ガールズ&パンツァー  ~ 時空を超えた狼サムライ~   作:鷹と狼

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大変お待たせしました!

今年度も、よろしくお願い致します。


第5話 大嵐生徒の親交と洗車

 

 

 

大賀晴香曹長、アリシア・A・フェアバンク曹長、パウラ・M・オットー伍長は学園で寝泊まりする夜、車長の桜井勇介少尉はレンガ倉庫の内部に、自動車部の手により改装を終えた愛車のパンターⅡの側に寄った。

 

 

「ふふっ…愛車パンターⅡよ…、俺はドイツの留学に来てから、初めて戦場で戦ったノルマンディーからベルリンまで、戦い抜いたな…」

 

 

勇介の脳裏では、43年のドイツ戦車学校に留学してから米英軍により海路が遮断、外人部隊に編入。

 

下級貴族のアリシアのコネでパンターⅡを受領、駐在武官の元に務めるパウラと、ここにいない豊田純子と共に激戦をくぐり抜けて戦った。

 

 

「…ハイムマン…父さん、母さん…志帆姉さん、兄貴、…純子…澪…俺は生き延びたが…この時代で頑張るぜ…」

 

 

勇介は愛車を撫でながら、欧州の戦場で逝った戦友、両親と姉弟。パンターⅡの乗員と婚約者の名前を呟いた。するとー

 

 

カラン カラン

 

 

「ん…?誰だ…!?」

 

 

腰のホルスターからP-38拳銃を抜き、警戒しながら音が鳴ったドラム缶に赴いた。

 

だが、そこにはスパナが落ちていた。

 

 

「スパナか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、レンガ倉庫の前には戦車道履修生や生徒会にⅣ号戦車D型をはじめ、各場所に見つけ出した38(t)戦車C型・八九式中戦車甲型・Ⅲ号突撃砲F型・M3中戦車"リー"が並んでいた。

 

 

「八九式中戦車甲型・38(t)軽戦車・M3中戦車リー・Ⅲ号突撃砲F型・Ⅳ号中戦車D型。どう振り分けますか?」

 

 

「見つけたもんが見つけた戦車に乗ればいいんじゃない?」

 

 

「そんな事でいいんですか?」

 

 

適当な事を言う角谷に、小山はそれでいいのかとツッコミを入れる。

 

 

「38(t)は、我々がお前達はⅣ号で」

 

 

「え、あ。はい」

 

 

河嶋から搭乗する戦車を決められて返事をするみほ。

 

 

「では、Ⅳ号Aチーム、八九式Bチーム、Ⅲ突Cチーム、M3Dチーム、38(t)Eチーム、明日はいよいよ教官がお見えになる粗相のない様綺麗にするんだぞ」

 

 

「どんな人かな?」

 

 

Ⅳ号(西住みほ・武部沙織・五十鈴華・秋山優香里)

 

八九式中型戦車(磯辺典子・近藤妙子・河西忍・佐々木あけび)

 

Ⅲ突(カエサル・エルヴィン・左衛門佐・おりょう)

 

M3(澤梓・山郷あゆみ・丸山紗季・阪口桂利奈・宇津木優季・大野あやの)

 

38(t)(角谷杏・河嶋桃・小山柚子)

 

言った感じにチームの編成発表されて戦車道の教官が来るまでに戦車を洗車する様、河嶋から言われ、沙織は戦車道の教官がどんな人かとワクワクする。

 

そんな時、角谷が履修生の方に振り返り、次の指示を出した。

 

 

「それからみんなに、朗報があるんだ〜」

 

 

『朗報?』

 

 

「今回助っ人としてこの大洗女子学園戦車道特別チームとして此処に配属することになる者達が今日此処に来る」

 

 

「どんな人達なんですか?」

 

 

「その子達は、とある事情を抱えている子でね〜。この大洗女子学園の力に成ってくれる筈だから」

 

 

「そんなに強い人達なんですか?」

 

 

「強いよ〜、幾多の戦車戦を何度も経験して戦ってきた強者だから〜」

 

 

「すごい、その人達が加わってくれるなら百人力だ」

 

 

角谷が、皆んなにそう言うと心当たりのあるみほ達は、小声でヒソヒソと耳打ちをする。

 

 

「(ねぇ、その助っ人って…)」

 

 

「(まさか…)」

 

 

「(もしかして…)」

 

 

「(桜井さん達の事なんじゃ…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃勇介達は、森の中でパンターⅡに乗り、腕時計を確認する。

 

 

 

「そろそろグランドに行くか、エンジン点火!!」 

 

 

 

そして、勇介は操縦席でパンターのエンジンを始動させる。凄まじい独特のエンジン音が唸りを上げる。T-34とカチューシャロケットからの砲撃で多少は損傷を負ったがエンジンは何ら問題なく燃料を加えれば再び動かす事ができた。

 

 

「エンジンの調子は如何ですか車長?」

 

 

「いい音だ、ご機嫌に吠えてる」

 

 

「よし、行きますか~♪」

 

 

「ええ、わたくし達の晴れ舞台へ参りましょう!」 

 

 

「まさかまた、この時代でみんなと戦車に乗る事になるとはねぇ」

 

 

「これもまた運命なのかもしれないね車長!」

 

 

みんながそれぞれの思いを呟き 

 

 

「よし、それじゃあ…」

 

 

『パンツァーフォー!!』

 

 

4人が同時にそう言うと同時にパンターⅡ戦車はグランドに向かって走行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!来たみたいだね〜」

 

 

 

そして森から純白の塗装され、砲塔に赤いスカーフを首に巻いた黒い狼が描かれたドイツ国防軍の車輛パンターⅡ戦車が現れ、履修生の方に正面を向けて距離は10m前後のところで停車する。

 

 

「大きくて強そうな戦車だね」

 

 

「どんな人が乗っているのかな?」

 

 

ワクワクしながら見ていると、パンターⅡ戦車の砲塔と車体にあるハッチが開き、そこからドイツ軍のM36野戦服の軍服を着た3人の女と一人の男が出て来て降りて来た。

 

 

「あれは、…幻のパンターⅡ戦車…ドイツ軍の36年型野戦服だな?」

 

 

「それに、男の人…?…男の人が混じっているよ?」

 

 

パンターⅡ戦車と勇介達の着ている軍服に歴女の一人で欧州戦史に詳しいエルヴィンが驚き、一年生のチームの澤梓が戦車に女子の他に男子も混ざっているのに驚く。

 

そんな彼女らを余所に勇介達は一子乱れぬ態勢で整列し、一人ずつ一歩前に出て自己紹介をする。

 

 

「guten Tag、ドイツ国防陸軍外人戦車ラスナー部隊。日本陸軍戦車連隊第3戦車大隊小隊長、桜井勇介少尉です!」

 

 

「同じく第3戦車大隊所属、大賀晴香。階級は曹長です!」

 

 

「わたくしは、アリシア・A・フェアバンクです。ドイツ国防陸軍曹長ですわ。」

 

 

「あたしは、パウラ・M・オットー。ドイツ国防陸軍伍長だよ!」

 

 

勇介、晴香、アリシア、パウラの階級が高い順に挨拶をする。

 

その姿を見て事情も何も知らない(生徒会メンバーと勇介達を救出したみほ達を除く)みんなは困惑した。 

 

 

「(((( やっぱり桜井さん(殿)だった ))))」

 

 

「…外人部隊…ってなんですか?意味が分からないですけど… 」

 

 

「キ、キャプテン。この人達、軍事マニアか何かでしょうか?」

 

 

「厨◯病?」

 

 

「コスプレかな?」

 

 

「ドイツ国防軍だって!?」

 

 

「ドイツ国防軍と日本陸軍…?第二次世界大戦のドイツの敗戦と共に解体された筈?それにドイツ軍に日本人が居たとは聞いたがラスナー部隊…?それに外人部隊が居たなんて聞いた事がないぞ…」

 

 

「私達と同じ分類の人間か?」

 

 

「全く訳がわからん…ぜよ」

 

 

などと様々な声が行き交っていると 

 

 

「はいは〜い。みんなの言いたい事は分かるけど、取り敢えずこっちに注目ね〜」

 

 

干し芋を食べながらそう言うと、生徒会一同に目を向け、河嶋が説明する。

 

 

「信じられないかもしれないが、彼らは、今から約70年前の第二次世界大戦の真っ只中のヨーロッパからタイムスリップして来た本物の日本軍人、ドイツ軍の軍人だ。昨日、山の中で西住達が戦車の中で負傷をして意識を失っていた彼等を救出手当て等をした後、意識を回復した彼等と取り引きをし此処での衣食住などの援助をする代わりにこの学園の戦車道に入って協力してもらう事になっている」

 

 

河嶋がそうみんなに説明すると更にみんな困惑した。

 

 

「過去から来たって本当なんですか!?」

 

 

「タイムスリップって!そんなアニメみたいな事が本当にあるんですか!?」

 

 

「どうやって過去から来たんですか!?」

 

 

「そう言えば昨日山の中で怪我をした4人組の男女が見つかって担架で保健室に運ばれたって噂になった様な?まさかあの人達が!?」

 

 

「て言うか、西住先輩達この事知ってたんですか!?如何して教えてくれなかったんですか!?」

 

 

「ご、ごめんね。会長から守秘義務が課せられて言えなかったの…」

 

 

などと質問の嵐が飛び交い会長の命令とは言えみんなに隠し事をしていた事を謝るみほとその後ろではどこか罪悪感を感じ詫びる沙織と優花里と華達。

 

 

「いやちょっと待って!質問は一人一つにしてくれない私達複数人の質問を聞き取って答えられる訳ないじゃなんだから!」

 

 

晴香が言うと他のメンバーも頷き、質問攻めにしていた女子達みんなは落ち着き鎮まる。最初に質問して来たのは一年生の澤梓だった。

 

 

「私、一年生の澤梓です。あの過去から来たと言うのは本当なんですか?」

 

 

「本当よ、実際あたし達が来たのは1945年のベルリン攻防よ…」

 

 

次は、バレー部のキャプテン磯部が質問して来た。

 

 

「私、磯部典子バレー部のキャプテンです、ところで、バレーは好きですか?よかったらバレー部に入部しませんか!?」 

 

 

「おーい…それ質問じゃなかって勧誘じゃねぇ?」

 

 

「スポーツ!?あたし、スポーツに興味が…」 

 

 

「と言うか、私達はまだここの学園の生徒じゃないから入れないでしょ!」

 

 

スポーツ好きのパウラが眼を輝かした時、勇介と晴香がツッコミを入れる。

 

そして次に歴女達が質問して来た。まず、最初にエルヴィンが質問してきた。

 

 

「私は、エルヴィンだ。それで、貴殿達はどんな偉人が好きなのだ?」

 

 

「俺は、かつての上官の山下将軍だ」

 

 

「おおっ!山下元帥か。確かに海の山本、陸の山下と並ぶ名将だ」

 

 

「あぁ、元帥?俺は山下将軍の指揮下のマレー作戦で世話になったお方だ」

 

 

「あたしは、鹿児島出身の村田径芳よ」

 

 

「私は、左衛門佐と申す。」

 

 

「私は、おりょう。薩摩出身の村田径芳は射撃の名人ぜよ」

 

 

エルヴィンとおりょうの後、次にカエサルが質問してきた。

 

 

「君達は、イタリア語やラテン語には興味ないか?」

 

 

「わたくしは、英語とイタリア語とラテン語はもちろん、フランス語とロシア語も話せます。貴族としての嗜みですわ」

 

 

「へぇ〜貴族!それは興味深い!」

 

 

アリシアは出来ると言い、イタリア語やラテン語が出来て常識と思っているカエサルは、何でも興味を抱いたようだった。

 

 

すると、手をパチパチさせながら角谷が

 

 

「はいはい〜。みんな他にも聞きたい事があるかもしれないけど、それくらいね〜!質問は戦車の洗車が終わってからね〜」

 

 

「いいか!お前達、彼らの存在は機密なんだ。決して口外するんじゃないぞ!!」

 

 

 

『はい!』

 

 

河嶋が勇介達の存在を他の誰にも話すなと釘を刺す。そして、戦車道履修生達は、自分達が見つけた戦車を洗車する。

 

 

勇介達との、交流を終え洗車に入ろうとしていた時、勇介の元にみほがやって来た。

 

 

「あの、桜井さん!?」

 

 

「西住さん、何ですか?」

 

 

「あの、その怪我の方は大丈夫ですか?」

 

 

「あぁ、まだ少し痛むがだいぶ良くなった」

 

 

勇介は、軍帽を脱ぐと額には包帯が巻かれていた。

 

 

「そうですか、それと…よかったんですか」

 

 

「よかったと言うのは、戦車道に入った事か?」

 

 

「はい…桜井さん達は戦争で心に傷を負っている上に、剰え戦車道に懐疑的でしたし」

 

 

「確かにまだ戦車道についてまだ納得していない所もある。だが、これは、俺達が決めた事だ。西住さんが後ろめたく思う事じゃない筈だ。それに俺達には、この時代、元の時代のどこにも居場所なんてないんだ!それに、逃げたくないんだ!自分の運命から…」

 

 

勇介は、悲しそうな表情でそう言って自分らの戦車の方へと歩いて行った。

 

 

 

「(桜井さん…私に何か桜井さんを癒す為になにか出来ることはないかな?…自分の運命から逃げたくない…)」

 

 

みほは、心の中で勇介を癒す為に自分に何か出来ないかと思った。そしてその後、戦車道履修生達は、自分達が洗車する戦車を見つめていた。

 

 

「ガッチリしてますねぇ」

 

 

「いいアタック出来そうです」

 

 

そう言ってバレー部の4人は八九式中戦車を見る。

 

日本初の国産量産型戦車で18口径57m砲を搭載しているが装甲の厚さが17mと非常に薄く脆いのだ。

 

勇介と晴香も、戦車教育時代に世話になっていた。

 

 

「砲塔が回らないな」

 

 

「象みたいぜよ」

 

 

「ぱおーん」

 

 

「戯け!三突は冬戦争でロシアの猛攻を押し返した凄い戦車なのだ!フィンランド人に謝りなさい!!」

 

 

「「「 すみません! 」」」

 

Ⅲ号突撃砲を象みたいと揶揄する歴女達にⅢ突を擁護するエルヴィン。

 

カエサル、左衛門左、おりょうはフィンランドがどっち方面にあるのか分からないのに取り敢えず頭を下げる。

 

Ⅲ号突撃砲がフィンランドに配置されるのは冬戦争じゃなく継続戦争。

 

Ⅲ号突撃砲の当初の任務は戦車との交戦ではなく、歩兵の支援だった。対戦車用自走砲としてⅢ号戦車の車体を流用したⅢ号突撃砲。高速の75m砲を備えた車高が低いドイツ軍最強の対戦車兵器であり、1945年の終戦までに数多くの連合軍戦車を撃破した。

 

 

「大砲が二本あるね」

 

 

「大きくて強そう」

 

 

そう呟きながら、M3中戦車リーを整備する一年生チーム。

 

大口径砲の75m砲を車体の右側に搭載しているのが特徴だ。M4シャーマン中戦車が登場するまでアメリカ軍の主力戦車。

 

勇介は、1942年のフィリピンの戦いにて、米軍戦車との戦いにて何度かM3中戦車と遭遇し戦った事があるが、手強かった。

 

 

「うわぁ!ベタベタする」

 

 

「これはやりがいがありそうですね」

 

 

武部がⅣ号の車体を手で触れると車体には油汚れで気色の悪い感触がし拒絶した。

 

その後、皆は汚れてもいいように制服から体操着に着替えた。そしてみほは手慣れた様にⅣ号の車体に上りキューポラの中を覗くとみほは鼻を摘んだ如何やら戦車の中は悪臭が漂っている様だった。

 

 

「車内の水抜きをして錆び取りをしないと古い塗装も剥がしてグリスアップもしなきゃ」

 

 

みほは目の色を変えて的確に清掃する場所を指示する。その一方でみほの隣では優花里が目を輝かせてみほを見ていた。

 

 

「こいつを掃除するなんて久しぶりだな」

 

 

「そうですわね、戦場じゃそんな余裕なかったから車体のあっちこっちに泥や砂埃が付いているし、車内は埃で汚れているわね」

 

 

「あたし達、良くこの中で気持ちよく休んでいたんだな…そして、純子と共に…」

 

 

晴香とアリシアとパウラがパンターⅡを見て言ってると、つい数日までいた仲間だった純子の名前を呟いた。

 

 

 

「おーい、思い出に浸ることは悪くないが…早急に取り掛かるぞ」

 

 

「「「 はーい 」」」 

 

 

勇介が言い晴香達も清掃を開始する。

 

彼らは野戦服のままだが、頭を保護する為制帽から鉄製のM35鉄帽ドイツ軍を象徴するヘルメットを被っていた。

 

 

「ちょっ、ちょっと沙織さん!もぉ〜冷た〜い」

 

 

「だ、誰ですか!?」

 

 

沙織が、ホースで水を掛けたらその水が華に掛かり、ホラー映画に出てきそうな女幽霊みたく恨めしそうな声でゆっくりと沙織の方に振り返る姿を見た秋山は背筋が凍る様な寒気が走った。

 

そしてⅣ号戦車の隣の歴女達のⅢ号突撃砲では

 

 

「高松城を水攻めじゃぁ!!」

 

 

「ルビコンを渡れ!!」

 

 

「ペリーの黒船来航ぜよ」

 

 

「戦車と水と言えばノルマンディーのDD戦車でしょ!」

 

 

「「「 それだ!! 」」」

 

 

水と自分達の専門歴史絡めて清掃する歴女達。

 

 

「もうびしょ濡れ」

 

 

「恵みの雨だぁ!」

 

 

「ブラ透けちゃうよ」

 

 

子供の様にはしゃぐ一年生達。ホースを上に向けて噴水みたいに水を出して雨を降らせている様だった。

 

 

「今日は戦車を洗車すると言っただろ」

 

 

「うまいね〜座布団一枚」

 

 

「決してそう言う意味で言ったのではありません」

 

 

「それよりちょっとは手伝ってくださいよ」

 

 

河嶋が戦車を洗車と言って戦車と洗車をかけたと思ったのか、座布団一枚と言うが河嶋本人は別に洒落で言ったわけでない。しかも、角谷と河嶋二人だけが体操服ではなく、制服のままで38(t)を清掃していたのは、副会長である小山一人だけだった。

 

しかも彼女だけ体操服でなくビキニの水着姿で。当の二人は傍観者気取りで何にもしない、小山の言う事も最もな意見だった。

 

 

すると

 

 

バァン  カキイィン

 

 

「「「 ひいっ!? 」」」

 

 

38tの車体に一発の弾丸が弾かれ、生徒会長たちは驚愕した。

 

それは、九九式狙撃銃を構えて撃ち放ち、身体が赤黒く染まった晴香だった。

 

 

「おい、会長と河嶋!!小山さんが懸命に洗車しているのに、なにサボっているんだ!!働かぬ者には、あたしが頭部に風穴を開けてやるぞ!!」

 

 

「ひいいぃ~!!」

 

 

それを見た河嶋は慌てながらブラシを持ち、車体を擦り、清掃した。

 

 

「本物の鉄砲だ~!」

 

 

「凄い、九九式狙撃銃だ!!」

 

 

 

 

 

 

一年生と歴女たちは興奮した。

 

 

 

勇介達もパンターⅡを洗車する。車体の内外を掃除すると

 

 

「中も結構泥や埃が溜まっているわね。車体にも、敵の返り血を浴びている…戦場だったからあんまり気にしていなかったらけど、改めて見ると結構汚れてるわね」

 

 

「こいつを受領して以来、いつも戦闘で清掃する暇がなかったからいい機会だ。」

 

 

勇介はそう言って雑巾であらゆる所を念入りに拭いていく。

 

 

そして日が沈む頃には戦車の洗車は終わっていた。みんな体操着や顔は油や煤で汚れていた。

 

 

「よし、良いだろう…後の整備は自動車部の部員に今晩中にやらせる。それから、お前達の戦車の判定装置と装甲材も今晩中に自動車部の部員にやらせる。それでは…本日は…解散!」

 

 

疲れてふらふらになった河嶋が、解散の号令を掛けその日は解散となった。

 

 

「早くシャワー浴びたい」

 

 

「早く乗りたいですね」

 

 

「う、うん…」

 

 

早く戦車に乗りたくて爽やかな優花里とは逆に何故かみほの表情はどこか元気の無い堕天使ブルーだった。

 

 

「…」

 

 

そんなみほの事を勇介は、黙って見つめていた。

 

 

 

 

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