ガールズ&パンツァー  ~ 時空を超えた狼サムライ~   作:鷹と狼

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第11話 聖グロリアーナの淑女

 

 

 

 

 

戦車道の試合は午前8時に開催されるので、勇介は軽く散策した。

 

 

 

「これが、70年後の日本か…俺の故郷の神戸もどんな光景に…」

 

 

浸透する中で、大洗の市街地では試合の為の通行規制が敷かれ、アウトレットの広場には見学者が溢れていた。

 

ある通りには、祭りの如く屋台が設置されていた。

 

 

「試合が始まる前の祭りだな…父さんと母さん、姉さんと兄貴の祭りが懐かしいな…」

 

 

心の思い出では幼少の頃、家族と祭りに赴き屋台で遊び、盆踊りで踊った記憶が蘇る。

 

だが、後の神戸の水害で両親は亡くなり、生き残ったのは長女の志帆と兄の洋介だ。

 

するとー

 

 

「あの〜すいませーん」

 

 

「写真撮ってもいいですか?」

 

 

「んが…?」

 

 

勇介の背後に、次々と女性が並んでいた。

 

 

「あー…いいけど」

 

 

「やった!」

 

 

勇介の言葉で女性は喜んだ。

 

 

「どこを撮れば…?」

 

 

カシャッ

 

 

女性が次々と勇介の隣に並び、写真を撮っていた。

 

 

「ありがとうございまーす♪」

 

 

「あの~…俺と写真撮ってどうするんだ…?」

 

 

「だって、この試合のイベントで、ドイツ軍のミリタリーコスプレの人と記念写真が撮りたくて~♪」

 

 

「コスプレ…?仮装のことかな…変なの…」

 

 

21世紀に来た勇介は、頭を傾げるばかりであった。

 

 

「もうすぐ0800時か…さて、戻るか…」

 

 

「おやめなさい!」

 

 

「っ!?」

 

 

腕時計を見て時刻が迫った時、女性の嘆きが聞こえた。

 

 

「ちょっとやめて下さい。わたくし急いでますの…!!」

 

 

勇介が声のした路地を掛け着けると、金髪を三つ編みに束ねた女性が、ガラの悪い3人の不良連中に絡まれていた。

 

 

「いいじゃねぇか~君イケてるじゃん俺らと遊ぼうぜ」

 

 

「その服聖グロリアーナだな~」

 

 

「へぇ〜お嬢様ばっかしの学校じゃん♪」

 

 

「離して下さい!!」

 

 

嫌がる彼女を強引に手を引っ張る不良達。

 

周りの人達は関わりたくないと言った感じで見て見ぬふりをして通り過ぎて行くだけだった。そんな状況を見兼ねた勇介は怒りを顕にした。

 

 

「おい、貴様ら!何やっとるか!彼女は嫌がっているだろうが!!男三人で寄ってたかって、嫌がる女を無理やり手籠にするとはみっともねえ」

 

 

「何だ?こらぁ〜正義のヒーロー気取ったんじゃねぇぞ!ミリタリーコスプレ野郎が!俺らの邪魔すんじゃねぇよ!」

 

 

助けに入った勇介に、不良の一人が勇介の胸ぐらを掴んだ。

 

 

「なぁ、痛い目みないとわかんねぇかぁ~?」

 

 

「カハハハハハ〜♪ミリコス野郎に攻撃開始〜!ペッ」

 

 

もう一人の不良が、勇介の頬に唾を吐いた。

 

 

勇介は不良の腕を掴んで背負い投げを食らわせる。

 

 

「ぐはっ…」 

 

 

「何しやがんだ!テメェ!」

 

 

「ヤロォー!よくもやりやがったなぁ!」

 

 

不良の一人が投げ飛ばされたのをみて他の不良二人が勇介に殴り掛かろうとしていた。

勇介は、不良の一人を腕を掴んで四方投げを食らわせもう一人の不良も小手返しを食らわせて不良達の攻撃を跳ね除ける。

 

バシッ 「ぐはっ…」

 

 

ドシッ 「ぶへっ…」

 

 

すると頭に来た不良達はポケットからポケットナイフを取り出した。

 

 

「畜生〜!こいつめ!」 

 

 

「そいつを出したからには覚悟は出来ているんだろうな?」

 

 

「あ?」

 

 

「刃物を向けたからには覚悟は出来ているんだろ?」

 

 

「何言ってやがんだぁ?」

 

 

「そいつは脅しの道具じゃねぇって言ってんだ」

 

 

『うるせぇ!!死ねぇ!!』

 

 

不良達は三人一斉に勇介に襲い掛かった。

 

 

「危ない…逃げて!!」

 

 

「大丈夫だ、それにお嬢さん。両手で目を隠し、じっとしていろ」

 

 

「え…?はい」

 

 

彼女は叫ぶが、勇介は余裕の笑みを浮かべて追及言、彼女は両手で目を隠した。

 

帯刀する軍刀狼虎を握り、抜刀術の構え、不良達に斬り込む。そして

 

 

スパアアァン

 

 

「あぁ~あ…服を斬ってしまったか…」

 

 

「「「 え…? 」」」

 

 

勇介はいつの間にか不良達の背後にいて、軍刀狼虎を鞘に納めたと同時に、不良達のポケットナイフの刃が斬り折られ、更に不良達の衣服がバラバラに切り刻まれ、全裸になった。

 

 

「ぎゃ~///…な、何だよコイツ!」

 

 

腰のホルスターからワルサーP-38拳銃を右手で構えた。

 

 

「最後に忠告する。その娘を解放し、失せろ!!」

 

 

勇介の眼は、戦場で戦った眼に変色していた。

 

 

「ややや…やべぇよ~!」

 

 

「逃げるぞ!覚えてろ~!!」

 

 

不良達は顔を青ざめ、両手で急所を隠しながらそそくさと逃げて行った。

 

 

「へっ…貴様らなんかもう忘れたぜ。…終わりましたよお嬢さん。大丈夫ですか?怪我はありませんか?」

 

 

彼女は勇介の合図で、目を隠した両手をおろした。

 

 

「え!?…だ、大丈夫ですわ。助けていただきありがとうございます。あの…あなたは…?」

 

 

彼女は目の前の光景に呆気にとられていたが直ぐに我に返る。

そして、勇介の頬の汚物をハンカチで拭いた。

 

 

「おっと…すみません。俺は、初めて大洗にやってきた仮装の通行人ですよ。あっ…しまった時間が…じゃあ、俺は急いで行かなかればならない所があるので、これで…」

 

 

「あ、あの…」

 

 

彼女が呼び止める間もなく勇介は敬礼し、走り去っていった。

 

試合の時間が押していたので勇介は彼女の声には気付かなかった。

 

 

「ダージリン様~!」

 

 

「あら、オレンジペコさん…」

 

 

聖グロリアーナの生徒、従者のオレンジペコが隊長のダージリンを探しに赴いた。

 

 

「あの…なにかあったのでございますか…?」

 

 

「いいえ…不思議なお方、またお逢い出来るかしら…?…///…いけませんわ!急がないと試合に遅れてしまいますわ!」

 

 

走り去って行く勇介を見て、ダージリンは顔を少し赤くしてそう言うと彼女は試合会場に急いで行った。

 

だが彼女は知らなかった、彼とまた巡り会う事になる事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「車長、どこに行ってたの!?」

 

 

「すまんすまん、ちょっと大洗の町の探索に…」

 

 

副長の晴香が叱り、車長の勇介は彼女の前でお辞儀しながら謝罪する。

 

叱る中でアリシアとパウラ、真澄が会場を見渡した。

 

 

「…しかし…大きな会場ですね…」

 

 

「えぇ…いつか見たベルリンオリンピックを思い出しますわ♪」

 

 

「えっ…?お二人は戦前のドイツのオリンピックを観たのですか…?」

 

 

「えぇ、パウラと会場の観客席にアメリカからきたハーフの娘と仲良くなり、友人になりました」

 

 

「あたしはオリンピックの光景を見て、いつかスポーツ選手として参加することが、あたしの夢!」

 

 

「…戦車に乗る前の夢…凄いなぁ~…アリシアさんとパウラさんの友人、どんな娘かな~」

 

 

観客達はモニター画面から試合会場の様子を見ていた。

 

その観客で、ある学園と学院から赴いた隊長と人物が席に座っていた。

 

 

試合会場では大洗の車長達は戦車の前で整列をする。

 

勇介達4人は、ドイツ軍36年型野戦服から黒い戦車服に袖を通していた。そうして待っていると履帯の音がして来た。

 

あのチャーチルを先頭に左右にマチルダ5両を従えて聖グロリアーナ女学院の戦車隊がやって来た。

 

 

「おぉ…さすが強豪校だけに、車輛のフォーメーションがいいな…」

 

 

「なに感心しているのよ車長!」

 

勇介が感心している時、戦車隊が止まるとチャーチルから一人の女性隊長、ダージリンが出てきた。

 

彼女が降りて来て、河嶋と挨拶を交わす。

 

 

「本日は、急な申し込みにも関わらず試合を受けていただき感謝する」

 

 

「構いません事よ。それにしても…"個性的な戦車ですわね"」

 

 

ダージリンは口を抑えてクスクスと笑いながら言う。

 

ピンク一色のM3やカラフルな三突や金色の38(t)、願望を綴った八九式などを見れば誰だってそう思う。そして、河嶋は彼女からそう言われてたじろぐ。

 

 

「ですが、わたくし達はどんな相手にも全力を尽くしますの!サンダースやプラウダみたいに、下品な戦い方は致しませんわ。騎士道精神でお互い頑張りましょう!」

 

 

 

そう言って彼女の周りを見渡すと、彼女の視線が勇介に向けられる。

 

 

「あら?そちらのチームには男性の方が…あら…あなたは!?」

 

 

「ダージリン様どうしたんですか?」

 

 

聖グロリアーナの隊長、ダージリンが勇介を見て驚き、彼女と同じ髪型をした女子が首を傾げて聞いて来た。

対する勇介も彼女を目の当たりにする

 

 

「あぁ、君は…!?」

 

 

「桜井さん?…聖グロリアーナの隊長の方と知り合いなんですか?」

 

 

「あぁ、ちょっとな実はな…」

 

 

みほの質問で、勇介は知り合った経緯を話した。

 

 

「そうだったんですか…」

 

 

「いいないいなぁ〜…そんな少女漫画みたいな事、桜井さんにされてみたいなぁ~」

 

 

晴香と優花里は納得し、沙織は膨れっ面に不満気で呟いていた。

 

ダージリンは再びあの時のお礼を言って自己紹介をする。

 

 

「先ほどは、本当にありがとうございます。改めまして聖グロリアーナ女学院の隊長ダージリンと申します。以後お見知り置きを」

 

 

「大洗女子学園戦車道の助っ人です」

 

 

勇介はダージリンの前に名前を名乗らず、互いに挨拶をする。

 

 

「この試合で勝敗がお決まりしたら、教えてくださいね♪」

 

 

「えぇ、お互い正々堂々で頑張りましょう」

 

 

「えぇ、望むところですわ」

 

 

そう言ってる間に、ドイツ軍の野戦憲兵に酷似する服を着た審判が立ち入り、皆お互いに相手同士向き合って整列する。

 

 

「それではこれより聖グロリアーナ女学院対大洗女子学園の試合を始める!一同、礼!」

 

 

審判が号令すると互いの車長はお辞儀をして、自身の戦車に乗り込んで行く。

 

そして、両校の戦車隊は指定のスタート地点に移動して待機し審判からの試合開始の合図を待っていた。すると

 

 

『用意はいいか、隊長?』

 

 

「あ!?はい…」

 

 

『全ては貴様に掛かっている。しっかり頼むぞ!』

 

 

河嶋から無線で連絡が入り全てはみほに掛かっていると言われた。そして、審判が両校の指定の位置を確認すると

 

 

『試合開始!』

 

 

アナウンスで試合開始の合図が流れると、全車輛が一斉に走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

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