ガールズ&パンツァー  ~ 時空を超えた狼サムライ~   作:鷹と狼

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第9話 浴場の交流

 

 

 

 

 

試合後、勇介は格納庫で収納する愛車パンターⅡの砲塔に居座りながら、軍刀狼虎の手入れをしていた。

 

 

「これが、戦車道ね~……」

 

 

「桜井大尉殿!」

 

 

「わわっ…蝶野一尉…!」

 

 

陸上自衛官の蝶野亜美が、10式戦車で帰隊する前に勇介の元に挨拶しに赴いた。

 

 

「本日の練習試合、引き分けでありながらお疲れ様でした!さすがはベルリンの民間人を守った、伝説の英雄ですね!!」

 

 

「で…伝説の英雄は大袈裟です。ただ俺は軍人として、敵を討ったまでです…」

 

 

「私はあなたとお兄様みたいに、国を守るために、自衛隊に志願したのです!」

 

 

「そ…そうですか…///」

 

 

蝶野の言葉で勇介は謙虚であり、頬を掻きながらやや照れていた。

 

 

「大尉殿のお姉様が知ったら、さぞお慶びになられますよ」

 

 

「……姉さんか………」

 

 

「ご高齢でありながらお元気です。わたしの力添えで、お会いしますか?」

 

 

「……いや……今は会う気分にはなれません…」

 

 

「え…なぜですか…?」

 

 

「…俺は…70年の時代を越えたにしても、こんな顔、それにあの戦争で、この手で幾人の敵の血を染めている…こんな俺は、姉に会う資格はない!」

 

 

「大尉殿……」

 

 

蝶野は勇介に姉である志帆に再会することを躊躇していた。

 

 

 

蝶野亜美の視点では、桜井勇介の運命はタイムスリップに翻弄され、戦争はまだ終わっていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、みほ達は煤と汗で汚れた体を洗い流す為に学園の大浴場に来ていた。

 

 

 

「は〜ぁ、何か告白されるよりドキドキした」

 

 

 

「された事ありましたけ?」

 

 

 

「お父さんは、いつも私の事大好きだって言ってるもん」

 

 

 

「いいお父さんだね」

 

 

沙織が、父親からよく大好きだと言われている事に対してみほは優しい父親と称える。

 

 

 

「最初はどうなる事かと思いましたけど、凄くワクワクしました!」

 

 

 

「はい!大変充実してました」

 

 

 

優花里が言うと沙織と華が頷く。

 

 

 

「「 うんうん 」」

 

 

 

「でもさぁ〜、車長はやっぱみほがやってよね〜」

 

 

 

「え!?」

 

 

 

「わたくし達では、やはり戦車の事よく分かりませんし」

 

 

 

「西住殿は、頼りになりますし」

 

 

 

沙織から戦車長は、みほがやってと言われて驚くみほ。

 

華と優花里が、みほが戦車長に成る事に反対は無く、寧ろ大賛成だった。

 

 

 

「え!え!私が!?そんな私なんて全然頼りになんか…」

 

 

 

「よろしくお願いします」

 

 

 

「よろしく!」

 

 

 

「よろしくお願いたします」

 

 

 

「…は、はい!こちらこそよろしくお願いします!」

 

 

最初こそ謙遜していたみほだったが、華、沙織、優花里から一同にお願いされみほは、少し戸惑うも覚悟を決めて皆に頭を下げて承諾する。

 

 

「他はどうします?」

 

 

「私は何が向いているかな?」

 

 

「えっと…誰とでも仲良く話せるから通信手はどうでしょう?」

 

 

「いいかもメール打つの早いし」

 

 

「それは関係ないんじゃ?」

 

 

「ぶー」

 

 

「あとは…」

 

 

みほが戦車長に成る事が決まり、他の皆の配置についてどうするか考えて沙織が通信手になる事が決まった。そんな中、華が意を決してみほに申し出た。

 

 

「あ、あのわたくし砲手をやってもいいですか?」

 

 

「え?」

 

 

「…ジンジン痺れた感じが忘れられなくて、それに強い自分に成れそうなんです」

 

 

「じゃぁ五十鈴さんが砲手で」

 

 

「では、私が装填手をやります!」

 

 

「後は、操縦手…」

 

 

華が自ら砲手をしたいと名乗り出た。

 

あの試合での八九式を撃破した時の快感が忘れられず、そして強い自分になりたい為、優花里は装填手に名乗りを挙げた。

 

これで、残るは操縦手のみとなった。そんな時、隣の風呂に入っていた冷泉麻子が上がるところに皆の視線が冷泉に向けられる。

 

 

 

「麻子、操縦手お願い」

 

 

 

「もう書道を選択している」

 

 

 

「え〜」

 

 

沙織から操縦手を頼まれたが、既に書道を選択したと言って突っぱねる。

 

 

「冷泉さんが居てくれると助かります」

 

 

「あ、あの冷泉さんお願いします」

 

 

「あの運転はお見事でした!」

 

 

みほ、華、優花里も麻子に操縦手をしてくれる様頼み込む。

 

だが

 

 

「悪いが無理…」

 

 

呟きながら、大浴場から出て行く。

 

 

「麻子!遅刻ばっかで単位足りてないじゃん!戦車道取れば色々特典が有るんだよ!!このままじゃ留年なんでしょ」

 

 

すると沙織が麻子の遅刻癖で進級に必要な単位が足りていない事を言い、戦車道に入れば挽回出来ると述べ、出て行った筈の冷泉が戻って来た。

 

 

「わかった…やろう戦車道…」

 

 

そして、麻子は沙織に自分の一番気にしている所を突かれ渋々ながら戦車道に入る事を決め、それを聞いて皆満面の笑顔を浮かべる。

 

 

「西住さんに借りがある…それにあの人にも…」

 

 

「つか単位欲しいんでしょ?」

 

 

「借りを返すだけだ」

 

 

 

麻子は、みほと勇介から今朝遅刻しそうな時に助けて貰った恩を返す為に入ると言う。

 

 

「あっ…西住さん!」

 

 

「あれ、大賀さんたちですね」

 

 

出入り口から勇介を除くパンターⅡの乗員、晴香とアリシア、パウラ。そして沖田真澄が浴場にやってきた。

 

 

「いやぁ~お見事です。やはり、あの戦場で経験してきた方々は違いますね…」

 

 

「そんなこと…戦車道の試合は、あの地獄の戦場に比べればなんとも…」

 

 

「…そうですわね…」

 

 

優花里の言葉で、晴香とアリシアは欧州戦線での戦歴において、気まずい雰囲気だった。

 

 

「しかしながら…日本に来てから、ここの浴場…ドイツと違って広く、身体の筋肉が解せるね~♪」

 

 

パウラは緊張を解すかのような言葉で、ゆっくりと身体を浸していた。

 

 

「ドイツにこんな風呂はないのですか…?」

 

 

「えぇ、兵士が戦う戦場の風呂は常にドラム缶での入浴よ」

 

 

「へぇ~」

 

 

「あの…戦争でお辛いことばかりの中、楽しいことはありましたか…?」

 

 

アリシアの言葉に沙織は感心し、華は戦場の娯楽を尋ねた。

 

 

「うん……そうねぇ~…ノルマンディーの海岸でバレーやアルデンヌで年末年始の遊技くらいよ…」

 

 

「ノルマンディー…アルデンヌ…凄いところで足を踏み入れたのですね!」

 

 

優花里の目は人一倍輝いていた。

その中で、パンターⅡを操縦した真澄は

 

 

「…おばあちゃんは、死と隣り合わせの戦場で…」

 

 

「沖田真澄」

 

 

「はい!」

 

 

「あなたの操縦でわかったことは、純子とレベルが全然違うわね!」

 

 

「…あ…はい…やっぱり~…」

 

 

副長の大賀晴香の言葉に真澄は応じる。

 

本日のぶっつけ本番のパンターⅡの肝心な操作にて、ミスをした。

 

祖母たる純子の教えにより、扱い方は段違いだった。

 

 

「でも、今のあたしたちのパンターⅡには操縦手がいない。あなたが良ければ、操縦席に座ってもいいわよ」

 

 

「本当ですか!?」

 

 

「えぇ、わたくしたちは嘘は付きません。このままトレーニングすれば、純子さんの孫なら…」

 

 

「だけどねアリシア、この娘は純子の孫だけじゃないわ」

 

 

「え…?どういうことですの…?」

 

 

晴香の言葉で、アリシアははてなを浮かばせた。

 

 

「あたしの推測としては、沖田進次郎さんの孫ではないの…?」

 

 

「沖田進次郎…?沖田真澄さんの祖父が、あのラバウル六勇士のエースパイロットの一人ですね!!」

 

 

「は…はい!!」

 

 

真澄が沖田進次郎の孫だと聞いた優花里が反応した。

 

戦時、遥か彼方の南方、激戦地ラバウルにて、肩を並べた敏腕の零戦パイロットの厚木十三と桜井洋介、そして沖田進次郎。

 

ゲタバキ=二式水上戦闘機乗りの大賀虎雄と零式水上観測機の実兄、沖田新一郎と金城幸吉のペア。

 

 

「と…言うことは、この場にいない桜井勇介殿と大賀晴香殿、沖田真澄殿は運命共同体ですね!」

 

 

「……運命ね……偶然にしても恐ろしいわね…」

 

 

「…ねぇ秋山さん、あたしの兄…大賀虎雄は…あの戦争でどうなったの…?」

 

 

「あなたに気まずいことですが、語ってもいいでありますか…?」

 

 

「えぇ…」

 

 

優花里が知る限りの解説を行った。

 

1945年7月31日、哨戒任務でシンガポールの海軍基地から出撃。

 

マラッカ海峡上空でイギリス空軍の戦闘機と交戦、激闘の末に戦死となった。

 

 

「…それでも兄の運命だと受け入れるよ。それに、この沖田真澄さんの祖父は兄の戦友、これも何かの縁かも知れないね~」

 

 

「縁…おばあちゃんが導いてくれたのかも知れません」

 

 

「そう言えば、純ちゃんは…元気にしているの?」

 

 

パウラは、純子に尋ねた。だが

 

 

「…おばあちゃんは…去年、逝きました…」

 

 

 

「そうなんですね…神は…なんでわたくしたちを……」

 

 

パウラとアリシア、晴香は気持ちが沈んでいた。

 

純子は上官の勇介と晴香とドイツに軍事留学。だが、戦局の悪化で海洋航路が封鎖され、欧州に留まることになった。

 

ドイツでアリシアとパウラと出会い、パンターⅡに搭乗。

 

ドイツ軍の精鋭戦車部隊、ラスナー部隊の一員となって、激闘をくぐり抜けた。

 

敗戦が濃厚となったベルリン攻防にて、ソビエトロシアの激戦で軍人と民間人が混乱に陥る中で、スウェーデンへ避難するヴィルヘルムスハーフェン及び、キール港に向かうベルリン駅に、勇介たちパンターⅡが走行した。

 

ベルリン駅で純子は勇介たちと涙ながらに別れ、キール港行きの列車に乗車した。

 

その途中、アメリカ軍に捕らえられアメリカの捕虜となった。ドイツは降伏し、その3か月後に日本は降伏した、

 

それから純子は1年アメリカで暮らし、復員する船で日本に帰国した。

 

帰国した純子は、沖田進次郎と結婚。彼と共に激動の日本で暮らしながら、至っていた。

 

沖田純子の回想を聞いたみほは眼を見開いていた。

 

 

「…あなたたちも、戦車道以上の激戦地で戦っていたのですね…」

 

 

「はぁ~…わたしもその時代に生まれて恋がしたいなぁ…」

 

 

「沙織さん、どこを聞いてらっしゃるの…?」

 

 

沙織は真澄の祖母の経緯を知り、何処となく文句垂れていた。

 

 

「お互いに5人揃いましたね」

 

 

「改めてよろしくお願いします」

 

 

 

 

「んじゃあ〜やっぱあそこ行かなきゃ!」

 

 

 

沙織が買い物に行こうと提案する。

 

 

 

 

 

一方、晴香達は解散した後、勇介と合流。

 

学園からの支援金を元手に近くのホームセンターに行きこれからの生活に必要な必需品を買いに来ていた。

 

 

 

「うぉ〜、ここが未来の日本の雑貨屋か!凄い、ドイツやオーストリアの雑貨屋とは比べ物にならない!」

 

 

 

「人多いし迷いそう」

 

 

 

「二人ともあんまり騒がないでくださいまし!周りに迷惑ですわよ!」

 

 

 

ホームセンターで興奮する晴香とパウラをアリシアが注意する。

 

 

「ねぇ車長、ここからは各自自由行動にしませんか?」

 

 

「そうだな、じゃあ各自各々必要な物を買うとするか」

 

 

「賛成!」

 

 

 

パウラが買い物は各自でやろうと提案して勇介が承諾する。

 

そして各自散らばり各々の買い物をする。勇介達の部屋にはベッド、テレビ、冷蔵庫、タンスと言った必要最低限の物しか無く、他にも必要な物を買う為色々なところを廻って行った。

 

勇介たちは、生活雑貨と日用品や衣類品、食品などを買い占める。そして、勇介は携帯ショップに行き4人分の携帯を学園名義で購入した。

 

その後、必要な物を買った勇介達は、帰ろうとしたが、勇介だけまだ残ると言うことで、晴香達は先に寮に帰って行った。

 

勇介は、暫く店内を彷徨いていると

 

 

「何でここ何だ?」

 

 

「てっきり戦車道ショップに行くかと…」 

 

 

勇介は聴き慣れた声だった。

 

声のした方を見ると其処には買い物に来たみほ達ともう一人の怠けそうな黒髪の子が居た。

 

 

「あれ?桜井さんじゃん」

 

 

「おっ君たちか」

 

 

沙織が勇介に声を掛けて来た。

 

 

「桜井さんは、こんな所で何を?」

 

 

「見てわからんか、買い物だ。一応寮には必要最低限の生活必需品はあるが他にも必要な日用品と、角谷たちから必要になるだろうからって勧められた携帯をさっき晴香達と買いに来てたんだ」

 

 

「へぇ〜桜井さん携帯買ったんだ。カラーリングは黒、ちょっと携帯貸してくれない?」

 

 

「まぁ、別に構わんが…ほら」

 

 

沙織が携帯を貸してと手を差し出して来たので、勇介は何の躊躇いもなく沙織に買ったばかりの携帯を手渡した。

 

 

「携帯なんかどうするんだ?」

 

 

「どうするって、これから戦車道をする仲間なんだからさぁ、連絡先くらい交換しといた方がいいでしょ。あと、みほ達の連絡先も入れておくから」

 

 

「(……仲間…か)」

 

 

沙織は勇介の携帯に自分のとみほ達の連絡先を交換した。沙織から過去から来た自分たちを仲間と言われてどこか嬉しい気持ちであった。

 

 

「そう言えば君たちは、何か買いに来たのか?」

 

 

「戦車道する為に必要な物をね」

 

 

「ここに戦車道に必要な物なんて無いだろ?」

 

 

「だって、もうちょっと乗り心地良くしたいじゃん!乗っているとお尻痛くなちゃうんだも〜ん」

 

 

「え!?クッション引くの!?」

 

 

「ダメなの?」

 

 

沙織は、戦車の乗り心地が悪いからとクッションを買いに来たと言った。

 

 

「ダメじゃないけど、戦車にクッション持ち込んだ選手見た事ないから」

 

 

「あ、これ可愛くない!?」

 

 

「これも可愛いです」

 

 

戦車にクッションを引いてる奴なんて見たことも聞いた事が無い。沙織がハート型のクッションと華が和風感のあるクッションを互いに手に取って見せ合っている。

 

 

優花里はガッカリと肩を落としている。そんな中、麻子は勇介に話しかける。

 

 

「やぁ……」

 

 

「ん…君は?」

 

 

「あんた確か今朝の……桜井さんだったか?もしかしてあんたも戦車道を?今朝は、世話になった。最初は書道を選択していたが西住さんと桜井さんには今朝大きな借りがあるから借りを返すために戦車道に入った…」

 

 

麻子は、勇介に頭を下げて礼を言う。

 

 

「借りを返すって別に俺は、恩返しして欲しくって助けた訳じゃないが」

 

 

「それでも、私は受けた恩はきっちり返す」

 

 

今朝ふらふらして遅刻しそうな所を背負って学園まで送り届けたぐらいの恩を返すことで、義理堅い彼女に勇介は正直感服した。

 

 

「あとさぁ〜、土足禁止にしない?」

 

 

「「「「 え!? 」」」」

 

 

「だって汚れちゃうじゃない?」

 

 

「土禁はやり過ぎだ」

 

 

「確かに、裸足で戦車に乗る奴なんて聞いた事ないね。足挟んだり切ったりで怪我するだけだぞ」

 

 

沙織が戦車で、土足禁止にしようと言い出したので麻子と勇介が反対意見を述べる。

 

 

 

「えぇ〜じゃぁ、色とか塗り替えちゃダメ?」

 

 

 

「ダメです!戦車はあの迷彩色がいいんですから!!」

 

 

 

土禁に不貞腐れ次は戦車の色変えを言い出した。すると、優花里が戦車の塗装替えに反対し迷彩色がいいと、彼女なりのこだわりだった。

 

 

「あぁ、芳香剤とか置きません?」

 

 

「鏡とかも欲しいよね!携帯の充電とか出来ないのかな?」

 

 

そんなやり取りをしている時、西住みほは絶句していた。

 

 

 

翌日、各チームの戦車は変わり果てていた。

 

 

八九式は車体と砲塔に"バレー部復活!"とスローガンが書かれ、三突は赤、青、白とカラフルな色に塗装され更には新撰組の誠の旗に海援隊の旗、真田家の家紋の真田六文銭や武田信玄の風林火山の旗を掲げ、M3は全身ピンク一色に塗装され、38(t)に行った手は車体が金色に統一されている。唯一変わってないのはみほ達のⅣ号戦車とパンターⅡだった。

 

 

「やたらカラフルだ…」

 

 

勇介が各チームの戦車を見て出た一言だった。

 

 

「かっこいいぜよ」

 

 

「支配者の風格だな」

 

 

「うむ」

 

 

「私はアフリカ軍団仕様が良かったのだが…」

 

 

「これで自分達の戦車が直ぐにわかる様になった!」

 

 

「やっぱピンクだよね」

 

 

「かわいい」

 

 

各チームは満足そうに述べる

 

 

 

「いいね〜河嶋この勢いでやっちゃおか」

 

 

 

「はっ、連絡して参ります」

 

 

 

「えっ!?何ですか!?」

 

 

 

河嶋はその場を離れて何処かに行ってしまった。隣に居る小山はわからない様だった。

 

 

 

「む〜私達も色塗り替えれば良かったじゃん!」

 

 

「あぁ、38(t)が!!三突が!!M3や八九式が何か別な物に!!あんまりですよね!」

 

 

各チームの戦車を見て沙織は餅みたいに頬を膨らませ戦車の塗装をしたかった様で、優花里は各チームのメンバー達によって変わり果てる戦車達を見て声を荒立てる。

 

 

「あんなカラーリング…敵さんにここだと教えているようなものですわね…」

 

 

「えぇ…」

 

 

「これじゃ、戦車じゃなくて面白オブジェだな。まぁ中々奇抜ではあるが」

 

 

「ふふっ」

 

 

するとみほが突然笑い出した。

 

 

「に、西住殿?」

 

 

「戦車こんな風にしちゃうなんて考えられないけど、何か楽しいね。戦車で楽しい何て思ったの初めて」

 

 

笑ってそう述べる。

 

 

「そう言えば桜井殿も戦車の色を変えたのですか?」

 

 

「あぁ、1年の激しい戦闘であっちこっちひび割れや剥がれがあったしな…」

 

 

Ⅳ号戦車の隣にある勇介達のパンターⅡはダークイエロー。長い月日と戦闘により愛車の塗装はひび割れや剥がれがあり、迷彩は日本の様な迷彩を発揮するのでそれ以外の所では目立ち難く、新たにダークイエローを塗装した。

 

 

 

「やはり桜井殿は分かっています!やっぱり戦車はあの迷彩色が良いですよね!!」

 

 

「まぁな」

 

 

優花里の勢いに押される様な形で同意した勇介。

 

パンターⅡの車体には黒狼と日本刀が描かれていた。

 

それが戦時で戦ってきた桜井勇介のシンボルマークであった。

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ある学園で英国洋式の広間でアフタヌーンティーをしながら電話をする金髪を三つ編みに束ねた美少女とその周りにその美女と同じ髪型をしたオレンジ色の髪をした美少女と金髪を黒いリボンで束ねた美少女が居た。

 

 

「大洗女子学園、戦車道を復活されたんですの?おめでとうございます。結構ですわ。受けた勝負は逃げませんの、試合楽しみにしていますわ」

 

 

そう言って受話器を置く。

 

 

 

 

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