エレウシスオンラインにログインすると、卍エクスカイザー卍がポータルで待っていた。
「ごめん、待たせちゃった?」
「いや、俺も今来たとこだ。」
今日は他のメンバーとの顔合わせだ。
二人でポータル端末からギルドルームを選択する。
一瞬、ふっと視界が歪んだかと思うとすぐ別な風景に変わる。
周りには広がる草むら。
目の前には古びた木造の学校の校舎が見える。
「なにこれ、すっげぇ……」
ギルドルームって聞いて、もっと無骨な場所を予想していたのだが……
流石にこれは予想外だ。
「やぁ、いらっしゃい。」
ディリスタさんが私達を迎えに来てくれたようだ。
そのまま、校舎の中に入るように促される。
入口を潜ると、中は天井の無い教室になっていた。
教室を見回すと、何人かのプレイヤーが椅子に着席している。
「みんな、新しく入ったメンバーの二人だ。」
「私は、oリナoです。 職はアーチャーです。」
「俺は卍エクスカイザー卍、職はファイターだ、宜しくな!」
新しいメンバーに興味深々なのか、ザワザワと騒がしくなる。
こうしていると、まるで転校生のような気分だ。
「じゃあ皆も自己紹介してくれ。」
こうしていると、まるでディリスタさんは教師のようだ。
まず先陣を切って立ち上がったのは、正面の席のアルマの男性だ。
「俺はユキヤ@邪神、種族はアルマ、職はグラディエーターだ。
一応このギルドのサブマスターをやらせてもらってる。」
犬のような尾と耳を立てて自己紹介する。
なんというか、凄い名前だ……
次に隣の席の少女が立ち上がる。
「私はvアルマ姫v! 種族はアルマ、職はヒーラーよ。
貴方達にも家来になる権利をあげるわぁ。」
なんというか、また濃い名前と設定だ。
名前に姫をつけるやるは大体普通じゃない。
二人から少し離れた後ろの席の女の子が静かに立ち上がる。
「え、えっとシャルロットです……
種族はエルフ、キャスターをやってます……」
多少おどおどしながら自己紹介を終える。
小動物みたいで可愛いなと思ってしまう。
「一応言っとくが、シャルは男だからな。」
ディリスタさんがそう付け加える。
なん……だと……
世の中はやはり分からない。
「これでメンバーは以上だ、宜しくやってくれ。」
思っていたよりはメンバーは少なかった。
それともう一つ気になる事がある。
ユキさんはメンバーではないのだろうか?
「すみません、ディリスタさん。 ユキさんは……」
「あぁ、あいつはただの協力者でメンバーじゃないんだ。」
「そうなんですか。」
「βからの付き合いでな、変わり者なんだが悪い奴じゃない。 仲良くしてやってくれな?」
そう頼まれてしまった。
昨日の件で、変わり者という事に納得してしまう。
「自己紹介もこれくらいにして、このギルド、青空教室の説明をしよう。」
そう言ってディリスタさんは説明を始めた。
”このギルドの目的は、初心者プレイヤーの支援だ。
サービス開始して1年を超えるが、未だにプレイヤーは増加している。
しかし、増加と合わせてID通いのプレイヤーからある問題が上がった。”
一度話を止め、軽く深呼吸する。
”それはプレイヤーの質の低下だ。
装備、立ち回り、あまりにも酷いと、ね?
だから僕はこのギルドを立ち上げた。
職毎の動き、ID内でのチームワーク等、それを学んでもらうためにね。”
ネトゲではよく聞く話だ。
普通は自分で調べればいい事なのだが……
「だから君達二人にもその指導をしていくつもりだ。 分からない事があったらいくらでも聞いてくれ。」
本当に人が良いというかなんというか。
私は嫌いではないが。
「分かりました。」
「ディリスタさんっていい人なんだな!」
「とりあえず、二人には僕が同行してメインクエを進めよう。」
ディリスタさんからフレンド申請とPT申請が飛んでくる。
よく見るとユキさんからもフレンド申請が飛んできていた。
「3人はユキヤを中心にIDに挑戦してきてくれ。」
「了解です。」
そう言って教室から出ていく。
「さて、僕達も行こうか。」