どらごんれでぃいらばーず!!!~現代日本で竜娘にTSしたけど同じ超可愛い竜娘(問題児)と支え合ってハーレム生活を満喫します!~   作:囚人番号虚数番

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転生したら竜だったけど境遇的に全く笑えない

俺はある日見てしまった。深夜の郊外、友人との飲み会の帰りだった。普段酒なんてろくに飲まない俺が男女数人の集まりで無茶したのが悪く帰り道で気分が悪くなる。帰宅まで耐え切れず遂に俺は路地裏で食べた物を吐瀉した。

 

何とも言えない匂いの物を吐き出し少し正気が戻る。口の中が気持ち悪い。手持ちの金で水を買ってきたい。近くの自販機を思い出しつつ路地から出る。

 

路地を出るその前、びちゃびちゃ、びちゃびちゃと水音を聞いた。きっと俺以外の誰かの嘔吐の音だろう。だがそれは水たまりで水が飛び散る音で吐くにしてはあまりにも多すぎる。朧げな意識で彼が心配になってしまった俺は路地を曲がり音の主と垣間見た。

 

それは前傾姿勢の小柄な人の形をしていた。だが細部の特徴はどこか爬虫類に似た作りだ。頭は赤い甲殻、体は鱗に覆われ全身が赤く濡れている。臀部には短い尾が生え、両手両足の鋭い爪は猛烈な鉄臭さを放つ。それは間違いなく尋常な生物ではない。

 

化け物は俺の気配を察しゆっくりとこちらに振り向いた。橙色の目が俺の顔を睨みつけた。だが幸いにも俺は目を合わせなかった。猛烈に目を引くのはその野蛮な風貌とは真反対の技工に飛んだ装飾がなされた両刃剣を化け物は握っていたのだ。

 

恐怖で酔いが吹っ飛んで俺は全速力で走りその場から逃げ出した。あれは何だったのか、どうしてあそこにいたのか、そんな些細なことなど考える余裕はない。その日は不運にも出会ってしまったそれに怯えながら布団に潜った。

 

 

 

 

 

ー--

 

 

 

 

 

 

「で、何が見えたのかい? もう一回言ってみてくれ」

 

「『血に塗れた人形の化け物』。いや、俺も流石に酔ってたから信じられない。でもどうにも多分アレは幻覚とかじゃない気がする。でも笑うのは止めてくれ、ナツメ。ひいろはどう思う?」

 

「ふふふ、夜道で襲われないようにしばらくはお酒はお家で楽しみましょうか」

 

 

 

 

俺は洋野 黎人(ひろの れいと)、大学生2年だ。何の変哲もない一般的な日本男児である。で、今話しているのは友人のナツメとひいろ。同学年で同年代の中のいい友人だ。先日の飲み会というのがこいつらとの集まりで、たまにはどっかで飲もうとなったのだ。今は俺がその帰りに見た物を彼らに話す。当然ながら信じられない。だって俺も信じられないのだから。

 

 

 

「でも怪物なら夢かもしれませんね。もし最近世間を騒がせてる『殺人鬼』と黎人さんが出会っていたらどうなっていたか分かりませんよ」

 

 

 

「いやそりゃないだろひいろ。そいつの現場、最新ニュースだと隣町だろ」

 

 

 

殺人鬼、ここ最近街に現れて無差別に人を殺して回る謎の人物だ。目的は不明、襲われた人も特に一貫性もないらしく未だに犯人は捕まっていない。共通しているのは被害者は多量の出血と噂では体の一部がミンチ状になって死ぬそう。でもこの付近で怪しい何かがいたならせめて俺達だけでも警戒すればいいかな。

 

 

 

「でも今はいつかの事より今の心配をしましょう。単位はいくらあっても困りませんからね」

 

「だな。というかお前ら今日平気なのか? ひいろは酒豪だからいいとして、ナツメのアレはどう考えても不味くねえか」

 

「うん、今朝から頭が痛いし気持ち悪くて死にかけた。四限前でどうにか誤魔化せられたから今は平気だよ」

 

 

 

ナツメはグッと親指を立てた。青ざめた笑顔でされるとウザいが昨日を思い出して同情する。というよりひいろがおかしい。何でビールサーバー一つ枯らして一人で2件目も行ってるのに平気なんだこの人。あと何故ナツメはそれを知った上で何で酔い潰そうとした。バカなの? 俺何度も止めたよ?

 

 

 

<おーい、講義始めっぞー

 

 

 

と、そろそろ講義が始まる。話を切り上げよう。それからは特筆すべきことも無く抗議は終わり俺たちは家に帰った。そこで一度みんなで例の場所を見てみようと帰り道恐る恐る全員で行ってみた。

 

 

 

「血の跡はあるけどこれは喧嘩の跡かな? 高さと大きさ的に壁に頭がぶつかったっぽいね」

 

「ですね。じゃあ今日のところは不明ってことでまた明日。さようならナツメさん、黎人さん」

 

 

 

俺には怪我の分析なんてさっぱりだ。だがそこには確かに血の跡はあったが確かに化け物と評すには少ない。やっぱり見間違いだったか? 不思議に思いながら俺はバイトをしてから帰宅する。

 

 

 

ー--

 

 

 

夜遅くに自宅のアパートに帰る。今晩の飯はどうしようか、近日の課題、趣味のゲーム、そんな些細な事を考えながらいつも道理自分の家に向かう。が、しかし今日はいつもとは違った。

 

 

 

「……居場所はここの筈よね」

 

「(誰かいる?)」

 

 

 

玄関前の廊下で誰かが立っている。見た所小学生から中学生くらいの赤い服の女の子だ。赤髪で、年齢にしては大人びた上質な赤いワンピースでこのアパートには不釣合いだ。よく見ると頭には白い巻いた角の飾りと短い尻尾? のアクセアリを着けている。きっと友人の家に尋ねに来たのだろう。うん、そうであって欲しい。

 

別に誰かの来客なら無視でも構わない。だが彼女の前の扉こそ俺の部屋の入口だからどいてほしい。彼女はこの辺りでは見ない顔で俺とも面識はない。過去にも見た覚えはないしマジで誰なんだあいつ。

 

あ、彼女と視線が合った。なんか鋭い目つきで見られてる。彼女からしたら知らない人がじっと見ているのだ。警戒されるのも仕方ない。とりあえず俺は家に帰りたい。彼女に理由を尋ねて親に引き取ってもらい帰ってもらおう。

 

 

 

「ねえ君、俺んちの前でどうしたの?」

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

瞬間、俺は膝から崩れ落ちて倒れこむ。というより一瞬で手足を切断され、結果重力に従い胴体が落下しているのだ。彼女は残った胴体にも一撃を叩き込む。胸から腹にかけての袈裟切りは人間を殺めるには十分だった。最後に追い打ちとして静止し俺の瞬きの間に乱舞で体全てを肉片に変える。

 

 

 

「(…………え?)」

 

 

 

余りにも一瞬で行われた一連の攻撃は己が肉片になる過程でも意識を保っていた。絶命の前に見えたのは日常の空間に赤い線を引く両刃の緋剣と血を纏い舞う彼女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「つい殺しちゃったけど………この人昨日の奴じゃない。全く、嫌な偶然ね」

 

「まあいいや、やっちゃったからには責任位取ってあげようか。まあどちらにせよ人生は終わるわね」

 

「……うっわ、やっば」

 

 

 

ー--

 

 

 

 

 

「…………はっ! はぁはぁ、はぁ…………朝? というか何で布団にいるんだ」

 

 

 

目が覚めたら自宅の寝室だった。時刻は午前8時、窓から差し込む明かりがこれほど有難いと思った時は無い。なにせ昨日俺は、うん、夢だ。俺が死ぬ悪い夢を見て気分が悪い。幸い今日は休日だからゆっくりしよう。

 

 

 

「(そうだ、あれは夢、夢だ)」

 

 

 

だが夢にしてはあまりにも鮮明で体がどうなっているか気になる。服を脱ぎ体の各部を見る。あの夢のような即死級の傷は無い。だが肉体に何か違和感がある。いつもより体が細く、心なしか着慣れた服も大きく感じる。というかさっきから声が高くなっている。なんだ、風邪か?

 

 

 

「あー、あーあーううん。いやこれ女の声みたいだな。というより………これ俺女になってないか!?」

 

 

 

跳び起きてスマホで一枚自撮りする。すると写真に写ったのは男物の服を着た白髪の少女だった。背丈から年齢はギリギリ高校生くらいに見えなくもない。白い肌、青く濁った瞳、頭には大きく、そして透き通った角。背後に白い蛞蝓のような白い尻尾が生えていた。一応下半身も確認する……ああ我が息子、十数年もの間お世話になった。

 

一息ついて考える。何なんだこの体? 神秘Maxの軟体動物の萌えキャラみたいだけど尻尾とかは無意識に動いてるから生物の物らしい。触れてみると冷たく湿っている。感覚もまるで初めからあったかのように鮮明だ。頭の角は柔らかく弾力がありゴムに近い触り心地でこちらは感覚は無い。詰まるところこれらの人外の部位は本物だ。

 

これからどうしようか。今日が休みとはいえいつかはまた社会復帰しなければならない。だがどう見てもこの体は異形でまともには生活できないだろう。とりあえず今は友人で信用できるナツメらにでも相談しよう。彼らは胡散臭いが技量だけは確かだ。

 

 

 

 

 

 

ガチャ

 

「ああ、起きたのね」

 

 

 

部屋の外から昨日の彼女が入ってきた。しかも勝手に台所を使われたようで開けたドアの先からは何かが焦げた匂いがする。

 

俺は反射的に部屋の隅に逃げた。いくら少女でも相手は俺を殺した殺人鬼である。ここがアパートだという事を忘れ震えながら大声で叫ぶ。窓を割ってでも逃げ出さなかった僅かな理性と対話を試みた冷静さがあるだけ良かった。

 

 

 

「お前昨日俺を殺した奴だな! 俺の体何してくれてんだ!」

 

「昨日はごめんなさいね。でも治療出来てるし生きてるだけ良かったじゃない」

 

 

 

謝る気のなさそうな謝罪の後彼女は俺の体を一瞥する。そして喋れるし動けるなら体は平気か、そう一言口からこぼした。

 

 

 

「で、自分の体について知りたいの?」

 

「ああそうだよ! つーかお前は誰だ? 一体何のためにここにいる!?」

 

「あーはいはい、いっぺんに聞かれても私も話せないわよ。まずは一度落ち着きなさい」

 

 

 

彼女は情けなく怯える俺を無視してどんどん近づく。俺は極限のストレスに耐え切れずたまたまそこにあった目覚まし時計を彼女に投げつけた。

 

だが彼女の方は冷静だった。飛んできた時計を何処からともなく取り出した怪物も持っていたあの剣で二分し、加えて………

 

 

 

「暴れるんじゃないわよ!」

 

 

 

 

ズバァン

 

目にも止まらぬ早業で剣を振り下ろし俺の首元ぎりぎりで寸止めする。遅れて風を切る音が鳴り衝撃波で肌の一部が切れて血が流れた。だが出血には変わりなく急速に前進の力が抜ける。ついでに下着の一枚が少しだけ生暖かく濡れた。

 

 

 

「あ、ああ………」

 

「やーっと落ち着いた。私は餐龍【緋刃】、竜よ。今は人型だけどね」

 

 

 

竜? 耳を疑ったが彼女は自身のことを竜と称した。しかも名前も日本人名からはかけ離れている。

 

 

 

「一昨日のことは覚えてる? あなたは多分人外の何かを見たわよね」

 

「っ!?」

 

 

 

何でそれを知ってる。友人には昨日の話をしたけれど彼ら以外には話していない。俺以外の誰かがまた別に知っているのなら話は変わるがきっと彼女が表したいのはこうだろう。「お前が見た赤い化け物はこの私だ」。

 

 

 

「その反応、図星ね。早い話、私はあなたに竜の姿を見られたの。だから「殺しに来たのか?」それはあなたの返答次第ね。その前にあなたの体についてちょっと話すわ」

 

 

 

刃を俺に向けたまま彼女は俺の体について話す。

 

 

 

「昨日あなたに驚いてうっかりぶっ殺した。それで私の都合もあって手持ちにちょうど治療出来る物資があるから治したわけなんだけど……結果あなたは副作用で人を辞めて竜になったの。私としてはこれからを考えるとそっちのほうがありがたいけどね」

 

「(これは生存を喜ぶべきなのか、殺された挙げ句人を辞めた悲しみに暮れるべきなのか迷うな)」

 

「けれど実を言うと私も困っているのよね。だから今から言う内容を受け入れてくれれば命だけは助けてあげる。なんなら元に戻る手伝いもするわ」

 

 

 

元の体に戻れるのか!? この体についてはまだ何も知らないけれど今後の人生のためにも早いところ元に戻らないと。俺は命欲しさと人生のため無言で首を縦に振る。

 

 

 

「あなた、名前は?」

 

「黎人、洋野黎人」

 

「レイト、そう、分かった。レイト、あなたの家に私を匿って。必要であれば私もできる限り協力してあげる。というより、断れるはずないわよね?」

 

 

 

彼女、餐竜は両刃剣の刃をちらつかせる。断れば殺すという意志は明確に伝わってくる。勿論彼女を受け入れるしかない。

 

 

 

「……」コクッコクッ

 

 

 

彼女は剣を下ろしそして自身の腹に突き刺した。刃渡り的には体を貫いてもおかしくないのに逆に剣の方が体に溶けていく。そして完全に剣は彼女の体に吸い込まれて無くなった。

 

原理は分からないけれど彼女が人ではない、それだけは絶対だろう。

 

 

 

「交渉成立ね。それじゃレイト、宜しく」

 

 

 

こうして、俺と竜の奇妙な生活は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、さっきから台所から漂う焦げた香りは何なんだ。

 

 

 

「朝食の肉。人って肉を焼かないと食べないらしいでしょ? 適当にやってたら焼けたわ」

 

「(え、でも焦げてない?)」

 

 

 

不安になって台所に行くとコンロの上にフライパンと黒い塊が置かれていた。冷蔵庫の中身を確認すると買っておいた肉が確かに無くなっている。分量的にもあの黒い塊が肉で間違いない。

 

 

 

「でもなんか話と違うわね。硬いし苦いし食べられたもんじゃないわ。人間って本当にこんなのを食べるの?」

 

 

 

……奇妙な生活、続けられるかなあ。




鰌ってありますよね。

追記 次話投稿は2022/06/19 22:00です。

追記 あーめっちゃ誤字ある。誰かいい読み上げサイトないかなー。それかボイボ落とすかな。

追記 どうでもいいですが今作のタイトルは英語表記で「Dragon Lady RAvers!!!」と悩みました。まあ、いつか使うかもしれません。
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