クラス最弱地位の俺が異世界転生して、クラス最強になる俺物語   作:渡月 夢幻

1 / 4
〜第一章 転生〜

   〜第一章 転生〜

 

 「俺は一体・・・」

この一言から俺の新しい物語が始まった。いわゆる、異世界最強への旅ってことだ。まぁここに至るまでの話を知らなきゃ俺のことは知らないはずだし、少し語るとしよう。俺のことを!

 

  〜令和四年 六月七日 火曜日〜

俺はいつも通り、五時四十分に目を覚ました。まぁ飼っているインコの鳴き声でだけど。俺は眠くて目がほぼ半開き状態だったけど、まぁ何となく身体をリビングへと思い動かした。脳はほとんど働いていないから、いわゆる、オートモードって感じかな。六年間身体に染み付いた感じの。そうだ俺のことなんにも説明してなかった!

俺は、中山翔太。高校二年生。二年四組二十七番の!っても、クラス地位最弱なんだけどね。あははは・・・。なんでこんなに元気なのに、クラス地位最弱かだって?そりゃーもちろん理由はある。しかも一言で言える。それは、「陰キャ友達無しすみっコぐらし」だからだよ!・・・あぁ悲し。とまぁいつもこんな感じです。心の中では。

 「翔太〜ご飯だよ!早く起きな!」

と、ルーティーンと呼べるぐらいの朝行事が始まった。俺はしゃーないって思いつつ、いつものようにベットに留まる意識を根こそぎ剥がそうとした。やっと剥がせたのは母親に呼ばれてから五分後の事だった。急いで自分の部屋のドアを開け、階段を超高速で駆け下り、リビングについた。これだけでもうトレーニングじゃねぇのか?と毎日思ってる。そんなことを考えていると、親はいつも通り朝ごはんを準備して「早くしろ」と言わんばかりにこっちを見ていた。俺は急いで顔を洗って、自分の椅子に座った。今日の朝ごはんは、トーストした食パンとスクランブルエッグ、そして、レタスが異様に多いサラダだ。俺、あんまレタス好きじゃないのに・・・まぁ出されたもんは食うしかねぇしな。と、自分の心に秘めた家訓のようなものを蘇らせ、食事を始めた。味はまぁ、いつも通りだ。何一つ変わらない家の味。可もなく不可もない、俺の日常の味。黙々と食べ進めるとほんの二十分程で完食した。うん、今日も美味しかったなぁ。レタスは例外だけど・・・。変な心残りを感じたところで時刻は六時十分だった。「あと二十分で家出なきゃなぁ」俺は少し急ぎめに階段を駆け上がり、自分の部屋に飛び込んだ。部屋に飛び込んでからは制服に着替えたり、今日の持ち物チェックしたり、そして寝癖がないかを確認したりした。少しバタバタしてた俺はいつも学校に持っていくバックから何か封筒を落とした。そう、身に覚えの無い封筒だ。色は青色で珍しい封筒だ。しかも差出人も不明だし、昨日学校から帰って来る時にクラスメイトの誰かの物を俺が持って帰ってきたのかもしれない。色々な不安を抱えながら、誰のものかを確認すべく封筒を開けた。封筒を開けると何やら魔法陣のような紋章が書いてあった。そして、その右隣には「拝啓、中山翔太様」と書いてあった。手紙を開けてこの文章を見たがやはり記憶がない。誰に貰った?誰が俺に?などと色々な憶測が飛び交った。だから俺は手紙を最後まで読むことにした。しかし、時刻を見るともう六時二十八分だ。仕方なく、その手紙を封筒にまた戻し、カバンに入れた。もちろん、学校に着いてからじっくり読むためだ。陰キャな俺には暇な時間が沢山あるし。とりあえず部屋を出て、階段を下り、玄関へと向かった。親は食器を洗っているので、親に聞こえるぐらいの声量で「んじゃ、行ってきまぁす」と言った。親はそれを聞き取り、流すかのように「行ってらっしゃい。」といった。俺は玄関を出て、徒歩十分の所にある、駅に向かった。歩いている途中でも、あの手紙のことが気になって仕方がなかった。色々予想を立てたりしたものの、やはり答えにはたどり着かなかった。そんなことをしている内に駅についた。俺が乗る電車はいつも六時五十八分の各駅停車の電車だ。時間は六時四十二分。まだ少し時間がある。俺は改札近くの自動販売機に向かった。俺は躊躇なくお茶を選んだ。まぁ毎回恒例だからね。ほんの数分で買ったので、時間はそんなに経っていなかった。俺は改札口へ向かった。いつも通りだ。定期を改札へ通し、通過する。階段を下り、四番線へ向かった。四番線に到着するとそこにはたくさんの人がいた。駅の隅から隅まで全て人で埋め尽くされている。それもそうだ、この朝の通勤ラッシュ中駅が空いている事なんて滅多にないのだから。俺は急いで少しでも人だかりが少ないところを選び、並んだ。学生はもちろん、スーツを着たサラリーマンが大多数を占めている。数分後、電車が駅のホームについた。ドアが空くと、電車内からどんどん人が降りてきて階段を登って行った。電車内が少し空になり、降りてくる人も居なくなると、先頭になっていた人が電車内へ乗り込みを始めた。それに続きどんどん、どんどんと乗り込む。また、数分経つと電車内は飽和状態と化した。そんな中、俺は何とかドア付近に立つことが出来た。乗り込みが完了し、定時になると電車は音を鳴らし、続けざまにアナウンスが流れた。

「四番線、ドアが閉まります。ご注意ください。」

と。ドアが閉まり、電車が動き始めた。俺はそれに十五分ほど揺られながらボーッとしていた。そして、ボーッとしている時にふと思い出した。そう、あの謎の手紙のことだ。続きを見る余裕がなく途中で断念したが、今になるとものすごく気になってしょうがない。だが、ここは電車の中。しかも、満員だ。気になる欲求をグッと堪えつつ、電車が駅に着くのを待った。十五分後俺はようやく駅に着いた。俺はドア付近に立っていたのですぐに降りることが出来た。階段を登って、改札口に定期をかざし駅をあとにした。俺の通う学校は、駅から徒歩約十分のところに位置している。学校へ向かう途中にたくさんの学生の集団と合流した。まぁ、この時間帯に着く電車は多いからだ。しばらくすると、俺の通う学校が見えてきた。校門を見ると朝のあいさつ運動を生徒会諸君と先生が行っていた。俺は陰キャなので当然人とのコミュニケーションが苦手で、今日も人混みに紛れてあいさつ運動を回避することに成功した。回避し、足早に昇降口に向かい、靴を上履きに履き替え、自分の教室がある三階へ向かった。三階へつき、角を曲がり、二クラス分通り越すと俺が所属する二年四組だ。ドアを開け、クラスに入った瞬間俺より先に来ていたクラスメイトがこちらをじっと見ていた。・・・いつもと違う。そう思った。何故かと理由を考えていると、一人のクラスメイトがある封筒を持ってこちらによってきた。すると、

「ねぇ、翔太くん。これ、君の仕業?ふざけないでくれるかな?」

と言ってきたのだ。彼女は佐久間 鳳香。出席番号十一番の女だ。気が強く、少し嫌味がある女だ。そして、何かと情熱的で俺とは正反対の奴だ。確かに、俺は陰キャですみっコぐらしだからって言っても俺にはそんなことをする気力がない。むしろ、そんなことをしたらクラスメイト全員を敵に回し、より一層居場所が無くなるからだ。俺は慌てて、誤解をとこうとた。しかし、根拠になるものを持っていない。どうしよう。と思い、手をポケットに入れた瞬間ある物を掴んだ。そう、封筒だ。しかも、よくよく考えると、鳳香が持っている封筒とよく似ている事に気づいた。そして、

「あの、佐久間さん・・・。ぼ、ぼ、僕も同じ封筒を持っているんだけど・・・。」

と、取り出してみた。すると、鳳香は驚いた。いや、どちらかと言うと呆れていた。

「はぁ・・・。翔太くん、翔太くん本人も持ってるからって被害者ズラしようとしてんの?信じられないんだけど!そうやって、周りの人を悪くして自分は無関係だって言いたい訳?頭に来るんだけど!これだから、陰キャは。」

と、思いつくままに俺に向かって暴言を吐いた鳳香はスタスタと自分の席へ戻って行った。一難去って、一安心した俺は自分の席へ着いた。俺の席は窓側から二列目の一番後ろ、隣は出席番号三十三番、李城 来夏だ。彼女はみんなからも人気者でとても優しい人だ。この俺にも優しくしてくれる。しかし、彼女、李城 来夏よりも人気な女の子がいる。それは俺の幼馴染の宇佐美 由姫。出席番号四番である。俺は由姫のことが好きだ。幼稚園から一緒で、ずっと、ずっと一緒にいた。彼女のことを一番知っているのは、自分だと誇りを持って言える気がするのだ。俺は今日、彼女に告白する準備もできている。彼女とは一緒にいたい。彼女は、俺の事をいつも一番に優先してくれた。俺は陰キャなのに・・・。だから俺は告白して今までの生活を変えようと思う。そして!・・・。

「ガラガラガラ・・・」

と、ドアが開いた。すると、この世のものとは思えない天使のような彼女そう、宇佐美 由姫が登校してきた。みなの視線は毎度彼女に集中し、男子はベタ惚れ、女子は「可愛い」や、「綺麗」と言った言葉で毎日が賞賛の嵐である。すると、

「みんな、おはよう。」

と、美声が響き渡る。まるで白鳥が空へ飛び立つかのように。彼女は一直線に俺の方へ向かってきた。俺は毎度のことながら、彼女にベタ惚れしていたので、彼女が俺の近くに来ていることに気づいていなかった。しかし、隣の席の来夏が俺の肩を叩いてくれた事で現実を理解した。彼女は俺の真ん前にいる。近くで見るとより可愛い。と言う余韻に浸っている暇もなかった。すかさず俺は、

「おっ、おはようございます。えっと、宇佐美さん。」

「おはよう〜翔太くん!今日も寝癖ついてるよ。」

と、笑って俺の寝癖を指摘してくれた。笑ってる顔も可愛い。この笑顔をずっと見られれば良いのに・・・。と思っていたら、学校のチャイムが全クラス中に響き渡った。すると、たちまち皆は自分の席へ着席し先生が来るのを待っていた。そんな中俺は朝からしようと思っていたことを実行した。自分の机の脇にかけたリュックの中から、あの手紙を取り出した。すると、中には・・・

「拝啓、中山翔太様。お初にお目にかかります。私は神でございます。貴方にこの手紙を送った理由、それは世界を救うためです。もちろん貴方以外の方も招待しております。それはもちろん、貴方のクラスメイト達です。なお、この手紙はクラスメイト全員に送付されています。きっと、楽しい異世界ライフを送れるでしょう。詳細は向こうの世界に着いたら説明されます。時間は令和四年六月七日。午前八時二十分でございます。それではご武運を。」

「えっ?・・・。」

俺は悶絶した。焦りが止まらない。急いで時計を確認しようとすると、午前八時十九分四十八秒。俺は咄嗟に来夏に訴えた。

「来夏!早く逃げよう。」

「ちょっと、いつも大声を出さない翔太くんがいきなりどうしたの?みんな、こっちみてるよ。」

残り五秒。

「この手紙が・・・」

そう言いかけた途端、目の前が真っ白になった。空白の時間が流れている。さまよっている感覚がした。

「奥に光が・・・」

手を伸ばしてつかもうとすると、いきなり空白の時間から振り落とされた。当たりを見渡すと、クラスメイトが横たわっていた。どうやら、一番に目が覚めたのは俺らしい。

「俺は一体・・・」

そうつぶやくと

「おぉ!我が君よ。神の言い伝えによる異世界召喚魔法とやらが成功いたしましたぞ。これは我国にとって利益になるものかと。」

その声の主はどうやら四十代半ばの男性らしい声だ。その声のする方を見ると、

「おはようございます。召喚されし者殿。我はこのラザミール王国の王直属の近衛騎士団、騎士団長を務めている、グリフォン・クラヴィスというものです。」

「あっ、えっと・・おはようございます。グリフォン殿。えっと、私は中山翔太と言います・・よろしくお願いします。」

少々たどたどしい挨拶になってしまった。

「貴方は、中山殿というのですね。私達の勝手な召喚に応じていただき誠に感謝しております。」

「えっと・・貴方は?」

「大変申し訳ございません。私はこのラザミール王国第一王女のエキドナ・ラザミールと申します。」

「・・・。王女様?」

「はい、王女様です。」

「・・・。えぇ!?」

と、思わず奇声を上げてしまった。俺は咄嗟に

「えっと、只今の無礼お許しください。私は中山翔太と申します。えっと、本当にごめんなさぁい!」

と、俺は深々と土下座した。すると、

「気にしておりませんので、どうか頭をあげてください。本当に面白い方ですね。」

と、微笑していた。彼女は、金髪で顔立ちがよく、特に鼻が高い。それでもって、王女様という身分もあるのかとても、スタイルが良かった。ざっと、十九歳ぐらいだろうか。

「あれ?・・ここはどこ?・・。」

と、次に目を覚ましたのは俺の席の隣の来夏だった。

「来夏さん、ここはえっと・・異世界です。」

「はっ?・・翔太くん、頭おかしくなった?」

「いえ、本当に異世界です。周りみてください。」

「うーん?・・・えっ?マジで?」

「はい、マジです。」

「・・・。えぇ〜!」

と思わず彼女は発狂してしまった。その反動でほかのクラスメイト達も起きてしまった。

「おい、どうした。来夏何叫んでんだよ。」

「あっ、冬馬起きたの?えっとね私達異世界召喚されちゃったみたい・・・。あはは」

「おい、冗談はよしてくれよ。俺とお前の仲だからといって異世界なんて冗談ある訳・・・。えっ?」

彼は出席番号二番の阿部冬馬。彼はクラスでも率先的で頼り甲斐のある「ザ・リーダー」って感じの奴だ。すると、ほかのクラスメイトたちも続々と起きてきて、今の現状を把握した。そして、今俺らがいるのは王宮の西端にある召喚大広間だと言う。すると、

「あの、エキドナ王女様。私たちは元の世界に帰れるんですか?」

来夏が質問した。すると、奥から声がした。

「それはワシが説明しよう。」

「あっ、お父様。」

エキドナはそう言って一礼した。

「異世界から召喚されし者よ。わしは、この国の王であるグレリオ・ラザミールじゃ。率直に言うと、今のままでは帰れないだろう。何故なら、この召喚には条件が存在するからだ。」

「条件?・・・条件ってどんなものなんですか?」

「うむ。条件はこの世界の魔王を主らが討伐することだ。」

そう、グレリオ国王は告げた。クラスの連中は唖然とし、中には恐怖を感じている者もいた。理由はもちろん《死》この一択だろう。自分だって死ぬのは嫌さ。死んだら何も残らない。そう思っていたその時、

「案ずるな。異世界から召喚されし者よ。まずはこの紙切れに触れてくれ。」

そう言って、一人一人に何の変哲もない紙切れが渡された。すると、突然みんなが手にした紙が光出した。驚くまもなく、その紙切れはステータスプレートのようなものへと変貌した。すると、冬馬のカードはまた更に光始めた。そして、

「阿部冬馬。職業・勇者。属性・水・風・光。Lv118。スキル・勇者の加護(英雄級)ホーリーグリッター(光)神風刃(風)彗星の怒号(水)」

と表示された。すると、国王であるグレリオがせっせと冬馬に近づいて、

「貴方様が勇者であったか。これは誠にありがたい。」

と、冬馬に国王を筆頭に深々と頭を下げたのである。冬馬は今の現状に少し焦りつつも

「グレリオ国王。我々がこの国に持てる力を全て総動員して、魔王を討伐致します。」

彼はここでも、個性であるリーダーシップを発揮して、この国に全力で力を尽くそうと決意した。すると国王は

「ありがとうございます、勇者殿そして、皆様方。では、東棟にある食卓の間で今のこの国の現状と世界の現状について食べながら説明したいと思います。」

そして、みなは、ステータスプレートを片手に東棟へ移動した。その途中で、俺は来夏にこう聞かれた。

「ねぇ、翔太くん貴方のステータスってどんな感じなの?」

「えっ?あぁ〜僕。僕はその・・・。」

と恥づかしがりながらステータスプレートを彼女に見せた。すると、彼女の近くにいた出席番号一番の安嶋俊介に

「えっ?お前のステータス雑魚すぎね?」

その安嶋の声に一番に反応して、出席番号十四番の鈴木昂河がやってきて

「ホントじゃん!うわぁ流石陰キャ翔太だな」

と嘲笑っていた。それもそのはず、俺のステータスプレートは

「中山翔太。職業・鑑定士。属性・無。Lv14。スキル・図書館。」

だからだ。

「もう、俊介君も昂河君も翔太くんの事あんまりいじめちゃダメだよ!」

そう言って俺らの会話に介入してきたのはクラスの女神である宇佐美由姫だった。彼女の姿を見た瞬間二人ともメロメロになり、ホンワカした返事をしてその場を去っていった。由姫は、

「翔太くん心配しないでね。私が翔太くんの事しっかりサポートしてあげるからね!」

と、一言言って俺の前を去っていった。俺はその優しさに酔っていた。とまぁそんなことをている間に、東棟の食卓の間に到着した。各々食事をする席へつき、国王再来を待った。俺は幸運な事にも隣の席に座っていたのが、由姫だった。俺は己の力を振り絞って彼女に話しかけた。

「ねっ、ねぇ。由姫さん。由姫さんのステータスプレート見せてもらってもいいかな?」

相変わらず、コミュ障が治っていない。俺は情けないと少し反省をしていると、

「もちろん、いいよ!ちょっと待っててね。・・・。はい、これだよ!」

と、にこやかに由姫は俺にステータスプレートを見せてくれた。彼女のステータスプレートは

「宇佐美由姫。職業・魔術師。属性・光。Lv71。スキル・ホーリーレイン(上級)ライトブレス(中級)」

と、表示されていた。やはり、現実の体力やらなんやらが影響しているのかと思った。そんなこんなを考えているうちに国王グレリオは堂々たる姿で俺らの前に現れた。

「異世界から召喚されし者たちよ。ここに集ってくれたことを感謝している。さて、今我々の国ラザミールは危機に陥っている。何故ならば、この人々の暮らす領地が魔族によって脅かされようしているからだ。少し、昔の話になるが付き合ってくれ。百年ほど前、世界には五人の王がいた。○○王、魔王、妖精王、竜王、そして人の王。だが、このうちの一人○○王が忽然と姿を消しおった。彼はこの世のものとは思えぬほど強く、いわば神のような存在だった。しかし、その○○王が姿を消したことにより、○○王は長くに渡り空席となっていて、王族間の均衡が崩れ、最も強かった魔王がこの世界を支配しようとしていた。眷属である魔人、魔族、魔物も暴れだし、各地で出没し始めた。そこでそれに立ち向かうために各種族で対策を練っていた。その中でヒューマンは神の力を行使し、異世界召喚術という神のみに許された秘術により地球のあるクラスを転生させた。という訳じゃ。ここに集いし者たちよ今一度我々を救ってくれることに感謝いたすぞ。」

と、国王グレリオは再び深々と頭を下げた。その直後、後ろから二十代くらいの若くて通りのいい声がした。

「グレリオ国王。この方々が例の?」

「あぁ。そうだ。我々の国を支えてくれる人々だよ。」

「なるほど。つまり、この中の勇者を私が鍛えれば良いのですね。」

と、自信ありきの声で国王に申し出たのは・・・

「そういえば、君たちにまだ名前を言ってなかったね。私は、宇宙の十新星(コズミック・ノヴァ)、第一の席 ディアブロ・フェルナンデスだ。皆、よろしくな。」

「あの・・・。宇宙の十新星(コズミック・ノヴァ)って何ですか?」

俺はふと思ったので、そのディアブロさんに聞いてみた。

「あぁ〜宇宙の十新星(コズミック・ノヴァ)ね。宇宙の十新星(コズミック・ノヴァ)って言うの人の国で最も強い十人の魔術師や呪術師のことを指すんだ。俺はその中で一番強いそして、称号・太陽(サン)の持ち主だ。」

「称号?」

皆が疑問に思った。頭上に「?」が浮かんでいるのがよく分かるぐらいに。それに気づいたディアブロは

「じゃあ、少し称号についてするね。称号とはこの世界を司る神が随時我々に進呈してくるものなんだ。だが、称号を渡されるのはある条件をクリアする必要がある。だが、それについて詳しく知るものは居ないんだ。称号の獲得条件は人によって違うかもしれない、それとも一定かも・・・。だから、君たちには全力で俺の修練を受けてもらう。そして、強くなって魔王を討伐しよう!」

この心づよい鼓舞により、クラスメイト全員やる気であふれていた。そこから俺たちは、コズミック・ノヴァの第一の席であるディアブロさんの指示の下、修練を行った。これは約二年ほど続いた。その修練中には、コズミック・ノヴァ第五の席リーゼロッテ・ベルモント称号・冥王星(プルートー)、同じく第八の席ラーハルト・ファレル称号・火星(マーズ)という方々にもお会いした。第四の席であるリーゼロッテさんは、闇属性の呪術を得意としている。そして、第八の席であるラーハルトさんは火属性魔法を得意としていた。そして、俺たちの能力は格段に飛躍した!はずなのだが・・・。

「おい、見ろよ〜お前ら〜!翔太は二年前とほとんどステータスが変わってないぜ!しかも、固有スキルの図書館が大図書館に進化したのに、持ってるもの全然変わってねぇ〜んだけど!」

と、言い始めたのは俺の事を嫌っている俊介と、昴河だった。

「いつもの事だな」

俺はいつもそう思っていたが、今回は気が少し変わっていた。《悔しい》たった一つの単語が頭に浮かんでいた。ふと俺は殴りかかった、俊介と昴河に。そう、《怒り》だ。だがしかし、決着はものの数秒で決まった。そう、俺が完敗した、一振されて。すると、周りに居たクラスメイトのほとんどが、

「やっぱり、俊介君と昴河君は最強のペアだよね!」

「二人に一人で勝負をしかけた翔太くんダサすぎでしょ。しかも不意打ちしても勝てないなんて。」

「やっぱり、二年前から一切成長してないね。」

と、クラスメイトは口々に言った。罵倒が続く。俺は成長していない。また、クラスの底辺に逆戻り・・・人生を謳歌するための異世界召喚じゃない。変わらないこの現状を再認識する為の異世界召喚だったのかもしれないと脳裏をよぎる。絶望を味わうのはもう懲り懲りだ。そう思った。ふと、顔を上げ目の前を見ると、一本の剣が地面に突き刺さっていた。これはさっき不意打ちした時に落とした剣だった。

「死のう・・・。」

やはり、変わることの出来ない俺にはこの道しかないと、ゆっくりゆっくり、剣の刺さっている方へと向かった。誰も気づかない。もう必要ないのだと思っていた。

俺は剣に手をかけ、喉元に刺そうとすると、

「翔太くん!ダメー!」

その一言が聞こえた。誰の声だ?何故俺を止める?そう考えといたら手元に剣は残っていなかった。剣はどこは?当たりを見渡すと、剣を持っていたのは由姫だった。

「翔太くん、死んじゃやだよ。私は翔太くんの事ずっと信じてる。だから諦めないで!翔太くんのサポートなら私がする。何度失敗したっていい、私はずっとずっと翔太くんの味方だから。」

「由姫・・さん・・。」

思わず、心の底からの気持ちを吐いてしまった。次の瞬間、由姫は俊介と昴河に近づいて

「二人も翔太くんの事、いじめないでよね!」

はっきりとふたりに告げた。

「悪ぃ、由姫。俺らも本気じゃなかったんだ・・・。許してくれ。」

「そうだ!お詫びとして、俺らのパーティで翔太のレベルアップ手伝ってやるよ!だから、そんでチャラにしてくんないかな?もう二度といじめないと誓うから。」

と、二人は俺に畳みかけてきた。俺は渋々承諾した。理由は二つあった。一つは俺のレベルが上がること。多少上がる程度だが、みんなのサポートには回れるぐらいにはなるだろうと言うこと、そして二つ目は由姫さんを守れるくらい強くなりたいからだ。鍛錬の一貫であり、俺が由姫さんに近づくための一歩である。そんなこんなを考えていると、

「おい、翔太。明日の早朝五時半に出発だからな!準備しとけよ!」

俺は少し不安と期待を持ち明日に備えた。俺は自分の部屋に戻ってすぐ、明日の準備を直ちに行った。回復のポーション、短剣、地図、多少なりの食料、俺の大切な御守り、そして俺のスキル大図書館に活用出来そうな本を何冊かを自分のストレージに入れた。明日の準備も出来て、俺はすぐ寝床に着いた。

「明日はどんな一日になるんだ・・ろ・・。」

と、楽しみすぎていつの間にか深い眠りに落ちてしまった。

 〜翌朝〜

俺はふと、目を覚ました。時間は・・・五時十分だった。

「あっ、まずい。」

俺はそれに気づくのに少々タイムラグが発生した。俺は焦って朝食を食べて集合場所であるギルドへと向かった。全速力で走ったのでざっと十分程で着いた。時間は五時二十五分、ギリギリ間に合った。そして、

「ごめんなさい、遅くなって・・はぁ、はぁ」

と、俺は息を切らしつつ、みんなに謝罪した。

「まぁ、時間に間に合ったんだから良いんじゃない?」

由姫はそう言ってみんなに許しを乞いた。それを聞いて、俊介と昴河は頷き、俺の謝罪を受け入れてくれた。すると、

「今回の依頼は、ラザミール王国の北西にあるレストレージ山脈という場所に行く。ここは、魔族領に近いからゴブリンやらスライムといった下級魔物が出やすい。翔太はこれを倒してレベルアップを行うと共に、依頼である魔鉱石の採取を行う。俺らは翔太のサポートをしつつ、魔鉱石の採取を行う。それでいいな?」

と、依頼内容の確認を割って入ったのは、勇者となった冬馬だった。そう、なんてたって今日のパーティーメンバーは勇者の冬馬、魔術師の俊介、由姫、騎士の昴河、そして、鑑定士の俺だ。パーティーメンバーとしては申し分のない人達だ。俺らは早速、北西にあるレストレージ山脈に向かった。道中の移動はほぼ馬車であった。所々でレベル10から20ぐらいの魔物に遭遇したが、パーティーがパーティーなので余裕でくぐり抜けた。二時間もすると、俺らの目的地であるレストレージ山脈に到着した。そこは、広大な湖が広がっていて山の高さははだいたい富士山ぐらいある。俺らは早速レストレージ山脈内部に入った。ここからは魔物も多くなるため、先頭に勇者の冬馬、後方に騎士の昴河、間に挟まれる形で由姫、俺、俊介の陣形で山脈内の探索を開始した。山脈の奥に進むこと十分程が経過した。すると、もくもくとスライムが現れた。俺は冬馬の指示を貰いながら、自身の身を守るために記憶していたスキルの初級魔法の詠唱を開始した。

「火の力を纏いし球よ、今我が目の前の敵を穿て!ファイアーボール!」

そう言い放った時、目の前のスライムにヒットした。ファイアーボールがヒットしたスライムはたちまち、原型を崩して経験値やアイテムをドロップした。すると後ろにいた俊介が

「なぁ、翔太。今のファイアーボールの詠唱をもっと簡略化できるようにしようぜ?」

「詠唱の簡略化?」

「そう、詠唱の簡略化だ。そうだな・・・ちょっと見せてやるよ!詠唱の簡略化を」

そう言って、俊介は目の前の岩に向かって

「火の球よ、敵を穿て」

すると、術が発動して、俺より威力の高いファイアーボールが放たれた。目の前の岩にヒットすると、ドーンと音を立てて岩が崩れていった。

「すっ、すげぇ」

心の底から俺はそう思った。

「だろ?まぁお前も練習すれば、いつかは出来るようになるさ。」

そう、俊介は言った。再び歩き始めると今度はコボルトやバジリスクと言ったレベル20〜40ぐらいの魔物いわゆる、中級魔物が出てきた。俺にとっては脅威に近いものだが、パーティーメンバーがサポートをしてくれたおかげで倒すことが出来た。そして、俺の経験値は少しずつではあるが溜まっていき、気づくとレベル26に上がっていた。最初の時のレベル14からすると格段的に良くなった。俺がひとりで喜んでいると、魔鉱石の採掘地へ到着した。そこは今までの通路より広く、大きさ的には少し広めの公園と言ったところだろうか。俺は早速依頼書の魔鉱石の五袋分の採取に取り掛り、三十分程黙々と掘り続けた。冬馬から一旦集合の合図がかかり、集まって採取した量を確認すると、依頼書の魔鉱石五袋分よりも一袋分多く収集してしまった。

「ねぇ、みんな。一袋多く採った分は翔太くんにあげない?初めての依頼達成記念として!」

そう言ったのは、由姫だった。

「まぁ由姫がそういうんだったら俺は賛成だぜ。」

「うんうん、俺も賛成だ!」

「じゃあ、俺も」

と、立て続けに冬馬、俊介、昴河も賛成の意をしめたした。みんなが優しくしてくれるパーティー・・・。こんなに心地よいとは・・・冒険っていいな、楽しいなと俺は心の中で思い始めていた。すると、

「なぁ、お前ら!もうすぐ昼飯の時間だしここで作って食べよぉぜ!」

俊介はそう言って、自分のストレージから鍋と食料をと出した。俺も自分のストレージから食料を取りだした。みんなの材料を見るとカレーが作れそうだった。

「よし、カレーを作るか。」

そう話を切ったのは冬馬だった。冬馬は俺たちに指示を仰ぎ、着々と料理を作っていった。

「俊介!鍋の中に水を、そして薪に火をつけてくれ。由姫は野菜を切ってくれ。翔太は俺と食器の準備を、そして、昴河は・・・ゆっくり休んでてくれ。」

「おい、俺だけ休憩かよ!」

と、昴河はツッコんだ。その場は笑顔が溢れ、とても楽しいものとなった。ほんの二十分もするとカレーのいい匂いが空気中を漂った。

「お前ら!出来たから食おうぜぇ!」

「一番腹ぺこで躍起になって、食いたそうにしてんのは自分じゃねぇか、冬馬」

とまたも昴河はツッコミを入れた。みんなにカレーが配分されて各々で食べ始めた。

「なぁ、由姫。カレーにこのスパイス少しかけてみねぇか?美味しいぞ!」

俊介はそういい、由姫のカレーに少々のスパイスをかけた。由姫は、俊介のスパイス入りカレーを一口食べると

「えっ?なにこれ?すごく美味しいんだけど!」

と、呟いた。由姫は一心不乱に食べ続け、気がつくと食べ終わっていた。

「あぁ〜!すごく美味しかったよぉ!」

由姫はとても満足していた。俺らも食べ終わり、後片付けをしていた。すると、

「あれ?私・・・なんか眠くなってきた・・・。」

と、言い由姫はその場に横たわり眠り始めた。俺は冬馬たちに

「由姫さん、相当疲れていたみたいですね・・・。」

と、口を開いたその時、

「我が敵を痺れさせろ、パラライズショット」

そう詠唱が聞こえた。急いで当たりを見渡そうとしたが間に合わなかった。その理由はただ一つ、俺への攻撃だったからだ。俺は詠唱した主に聞き覚えがあった。そう、なんてったって、その声の主は・・・同じパーティーの魔術師、俊介だったからだ。

「やっと、始末出来そうだよ。さぁ、冬馬、昴河。翔太のことどうする?」

そう、悪魔のような笑い方をしながら、俊介の後ろにいた冬馬と昴河に言った。

「うーん、俺は少し先の谷底に落とせばいいと思うよ!」

「いいや、念を押して、レストレージ山脈近くのダンジョンに転送しとく?そうすれば、雑魚翔太の始末もしっかりしてくれるしね。」

と、二人は口々に行った。俺は力を振り絞って、

「俊介!・・・なんでこんなことを・・・」

「決まってるじゃないか?お前が邪魔なんだよ。お前がいると由姫がいつもお前を庇うし、殴れない。だがなぁ、こっちの世界に召喚されたからさ、向こうの法律や憲法は適応されないからお前を殺したって事故死って偽装もしやすいじゃん?だから、殺すんだよ?わかったかな?まぁ、由姫を殺さないのは色々と役に立つからねぇ、色々と。あははははははははは!あっ、ちなみに、由姫が眠ってる理由はさっきのスパイスだよ。あのスパイスには睡眠薬を入れておいたからね。」

と、俊介は高笑いをしながら答えた。すると、冬馬が近づいてきて、

「やっとお前がいなくなるって考えてるとマジでせいせいするわぁ〜ありがとな、翔太。あっ、安心してね?お前の大好きな大好きな由姫にはお前は帰える途中ハイランクモンスターにやられたって言っておくから。」

そう言うと、俺のストレージを勝手に開いてその中にあった俺の御守りを盗った。

「じゃあ、これはお前が死んだ証拠として預かっておくわ。」

そう言って、俺から離れていった。

「なぁ俊介、やっぱりダンジョンにこいつを転送しようぜ。」

「そうだな、ここからダンジョンまでは近いからなぁ〜。あっ、そうだ翔太。この近くのダンジョンは誰も生き残ることは出来ないから?安心して、お陀仏してね?」

「どっ、どうして生き残れないんだ・・・。」

俺はそう彼らに聞いた。

「あれ?分からない?それは簡単だよ。このレストレージ山脈は魔族領に近いのは知ってるよね?そして、このレストレージ山脈の近くにある、ガラゴンダダンジョンは魔族の中の最上位に存在する魔王軍幹部、水神の人魔ルサールカが管理してるらしいぜ。だから、お前みたいな雑魚が潜った瞬間死しかねぇんだよ!あはははははは!」

こいつらは悪魔だ。俺はそう思った。まだ痺れているが、少しは動ける。《逃げなきゃ》頭にはそうよぎった。俺は今俺の事を殺そうとしてる俊介から学んだ詠唱の簡略化を使って、

「火の球よ、敵を穿て!」

と、渾身の魔力を込めて放った。

「今のうちにッ!」

俺はそう思い、逃げようとしたが、

「あぁ〜、やっぱ雑魚だわぁ。」

そう言って、冬馬は剣で俺のファイアーボールを弾いた。そして俺の背中に思い切り腕をねじ込み、圧をかけた。

「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ものすごい激痛が走り俺は叫んだ。すると、後方で声がした。その声は俊介による、転送魔法の詠唱だった。冬馬は俺の腕を折り、足を固定しその場からサッと離れた。

「我、今時を歪める者なり、万象の力を持って汝を特定の場所へと転送せよ。」

その詠唱聞いてる途中に俺は展開された魔法陣の外へ抜け出そうとした。だが、時すでに遅かった。99%詠唱は完成していたので、抜け出せない。

「終わった・・・。」

俺がそう思っていると、

「じゃぁな翔太、また会えるといいな。まぁ会えないと思うけどな!あはははははは!」

その声を聞いて、心の底から

「ダンジョンから生き延びたらお前らを殺す。」

湧き出てきた殺意を言葉にのせた。俺の目は本気だった。あいつらを殺して報復してやる。転送前の最後の悪あがきであった。すると、

「それは無理だな!だって、お前が送られるのはダンジョン最下層のルサールカの間だよ!せいぜいそれは来世に行ってから言いな。」

この言葉を最後に俺はガラゴンダダンジョンの最下層に転送された・・・。

 

 〜俺が転送された翌日〜

西暦2056年、六月二日、昨日のレストレージ山脈での魔鉱石採取依頼について

依頼内容 魔鉱石五袋分、   採取完了。

     依頼主への配達   完了。

パーティーメンバー五名。生還者、四名。うち一名死亡。なお、死体なし。遺留品・御守り。

 

 

 

             第一章 転生  ー完ー

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。