ガールズ&パンツァー  ~ 時空を超えた狼サムライ~   作:鷹と狼

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第14話 間違えた名前

「いよいよ始まりましたね」

 

 

「うん」

 

 

優花里は目を輝かせて言う。

 

すると一年生達M3リーから無線が入ってきた。

 

 

「あの〜それでどうするんでしたけ?」

 

 

「えっ!?先ほど説明した通り今回は殲滅戦ルールが適応されますので、どちらかが全部やられたら負けになります」

 

 

「そうなんだ」

 

 

 

作戦内容をまだ理解できていない一年生の質問に、みほが改めて作戦内容を説明して、一年生は理解した様だった。

 

 

 

「まず、我々Aチームは偵察に向かいますので、各チームは100m程前進した所で待機していて下さい」

 

 

「「「「 わかりました! 」」」」

 

 

「「「「「 はーい 」」」」」

 

 

「「「「 御意 」」」」」

 

 

「「「「「 了解!! 」」」」」

 

 

「なんか作戦名ないの~?」

 

 

角谷が作戦名を聞いて来た。みほは少し考え悩んだ。

 

 

「え!?…作戦名は…え〜と、『こそこそ作戦』です!こそこそ隠れて相手の出方を見て、こそこそ攻撃を仕掛けたいと思います!」

 

 

「姑息な作戦だな」

 

 

「桃ちゃんが立てたんじゃない」

 

 

河嶋が言うが、その作戦を考えたのは河嶋自身である。

 

みほが考えた作戦名を聞いて無線から聞いていた勇介が笑みを浮かばせる。

 

 

 

「『こそこそ作戦』ね~♪」

 

 

「桜井さん…!?やっぱり先の作戦名変でした?」

 

 

「いや、逆だ。『こそこそ作戦』の名前の隠密行動だな…面白くていい、こそこそ作戦の偵察だが、俺も付いて行こう!」

 

 

「え…?」

 

 

「単独で偵察するのは危険だ、ペアを組んで行くぜ!」

 

 

「そ、そうですか…ありがとうございます」

 

 

勇介はみほの考えた作戦名の面白さに笑い、付いて行くことに賛同する。

 

そして称賛し、みほがお礼を言う。

 

同乗している晴香達は勇介が久しぶりに笑った事に驚いていた。

 

 

 

 

 

一方の、聖グロリアーナの戦車隊方は、ダージリンがチャーチルの砲塔から身を乗り出して紅茶を飲んでいた。そしてダージリンは装填手のオレンジペコと目が合うと車内に入り込む。

 

 

「全車前進」

 

 

ダージリンが号令を掛けるとグロリアーナの全戦車が一斉に動き出しチャーチルを先頭に楔形の体型で前進する。

 

そんな様子をみほ達が丘の上の岩陰から双眼鏡で覗いていた。

 

 

「マチルダⅡ5両、チャーチル1両前進中」

 

 

「流石綺麗な隊列を組んでますね」

 

 

「うん、あれだけ速度を合わせて隊列を乱さないで動けるなんてすご〜い」

 

 

「あぁ、あの隊列で並ぶ隊長も凄いな…」

 

 

「あぁ~あ…これが戦時であったら、敵車長の頭部を狙えたのに…」

 

 

「「 え…? 」」

 

 

勇介は聖グロ隊長の指揮能力を褒め、隣で九九式狙撃銃のスコープを覗く晴香が呟き、その言葉でみほと優花里がぎょっとした。

 

「こちらの徹甲弾だと、パンター以外正面装甲は抜けません」

 

 

「其処は戦術と腕かな?」

 

 

「はい!」

 

 

みほがそう言うと優花里は笑顔で返事をする。

 

そしてみほと優花里はⅣ号に搭乗し、勇介と晴香もパンターに搭乗した。

 

 

「では澪…」

 

 

「あの…違います…」

 

 

「何が違…あ…西住さんか…じゃあ、俺たちは本隊に戻る!」

 

 

「はい…桜井さん…」

 

 

勇介はかつて婚約者の澪の名前をみほと間違えて謝罪し、敬礼しながら待ち伏せする本隊に戻った。

 

 

「…………」

 

 

「西住殿…?」 

 

 

「はい!…麻子さん起きて!エンジン音が響かない様に注意しつつ展開して下さい!」

 

 

 

操縦席で寝ている麻子を起こし車内に入る。

 

エンジンを始動させ作戦開始の地点に向かい、Aチームは敵を誘導するべく各チームと分かれて行く。

 

目標地点に着くとみほは双眼鏡を覗き込み聖グロリアーナの戦車を捕捉する。

 

 

「敵前方より接近中、砲撃準備」

 

 

「装填完了」

 

 

「えっと、チャーチルの幅は…」

 

 

「3.25メートル」

 

 

「4シュトリヒだから~距離810メートル」

 

 

「撃て!」

 

 

みほの指示でⅣ号の主砲、75ミリが火を吹いた。砲弾はマチルダの間の手前で着弾した。

 

 

「仕掛けて来ましたわね」

 

 

「こちらもお相手してしますか」

 

 

そう言うとチャーチルを始めマチルダ5両が一斉にⅣ号の方向に砲塔を旋回させる。

 

 

「すみません」

 

 

「大丈夫、目的は撃破じゃ無いから」

 

 

砲撃を外した事を謝る華にみほが大丈夫とフォローし、敵戦車隊をキルゾーンに誘導させる。

 

 

 

「全車両、パンターⅡの出現に警戒しつつ前方Ⅳ号に攻撃開始!」

 

 

 

ダージリンは勇介のパンターを警戒し、全車両にⅣ号を追跡するよう指示を出すと、マチルダが一斉に左へと向きを変える。そしてⅣ号を射程に納めると聖グロリアーナの戦車隊は一斉にⅣ号に砲撃を開始する。

 

 

「なるべくジグザグに走行してください。こっちは装甲が薄いからまともに食らったら終わりです!」

 

 

「了解」

 

 

Ⅳ号Aチームはチャーチルを始めマチルダからの砲撃をジグザグに動きながら回避し逃走する。

 

 

「思っていたよりやるわね…速度を上げて追うわよ」

 

 

そう言うと聖グロリアーナの戦車隊は加速し始める。

 

 

 

「どんな走りをしようとも我が校の戦車は一滴たりとも紅茶を零したりしないわ」

 

 

 

ダージリンは紅茶のティーカップを持ちながら自身の学校のどんなところにも走り、紅茶を一滴たりとも零さない自慢をする。

 

そしてチャーチルより放たれた砲弾がⅣ号の横ギリギリで着弾する。

 

 

「ふう…」

 

 

「みぽりん、危ないって!」 

 

 

砲弾が外れた事に安堵するみほに、前方のハッチから沙織が顔を出してみほを心配する。

 

 

「えっ!?あぁ、戦車の車内はカーボンでコーティングされているから大丈夫だよ」

 

 

「そう言うんじゃなくて、そんなに身を乗り出して当たったらどうすんの!」

 

 

「まぁ、滅多に当たるものじゃないし…こうしていた方が状況が分かり易いから」

 

 

 

「でも、みぽりんにもしもの事があったら大変!!もっと中に入って!」

 

 

「心配してくれてありがとね。じゃあ、お言葉に甘えて」

 

 

 

みほは、戦車は特殊カーボン化されているから安全だと言うが、沙織はみほを心配して車内に入る様に述べる

 

みほは、沙織が心配して言ってくれている事に嬉しそうに車内に入る。

 

だが、もしこの場に勇介が居て、今の言葉を聞いていたら沙織以上に怒るかもしれない。

 

 

 

 

一方で、Ⅳ号が敵を誘導している頃各チームはキルゾーンにて待機し、敵が来るのを待っていた。

 

 

「革命!」

 

 

「しまったどうしよ〜」

 

 

一年生は車体の上で大富豪をして

 

 

「いつも心にバレーボール!」

 

 

「そ〜れ!」

 

 

「よっ!」

 

 

バレー部チームは、バレーのトスの練習をしていた中、パウラも参加していた。

 

 

本隊に戻ったパンターⅡの砲手、晴香は75ミリのグリップを握り、射撃態勢を整えている。

 

 

「スゥーハァー…兄ちゃん…マラッカ海峡のどこで命を落としたのかな…」

 

 

アリシアはささやかな風を浴びながら鼻歌で歌っていた。

 

 

「シャルロット…ステラ…」

 

 

真澄はパンターⅡの操縦席に座りながら、いつでも走行が可能な状態で待機していた。

 

 

「曾おじいさん…観てるかな…」

 

 

勇介は軍刀狼虎を宙に捧げながら、刃物を手入れていた。

 

 

「志帆姉さん…兄貴…雪義姉さん…澪…どうしているんだ…」 

 

 

パンターⅡの搭乗隊員は、自身の友人と家族が気になりつつも、思っていた。

 

 

 

 

生徒会チームは、角谷はピーチチェアに寝そべり河嶋は、Ⅳ号が中々来ない事に苛立っていた。

 

 

「遅い!」

 

 

「待つのも作戦の内だよ〜」

 

 

「いや、しかし…」

 

 

 

すると、無線でⅣ号から連絡が入って来た。

 

 

『Aチーム、敵を引きつけつつ待機地点にあと3分で到着します』

 

 

「っ!?勇介車長!」

 

 

「わかった!!」 

 

 

イヤホンを耳に装着するアリシアは勇介たちに指示を仰いだ。

 

 

「Aチームが戻って来たぞ!!全員戦車に乗り込め!」

 

 

河嶋が周囲に報せる

 

 

「えーうそー」

 

 

「折角革命起こしたのに」

 

 

一年生チームは残念そうに呟いた。

 

 

 

「さぁて、始めるか」

 

 

勇介は微笑ながら車内に入る。

 

 

『あと600mで敵車両射程内です!!』

 

 

みほが呟くと、各チームは各々自身の戦車に乗り込み戦闘配置につく。

 

そしてⅣ号の姿が見えてきた。するとー

 

 

「撃て撃てー!!」

 

 

河嶋が焦り、Ⅳ号を敵と誤認してしまい攻撃命令を出してしまい勇介達を除く全ての車両がⅣ号に砲撃する。

 

 

「あ、待って下さい」

 

 

みほは味方から砲撃されて戸惑いながら叫ぶ。

 

 

「砲撃を止めろ!あれはⅣ号だ!味方を撃ってるぞ!!」

 

 

勇介が砲撃しているのが味方のⅣ号であると伝えた事で砲撃が止む。

 

 

「味方を撃ってどうすんのよ!!」

 

 

沙織が味方からの砲撃を食らって怒鳴る。味方から砲撃食らってリタイアなんて洒落にならない。

 

 

「こんな安直な囮作戦わたくし達には通用しないわ」

 

 

ダージリンは崖の上の戦車や地形を見て大洗の作戦の本質を理解し微笑む。

 

 

 

 

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