なんとか仕上がったので投稿します!
あと主人公一応居ますが今回も全然喋りません!
「さっきの一撃……掠りはしたけど、最早手負いの貴方達ぐらいならスペカを使うまでもなく仕留められる」
空中へ再浮上すると、魔理沙を見下ろし告げるパチュリー。
その所作一つ一つから余裕が感じられる。
「へっ! そう簡単にはやられねぇぜ! 最後まで足掻いてやるよ!」
(相変わらずしぶとい奴だぜまったく! さて、アイツは何で叩く……?)
苦境に立たされているのは変わらず。しかしそんな逆風を受けても尚、魔理沙は現状を打開するアイデアを模索する。
彼女に残されている時間はそう長くない。負傷した箇所から血も多く流れている。
早急に頭を回転させる必要に迫られた。
(追加で攻撃しようにも、まだマスパを撃ったばかりで魔力が足りねぇ………)
(ヤベェ! 今度こそ詰んだか……? まじでどうすりゃ良い……!)
だが、今回は流石に上手いこと打破できる策が思い浮かばない。
万策尽きたとはこの事か。魔理沙は頭を抱えてしまう。
「…………、さあ、くたばりなさい……!」
パチュリーが手を翻し弾幕を数発、射出する。
止めとなる攻撃として放たれたこの弾幕は弧を描き、凄まじい速度で魔理沙のもとへ迫り来る。
「くっ……!」
(ここまで、かっ……)
眼前に迫る確実な"死"……。
普段は諦めの悪い彼女でも、この時ばかりはどう足掻いても無駄だと悟り、己が敗北する運命を受け入れる。
目を閉ざし攻撃が直撃する瞬間まで……一秒、
「…………………」
バシィンッ!!
「!!!」
「……え?」
「私の弾幕が………弾かれた?」
だが、弾幕は彼女には当たらなかった。
魔理沙が
ホームランボールのようにかっ飛んでいく弾幕、勢いそのままに全弾空中で爆発四散した。
目の前で起きた不可解な現象に、二人は互いに動揺を見せる。
(な、何だ……? こりゃまさか………伊村が
「そこの寝てる子がやったようね……驚いたわ」
僅かな静寂が流れ、魔理沙が"ある事"に気付く。
それは伊村の身体だ。彼の表明は薄っすらと臙脂色のオーラが纏われていた。本人はとっくに意識を手放しているにも関わらず。
もしやこのオーラがあの弾幕を………、彼女が思案しているとパチュリーが口を開く。
後ろで背負われている伊村へ目を向けて、心底驚愕している様子を示す。
「あなたは一体何者なの?」
「あぁ? そんなの決まってんだろ………コイツは"伊村"。それ以上でも以下でもねぇ、普通の、人間だよ……!」
伊村へ問いかけるパチュリー、しかし勿論返事が出来るはずもなく彼から返ってくる言葉は無い。
そのやり取りを聞いていた魔理沙が彼に代わり答える。
それは至ってシンプルな言葉だった。
「そう……じゃあ、二人とも仲良くこの場で消えなさい。私の魔法で跡形もなく塵に変えてあげる」
(…………。身体が震え始めたみてえだ、マジでもう時間がねえ、な……)
返答を耳にしたパチュリーは冷たく言い放ち、懐から何かを取る。
その手に持ったのは"スペルカード"。彼女は二人を徹底的に潰すつもりだ。
魔理沙は動こうとするも、身体が言うことを聞かない。
箒が前に進まずプルプルと全身が震え出す。
これまで無茶をした反動が、今になって我が身にはね返ってきたのだ。
「"火水木金土符『賢者の石』"」
「五つの結晶が貴方達を逃がさず屠る、どの道勝ち目などありはしない……!」
コオオォォォー!!
そして、パチュリーがスペカ名を宣言する。
すると彼女の周囲に五つの結晶体が出現。其々"赤"、"青"、"緑"、"紫"、"黄"と異なる色彩を放ち、魔理沙のいる方向へ狙いをつけて光弾が生成される。
「う、ぐ……!!」
(コイツはヤベェ……パチュリーの奴、ここに来て本気を出しやがった……!!)
(これを食らったら終わる! 力を、力を振り絞れ………!)
魔理沙の顔が緊張に染まっていく。
パチュリーの生成した結晶体はスペルカードによるもの。いよいよ彼女が本領を発揮し出した訳だ。
未だ硬直し1ミリも動きが取れない自らの肉体に急いで再起を促す。
「終いよ。顔は覚えておいてあげるわ」
「………うおおおぉぉぉぉっ!!」
(身体が鉛のように重めぇ、けど動かなきゃ死ぬ!!)
せめてもの慈悲か、パチュリーはこのように言い残す。
その言葉を最後に彼女を囲う結晶体が攻撃を放つ。
一直線に飛んでいくのは色鮮やかなレーザービーム。結晶体に応じた色の異なる攻撃が同時に襲いかかる。
その瞬間、最後の抵抗とばかりに魔理沙は声を張り上げて固まっていた身を突き動かす。
例え身体が完全に壊れようと、意識が持つ限り無理矢理にでも。
「だあああぁぁぁぁー!!」
「!? まさか!!」
声を出し過ぎて血を吐き散らす。
そんな事はお構いなしに魔理沙は飛行を開始。レーザーを避けると同時に反撃として弾幕を撃つ。
放った三発は途轍もないスピードで真っ直ぐパチュリーへ飛ぶ。
撃った本人が瀕死とは思えない速度、思わずパチュリーは目を丸くして驚きの声を漏らす。
「あの状態から弾幕を撃てるとはね……、まんまと一矢報いられたわ」
「おらあぁぁぁーーーーーッ!!」
三発全てパチュリーは対応するが、二発が左肩と頬を掠めた。
思わず感服の一言を呟く。
なんと逃げた魔理沙はこの速さを持続して、紅魔館の出口方面へ突き進んで行った。
「もうあんな遠くに、これは追いつけないわね。負けたわ」
二人はどんどん加速していき、2秒もしないうちに後ろ姿は豆粒となり射程圏内から脱した。
これを見て、彼女は追うのをやめ諦めた。諦めざるを得なかった。
こうして魔理沙と伊村、彼ら二人は館内での窮地から抜け出す事に成功する。
ようやく、安全圏へと向かえる。"永遠亭"というゴールに。
「……………。背負われてるあの子、本当にただの"人間"なのかしら?」
一人取り残されたパチュリーが呟いた言葉……
二人のいないところで口にしたのは、伊村の正体を訝しむものだった。
正月どころか節分、バレンタインも過ぎてしまった…
2月の半ばとか微妙なタイミングすぎるゥ!