モンスターテイマー   作:泰然

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5話 謁見の間 鉱山への道のり

 今日はリアム王の謁見の日。

 アサギリはケイアを連れて行く事に決め、学園を訪れていた。謁見の際、失礼の無いようにそれなりの鎧を貸してもらいケイアはそれを身に纏った。勿論ヴィリーも行く事となり、早速三人は宮殿へと向かいホテプとライムは留守番となる。アサギリは外に、馬車を待たせ出発の合図をする。

 

 

 

 

アサギリ「さぁ、行くぞ」

 

 

 

 

 宮殿へと三人は馬車に揺られながら向かう途中、他の馬車が通り過ぎる姿を目撃し皆、宮殿へと向かっていた。宮殿近くまで訪れたケイアは、高い門に広い庭を目の当たりにし、見ているだけで興奮していた。

 そして馬車から降り、様々な種族の執事やメイドが出迎えてくれた。アサギリ曰く、リアム王は慈悲深く食や寝床に困る難民を引き入れ、宮殿内で職を与え独り立ち出来るまで支援するのだという。中へ通され、長い廊下を歩いていると、多種多様な服や鎧を纏い広間を目指していた。皆、黄金の首飾りを下げて歩いている事から冒険者だと分かる。

 執事達に案内され、広間の大きい扉で立ち止まり開かれた。そこは何千人入るか分からない程、大きい大広間だった。そして奥に進み、階段の上にリアム王と恐らく王の后が座っていた。見た目は中年ではあるが、目力が凄く怖いイメージがある。后の方は、見た目は美しい女性であるが肌の色が紫に近く頭には羊の角、背中には黒い羽が生えていた。10人の冒険者が集まり、リアム王に跪き首を垂れる。リアム王から許しを得て、先のドラゴン騒動を口にした。

 

 

 

 

リアム「リアム・ル・オリバーである。我が城に招いたの他でもない、先のドラゴン騒動についてだが詳しい情報を知りたい。誰か居ないか?」

 

アサギリ「それではこの、アサギリから説明させて頂きたい」

 

 

 

 

 アサギリは、本当の正体がドラゴンでは無く別の姿をしている事を説明し自身もその戦いに参加し、封印に成功した事を話した。リアム王はその話を唸りながら聞き、口を開いた。

 

 

 

 

リアム「……父上や叔父上が話していた300年の封印か。我が代で災いが降りかかる、と言われてきたがまさかこの事とは……。アサギリ、其方の活躍は聞き及んでおる。熾烈な戦いだったと……生き残ったのも其方だけだと聞いている。嘗ての代より、陳謝する」

 

アサギリ「勿体無き……」

 

リアム「そこでアサギリには、また封印の儀に参加してくれぬか。其方の助力が、民やここに居る者の命を救う事に繋がる」

 

アサギリ「承りました……」

 

リアム「暗晦にまた其方を送り出すのは心苦しいが許して欲しい……」

 

 

 

 

 リアム王が深々と頭を下げ、合わせるようにアサギリが首を垂れているととある男から怒号が飛ぶ。

 

 

 

 

?「オレは反対だぜ。誰が好き好んで、殺されに行くんだっ!その300年の封印だか知らないが、オレには関係ないね」

 

 

 

 

 巨漢で自分の身の丈より巨大な大剣を持つ男は、リアム王に食い下がる。リアム王は眉を顰め、それ以上何も言わなかったがアサギリは男を睨み付け怒鳴った。

 

 

 

 

アサギリ「アンド・ベイリー。貴様は封印の事を何も知らんから、そんな事が言えるんだっ……これだから、知性に欠ける筋肉だるまは……」

 

アンド「何だとモヤシ野郎!」

 

 

 

 

 彼はアンド・ベイリー、種族は人間で対巨大モンスター討伐専門で大剣使い。金髪の短髪に軽装備で筋肉隆々で、その体から繰り出される大剣捌きは、力で捻じ伏せ、悉く薙ぎ倒す。

 獅子奮迅の戦いぶりから、『獅子英傑』という異名で呼ばれる。アサギリとはここ最近の知り合いだが、モンスターを使役し守ってもらうスタンスが嫌いでそれから犬猿の仲である。そこに仲介に入ったのは、腰と背中に武器を携えた黒髪ロングの女性だった。

 

 

 

 

フリーデ「やめなさい、アンド。調べないアンタが悪いんだから。それに、こんな所で喧嘩はよしなさい」

 

 

 

 

 彼女はエルフリーデ・クライン。種族はエルフで遠距離攻撃が得意。髪の色が普通のエルフと違い黒髪で村の中では腫物扱い。その為、アンドと行動を共にしている。

 戦術は魔道具を使いこなし自作の魔弾射出機器、所謂銃を使い魔力を込めて戦う。腰に付けている二丁は、小型小銃で背中に背負っているのは大型狙撃銃である。

 彼女は隠密が得意で、相手はいつやられたか分からず死んでいく事から『閃光に瞬く凶弾』と呼ばれている。その横で豪快に笑いながらヤジを飛ばす、ポニーテールで髪は赤茶色の小さな女の子が居た。

 

 

 

 

ドーリス「いいぞ、やれやれ!」

 

 

 

 

 彼女は、ドーリス・フロイト。ドワーフ族で重武器が得意。全身フルプレートの完全武装に、自分の体より遥かにデカいハンマーを武器に戦う。言わずもがなドワーフ族は鍛冶師としても一流でアンドの大剣を鍛造し、エルフリーデの細かい部分などはドーリスが手を加えている。

 彼女の逸話に100体を越えるモンスターと対峙した事があり、それをすべて雷が落ちたのように一撃で粉砕した事から『雷撃を呼ぶ小兵』と呼ばれている。アンドと共に旅をし、そしてもう一つの特徴としては、ドワーフ族は小柄ながら豊満なボディの持ち主が多い、ドーリスも同様である。もう一人は、アンドの後ろで慌てている男の子が居た。

 

 

 

 

ヤネス「あ、あの……喧嘩は良くないと思います……」

 

 

 

 

 彼は、ヤネス・センガー。種族は人間で家が代々、音楽家でヤネスもそれに倣い歌を専攻していた。そしてヤネスの特殊な能力で、歌で傷を癒し魔法を発現させる事が出来る。

 魔法消費は発生せずヤネスの喉が壊れない限り魔法は発動可能だが、長時間の発声は困難である。だが、この歌声で救われた民は多く、冒険者の多くは彼を『鳴り響く勝利の歌声』と称賛した。そんなヤネスだが、少々引っ込み思案な所があり自信というものが欠落している。

 そんな彼を見兼ね、アンドが旅の仲間として迎え入れ徐々に心を開かせていった。以上の四人がパーティーを組み、『華の鉄格子』などと呼ばれている。アサギリは呆れた様子で、四人から視線を外しリアム王に向き直り謝罪した。

 

 

 

 

アサギリ「リアム王、申し訳ございません。必ず説得して見せますので」

 

リアム「よいよい。そこまで無理強いさせる訳にもいかんからな、各々様々な考えがある。しかし、困ったなぁ……これでは十分に人が集まらんな」

 

 

 

 

 リアム王が頭を悩ませている所で、アサギリがケイアについて話を切り出した。

 

 

 

 

アサギリ「リアム王。ここで一つ提案なのですが、この者を封印の任に就かせて下さいませんか?」

 

リアム「誰だ、その少年は?」

 

 

 

 

 アサギリがケイアを前に出し、怪訝な顔を浮かべたリアム王。そしてケイアは、事の顛末を話し封印への意志表明を示した。終始、眉を顰めるリアム王であったが参加人数が乏しい事もあって渋々ケイアを封印の任に就かせる事となった。

 

 

 

 

リアム「これも仕方なしか……。だが、青金ランクを向かわせるのは何とも心苦しいが……」

 

ヴィリー「それは心配ご無用です。私、ヴィクトリア・レイリーと師匠のアサギリが監督責任として一年で一流のテイマーに育て上げますので!」

 

アサギリ「おまっ!?」

 

 

 

 

 ヴィリーがそう発言した時、アサギリは驚愕の顔を浮かべヴィリーに食い掛った。

 

 

 

 

アサギリ「教えるとは言ったが、一年とは聞いていないぞ?!」

 

ヴィリー「今言いましたもん」

 

 

 

 

 アサギリは燃え滾る怒りを抑え、ヴィリーを強く睨み付けた。そんな状況を見てリアム王は後日決めてもいい、との許しが出たが訂正しアサギリは顧問としてケイアの教育係となった。

 ケイアも封印の任に就き、家族の仇が討てると息巻いた。そして謁見は終わり、三人は学園へと歩を進めた。ヴィリーは謁見の話で、結局この三人しか封印の任に就かなかった事に不服であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィリー「何でみんな、やりたがらないんですかね~。国の存亡がかかっているのに……」

 

アサギリ「伝承の話だから、危機感が無いのさ。あの場に敵が現れても、信じれ切れていない……現に町の様子がそうだ。みんな、先の事が無かったように振る舞っている。話は変わるがヴィリー……さっきの話は聞いてないぞ、あの謁見の場で俺が断れないの知ってて言ったんだろ?」

 

ヴィリー「てへっ」

 

アサギリ「……殺す」

 

 

 

 

 締め上げようとするアサギリに、ケイアは少し話を持ち掛けた。封印に協力できる反面、足手纏いの自分では迷惑ではないか、と考えた。だが、そんなケイアを見たアサギリは微笑みながら言った。

 

 

 

 

アサギリ「迷惑では無いさ。ただ、若い君が犠牲になる事は無いと思っただけさ」

 

ヴィリー「私も若いんですけど~」

 

アサギリ「お前はもう、20後半だろ」

 

ヴィリー「まだ27ですっ!」

 

 

 

 

 ヴィリーの年論争が勃発している間に三人は学園に着き、それぞれ解散してケイアは部屋へと戻りライムとホテプに報告した。そして今後について詳しく説明をしてこの一年間は、勉学に励みテイマーとしての技術を学ぶ。封印に向かうのはその一年後となる。

 色々考えながら部屋で過ごしていると、ミラが入ってきた。ミラの隣には、銀の鎧に身を包み長髪で銀色の髪をした30代程の男が後ろに立っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケイア「ミラおかえ、り……誰その人?」

 

ミラ「紹介するわ。アタシの護衛騎士で……」

 

フェヒター「オリバー国、第一師団長フェヒター・フリードマンであります。これからは姫様の護衛の任に就かせて頂きます。ケイア殿の事は、ミラ様から聞き及んでおります」

 

 

 

 

 一声から大きい声に驚き、ケイアは耳を少し塞ぎながら聞いた。何故護衛が付いたかというと、ドラゴン騒動によりリアム王が娘の事が心配だという事で就いたそうだが、ミラは護衛には就いて欲しくはないらしいが、フェヒター自身は反比例するようにとてもやる気に満ち溢れていた。ミラは不機嫌そうに、フェヒターを怒鳴った。

 

 

 

 

ミラ「フェヒター、少し静かにして。ケイアに迷惑でしょ」

 

フェヒター「はっ、失礼致しました」

 

 

 

 

 微妙な雰囲気にケイアは、苦笑を浮かべていると廊下から足音がして立ち止まりヴィリーが部屋を訪れた。

 

 

 

 

ヴィリー「ヤッホー、ケイア君。急なんだけど、また一緒に……フェヒター、何でアンタがここに居んの?」

 

フェヒター「ヴィリーか。リアム王の命により、姫様の護衛任務に就いている」

 

ヴィリー「司令官のアンタがねぇ……。まぁいいわ、取り敢えずケイア君、行くわよ」

 

 

 

 

 ケイアはヴィリーに引っ張られながら、従者の二人も付いて行った。歩きながら集会場へ向かい、ヴィリーから今回の件について説明を受けた。場所はオリバー王国から北西に位置するメタルヴェルクという国は、金属が豊富に採取する事が可能で嘗て古代の人間が統治し魔法生物を生み出す拠点となっていた。

 今の時代は、ドワーフが統治し鍛冶師が多数存在し様々な種族が点在する。そして高品質な武器や装備を目当てに、商人達並び冒険者が集い多く訪れる。その国で、古代の人間が研究施設として運用していた場所をドワーフが内部調査を行っていた。

 そこには、見た事が無いようなモンスターがガラスの筒に入れられており、他には施設の周りには動かなくなったゴーレムが転がっていた。そのゴーレムを不用意にドワーフが触ってしまったが為に、起動し内部調査を行う事が困難となり要請が来たそうだ。ケイアは少し疑問に思い、ヴィリーに質問を投げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケイア「何で学園に応援を頼んだんですか、他の冒険者に頼めば……」

 

ヴィリー「他の冒険者に頼んだらしいんだけど、悉く返り討ちに遭ったらしいのよ。だから学園に支援要請として飛んで来たって訳」

 

 

 

 

 ケイアはその話を聞いて、メタルヴェルクに行くのを少し躊躇った。その話を聞いていたホテプがヴィリーに質問をした。

 

 

 

 

ホテプ『それ……腕が異様に大きい……ゴーレムでしょ』

 

ヴィリー「ホテプ正解。何で分かったの?」

 

ホテプ『昔の事なら……分かる』

 

 

 

 

 その事について、ケイア達は質問したが全然答える様子の無いホテプ。そしてその後は、ミッションを受注し旅立つのは明日となった。メタルヴェルクまでは、馬車で移動して一週間程の距離で着く。前のアネクメは、歩いて三日程度なので今回の旅は長旅となりケイアはどんどん授業を受けず、みんなに後れを取る事に心配していた。

 だが、困っている人が居ると断れない、という葛藤に悩みながらも向き合うしかないと考えるケイアだった。そしていよいよ出立の時が訪れ、メンバーは『ヴィリーにバジリスクのリス』と『ケイアとホテプにライム』。

 この五人で行く事となり、ケンタウロスのお姉さんに行き先を教え一週間共に歩む事となった。彼女達の姿は、上半身の胸の部分と下半身は馬の姿そのもので、臍のラインだけ人間と言った見た目である。道中、馬車に揺られながら五人は中で他愛のない話をしながら時間を潰した。

 食事の時間に休憩を取り、焚火をしながら旅を続け道を阻むモンスターと戦いながらメタルヴェルクを目指した。数日が過ぎ、メタルヴェルクまで目前という所で走っていると少女と男、家族と思わしき二人が『オーク』に襲われていた。ケイアは直ぐ様飛び降り、ヴィリーの制止を振り切り二人を助けようとした。そしてケイアはライムを前に出し、ゴールドシャワーを浴びせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケイア「ライムやれっ!」

 

ライム『わかった!』

 

 

 

 

 オークは攻撃を受けて力尽き、襲われていた家族はケイアの下に駆け寄り感謝を述べた。ケイアは二人の大きい荷物を見て、何処へ行くか男性に尋ねた。

 

 

 

 

「大きい荷物ですけど、何処まで行かれるのですか?」

 

「娘とアネクメの遺跡まで行くんですよ。時間は掛かりますが、これも仕事なので」

 

「お父さん、すっごい学者さんなんだよ!」

 

 

 

 

 娘は15歳くらいの少女で、男性は考古学者。古い文献や古代の文明に興味があり一人で歩き回る事が多かった。そんな父の姿を見て、娘も連れ出して欲しいと願い今回二人でダンジョンの脅威が無くなった事を聞きつけ、荒らさないという名目で考古学者の男性に白羽の矢が立った。

 そして二人は別れ際に、何度も頭を下げ見えなくなっていった。また数日が過ぎ、目的地のメタルヴェルクに到着した。周りは山々に囲まれ、門までの道は綺麗なレンガで通路は整っていた。門の前ではドワーフの兵隊らしき人物が身辺調査が行い、長い列が出来ていた。

 ケイア達の番が回り、危険が無いと判断されいよいよメタルヴェルクの中へと足を踏み入れた。そこにはオリバー王国と同じように様々な種族が混在しており、この国特有と呼べる鍛冶師が沢山居る事で煙が立ち込めていた。そして歩きながら、依頼人のドワーフの下へ急いだ。ヴィリーは補足で依頼主について語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィリー「依頼人はベーア・フロイト。彼女も立派な鍛冶師で、様々な武器で名刀を作り出す事で有名ね」

 

ケイア「へぇ~、そうなんですね。一つ質問なんですけど、ドワーフは皆同じ苗字なんですか?王の謁見で一緒に居たドーリスさんも同じだったような……」

 

ヴィリー「彼女達は姉妹よ。ドーリスが姉で、ベーアが妹。姉であるドーリスに頼んだらしいんだけど、他の依頼があったらしくて受ける事が出来なかったらしいわ」

 

 

 

 

 ケイアは二人が姉妹だと知り、妹のベーアも同じように血気盛んで快闊なドワーフだと勝手に思い込んだ。そして彼女の家へと辿り着き、ドアを叩き中から女性の声が聞こえ出て来たのは目が垂れ気味の可愛らしい女性だった。

 ベーアはドーリスと同じように髪を後ろに結い、赤茶色の髪で顔がよく似ており双子だ。ケイアはイメージしていた人物とは違い、暫く彼女を見つめていると頭に乗っているライムに叩かれた。五人は中へと招かれ、椅子に腰かけベーアから詳細を聞いた。

 

 

 

 

 

ベーア「初めまして、ベーア・フロイトと申します。それで依頼の件なのですが……」

 

 

 

 

 彼女曰く、複数のゴーレムが徘徊していると告げられケイアとヴィリーは驚いた。話によれば最初に触れたゴーレムが指揮官的役割を果たし、次々と目を覚ましていき時間を経つごとに増えている状況だという。

 この事態にまで発展した事で黄金ランクの冒険者、姉であるドーリスに助力を願い他の黄金冒険者に依頼したが他の対応に追われ、手が回らないらしい。そして最終的に、学園に依頼する事となった。その話の中で、ヴィリーは指揮官であるゴーレムの詳細を聞いた。

 

 

 

 

ヴィリー「そのリーダー格は、どんな見た目ですか?」

 

ベーア「う~ん……冒険者さん曰く、他のゴーレム同様、腕が大きかったそうです。あっ、それと他の個体よりは体が少し大きくてオーガくらいだったそうです」

 

リス『ただでさえ得体の知れないゴーレムと戦うのに、オーガ並みのゴーレムと肉弾戦なんてヤなんだけど~』

 

 

 

 

 リスがそう言いつつ余裕の表情を浮かべていると、ヴィリーは手を口に当て少し考え込んだ。横目でホテプを見て、それに気付いたホテプだったがヴィリーは直ぐに視線を外し……。

 

 

 

 

ヴィリー「何とかなるでしょ!」

 

リス『うわぁ……でたよ、ヴィリーの根拠のない自信……』

 

 

 

 

 ヴィリーの口癖のような言葉にリスは、呆れるように溜息をつきケイア自身もその言葉に倣いポジティブに考えていた。そして場所を案内してくれるらしいので、ベーアに付いて行き目的の施設へと歩き出した。鉱山への道のりは険しく、ケイアは少し登っただけで疲れてしまった。

 ライムは頭上で頭を撫で励ましてくれ、ホテプは背中を押してくれていた。ヴィリー達は慣れているのか、すいすいと登り疲れた表情を見せなかった。ケイアが限界に近づいた頃に、例の施設と思われる未来的な扉を見つけた。岩肌に取り付けられた扉は異質で、怖く感じた。

 扉は鍵がかかっているのかビクともせず、苦戦しているとベーアが穴の中から手招きをしていた。ドワーフの調査隊が予め開けていた穴らしく、そこからすんなり入る事が出来た。まだここには、ゴーレムはおらず慎重に進んで行くとそこには、見た事のないような機械が並び様々なモンスターの集合体のようなものが、ガラスに収められていた。

 ケイアはこの光景を見て、可哀そうだと感じ見るのも辛くなる程だった。ケイアはさらに奥へ進もうと、歩き出した瞬間、底が抜けホテプとライムも一緒に落ちてしまいヴィリーと離れてしまった。思いの外高いところだったので、ヴィリーは心配し声を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィリー「ケイア君、大丈夫?!」

 

ケイア「だ、大丈夫です!」

 

ヴィリー「直ぐ行くから、動いちゃダメよ」

 

ケイア「いてて……あれ、なんか光が……」

 

 

 

 

 ケイアはお尻を擦りながら、明かりの方向へと歩き出しライム達も続いた。ドアから漏れ出す光の隙間をケイアは覗き込んだ。そこには、まだ沢山のモンスターがガラスに眠ったまま閉じ込められている光景を目にした。

 ケイアはモンスターに気を取られていると、隅の方で物音がした。そこに目をやると、下の方でモゾモゾしている一角獣のようなモンスターだった。だが、よく見ると龍や蛇、山羊と言ったモンスターも見え一角獣の体に不相応に無理矢理付けられているかのように見えた。それでも意思はあり、それぞれ自立して動いていた。暫くケイアは、そのキメラを眺めていると、こちらに気付き言葉を放った。

 

 

 

 

?『誰?……』

 

 

 

 

 

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