ガールズ&パンツァー  ~ 時空を超えた狼サムライ~   作:鷹と狼

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第1話 時を越えし戦車

 

 

 

 

戦車道、それは茶道、華道と並ぶ乙女の嗜みといわれる乙女の武道。世界中で乙女の嗜みとして受け継がれてきた。

 

礼節のある、淑やかで慎ましい。そして、凛々しい婦女子を育成する事を目指した武芸でもある。

 

そんな武芸が頻繁に行われているこの世界で一隻の船、「県立大洗女子学園」の学園艦であった。

 

その学園艦の甲板上にある学校の倉庫前に幾人の生徒たちが集い、その娘たちは今年20年振りに復活した戦車道の履修者たちであった。

 

 

「会長…今あるのはこのⅣ号だけです」

 

 

倉庫に戦車が1輛、それでは戦車の数が足りず試合にもならない。そして片眼鏡をした河島桃がそう言うと小柄のツインテールをした子で生徒会長である角谷杏が

 

 

「そっか、じゃあ。1輛確保したとして、これだけの人数だとすると……河嶋いくつ必要?」

 

 

「全部で6輛必要です」

 

 

「っとなると、あと5輛か…んじゃあ、みんなで戦車探そっか」

 

 

と、角谷会長は戦車探しを提案する

 

 

「して、いったいどこに?」

 

 

赤いマフラーの鈴木貴子ことカエサルが質問して聞く。

 

 

「いやー、それがわかんないから探すの」

 

 

「なんにも手がかりないんですか?」

 

 

「ない!」

 

 

一年生らしき子がそう訊くと、会長は胸を張って言う。

 

そして皆は各自、戦車を探しに行くのであった。

 

それからしばらくしてほかのチームは次々と戦車を見つけ出した。あるものは森の中から、またある者は崖の中腹にある洞窟から、またある者は池の底、またある時はウサギ小屋など普通はあり得ない場所から発見された。

 

 

報告を聞いた生徒会は

 

 

「Ⅳ号に38t、Ⅿ3リーに八九式中戦車に三号突撃砲…ティーガーやパンタークラスの中、重戦車じゃないのは残念ですが…」

 

 

「まあいいんじゃない?たった一日だけでこんだけ見つかるなんて結果オーライだよ」

 

 

生徒会室で報告を聞いた河島が杏に沿うと杏はのほほんとした表情で干し芋を頬張りそう言う。そして副会長である小山柚が

 

 

「会長、たった今自動車部の人たちがレストアの件引き受けてくれるそうです」

 

 

「ご苦労さん小山」

 

 

自動車部の人たちに戦車のレストアと整備を頼みに行き戻ってきた小山に角谷はねぎらいの言葉をかけるのであった。

 

 

「パンターね……パンターで変な夢見たな…」

 

 

西住みほ、磯部沙織、五十鈴華、秋山優花里の一行が森の中で38t軽戦車を発見。生徒会に報告して校舎に戻る頃だった。

 

 

「ふっふ~ん、楽しみだなぁ~♪」

 

 

「何が楽しみなんですか?」

 

 

沙織の言葉で華が訊くと嬉しそうに

 

 

「だって明日、格好いい教官が来ると言ったんだよ!もし告白されたらど~しよ!!」

 

 

と、雰囲気の中で優花里も嬉しそうに呟いた。

 

 

「私も明日から本格的な戦車を動かせるのが楽しみです!ね、西住殿!!」

 

 

「…う……うん……(あの夢、…何だったんだろう…)」

 

 

優花里の言葉にみほは嬉しそうに言う彼女の反対に、元気なく答える。今朝見た夢が頭から離れないのであった。

 

 

「あら…?」

 

 

すると突然、華の足が止まり、鼻で何か匂いを嗅ぎだした。

 

 

「どうしたの?もしかしてまた何か匂うの?」

 

 

「はい……向こうの方から先ほど鉄と油の匂いがするんですが…」

 

 

「本当に華の嗅覚ってどうなっているの?私も華道習おうかな?」

 

 

「多分、私の能力だと思いますが……あっちのほうです…しかし…油の他に…何か異臭を…」

 

 

「異臭…?」

 

 

「おぉっ!!また新たなる戦車があるんですか?では善は急げ、パンツァーフォーですね!!」

 

 

優花里の言葉に、一行は華を先頭にその場所へ向かう。どのくらい歩いたのか、木々が空を覆い薄暗いところに来ていた。

 

 

「なんだか……薄暗いところまで来たみたいだね……」

 

 

「何か、出てきそうな雰囲気ですね?」

 

 

「うん……お化けが出そう……」

 

 

みほと華、沙織が呟いていると少し開けた場所に到着。光が射し込む場所に、その光があるものが照らされていた。そこで中型戦車を見つけた。

 

 

「これは!?…パンター…かな?」

 

 

「いいえ、これは......!…パンターⅡ……パンターⅡです!!」

 

 

沙織は首を傾げ、優花里は戦車捜索以上に興奮していた。

 

 

「いやぁ~生産数たった2輛しかない貴重な戦車がここで見つかるとは~」

 

 

「この戦車……昨夜の夢見たことが……」

 

 

「「 え…? 」」

 

 

みほの言葉で3人は注視。

 

 

「ベルリン中央駅で闘った……」

 

 

「そ…そんなばかな~」

 

 

「間違い無い、…狼の首元に真っ赤なスカーフと刀…」

 

 

沙織が否定的な言葉を言い放ち、みほはパンターⅡを触ろうとした時―

 

 

 

 

ガタンッ

 

 

 

 

「…え…?」

 

 

戦車の中から物音がした。

 

 

「中から物音が…」

 

 

「こ…怖いこと言わないで…」

 

 

「野良猫じゃないですか…?」

 

 

「とにかく調べてみよう……っ!?これは…!?」

 

みほはパンターⅡによじ登り、砲塔から見下した時に彼女は驚いたように目を見開き、砲塔後部に負傷して横たわったドイツ軍軍服を着た少女を見つけた。

 

 

「(もしかして…)うっ!?」

 

 

キューポラのハッチを開ける。その瞬間、内部から鉄と生臭い血の匂いがした。

 

 

「どうしたのですか西住殿?」

 

 

優花里がそう訊くと、みほは慌てた表情で告げた。

 

 

「砲塔後部と内部で怪我した人がいる!」

 

 

「「「 えっ!? 」」」

 

 

みほの言葉で三人が驚き、優花里も車体によじ登って砲塔の後部とその中をみると、血まみれの少女三人が倒れていた。

 

 

「大丈夫ですか!?しっかりしてください!!」

 

 

「……うぅ……」

 

 

一人の少女はうめき声をあげ、更にみほはもう一人、中に入って脈で確認した。

 

 

「…生きている……よかった……沙織さん、…生徒会に連絡してください!秋山さん、五十鈴さん!手伝ってください!」

 

 

「わかりました!」

 

 

「う、うん!」

 

 

みほの言葉に優花里と華はパンターⅡの乗員を運び出し、沙織はポケットから携帯電話を取り出した時ー

 

 

ガサッ  「…動くな!!」

 

 

「ひっ!?」

 

 

「きゃああぁ!!」

 

 

草木が覆うところからドイツ軍の軍服を着て、左肩から流血した男が左手にSTG-44突撃銃、右手に軍刀を構えていた。

 

 

「ちょっと、あなたは誰なのよ!?」

 

 

「はぁ…はぁ…貴様ら……俺の仲間に手を出したら許さんぞ…!」

 

 

「あの、落ち着いて下さい!!」

 

 

「黙れ!!…はぁ…はぁ……来るな穢らわしい露助が……!」

 

 

男の気が荒れ、軍刀の刃先を向けていた。沙織たちはどうしようも抑えることは難しかった。すると、みほは三角巾を持って近づいた。

 

 

「あなた……左肩に怪我を!?…手当てしますから動かないで下さい……」

 

 

「く…来るな...! …あ…あぁ……」

 

 

男は軍刀の刃をみほに向けた時、彼女の顔を見つめながら小銃と軍刀を地面に落とした。

 

そのスキにみほは男性に近づき、どす黒く変色した左肩の出血部に三角巾を傷口に当てて圧迫した。

 

 

「……酷い怪我……一体何が……え…?」

 

 

「…み……お……みお……なぜ……君が…」

 

 

彼の顔は微笑み、安堵して倒れた。

 

 

「みほさん!」

 

 

「西住殿!」

 

 

「みほ!大丈夫…?」

 

 

沙織たちは凄く心配しながらみほの元へ来た。

 

 

「大丈夫です…っ!?凄い熱……この人も助けましょう!!」

 

 

「わかりました!」

 

 

「西住殿のご指示ならば!」

 

 

華と優花里は男と3人の少女たち救助を優先、道端にある太い枝と、優花里の自前のロープで簡素な担架橇の工作で沙織は動こうとはしなかった。

 

 

「わたしは反対だよ、わたしたちに暴力的で野蛮、刀を向けられたのが腹が立つ!」

 

 

「武部殿、文句を言うのは後回し、簡素な担架橇を作ったので急いで校舎へ!!」

 

 

「はぁい…」

 

 

沙織は小声でブツブツと呟きながらパウラを乗せた橇を引き運び、華はアリシア、優花里は晴香、そしてみほは男性を橇で引き運んだ。

 

 

「…この人…どこかで…」

 

みほは勇介の顔を確認しながら確認した。しかし、どこで見たのか思い出せなかった。

 

 

「………み………お…………み……お……」

 

 

桜井勇介は高熱で苦しむ中、うわ言で最愛の人の名前を呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンターⅡは生徒会の指示により自動車部が回収、その中に滞在する一年生の部員が接触した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おばあちゃん……おばあちゃんは…この戦車に…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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