遂に今回で終幕となります。結構長いですが、どうが最後までお付き合いください。
「綾太を、引き渡せ……だと?」
信じられないといった様子で口にする慧音。
彼女がこんな"反応"となった理由など、語るまでもない。
「………………」
「テメェ……!」
「ふふふ、何か気に障ったかしら?」
レミリアから発せられた言葉、その内容とは"伊村の身柄の引渡し"。
無論彼女と咲夜以外の面々は、こうした要求に応じる気は微塵も無い。
特に彼と親しい間柄の妹紅は、拒否云々以前にそれを聞いた途端、みるみるうちに激しい憤怒の感情に支配されていく。
「もう黙ってられねえ、言っとくが……止めても無駄だからな永琳ッ!」
「覚悟しろよ吸血鬼! "時効・月のいはかさの呪い"!!」
「!! おやめなさい妹紅!!」
「馬鹿ね……。"難題・龍の頸の………」
「……大変な事になってるわね、永琳!」
「「!!!」」
「な………"霊夢"か!?」
「何? そんなに意外だった? 私がここへ来ることが」
「チッ……! 誰が来たかと思えば、いつぞやの巫女か……」
「あらあら、あんな奴なんて気にせずさっさとやれば良かったのに」
「んだと? 消し炭にしてやろうかコラァ」
「はいはいそこまで! お互いこんなとこで戦ってどうするのよ」
「あァ? お前には関係ねーだろうが霊夢! これは私とコイツらの問題d」
「お話し中だけどこんにちは♪」
「ぬお!? まさかこの"裂け目"……!?」
「なかなかの修羅場になってると聞いて、ちょっと見物しに来たわ」
「急に霊夢が現れたから疑問に思ってたけど……、まさかアナタまで来るとはねぇ」
「"八雲紫"……」
「ふふっ、確かに私のスキマを利用して霊夢を連れてきたけど、勘違いしないでくださる? "綾太はあくまで私の暇つぶしとしてこの幻想郷に連れて来ただけ」
「別に彼がこのあとどうなろうが知った事では無いわ。生かされようが殺されようが、拷問されようが関係無い。自分で選んだ人生なんだから、むしろ必要以上の干渉は避けるべきよ」
「!! なら遠慮なく……"伊村綾太"の身柄はこの私が頂くわ!」
「……させると思うかボケが!! フンッ!」
「あのスキマ妖怪が認めたんだ、諦めなさい!」
「……ねえ、私の事も忘れてない?」
「!! はああっ!!」
「そう甘くは無い、か……!」
「お嬢様に手出しさせない! 霊夢、今日が貴女の命日よ!!」
「まったく! 誰も彼も、ここが"永遠亭"だと言うのを忘れて戦い始めて……!」
「師匠ーーー! お待たせしましたぁーーー!!」
「あら? もしかして……」
「ありました、ありましたー! 私の大事な"薬箱"! これが無いとまともに手術ができないとこでしたよ!」
「よりにもよってそんな大事なものを忘れていたのね鈴仙……」
「って、ええぇぇぇーっ!? 姫と霊夢に妹紅に………ア、アイツらまさか、"紅魔館"の!? な、なな……何がどうなってるんですか!?」
「驚くのは分かるけど、今は説明してる暇は無いわ。あなたは早く奥にいる患者達をここから避難させときなさい」
「避難……ですか……」
「ええ。念の為ね。手術室に綾太とアリス、魔理沙の三人いるから別の部屋までの搬送、お願いするわ」
「り、了解しました! なんだか気になるけど……患者の安全最優先! 早く運んでしまおう!」