YMO ー黄色い変身ヒロインの秘密を僕だけが知ってしまってー 作:豚煮真珠
「一気に行くでや! マッハダイビング!」
水星モデルの戦士キューシルバエルメスが、敵の一人に先制攻撃を仕掛けた。
キューシルバの先制を食らった男が声を上げる間もなく吹っ飛ぶ。キューシルバは、常人では捉えることが不可能な速さで敵に飛び込み、その慣性でチャージを食らわせる技を得意としている。
キューシルバの速さはヘイズでも捕捉が難しく、敵は彼女の技を気付く前に食らう。彼女の技は、過去にメテオという男が仕掛けた「
「このっ! 赤いコスモスめ!」
敵の二人が、同志を攻撃したキューシルバに襲い掛かるが、
「フォローは頼むで、グレナデン!」
「はい!」
冥王星モデルの戦士グレナデンウィッチが立ちはだかり、敵二人の行く手を阻んだ。
グレナデンが手にする
「ナイトブリザード!」
そして、払った箒から吹き荒れる風雪に、敵二人が腕で顔を覆って足を止めた。
グレナデンが発する吹雪は、敵に浴びせれば凍らせて動きを封じる他、雑に払っても敵の視界を遮ることができる。
先手を取ったキューシルバとグレナデンのコスモス二人に、黒いキツネの面と黒いサルの面をかぶる双子が、勢い付かせるものかと同志の救援に向かうが、
「行かせないよ。あんたらと、エクリプスって人の相手はあたしたちがするよ」
「食の未来を汚す者は、私が成敗します。私の剣で、あなたたちの野望を断ち切って見せる」
サンシャインとムーンライトの二年生コンビが、双子と望搗という男に立ちふさがった。
構える二年生コンビに双子が襲い掛かる一方、トゥインクルとリングレットの一年生コンビは、ブルーマリン及びハウメアと
一年生コンビは、ブルーマリンに一度完膚なきまでに負かされている。
「ねえさん、下がっていてください。この二人は、あたしに任せるッス」
「ハウメア」
「ねえさんは見ててください。あたしがこの二人を止めるッスから」
敵方に付くコスモスの戦士、ハウメアフェーティリティが、
「〝アイヴィーバインド〟!」
トゥインクルとリングレットに目を向けながら両手を地面に
一年生コンビの足元に、ツタがもこもこと綿が膨らむように現れる。そしてツタが、一年生コンビの足に絡み付く。
ツタはとても太く、ちょっとやそっとでは千切れそうもない。
「ねえさん、止めました! そのまま見ててくださいッス!」
ツタを生んだハウメアが振り返り、慕うブルーマリンに首尾を報告するが、
「……んなっ!?」
前に向き直って
突進するトゥインクル。その走りは彼・鈴鬼小四郎の例えを用いると、アクセル全開の暴走自動車。そんな狂気がハウメアに迫っている。
そして、トゥインクルがハウメアを殴る。その一方でリングレットもツタを足で払って拘束から抜け出す。
「邪魔しないで。私、ブルーマリンにすっごく怒ってるんだから」
「…………」
尻もちをついたハウメアが、怒れるトゥインクルを
ハウメアは聞いていた。金星モデルの戦士トゥインクルスターが、とてつもないコスモスの才を秘めていることを。だが、まさかここまで差があろうとは。
技が何ら通じなかった悔しさにハウメアが唇を
「ブルーマリン」
トゥインクルが、ハウメアの後ろに立つ
「好きな人のために頑張ろうって気持ちはすごく分かります。でも」
「……でも?」
「あなたは、しちゃいけないことをした。私の大切な人に手をかけようとした。もう絶対に許せない、ここで私があなたを、二度と立てないくらいに叩き潰します」
敵意を隠すことなく剥き出しにしたトゥインクル。前は彼・鈴鬼小四郎が身を
だが、月日が経過し、ブルーマリンが彼を害そうとしたことを思い出した。トゥインクルにとって彼は守るべき男子であり、決して汚されてはならない絶対の聖域なのである。
ブルーマリンとて負けていない。青筋を立てたブルーマリンが右手から水を生む。そして水が噴き上がり、一目で高圧と分かる刃へ変化する。
「叩き潰すですって!? あなたなんかより私の
望搗という男に身を
「させるもんか! リフレクティブサークル!」
「リングレット」
トゥインクルの前に躍り出たリングレットが、円を描いて水の刃を止め、これにトゥインクルが喜んだ。
せめぎ合う水の刃と、リングレットが形成したガラスのような円。押して円を割らんとするブルーマリンに、リングレットがたすき掛けする環を回す。
回る環から、キラキラと光るチリが生まれ、
「ふわああっ! ゆけえっ、〝ダイヤモンドシュート〟!」
リングレットが無数の光るチリを
吹き付けるチリにブルーマリンが
円を消したリングレットが、続けて大きな円を両手で描き、描いた円が球状の物質へ変化する。
「受けてみな! 〝ダイレクトオービット〟!」
形成した透明の球体をリングレットが蹴り出した。
前にブルーマリンは、透明の球体を受けており、破壊は容易なことを知っている。よってブルーマリンが左手から水を生み、被弾の前に水を噴射させて球体の破壊を試みるが、
「えっ!?」
予想外の展開に目を見開く。なんと球が、壊すより先に弾けて爆発した。
飛び散る球の破片に、ブルーマリンが目を腕で覆う。そして前を
ブルーマリンが見上げる。すると、土星のような環をまとう紫の戦士が、宙をぐるぐると縦に回転しており、
「たあああっ!」
「うぐっ!」
リングレットの振り下ろした
「あんたってさぁ、前に牛が処分されたって言ってたけど、今その牛のこと考えることあるの?」
「……っ!」
「ないよねぇきっと。あの望搗って人のことで頭いっぱいだし。ま、それ言ったらトゥインクルも中々なんだけどー」
冷やかしたリングレットに、ブルーマリンが
「もう容赦しない。殺してやる、絶対に。……