どらごんれでぃいらばーず!!!~現代日本で竜娘にTSしたけど同じ超可愛い竜娘(問題児)と支え合ってハーレム生活を満喫します!~ 作:囚人番号虚数番
人外、異空間、久々に俺は家族と再開した。
俺の直ぐ側には俺を育てた父と母。見られてしまった。男から変質し、人ですら無い俺。家族は何を思うかずっと、ずっと恐れていた。
「父さん」
「……」
「どうして俺にだけ隠してたんだ」
それがいざ蓋を開けてみればどうだ。俺の家族を知る者が水竜のCEO、父さんも母さんも水竜の社員、母さんは竜で俺に襲いかかってきた。おまけに父は母を姉さんと呼んでいた。拓海さんとドラコさんの顔を見て確信した。俺の両親の顔には彼ら2人の面影がある。まるで彼らの「子供」のように。つまり彼らは皆何かしらの血のつながりがある。
「何か言えよ。どういうことだ。俺がこうなる事も知ってたのか?」
「それは知らない。教えられなかったのもお前だけは竜だけには関わらない様にしていたからだ」
今までは竜や神についてこの身の事以外の関係は無いと考えていた。水竜や神域だってたまたまそこに投げ込まれただけの環境だとあくまで捉えていた。しかしこうもなると事情は違う。今の俺には一度全てを知る必要がある。
ガチャ
「職員さん、今起床……あっ、お、おはようございます」
タイミングよく修羅場のリビングにひいろが顔を出した。どうにも心地悪そうにしていたものの彼女の事もここで全てを話してもらうつもりだ。
ー--
水竜【水槍】、彼女は元竜の人間だ。俺の血縁で俺の祖母に当たる。祖父の拓海と出会い紆余曲折を経て結ばれた。その過程で彼女は起業、後の水竜コーポレーションを起業した。
滝沢の二人は結婚して数年2人の子を産んだ。辰巳と海月、俺の両親だ。彼らは双子で母は竜、父は普通の人間である。
家族は鳴葉と呼ばれるその田舎で暮らしていた。この世界の中での鳴葉にて休息に発展する街の唯一未開のままである緑の一角。都市化から逃れるようにひっそりと残る祖父の生まれた土地でひっそりと楽しく笑い合っていた。
会社の経営も順調だ。この時の経営者は祖母であった。彼女は生まれつき何をするにも才能あふれた人物である。たった数年で日本有数の巨大規模にまで発達、世的にも影響力のある企業にもなった。当然資金力は随一。しかし彼ら家族はあくまでも普通の生活を求めていた。
慢心せず、あくまで質素に。幸せな生活を送る彼らはきっと周りからも幸せだと思われただろう。しかし問題が無いのは外聞だけだ。この家族にはとある巨大な爆弾を抱えていたのだ。
結論を言えば彼らの愛は重いのだ。
そもそも家の家族はどこか常識がずれているのだ。祖母は本人曰く拉致監禁拷問殺害、母は兄である俺の父に恋し祖母と同様の行為を未遂だが遂行した。聞き出している途中でも彼らは懐かしむように語りだした。惚気だろうが正直悍ましい。
しかし問題は彼女らは愛の為に会社の資金を使った事だ。
彼らもこの話を切り出す前には惚気の甘い空気が一変、男性陣とひいろからは重い空気が漂う。対して祖母はあまり気にしていない。母は布団に寝かせてから倒れたままだ。
「会社のお金を使ったっていうよりも初めから拓海の為に使うつもりだったしね」
祖母はまるで友人に話すようだった。空のコーヒーカップに今度は紅茶と大量の砂糖を入れる。
「私は不老不死を目指したの。竜秘宝ってあるでしょ。あれを私は拓海に出会う為に全部使い切ったから君のお母さんに手伝ってもらって色々やってた」
竜秘宝、月輪先生から教えられた願いを叶え次元を壊す宝。それを研究していた。しかも初めから竜の関連情報を調べる為に会社を作ったのか。
まず彼女は竜に関しての身体から研究した。彼女は曰く非合法な手術により内臓の構造が加工されていた。娘も竜だが実験台に使うには祖父が悲しむだろうし使えなかったそう。
……祖父が悲しむから、だ。俺は言葉の意図に気づく。つまり、彼女はそういう事なのだろう。まあ言いたい事は惜しい研究にはあまりにも非検体とデータが足りなかったのだ。
「だから私が『作られました』」
黙ったままのひいろが遂に喋りだす。
「あれ?あなたが説明してくれるの?」
「はい、私の事は私に説明させてください」
祖母に変わってひいろが自身の身のについて語る。被検体が足りない、ならば増やせばいい。そのために祖父は自身と娘を利用しクローンを作った。水竜の技術であれば人一人くらいの作成は容易く竜に対する初期研究は直ぐに終わった。
素朴な疑問として何故竜秘宝は使わなかったのか気になった。曰く便利だけど念の為生誕の段階で抜いたらしい。実験体として作成したのに反逆でもあれば大変だからだ。
話を戻して苗床を利用した研究は人類にとって上位的な叡智を与えた。後に母が研究に加わりこれから竜秘宝や竜に関しての知識が増えるだろうと皆がそう考えていた。
しかしある日、空間に歪みを見つけてしまった。たった3回の現実改変ですら空間は壊れていたのだ。それにより竜の知識は秘匿された。
神社の裏の河原、そこに行けてしまう事そのものが何か空間が壊れていた証拠であった。研究が進むにつれ段々と竜秘宝の意味が分かったのだ。竜秘宝は因果を再構築することで整合性を無視して使用者の願いを叶える。それが意味と因果で構築される世界を崩壊させたのだ。
しかも運の悪いことに苗床に問題が発生したのだ。
「当時の私はあの時点で数多の破壊と再生を繰り返し超回復での膨張を繰り返していました。そんな時に研究者の皆さまは私の本体の竜体に新理論での実験を開始したんです。しかし結果は散々です。肉体の再生能力が過剰に働き膨張、大陸程度にまで退席が膨れ上がりました……名無しの実験体に『苗床』の名前が与えられた瞬間でもあります」
「まあ今は私が止めたからこれ以上は膨らまないけどね。あのまま放置してたら多分この世界は埋め尽くされててたから何とかできてよかった。でもおぶっちゃけ邪魔だし失敗作だから何とかしないといけないのは課題だね」
ひいろと祖母の話はこれで終わり、ここからは母の話だ。
俺の父曰く、母は小さなころから父を溺愛し同じ血が流れていながら結ばれた。彼は俺がどう出るか不安そうにこちらを伺っていた。気持ち悪いので俺はさっさと話の続きを求めた。
母は祖母の悍ましい研究に参加した。彼女は母と違い学問的な分野以外の戦闘分野にて活躍した。彼女を中心に水竜の私兵の特殊部隊が発足し現在も全線で戦っている。
ー--
これが今までの俺の家族の話だ。はっきり言って狂っている。全く持って信じられない話だ。壮大過ぎて何かの小説の様だ、馬鹿馬鹿しい。
だがあり得ない話ではない。今までも何度も信じられない事を見てきた。だからこの話も話半分程度に今は納得しておこう。
しかし確実に分かった事が一つだけある。俺には竜の血が流れていた。元から俺は竜と縁があったのだ。
全てを話し終わり空気はお通夜だ。家族全員がうつむき誰一人喋らない。俺が勇気を出して次の一言を発するまでその沈黙は続いた。
「母さんはまだ寝ているんですね」
誰に向けてでもなく敬語で小さく呟いた。とにかく今は空気を換えたかったのだ。すると父はより一層位雰囲気となる。
「実は母さんが倒れる前にお前に攻撃を受けた見たいに言ってたんだ。お前一体何をした?」
俺が攻撃をした。思い当たる節は一つだけある。俺が目つぶしに噴出した頭の液体だ。頭の角はもう再生しているし少しだけ彼らに教える。
「目つぶしに角を潰したんだ。ほら、この角って柔らかそうで潰すと液体が出るんだよ」
指で角を弾くとプルプルと揺れる。水風船のような独特な角を彼らは珍しそうに見ていた。ついでに彼らには俺がこうなった過程を説明する。俺がニエと出会い殺されて、色々あって今の体だになった。体の事を知られたくないから隠れて途中で実家にも帰った事を話すと何か納得していた。やはりバレていたらしい。
父は俺に一度実家に帰るか提案した。体についてあそこまで知られた以上、もうひいろの家にいる必要はない。しかも実家が水竜との関連がある為本当にひいろの家にいる必要はない。親族が見守る中で俺は決断した。
「俺は……もうしばらく彼女の家にいるよ。少まだあそこでやらないといけない事があるんだ」
……やるべきことなど何も思いついていない。ただ、今は逃げ出したかった。最も信用していた家族が一番の爆弾を孕んでいた衝撃に頭が追いつきそうにない。あれだけ大切だった家族が今は化け物の集団にしか見えてこないのだ。
ふらふらと俺はソファーから立ち上がりひいろの手を強引に引いて家から出る。一刻も早くここから立ち去りたい気持ちを抑えたまま扉の前で立ち止まる。
「……さようなら」
俺は扉を開け家から出た。彼女は家族に一礼し、お邪魔しましたと残してからついてきた。
ー--
神社の裏に向かい元の世界に帰還する。道中は二人共終始無言であり重苦しい空気が流れる。川のせせらぎを横に再び木々をくぐると空は暗かった。スマホの時計はあれからそれほどの時間経過を示しておらず、この空間が異常を孕む物だと改めて感じさせた。
空は雨、夏に片足を踏み入れているが少々冷える。慌てて飛び出した傘を置いて来て持っていない。帰りたくもないから雨降りの中をこのまま突っ切る事にする。彼女は躊躇して木の下から止めに入るも濡れた俺を見て諦めた。
「れ、黎人さん……その、帰ったらお風呂でも沸かしますか?」
どうでもいい。しかし気を使っているのは重々承知だ。彼女だって実験でボロボロにされ俺に知られたのに俺の事を気にしてくれている。そういえば大学では彼女には悪い噂は無い。実験台という生い立ちを除けば独占欲を除けば正気な方である。愛される人間性には理由があるのだ。
「ああ、飛び切り熱く入れてくれ」
神社の境内を濡れたままで二人歩く。僅かな屋根に隠れるように雨音が響く場所を濡れないように手を繋いだ。石段を下る途中誰かとすれ違う。白い、だが足元は少し泥が跳ねた服を着た何度か見た姿だ。
「洋野さん、神社に訪れるなんて信仰深いですね」
傘を傾けて顔が露になると現れたのは望月先生だった。彼女は濡れた俺らを心配したのか折り畳み傘を渡された。
「今度の講習の時に返してもらえば構いませんよ。私もあなたに要件がありますし」
帰りの道に先生が加わる。
「激雷が緋刃の血の解析が終わったそうです。私は既に拝見しましたので結果をあなたにも見てほしいそうです。更に今後の研究の為にあなたの白濁液との関連性を確かめておきたいと彼女は望んでいます。ご協力お願いできますか?」
帰ったところで研究だ。実験台としての扱いは水竜と関わるのなら避けられない運命なのかもしれない。
「……どうして竜なんて知らなきゃならないんですかね」
口から自然と疑問の言葉が漏れる。雨音にかき消されるような嘆きは荒んだ俺の心から漏れた弱音だった。
「旧鳴葉駅前の崩落を覚えていますか。私はあの時に母と妹を失いました」
……聞こえないと考えていたのに先生には聞こえてしまったらしい。突然の衝撃的な過去と共に俺の疑問に答えた。
「しかし私だけは神様に助けられ、たった一人で生き延びました。崩れた建物の中を連れられて私は世界を知ったのです」
「あれ、じゃあ足は」
すると彼女はふと立ち止まる。
「……ああ、そうでした。足も治してもらったんでした。この足はその神様から譲り受けた物です」
語りながら彼女はまた歩き出した。傘が顔を隠して顔は見えない、しかしいつもより雰囲気が違った。悲しむような、何かを恨むような、しかしどちらも俺が踏み込むべきではないと感じた。知りすぎるのは、無知よりも罪になり得る。
「だから私はまた彼女らに会いたいのです。その為に私は幾度の次元を超える術を知る手段として竜の研究をしています。神を垣間見る為には私はまだ啓蒙される必要があるのですよ」
石段がもうすぐ終わる。すぐ下には駐車されたひいろの高級車が停車し俺達を待っている。彼女はその隣に止まる白い車に乗り込んだ。彼女は扉を閉める前に俺に最後に言った。
「あなたも見つかるといいですね。迷うあなたを導く導きの月光がきっとすぐそばにありますように。私は願っています」
そう言い残して彼女は扉を閉じた。俺達も早く帰ろう。二人で車に乗り込んでひいろの家に帰還する。