どの隠れ里でも共通のことだが、忍者の階級は上忍、中忍、下忍とランク分けされている。ちなみに、忍者が請け負える任務にもS~Dランクまでで分類されてあり、高い地位に在籍している忍は高いランクの任務を与えられ、報酬も高い。
ただ、誰しもが必ず上忍になれるわけではない。
忍一族出身の者なら、下忍には簡単になれる。中忍にも、時間をかければなれるだろうが…。
「階級にはまったく興味ないんだけどなァ」
「けど、他の里だったら…それが木ノ葉だろうと砂だろうと、水月ならすでに上忍になってるんじゃないか?」
もっとも、階級にまったく興味を示さない強い忍も存在する。水月がまさにそうだ。恐らく、所属する里が『音隠れの里』なのもあるだろう。
「かもね。けど、音隠れって
音隠れの里は、小国である田の国の大名が実体に合わない軍備増強を目論み、そこを大蛇丸に付け込まれる形で設立された隠れ里だ。しかし、名目上は田の国の里だが、実態はどこの国にも属さない独立勢力──大蛇丸の組織のようなものなのである。S級犯罪者として世界に名前を轟かせる大蛇丸の組織ということは、つまりは隠れ里ではなく犯罪組織になるのではないだろうか…。
水月は階級に興味を示していないが、その犯罪組織内でも幹部級の実力者。大蛇丸の唯一の弟子であり、多くを教えられ育て上げられた懐刀だ。
「あー納得。水月は隠密活動も得意だもんな。
最強の暗部って恐れられてそう」
その水月は現在、下忍から中忍へと昇格する為の中忍試験が木ノ葉隠れの里で開催されようとしており、階級に一切興味を示していない水月は
とある理由とは、もちろん大蛇丸からの命令だ。
「僕、そこまで強くないよ?」
「毎回無理難題押し付けられて、完璧に遂行してるじゃねェかよ。あの鬼人に勝ってるし」
今回の命令も、大蛇丸から押し付けられた無理難題だ。もっとも、大蛇丸はそれだけ水月を信頼しており、水月の実力なら完璧に遂行すると確信しているからこそ任せている。
「あの勝負は、僕が再不斬先輩の首斬り包丁を両断したところで中断したから勝ったわけじゃないよ」
大蛇丸に比べたら実力は劣るものの、鬼人と恐れられる桃地再不斬と対等に戦える程の実力を持つ水月は香燐の言う通り、忍び五大国の隠れ里に所属していたとしても、間違いなく上忍になっていただろう。もしくは本人の言葉通り暗部に所属し、若くして分隊長になっていたかもしれない。
もちろん、水月が若くしてそこまでの実力を持っているのは大蛇丸の英才教育の賜物であり、水月本人の努力と才能だ。
「まァ、次やったら勝つけどね」
その水月が与えられた無理難題は、中忍試験に出場して
「それよりも、あれが大蛇丸に狙われる可哀想なうちは一族の最後の末裔…
その少年──うちはサスケに視線を向ける水月は、自身よりもチャクラ感知能力に長ける香燐に頼み、現在のうちはサスケの実力を分析し始めた。
分析の内容次第で今後の計画が変更される場合もあり、これは非常に重要なことである。
「
そこそこのチャクラ量かと思いきや、奥底にとんでもないチャクラ隠し持ってやがる。もしかしたら…水月に匹敵…いや、それ以上かもしれない」
香燐の分析では、大蛇丸が何故狙うのか疑問に思うだろうが、水月が与えられた無理難題を完璧に遂行したならば、きっと疑問も解消されるのだろう。
「もしかしたら、あの金髪が木ノ葉の
ありがとう、香燐。計画通り…
そして分析の結果、当初の予定通りに計画が遂行されることが決まった。
これから、水月は大蛇丸の無理難題をいつもの如く、難なくこなすのだろう。
中忍試験は
水月と香燐、それから君麻呂の3人は
大蛇丸の護衛を担当するエリート集団『五人衆』の中でも最強を誇る君麻呂。
水月に見初められ、常に共に行動する理系女子の香燐。
大蛇丸の唯一の弟子である水月。
この3人が賢くないはずがなく、
そして第二次試験は、事前に配布された天の巻物、地の巻物、この二つを
忍の世界では常に死が付きまとい、隣り合わせ。
忍になった以上、誰しもが死を覚悟しておかなければならない。そこに階級など一切関係ないのだ。
すでに、多くの忍を殺したことがある水月にとって、下忍を相手に巻物を奪い合うなど最低難易度の任務のようなものでしかないだろう。
「弱すぎる…話になんない。
火遊びしてるんじゃないんだよ?僕達は命のやり取り……つまり殺し合ってるの理解してる?」
だからなのだろう。水月の今現在の表情からは、強い失望と落胆が手に取るようにハッキリと感じ取れる。
━━ 大玉水鉄砲
人差し指から等身大の水の塊を放ち、向かってくる火球を鎮火させて深い溜め息を吐き出し、そして……抑え気味ではあるが、水月は殺気を込めて淡々と言い放つ。
火遁忍術を放った少年──うちはサスケに対して、水月は厳しい言葉を述べた。
「──ッ!?
(な、何…なんだ…コイツは!?
ほ、本当に同じ人間なのか!?波の国で戦った再不斬以上の殺気だ!!)」
木ノ葉隠れの里のエリート忍者一族の最後の末裔であるうちはサスケは、同じ歳頃のはずの水月から放たれる抑え気味の殺気で畏縮してしまっている。
どうやら、エリート忍一族の末裔同士でも、水月とうちはサスケの間には大きな実力差があるようだ。
「ほら、もう目の前だよ」
「!?
(や、殺られる!!)」
目で追えぬ速さでうちはサスケの眼前に移動した水月は、額に指を突き付け水鉄砲を放とうとしている。
「…はあ…君、忍やめたら?」
だが、額に指を突き付けられたうちはサスケの様子を目の当たりにし、水月は再び深い溜め息を吐く。
うちはサスケは水月に完全に怯えきり、震え、抵抗の素振りが一切見られない。
あまりにも不様な姿を目の当たりにした水月は、うちはサスケの額に当てていた指を下ろし背を向けた。忍にとって、背中を見せることがどれだけ危険で愚かな行為か……だが、そのような行動をとってしまうのも仕方がない。
「
「ッ!?」
水月のがら空きの背中を、うちはサスケはただ見ていることしかできなかったのだ。そして、
「弱いって本当に罪だよね」
「なッ!?」
水月は背を向けた状態から、うちはサスケの視界から瞬身の術で消え、彼の仲間の目の前へと移動すると、水月の殺気で腰を抜かしたピンク色の髪の
「あうッ!!」
「サ、サクラッ!!」
そして、水鉄砲の術で春野サクラの肩を撃ち抜き、水月は口角を上げる。
「仲間すら守ることができない。
くく、さーて…次はどうしようかな?額を撃ち抜かれて楽に死にたい?それとも…蜂の巣にしてあげようか?」
大切な仲間が死に行く光景を前に、うちはサスケは何を感じているのだろう。
大切な仲間が死に行くなかでも、うちはサスケは恐怖に支配されているのだろうか…。
それとも、己の無力さに苛まれているのか…。
「や、やめろォォォ!!」
愛情深いうちはサスケは後者なのだろう。彼の愛情深さは
「!
そう来なくっちゃ…開眼おめでとう」
うちはサスケの瞳に……心が写る。
体から溢れ出る
「水月、サスケくんに写輪眼を開眼させたことは褒めてあげるけど、これは余計よ。
「これは僕も想定外。
まァ、責任持って対処しとくよ」
中忍試験第二の試験で、二つの強大な力が目覚めてしまった。
1人は瞳に力を宿し、1人はその身に九本の尾を持つ魔獣を封印されている。
「よくもサクラちゃんとサスケを…テメエらブッ殺してやる!!」
そして、九本の尾を持つ魔獣を封印された金髪の少年──うずまきナルトが仲間を痛めつけられたことに激しく怒り狂い、水月へと襲いかかってきた。
怒りは人を強くする。だがそれと同時に、目を曇らせるものでもある。
「その程度の力じゃあ、無理だよ…狐くん。
僕に挑むつもりなら、もっと九尾の力を使いこなせるようにならないと…」
━━ 水遁・
「なッ、何だってば──ッ!?」
鯨を象った水遁を水月が放つと、その鯨がうずまきナルトを呑み込み、身動きを封じてしまっていた。
「殺しはしないよ…君を殺したら、うちはサスケが失格になっちゃうからね。溺水して気を失ったら吐き出させてあげる」
目覚めた力も、今はまだ脅威ではなく…。
水月は本当に難なく、大蛇丸からの無理難題をこなした。
━━大玉水鉄砲
水鉄砲は大きさを調節できる。
━━水遁・
水牢の術が水遁の鯨の胃の中に変わっただけ。ただ、水牢の形状を保つ為に術者が水牢の一部に触れていることが不可欠という欠点がこの術には一切ない。白鯨はチャクラで操られている為、水月の周りに浮いている。
波の国の強化イベントがなかったナルトくんとサスケくん。
死の森で強化イベント発生。
サスケくん、写輪眼開眼。サクラが水鉄砲で撃たれ、イタチと同じセリフ「殺す価値もない」と言われたことで、一気に巴模様が二つに。
ナルトくん、怒りで溢れでる九尾チャクラ。
サスケだけではなく、サクラもやられてしまったことで、波の国よりも怒り倍増。一気にネジ戦並に。
でも、水月の白鯨牢に捕らえられてしまう。