今起こっている現象を、説明する程の科学的知識を私は持っていない。ただ、1つだけ言える。水面に人が立つなんて夢幻なことが可能だとは信じられなかった。
背後から、由良が笑う声が聞こえる。混乱している私の動きを笑っているのだろうか。
「こんな軽い
「初めてだと信じられないかもしれないけど、ね? 大丈夫、艤装があればどこの海でも浮かべるから」
幾ら説明を受けても、脳が
試しに海水を舐めてみる。普通のしょっぱい海水だ。
顔に海水をかけてみる。顔がベタベタとする。意識も、はっきりとしている。
つまり、これは夢でもないし水に仕掛けがあるわけでもない。私は今、非科学的な現実と向き合っている。
「わけがわからない。この小さくて軽い
「これはね、かつての大戦を戦った船の魂が入っているの」
「……
言葉を紡ぎながら、脳をフル回転させる。前の世界に比べて、この世界がなんだとおかしいとは思っていた。だけど、ここまで
深く考えても、明確な答えは出ない。この世界はそんな不思議な世界なんだと結論付けて続きを聞く。
「この艤装に宿った船の魂が、私達を支えてくれてるの。それで、海に浮かぶことができる。船霊って言われるような、そんなものなの、ね? わかる?」
「それじゃあ、私の
「駆逐艦春雨、だよ」
少しずつ、辻褄があってきた。
だけど、私はこの世界での14年で
そんなものになんで私は気付かなかった。知らなかった。
「言ったでしょ? これは国の
「…何と?」
「
思わずニヤけてしまいそう。それぐらい、今の気分は上々。
脳が
難しい科学なんて関係ない。非科学的な
ここは
「取り敢えず、春雨ちゃんは訓練だね。今のままじゃ、危険だから、ね?」