東方貧弱男   作:K.R.

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いやーキツイっす
本編の方の執筆忙しくて中々こちらを書くのが停滞しております。
めちゃくちゃ話進むの遅いですがお、お許しを、、、


26.「妖怪」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あぁ、どうやらもう昼は過ぎてしまったみたいだ」

 

 

真上より陽が暑く照りつける昼空を見上げ溜息交じりに伊村は呟く。

彼は今香霖堂から出て、行きと同じ道を徒歩で帰っている途中である。

 

「魔理沙さん……霖之助さんにまだ付き合わされてるし、おれ一人で帰るしかないか………」

 

(この辺は妖怪がほとんど出ないって聞いたから大丈夫だと思うけど、ちょっと不安だな……)

 

「ふぅー……」

 

伊村を香霖堂まで連れて行った魔理沙は店主・霖之助から未だ説教を受けている最中。

魔理沙が来れない以上箒で人里には戻れない。

故にやむを得ず彼一人でこうして帰路についているというわけだ。

 

 

(それにしても長いなぁ……人里までどんだけ距離あんのこの道?)

 

田園風景の広がる畦道を進む伊村はその距離の長さに若干不満を覚えつつ地平線の向こうに見える人里の風景を凝視する。

 

(正直さっき霖之助さんと話をしただけでも疲れたというのに、帰り道でまた体力を消耗するハメになるのか……)

 

(嫌だなぁ、早く帰って布団に入りたいーゴロゴロしたいー)

 

溜息をついて伊村は人里へ帰還してからやりたいことを思い描く。

 

ガサッ!

 

突然伊村の横、道端の草むらが揺れ動いた。

 

「……ひっ!?」

 

「…………。な、何だ、風が吹いただけ、か……」

 

唐突に起こった事に相当驚きその草むらへ視線を向ける伊村だが、丁度近くで微風が吹いていたのでそれが原因かと納得し一安心する。

 

 

……が、その思い込みは実に甘かった。

 

 

ゲギャアッ!!

 

「えっ!!?」

 

 

伊村の眼前に体長2メートルはある白目を剥き緑色の大男の姿をした化け物が突如として現れたのだ。

 

「ひ、あ、あぁ………」

 

自身の進路を阻むように出現したその緑の化け物を前に、伊村は顔中に汗を流し何の言葉も発す事もできずに身体を震わせる。

 

(な、なな、何だこのバケモノ……、で、でかい……っ!)

 

(ま、まさか……よ、"妖怪"ってやつなのか………こいつが……!? う、嘘だろ、どうすれば……!!)

 

人間とは到底思えないその姿から、伊村は化け物は"妖怪"ではないかと考え、必死に現状を打開する策を練り始める。

 

(……そうだ、に、逃げる! 逃げれば良いんだ! 人里にはこいつが居るから行けない……だから、香霖堂の方に逃げよう!!)

 

ジリジリと緑の人型妖怪から後退しつつ伊村は逃走するという手を選び、自身の後方つまり香霖堂がある方向へ逃げ出す。

 

「う、うおおおおっ!!」

 

(はぁ……! はぁ………!! 全速力で走れ!! 立ち止まったらその瞬間殺される……!!)

 

脇目も振らず只管妖怪に背を向け全身全霊で走る伊村。

 

ググググゥ!

 

(お、追ってきてる! やばい!!)

 

だが勿論、伊村が逃げていくのを人型妖怪は黙って見逃してはくれない。

大きな足音を辺りに響かせながら恐ろしい速さで追いかけてくる。

 

(も、もうダメだぁーーーー!!!)

 

足掻くのも虚しく妖怪は伊村との距離を詰め彼の身体を掴みにかかる。

これを尻目に伊村が己の死を覚悟した……その次の瞬間。

 

ゲバアアアァァァーーー!!

 

緑の人型妖怪の絶叫に似た声が伊村のすぐ後方より木霊した。

 

「………あれ?」

 

一瞬 何が起きたか分からなかった伊村は恐る恐る背後へ振り向く。

するとそこには今の今まで彼を追いかけていた緑色の人型妖怪の死骸が転がっていた。

 

「退治完了。……そろそろここは危ないわ。誰か知らないけど早く人里に帰りなさい」

 

「もしかしてこ、この声は……」

 

困惑する伊村に促すように何者かが声をかけてくる。

伊村にとってその声は初耳ではなく聞き覚えのあるものだった。

頭の中である程度予想しながらその声の出所へ顔を向ける。

 

「れ、霊夢さん!?」

 

「あら、綾太じゃない。こんなところで何してんのあんた」

 

「いや襲われてたんですよ! あいつに!!」

 

声の主は霊夢。博麗神社の巫女にして、伊村が幻想郷に居てもいいか悩んだ際に彼を励ました恩人といえる少女だ。

彼女が妖怪を倒した事に非常に驚愕する伊村だがそれよりもまず自身への質問に答える。

 

「見りゃわかるわよ、そんな事。なんでここに居るのかって聞いてんの」

 

「あ、はい……マジで色々ありました、ホントに」

 

霊夢が聞きたい事を理解した伊村は、香霖堂に行ってから現在までの経緯を彼女へ包み隠さず話し始めた。

 

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