショット”を放つ。
前のIDボスと同じように溶けて消え、宝箱が残される。
ディリスタさんは早速箱を開けると、卍エクスカイザー卍を呼んで何かを渡した。
彼は嬉しそうに笑いながら私の方に走ってくる。
「見てくれよ! この盾カッコイイだろう?」
そう言って、恐らく先程のモンスターからのドロップであろう盾を構える。
あぁ、こういうの懐かしいな。
子供の頃にもこういう……こういう?
「oリナo? どうした?」
「二人共、どうした?」
ディリスタさんと卍エクスカイザー卍が心配そうにこちらを見ている。
「いえ、ちょっと眩暈がしただけです。 大丈夫ですよ。」
今何か引っかかったような……
思い出そうとすると襲ってくる頭痛。
今は迷惑をかけたくない、ゲームに集中しよう。