あの日の約束を   作:ゴルゴンx

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やっとできた。
忙しすぎる、楽しんでくれると幸いです。


第六話、合計100点 礼央宅での食事

side風太郎

 

三玖との屋上での陣から2日後、俺は三玖を呼び出した。

 

「三玖、お前が来るのを待ってたぞ」

 

「何か用?フータロー」

 

「ああ!俺と勝負だ!お前の得意な戦国クイズ、今度こそ全て答えてやる!」

 

「・・・やだよ、懲りないんだね」

 

「くくくっ…この前の俺と一緒にされては困る、それとも唯一の特技で負けるのが怖いか?」

 

ここまで煽れば三玖も俺との勝負に乗ってくるだろう。

 

「・・・武田信玄の風林火山、その風の意味する事は?」

 

「そんなの簡単じゃ」

 

「正解は早き事風の如く」

 

俺が答えようとすると、三玖は後ろに振り返り階段の手すりを器用に滑っていった。

 

「あいつ!また逃げやがった!」

 

そうだ、あいつ等は逃げ続けている俺からも勉強からも、もう逃がさねぇ!俺が三玖を追いかけようと後を追おうと、不意に視界が暗くなり顔に柔らかい感触が伝わった。

 

「!!」

 

「わお!上杉さん!!」

 

「よ、四葉!!」

 

今の柔らかいのは四葉の胸!!俺はその事実に気づくと顔が赤くなるのが分かった。

 

「ちゃんと前向いてなきゃダメですよー」

 

「そうだ!ここ三玖が通らなかったか?」

 

「さっきすれ違いましたよ、あっちに走っていきました」

 

「サンキュー」

 

俺は四葉が教えてくれた方向に走って行く。

 

「わお、上杉さん!ちゃんと前向かなきゃだめですよー」

 

おかしい、俺はついさっき四葉に全く同じセリフを言われた!なのに目の前の四葉はまた俺に同じセリフを言ってきた。デジャブ?いやそんな事あるわけがない。なら、答えは一つ。

 

「すまん四葉、落ち着いて聞いてくれ・・・お前のドッペルゲンガーがいる、お前死ぬぞ!」

 

「えええええええ、死にたくないです〜〜!!」

 

「ほら、あそこに」

 

「本当だ!あそこにいる、最後に食べるご飯何にしよ・・・」

 

俺が目の前にいる四葉に、さっき会った四葉の方に指を指す。

 

「あれ?あの四葉髪長く?リボン取っちゃったし、ヘッドホンつけてと」

 

四葉段々と三玖になって行くのを見て俺は

 

「お前三玖だろ!トリッキーな技を使いやがって!」

 

五つ子だからできる変装なんかしやがって!全然わからなかったぞ!!三玖は変装を解くとそのまましれっと走っていきやがった。

 

「三玖!この前は騙して悪かった!俺はこの2日間で図書室にある戦国関連の本全てに目をとおした!今なら、お前とも対等に会話できる自信がある!」

 

「嘘ばっかり・・・」

 

そう言って三玖はまた走り出した。不要だと思っていた運動能力がこんなとこで必要になるとわ!俺は息切れしながらも必死に三玖を追いかけていると

 

「武将しりとり、龍造寺隆信」

 

唐突に武将しりとりなるものが始まり少し驚いたが、すぐに答えを返した。その後しばらくしりとりをやりあっていたが、二人とも体力が尽きその場に倒れ込んだ。

 

「はぁ・はぁ・・はぁ・・・俺のスピードについてくるなんてやるじゃなか」

 

「はぁ・はぁ・・私クラスで1番足遅かったんだけど」

 

その言葉に俺は少しショックを受け、少し身体を鍛えようかなと思った。その後、暑いと言って三玖がストッキングを脱ぎ出した。俺は少し気まずくなり喉も乾いたので自販機に飲み物を買いに行く、買って戻ると三玖がベンチに座って休んでいた。

 

「ひゃっ!」

 

買った抹茶ソーダを三玖の頬に当てると思ったより驚かれた

 

「これ好きなんだろ?手痛い出費だか、もちろん鼻水は入っていない」

 

その後三玖と話して分かった事がある。三玖が1番落ちこぼれであると思っていること、何をやってもみんなより下回る事、それを負い目に感じ勉強しても無駄だと思っている。しかし俺はそれは違うと言ってやった。

 

「この前のテストよく見てみろ、全員正解しているところが見事に被ってないんだよ、俺はここに可能性を感じた!1が出来ることはみんなできる!一花もニ乃も四葉も五月も、そして三玖お前も!全員が100点の潜在能力を持っていると俺は信じている!」

 

「なにそれ屁理屈・・・本当に五つ子を過信しすぎ」

 

三玖はそう言ってたが、顔はどこか憑き物が取れたような顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

side礼央

 

午前の授業が終わり、健と学食へ行く準備をしていた。

 

「ったく!お前が母さんに余計な事言うから面倒な事になったじゃねぇか!」

 

「いや〜悪い悪い、まさかまだ言ってなかったて思わなかったんだよ」

 

「普通言わんだろ!一応思春期だぞ!」

 

「だから悪かったって!んで、中野さんを家に連れ来いって?」

 

「母さんがテンション上がっちまってよ、今朝も今日連れておいでって言ってるくらいだよ」

 

朝から母さんに早くニ乃に会わせろと口うるさく言われた、まだ付き合ってすらいないんだかな。

 

「早く話さないと向こうも予定埋まるんじゃないか?」

 

「そうだな、飯前にちょっと行ってくるわ」

 

俺はニ乃を誘うために教室を出ようとした時

 

「すいませーん、橘くんいますか?」

 

教室の扉が開き、今まさに会いに行こうとしていたニ乃が現れた。どうやら俺を探してるらしく、近くにいたクラスメートに案内され俺の所に来た。

 

「いきなりきてごめんね、レー君」

 

「いや、大丈夫だ。俺もニ乃に用事があったから丁度良かった」

 

「そうなの!?用事って何?」

 

「実はな、母さんがニ乃に会いたいんだとそれで良かったら今夜晩飯食いにこないか?」

 

「えっ!?レー君のお母さんが!!本当に!?良いの!?」

 

「あぁ、ニ乃に予定が無ければだが」

 

「大丈夫!予定はないわ!・・・あっ!あの子たちのご飯だけ作って来て良い?」

 

「そういえばニ乃が家事を担当してたんだよな、わかった母さんに伝えとく」

 

「ごめんね!作って直ぐに行くから!」

 

「そんなに急がなくても大丈夫だよ、母さんには伝えとくから」

 

「ありがとう!あっ、でも私レー君のお家知らないわ」

 

「・・・そうだったな、なら一緒に行くか。二乃が良いなら家まで着いていって良いか?」

 

「大丈夫よ!なら一緒に行きましょう!」

 

「了解、じゃあ放課後に迎えに行くよ!」

 

「うん!ありがとう!」

 

「俺の要件は以上だが、ニ乃はどうしてここに?」

 

「・・・あのね、もうお昼ご飯食べた?」

 

「いや、まだだが?」

 

「良かったらなんだけど、これ食べて欲しいの!」

 

そう言ってニ乃は俺に大きめの包みを渡してきた

 

「これは?」

 

「お弁当!!作ってみたの、食べてくれる?」

 

「えっ!?俺のために?」

 

「うん!レー君に食べて欲しくて!」

 

「嬉しいよ!ありがとう!二乃は食べたのか?」

 

「ううん、レー君に渡してから食べようと思ってたわ」

 

「なら一緒にどうだ?」

 

「いいの!?」

 

「せっかくなんだし、一緒に食べよう!」

 

「うん!!一緒に食べましょう!」

 

「おう!・・・あっ、健も食うか?」

 

「今完全に忘れてたろ?明日昼飯奢りな」

 

「お・おう、わかった!」

 

そう言って健は食堂に行き、俺とニ乃は作ってくれた弁当を食べた。大変美味しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後になり、俺はニ乃と合流しマンションを目指す。マンションに着くと既に五月と一花が帰ってきていた。

 

「おかえりー、今日は礼央君も一緒なんだ」

 

「おかえりなさいニ乃、それといらっしゃいませ橘くん」

 

「あぁ、お邪魔させてもらうよ」

 

「今日はどうしたの?家庭教師の日じゃないよね?」

 

「ちょっと用事があってな、ニ乃借りてくわ!」

 

「へぇー、なになに?二乃連れてどこ行くの?」

 

ニヤニヤしながら聞いてくる一花、こいつは何を期待してんだ?

 

「普通に食事だよ、俺の家で」

 

「そうなんだ、二人で?」

 

「いや、母さんが連れてこいってうるさいんだよ」

 

「えっ!?お母さんが?じゃあいよいよだね!」

 

何がだよ、とツッコミそうになった時にニ乃が料理を作り終えリビングに戻ってきた。

 

「晩御飯はできたわ!着替えて来た方がいいわよね?」

 

「そうだな、夜遅くなるだろうし制服でうろついて補導されても面倒だしな」

 

「分かったわ!着替えてくるからもう少し待っててね!」

 

そう言ってニ乃は自分の部屋に入って行った。残された俺は一花と五月と喋りながら暇を潰していた。五月が二乃だけずるいです!と喚いていたので、今度母さんに頼んでやると言ったら納得してくれた。しばらくするとニ乃が出てきた。

 

「お待たせ!行きましょうレー君!」

 

「・・・」

 

「変かな?」

 

「あっ・いや、悪い!綺麗で見惚れてた」

 

「っ!///・・・本当?」

 

「あぁ、凄く綺麗だ、似合ってる」

 

本当に綺麗でビックリした、二乃のためにあるような服だった。色合いのバランスも完璧なうえ、ニ乃のスタイルに抜群にハマっている。ずっと見惚れているとニ乃も恥ずかしくなったのか、行きましょうと催促があったので向かうことにした。

 

 

 

俺の家はニ乃達のマンションから少し距離があるため俺たちはバスに乗った、最寄りの駅で降りて5分程歩くと俺の家が見えてくる。

 

「あれが俺の家だ」

 

「・・・大きくない?」

 

「まぁ、親父が社長だからな。そこそこ大きいとは思うよ」

 

「そうなの!?どんな仕事されてるの?」

 

「人材派遣だよ、国内問わず海外にも派遣してるからそれなりに儲かってるだと」

 

「凄いわ!レー君は会社を継ぐの?」

 

「まだそこまでは考えてないよ、手伝いはしてるけどな」

 

親父の事について少し話して俺たちは家の玄関を開けた。

 

「ただいま母さん」

 

「おかえりー、それといらっしゃい中野ニ乃ちゃん!」

 

「は、初めまして!中野ニ乃と言います、本日は夕飯にご招待いただきありがとうございます!」

 

そう言ってニ乃は頭を下げるが

 

「そんな畏まらないで、普段通りで大丈夫よ!玄関で話すものなんだし二人とも入りなさい、後礼央は着替えてきなさい!」

 

母さんに促されて俺は自室に、ニ乃はリビングへと向かった。着替えてリビングに行くと母さんとニ乃が楽しそうに話していた。

 

「そうなのよそれであの子ね、あら礼央もう来たの?」

 

「そうなんですか!、あっ、レーくんおかえりなさい」

 

「一気に仲良くなりやがったな」

 

「ニ乃ちゃん良い子ね!仲良くなれそうだわ!もう少しでご飯できるから待ってなさい」

 

何を話してくれたんだか、ニ乃もニコニコしてるし。

 

「お母さん凄く良い人ね!仲良くなれそう!」

 

「そりゃ良かったよ、ところでなに話してた?」

 

「それは秘密!」

 

「さいでっか」

 

話された内容に不安しかないが、今は納得するしかなかった。その後母さんが作ってくれた晩飯を食べ終え、しばらく話をしていると夜も遅くなってきたため、俺はニ乃を送って行くと良い車庫に向かう。車庫に向かい自分のバイクを押してニ乃が待つ玄関先まで向かうと母さんも出てきていた。

 

「それじゃ礼央、家までしっかり安全運転でね」

 

「わあってるよ!二乃これ被りな」

 

俺はニ乃にバイク用のヘルメットを渡す、二乃がヘルメットを被り後ろに乗ったのを確認した俺はバイクのエンジンをかけて二乃達が住むマンションに向かった。ちなみに愛車はゼファーだ。

 

しばらく走って信号待ちをしていると、ニ乃が話しかけてきた。

 

「レー君今日はありがとう、晩御飯誘ってくれて!凄く美味しくて楽しかったわ!」

 

「楽しめたなら良かったよ、信号変わるから捕まっとけよ」

 

信号が変わり、俺たちは走り出した。

 

「レー君、大好きよ!」

 

「なんか言ったか?風の音で聞こえなかったんだが?」

 

「なんでもなーい!!」

 

そう言ってニンマリと笑うニ乃を見て、まぁいいかと思いアクセルをふかしマンションまで向かった。

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