どらごんれでぃいらばーず!!!~現代日本で竜娘にTSしたけど同じ超可愛い竜娘(問題児)と支え合ってハーレム生活を満喫します!~ 作:囚人番号虚数番
協力関係は成立したのでお腹がすいたしとりあえず二人で朝食を食べることにした。さっき焦がした肉は捨てた。緋刃は焦げていても構わないと言っていたのだがさすがに食べさせる訳にはいかないのでメニューは昨日の余り物だ。
食事を通して知ったのは彼女はやはり人の生活に疎いらしい。自称竜は伊達でないらしく素手で食べようとしていたのを慌てて止めて、箸は勿論使えなかったからスプーンを使わせた。幸い俺が出した飯は男の一人暮らし特有のシンプルな飯だけど彼女はおいしそうに食べてくれた。
「うーん、噂に聞いた調理って最終的にこうなるのね」
「ほぼ焼くだけの奴だけどな。因みに竜って何食べるんだ?」
「私は雑食、でも大体は沢山手に入るお肉を食べてた」
雑食と指定している当たり竜にもいろいろあるらしい。
腹も満たされ次にやるべきことは今後の為の根回しだ。突然の女体化とかの怪奇現象を他人に話すのも憚られるけれど背に腹は代えられない。ここは友人に頼ろう。
電話……は朝だし声が変わって信用してもらえるか分からないのでメールで約束を取り付ける。あ、そうだ。念の為餌替わりに俺らの自撮り写真も送ろう。
「緋刃、ちょっと来て」
「ええ、でもその道具は何かしら。噂に聞く機械よね」
「スマートフォンだ。あと尻尾が見えてるからもっと近づいて」
女体化は伝えるとしても竜だとはまだ知られたくない。俺の角も見えるとまずいからもとっと顔が画面中を占めるようにしたい。試行錯誤の末に納得する構図を見つけた。が、映えを考えたらお互いの体がかなり密着してしまっている。
「これでいい?って何ドキドキしてるのあんた。緊張はいいけど失敗しないでよね」
「(女友達とでもこんな事したことないぞ)う、うん、じゃあ撮るぞ」
シャッター音とともにフラッシュが焚かれた。
「ひゃっ」
「あっやべ、フラッシュオンにしたままだった」
「光るなら先言いなさいよ!」
緋刃に叩かれながら写真を確認する。よし、ちゃんと撮れてる。角と尻尾も目立たないしこれで十分だ。仲の可愛い女の子が二人で映る、あるいは姉妹の写真みたいだ。後は適当に文面を考えて、とりあえず衣服とバイト関係の処理を手伝ってもらうか。服はよくサイズを見誤るからなるべく人力で買いたい。それに……報酬はまああいつだし俺がプライドを捨てれば工面できるだろう。写真を添付して送信した。
送信して数秒、返信が返ってきた。「今日はバイトと女子会があるから明日朝一で飛んでく」とファイル付きで返ってきた。ファイルは……あいつ好みのいい趣味をしたアパレルブランドを纏めた表だった。あいつ、確か今の時間いつも寝起きだよな?まああいつだし。
ー--
で、次は現状理解のためにで改めて自己紹介をする。
「改めて俺は洋野 黎人。人間の頃は普通の男子学生だった」
「学生?」
「あー、将来の為に学校で勉強してた」
俺から話すことは少ない。ただの一般人だから当たり前だ。緋刃は俺というより人間そのものについて多く聞いてくるから一度彼女の方の話をすることにした。
彼女は餐龍【緋刃】、年齢は不明、出自も不明。ただ心の赴くままに旅をしながら生きてきたらしい。しかし近年の竜同士のコミュニティーでのいざこざで急遽仲間内からの脱出を余儀なくされ人間の社会に出てきたらしい。そのせいで碌に下調べもせずに来たから人間については殆ど知らないそう。
トラブルについては関わると厄介な奴に絡まれてしまい、俺の家に非難したのも念のためとのこと。余程参っていたのか彼女の語りは何処か重く遠い目をしていた。辛いことを思い出させるのは失礼だしこれ以上の言及は避けよう。
「竜の社会も大変なんだな。てっきりファンタジーみたいに野生で悠々自適じゃないのか」
「寧ろ何にも無いからこそ交流のある竜は大切なのよ。だから群れる事もあるし簡単な社会構造もあるの」
「へーじゃあ友達とかはそっちにいるのか」
「いないわ。私群れないし」
「え、仲間内のいざこざが原因なのに追い出されたの?」
「だから『群れる事も』なのよ。私は今みたいな時以外人づきあいなんて御免だわ。あそこからだって自分から出て行ったの。だってあいつらも普通に獲物横取りするしそのくせ殺したら群れ全体でリンチしに来るのよ!異常よあいつら」
……思った十数倍野生じゃないか。あとよくそれで生きてたな。いくら強いとはいえ数人に追われて逃げ切るのは凄いな。
「まあね、体格は小さいけれど無い分剣の腕には自信あるのよ」
そう言い彼女は昨日使った剣を出した。過程をよく見ると爪で肌を傷つけて出血させ、その血が剣になっているみたいだ。
剣は柄にも刃が取り付けられたファンタジーでたまに見るような両刃剣だ。緋刃の名に相応しく髪色とよく似た緋色の刃を持つ。刃渡りは身長程長く薄い。昨日はこれを玄関前の通路で振っていたのか。後で通路を見たら案の定玄関前が戦場みたくとんでもなく傷だらけだった。
数日程管理会社からの電話に怯えることとなった。後に知ったが傷が多い場所が隣の家に近く、幸いにも俺には被害が何もなかった。
昨日見た限り彼女の体調は140㎝くらいだった気がする。普通の格闘技ですら体格が小さいと苦労するとは聞いている。なのにあえて己の身一つで生きてきたのだ。彼女の剣裁きは先日身をもって知ったし腕前は痛いほど分かる。だから純粋に武人として優れているに違いない。
「お前一歩間違えたらフルボッコなのによく逃げ切ったな」
「逃げる?笑わせないで、皆肉片に変えてやった。襲ってきた奴らも群れの女子供も」
「…………ん?」
いきなり物騒な事を口走り耳を疑う。
「群れの虐殺は楽しいわよ。混血は特に凄い。多種族混合特有の異常な発色の血が嵐みたいに散って水たまりで混ざるの。そのとき肉と一緒に砕けた甲殻と骨が体を貫いて更に傷を増やして興奮で出血する。首を狩った時の吹き出る血を浴びるのもいいわ。さっきまで生きてた生暖かい体液が体中に降りかかる。時々水圧で私も大けがするけれど痛みなんてどうでもよくなるくらいうっとりしちゃうの」
彼女はそこで止まらず更に過激な内容を興奮気味に語る。血と肉が散る残虐非道な行いを顔を赤くし恍惚としながらどこまでも情熱的になっていく。段々と息も荒くなり時折全身を震わせ明らかに尋常でない彼女に俺は興奮し恐怖し狼狽えた。
「あなた、血は好き?」
「え? ひっ……!」
不意に問いかけられ彼女と目が合う。完全に油断していた、濁り光の無いすわった目と目が合った。だが幸運にも彼女は怯える俺に気づいてはっと正気に戻る。
「ご、ごめんなさい。つい驚かせちゃって」
「あ、ああ。そうだよな。根は竜だからすげえ殺気だったぞ。でも人間社会だと殺人は重罪だから間違えても絶対するなよ、マジで」
無性に危険な香りがするので先に牽制しておく。彼女は受け入れてくれたけれどちょっと残念そうだ。野生で命のやり取りをしてきたから寂しいのかもしれない……というより、これを真っ先に聞くべきかもしれなかった。
「えーと、確認したいんだけど人の世界に来てから何か殺した?」
「あなたと会うまでは旅をしながら1ヶ月くらい人間を殺して回ったから4,50くらい。途中そこらの獣も食べてたし……70匹は食べてる」
「ルートは?」
「北の方からほぼ直線状に移動して最近此ここに……うーん、場所の名前を知らないからどうにも言えないわ」
「あー、うん。ちょっと調べるから待ってて」
ここ1ヶ月の例の殺人鬼についてのニュースを簡単に調べる。適当なニュースサイトは勿論、ネットの皆様のコメントからも適当に情報を探す。うん、ったわ。思いっきり「巷で噂の殺人犯は〇〇県から南下中、数日後には☓☓県に辿り着くと予想される。地震との二重苦で鳴葉民は死ぬ」って考察されてる。しかも当ててるし。ちなみに鳴葉は隣町だ。
死体の様子の状態も決まって切り刻まれたミンチ肉、これはもう断言しよう。絶対犯人コイツじゃねえか。で、地図と死体と事故現場を眼の前の野獣に突きつけた。
「んー、あっこの現場は記憶にある。自分の趣味の跡が誰かに見られるなんて悪趣味な奴もいるのね」
「何でそんな楽観してるんだよ。つまりお前の悪行が世間に知られてるんだ」
「えー、別に人に知られるくらいならいいんじゃない?犬猫に恥ずかしい所見られても特に何も思わないでしょう?」
「お前が龍の仲間内から追い出された理由を今痛感してるよ」
クッソ、さっきからの言動からするとコイツさてはサイコパスすぎて追い出されたな。人を食料としか考えず同族の竜を殺めるのにも何の躊躇もない。それどころかこっちが何で引いているのか不思議そうな態度だ。
「で、何で私の趣味を気にしてるわけ?」
「いくら協力者とはいえ殺人鬼を匿ってるのは不味いんだよ。絶対竜同士でも嫌な顔されたろ」
「まあ面倒ごとには違いないね、来る奴皆怯えてたし。でも人間って予想以上に面倒くさいのね。同族すら殺しちゃいけないだなんて窮屈極まりないわよ」
不味いな、このままだと緋刃が警察に捕まる。目を離している間に人だった肉片を持ってこられたりしたら俺の身も危うい。そうじゃなくても時間が経てば警察の方が彼女を突き止めるのもあり得る。ここで説得し殺害を抑えてもらわないと今後の人生に関わる。
「……あっ!ていうかお前こそこのままだとかなり不味いんじゃないか」
「何よ、人に悪行が知られたって世界は広いし最悪追手だって人間でしょ?」
「お前の話だとまさにお前みたいに人に紛れる竜もいるかもしれないだろ。で、お前の殺し方って目立つから仲間内の誰かが人として生活していて尚且つお前を知ってたら不味いんじゃないか?」
俺の指摘に彼女はまだ不満げだ。だが数秒後急に顔が青ざめそして小さくブツブツと呟きだす。
「あああああどうしようどうしよう!そうよ何有名になってるのよ。あいつから逃げる為に人間の交じりに来たのに。これじゃあ同族が見たら一発でバレちゃうじゃないの!私のバカぁ……」
「じゃあほとぼりが冷めるまで大人しくしてような」
彼女は苦虫を嚙み潰したような顔で渋々納得した。で、彼女の問題が片付いたので次は俺の体についての話題になる。竜なら緋刃が詳しいかと思い俺がどういう竜なのか聞く。すると意外な答えが返ってきた。
「あなたみたいな竜の姿は見たことない。鱗も甲殻もない、カタツムリみたいな竜なんて水竜でも覚えが無いわね。体を再生したのが物が物だし希少種かどの竜の種類にも属さない新種の竜だと思う」
まさかまさかの珍しい種類の竜らしい。つまり情報が無い以上時間をかけて特性を理解していつか体を元に戻さないといけないな。
というかこの人外の部位ってどうなってんだ?尻尾は軟体動物の体みたいでふとした時には動いてる。一応手で軽く押さえれば止まらなくはない、けれど離したらまた動く。犬猫の尻尾かな?角もたまーに動いてるっぽい。
「緋刃、人に紛れてる時角とか尻尾隠したか?」
「? 隠さなくていいと思うけれど。人だって獣の一種だし尻尾くらい何を今更」
「え?」「え?」
沈黙、お互いがお互いを理解できないという風に見つめ合い固まる。
「……あの、それっていつの時代の人類の話でしょうか」
「え?じゃあよく見る欠損個体って隠してたりとかじゃ無くて本当に初めから生えてなかったの?」
「無い。というか数万年単位のレベルのとっくの昔に無い」
また両者沈黙。その隙に俺は人類の進化と適当な臀部付近の画像を証拠として彼女に見せた。すると彼女は顔尾真っ赤にして無知を悟られまいと手で隠した。もう思いっきり見えてるけどね。
「あ、ああああああ!!そ、そそそうよね!そんな常識もちろん知って……「いや誤魔化せねえよ!えまってそんな常識中の常識すら知らないのに何で人類と関わったの!?ねえ何で!?竜って勝手に上位種族とか妄想してたけどアホなの?」
「適応力、知性、文化全部において人類の上位互換よ!人類は新しい種族で文明を持ってるから潜伏先に人気なの。でもたまーに、ほんとたまーにいる勉学に興味のないバカとかがノリで行ってたりすると知らなかったりするわ!勿論私は知ってたけどね!」
「いや明らかに知らない反応だったよな!?仲間から追い出されて下調べもせず人間社会に潜り込んで挙句目的忘れて人殺し回った上さっき肉焦がしたくせに。お前アホか、アホなのか!?」
「うっさい!」
照れ隠しに緋刃は俺の頭をぶっ叩く。だが当たると同時にぶちっと嫌な音が鳴りひんやりとした液が頭上から飛び散った。反射的に叩かれた頭に手を伸ばす。すると彼女の手が当たったところにあった角が無くなっている。
「ああああ!?角折れたあああああ……あ?」
「あっごめんなさい。そんなつもりじゃって何ぼーっとしてるのよ。そこまでショックだった?」
「…………あ、いや、何かまた生えてきてるみたいな気がして」
スマホカメラで頭を確認してみるとじわじわ折れた角の断面が滑らかになってきている。
「へー、再生能力ねえ。中々便利な能力じゃない」
「そ、そうだな(やっぱり軟体動物じゃないか)」
因みに尻尾はやる前から感覚があるのは知っているので絶対にやらない。緋刃が切れ味はあるから痛くはしないと冗談で云ってきたが当然断る。
とりあえず自分の体の事はしばらく置いておこう。今は緋人との生活を軌道に似せる事に尽力しよう。
追記 新作日間23位……すげえ!オリジナル日間でもランキング乗ったのかよ!