どらごんれでぃいらばーず!!!~現代日本で竜娘にTSしたけど同じ超可愛い竜娘(問題児)と支え合ってハーレム生活を満喫します!~ 作:囚人番号虚数番
帰宅してから俺は道中に蕾さんから送信されたメールから地下の実験室に向かっていた。カードキーで扉を開けて階段を一人で下る。実験意外でも意外とここが便利なのは知っている。回線は爆速だし自由に使ってもいいパソコンは数百万円クラスの超スペック、おまけに静かで多少騒いでも問題が無い。実際竜の勉強の為に頻繁に訪れている。
だが今日の地下へと赴く足取りは重い。ただでさえ自身が恐ろしき竜の血を引いていることをついさっき知ったのだ。時間にして2時間くらいしか経っていないままの治りかけの心には癒しよりまだ苦痛が勝る。もう、段々と何かを知るのが恐ろしくて仕方がないのだ。
しかし頼まれたのなら俺も彼女には恩がある。一応の参考資料として竜の本を持参し地下の扉を開けた。地下は相変わらずメイドロボの倉庫となっていて何だか不気味だ。
待ち合わせの場所は地下、部屋は何処を訪れればいいのだろうか。少なくともこの場にはいない。工務室とサーバールーム、倉庫にも同様に此処にはいない。どうした事だろうと考えを巡らす。
何度かメールを送っても彼女からメールも返ってこない。地上で数回、地下に訪れてからも2,3回は送っている。今までこんな事は無かったのにどうして今に限ってこうなのだろう。しつこいからブロックでもされたのか、そんな疑問も抱くもそれはないだろうと考え直した。
どうしたものか。いないと分かりつつももう一度探しに回るか。アンドロイドの容器に腰を掛けながら考える。あと彼女がいそうな所と言えば彼女の私室か。しかしあの女は入れないと言っていたし果たして……
扉の前に立つ。いざ目の前に立つと良く分かる。この部屋の扉は他の扉の厳重さから更に固く閉ざされている。扉の厚さは数倍で重苦しい雰囲気は彼女の孤高さを示しているのだろうか。
カードキーをかざしロックの外れる音がした。そして重厚な扉をゆっくりと開いた。
……こうも意外にあっけないと逆に緊張する。
しかし俺は臆せず部屋に入る。彼女の部屋は思ったよりもずっと散らかっていた。整理された工務室とは逆にどこにでも何かしらの道具が広がり狭い部屋を埋め尽くす。家具は殆どなく部屋の一角にまとめられたメイド服が唯一の日常にある物である。
対極に奥の机の周辺だけはある程度の整理はされているようだ。一台の大きなパソコンと明らかに場違いなモルモットの飼育ケージのような物がそこにはあった。
しかい、部屋の中で一番に目を引くものはまた別にはある。部屋のあちこちに散らばる腕や足、胴体、頭、それと数多の武具の数々。彼女の体のパーツである。これらは組まれた物が数セットがメイドと同じ容器に用意されていた。
解体されたパーツは組み合わせることで丁度1つの人間となる。だがどう考えても一つだけ不自然なパーツがあるのだ。10cm程度の小さな蓋、端子や何かを入れる様子でも無い。
ぴぃ……
突然に鳴き声がした。小鳥に似た細く小さい声は机のケージからしている。
「ぴぃ……ぴぃ……」
その声はどこか切ない。鳴いているとも泣いているとも感じられる。物をかき分けて音の主はケージの中。音は段々と間隔が狭くなる。よく耳を澄ますと水音も小さく混じる。
もしかして彼女ペットか?あるいはモルモットの類か。疑問を抱きつつそれのいるケージの中を見てみた。
「ぴぃ……ぴぃ……」
「(……トカゲ、じゃない。竜?)」
ケージの中はスポンジ状のマットが敷かれ、その上に空のエサ入れと水場が置かれていた。その中で青い翼を持った小さな何かが切なそうに鳴いていた。手乗り程の大きさで丁度彼女の義体に入る大きさだ。見た目は鳥に近く、だが鱗と甲殻の質感は爬虫類に近い。総合するとまさに竜だった。小さく蠢き、体の下に何かを隠している。横から角度を変えてそれを観察する。
「ぴぃ…ぴぃ…」
角度を変えて気が付いた。家形に形作られた木箱からはみ出るまでにネジやICチップ、基盤の破片などが収集されていた。明らかにこの場にはそぐわない物であり誰かが人為的に持ち込んだと分かる。
「ぴぃ…ぴっ!ぴゃー……!」
小さな竜は俺の存在に気が付いたようでその場で体を振るわせながら俺の方に首が向く。しかしその時に見えてしまった。
その竜はUSBメモリの端子に股の間を擦り付け、体液で水たまりを作っていた。
「(……あれ、これ)」
あっこれあれだ。意味は分からないけれどとなく見ちゃいけない物だこれ。
「蕾さん……ごめんなさい」
「ぴぃぃぃぃ……!」
あまりの気まずさから自然と謝る。しかし彼女の叫びと同時に後ろから大きな物音、本能的に振り返る前に頬に強い衝撃が走る。そしてその威力のままに俺は狭い部屋の壁まで殴り飛ばされた。
ー--
「君ィ!勝手に人の部屋に入るだなんて人としての常識はどうした!君はそんなことはしないだろうと信じていたのに!」
汚い部屋の一角で俺は正座させられ彼女が目の前で顔を真っ赤にして叱る。殴られてから彼女はバラバラの義体を組み立てて小さな穴に小さな竜を入れた。すると明るい電子音がした後にバッと彼女は起き上がった。後で知ったがあそこはコックピットのような物らしい。
「本当にすいません……」
「私が義体の電源を入れて無ければずっと見ていたつもりだろう!全く、失望したぞ!……いやらしい」
最後の言葉だけ少しトーンダウンして呟く。
「あの……それでですね。これは一体何なんですか?」
恐る恐る先程の光景について聞いてみる。すると彼女は俺を鋭く睨に付けた。
「何って、態々それを私がか!私が答えろというのか!?」
そしてまた一層激しく怒り出す。だが顔の赤さはなんというか、怒りからではなくあからさまな動揺からきている。よくできた機械だ。
「え、あの逆に何してたんですか?」
宥めるように言うと彼女は黙ったまま俯いた。暫くの沈黙の後、彼女は意を決した様に口を開いた。
「……その、私の……その、なんだ。えっと……うぅん」
歯切れが悪い。やはり言えない事なのだろうか。
「あの、別に無理ならいいので……はい」
「待ってくれ!」
急に声を張り上げる。思わず肩が跳ね上がる。彼女の方を改めて見ると顔は相変わらず赤いままだったが、覚悟を決めた様子だった。
「笑わない、誰にも言わない、約束できるか?」
「勿論です、言いふらしたりなんか絶対しませんよ」
すると彼女は目を閉じ大きく息を吸った。そして吐いて目を開き小さく呟く。
「……ニーだ」
「はい?」
聞き返す。今なんて言った?
「オ〇ニー……」
「…………はい?」
……もう一度言ってくれたが今度は理解できなかった。
「だから!オ〇ニーだ!悪いか!電子パーツに発情する奇特な趣味と私を罵倒するのか!?」
「……え、アレオ〇ニー何ですか!?」
大声で怒鳴られる。しかしそれよりも驚愕の方が勝っていた。首を縦に振る。すると彼女は呆れたような表情になった。
「君、それはいくらなんでもどうかと思うぞ。性教育の授業は受けたろう?それに君の年齢でもネットを漁れば……」
「いえ……竜の処理の仕方は流石に範囲外です」
俺の言葉を聞くと彼女は驚いた様子だった。まるで俺の方が常識知らずかの様に理解できないように見ている。
「まさかとは思うが、知らなかった?」
「はい、人外のには興味無かったんで」
彼女の顔が引きつった。まさに信じられないと言った様子で、と同時に彼女は体を震わせていた。
「え、じゃあ私は今、え、待ってくれ、信じがたいが何も言わなきゃ良かった……?」
彼女は頭を両手で抱えながら混乱している。その様子を見ているとだんだん罪悪感が出てきた。
「すみません、こんなことになって……」
余りに不憫な彼女に申し訳なさに頭を下げる。
「いや、君が謝ることではない。こちらこそ取り乱してしまったようだ。すまなかった」
そして彼女は落ち着いた様子でそう言うと立ち上がった。
「ところで何で一人で処理を?」
「……解析機器を眺めてたらその気になってしまってね、君が来る前に少ししておこうかと」
彼女はデータはこっちだと実験室に移動した。
ー--
彼女の後を追い中に入ると一台のノートパソコンが置かれていた。
「まあそこに座ってくれ」
彼女は机の前に設置された見慣れない一人がけのソファーに座るように促した。周りの状況とはまるで違う普通のものであり、でも少し大きいサイズで違和感がある。
「精密作業室で餐龍の血を解析した結果、通常の竜とは明らかに異なる物が含まれていた」
パソコンを操作しながら彼女は説明をする。
「このデータを見てくれ」
彼女が指差す画面には様々な数値が羅列されている。
「これは彼女血液の成分と既知の竜との関連性を示したデータだ」
並べられたデータは俺には理解できない情報の数々だった。生物学と神学の様々な要素がいつくもの資料によって整理されている。その中で彼女は数多の名簿と数字が書かれていた。ニエやひいろの名前もある。しかし唯一の空欄の続く行には俺の名前が書かれていた。
彼女が数回何かのコマンドを動かすとニエのデータがソートされた。そしてその中で色付された備考欄には「以下資料参照」とある。それをクリックすると整理された文体の文書が出てきた。
タイトルは「賛竜の遺伝子情報について」、出だしに簡潔に纏められた箇条書きに特に重要な項目が強調されて書かれている。内容は要約すると彼女の遺伝子情報を解析した結果「彼女の両親の候補となる個体は既知の竜のあらゆるデータと一致せず」「神性を持っている竜である」というのだ。
「彼女の父親に至っては記録したデータでも見たことが無い。もしかしたら竜ですならい可能性もある」
「じゃあ神性って事はつまり……」
「いいや、狐共と同類ではない。しかし原因は父ではなく彼女の親から遺伝した痕跡だと現時点では考えている」
遺伝?親の遺伝子が原因を決定できる理由があるだろうか。
「はっきり言って無い」
疑問を口にする前に答えられてしまった。
「だがこれはあくまで仮説だ。それを裏付ける証拠も無いし妄想に近い」
彼女は自嘲気味に笑う。
「一つ、あれを踏まえて考えると面白い事実が見えてくる」
そこで言葉を切る。
「智龍【黎明】、因果により生じた竜の祖の一人」
初めて聞く知らない名前だ。しかし「因果」と聞いて少し話を真剣な方向に認識を変えた。
「竜と因果については望月からもう学んだか?」
勿論、つい最近の講義で学んだところだ。望月先生のテキストにも因果について細かく記載されていた。
対象と対象の意味を繋ぐ関係性、それが因果律である。つまり因果の改変とは意味同士の繋がりを変え、例えば赤と液体から血を想起するように、改変された因果では緑の液体や全く歓迎しない事象から血やありえないものを想起するようになる。竜はこの因果から受肉することで安定した肉体を得るらしい。
参考書には続けて「その中で意味そのものは不安定極まりない神であり、竜は存在を意味に委ねた堕落した亜種である」ともあった。これの意味はよくわからない。
だから、知った当時はより竜秘宝の恐ろしさを改めて認識した訳だけど今はその話ではない。
「その反応、理解できたようだな。アレは曰く因果の龍、即ち存在そのものが竜秘宝と同一だ。竜自身が因果の改変性を持ち、ありとあらゆる事象に手を伸ばす。自身の肉体さえ改変し続ける」
それは……なんというか、冒涜的な竜だ。竜の一匹であるのに竜全体を担う、しかも神性を持つ神でもある。そんな奴がもしいるとしたら、想像するだけで寒気がする。世界の意思がその辺を歩き回っている。あるいはいた、だなんて。
蕾さんもそれを分かっているようで、俺の反応を見て苦笑いを浮かべていた。
「うん、君の思う通りアレはかなり厄介な性質を持つ。あれは竜の次元でも名前だけが不自然に点在するだけの未知の竜だ」
彼女は再び画面を見る。そこには先程とは違うリストが表示されていた。これらは何かの座標の一覧表のようだった。
「これは智龍の痕跡の位置を示すデータだ。主に文書や創作物ばかりで生物的な痕跡は全て抹消されている。その上、この写真を見てくれ」
彼女は画像ファイルを開くと何枚かの写真を見せてきた。それは原始的な様々な地形の写真とそこに置かれた物品だ。地形は森や洞窟、火山や砂漠など様々で創作物と思わしき物品は木彫りのモアイ像から黒曜石に刻まれたハードロックのTAB譜まで一貫性の無い物ばかりである。
「(自由過ぎる……黒姫を思い出すな……)」
「あいつは生きてはいるらしいのだ。が、こんな風にやる事成す事自由過ぎる。しかしこうにも事情が重なると私達も本腰を入れて動くべきだろう」
写真を次々に変えながら彼女は最後の一枚を表示した。そこで写された写真は俺には信じられない物だった。
「いいかい、これからの私達の目標は彼女の残した遺物のコレを見つける事だ」
確かにこれは竜について様々な叡智が書かれているのは確実である。それは一見解読不能な楔に似た文字が石に彫られ書かれた。しかしその形状にはつい最近に見覚えがあり、番号が下に振ってあった。
「これは我々が知る中で黎明が最初に作り出し、同時に我々もまた最初にそれ名の知った碑石だ。解読は今だ多く不明で二枚目以降は未だに行方不明。一応竜と因果についての真理を……って聞いてるのかね?」
「……え、いや、これ望月先輩の写しがこの家にありませんでした?」
「君のジョークが言えるんだな。物があるのなら私が厳重に管理している」
いいや、俺は微かだが確かにこれを読んでいた。なんなら解読のできる人物さえ知っている。数日までの記憶を頼りにこの碑のタイトルを解読する。
「そうですね。何かの冗談かと思いますよね」
これは「神殺しと竜因果」あの本の序文が書かれた石碑、いわゆる本の原盤だった。
「……一応貸した友人に連絡入れときます」
「存在自体は確認されてるんだ。あれの叡智を拝領するは遅かれ早かれ実行するつもりだった。調査隊を編成するからもしかしたら私も仕事で家に入れなくなるかもな」
最後にそう言うと彼女はタブを一つづつ閉じていく。相変わらず数多のデータをどのように纏めたのか。感心しながら彼女のデータを眺める。するとその中の一つに目が留まる。それは偶然かニエの欄にであり神性というカテゴリに纏められた成分だった。
『備考 風呂場の床から高濃度の同成分が検出』
「えっと、この風呂場のって何ですか?」
彼女に聞くと消去する手を止めた。
「ああ、この前何故か苗床が風呂場に呼び出されたときのデータだ。関係すると思ってここに一応残しておいた。私も良く分からないがメイドの記録が残ってる」
タブを整理してからファイルをいくつか開き、彼女は音声ファイルを再生した。
『ああ、これです!これが、脳が、ああ!じゃあ彼も彼女も……何故気が付が付かなかったのでしょうか!なら納得できますよ!どこまでも正気で、体すらも保っている。本当に、運命というのは残酷です!メイド、いや激雷さん、コレを調べ上げてください!これであれば私はや』ピッ
「とまあ、煩いから仕方なく調べたのはいいのだ何故かあそこから血中の成分が検出された。あと、というか実を言うと今からが本題なんだ」
彼女はまたパソコンを操作しだす。また別のデータがあるのかな、としばらくソファーで待機している。するとカシュッという音と共に手足が拘束された。
「……っ!?ちょ、え、蕾さん!?」
「さて、ところで君は見ていたか?あの表には君の欄も用意してあるのだよ」
どうやらソファーに偽装していたらしく仕組みが作動するまで待ったく気が付かなかった。手足は金属製の厳重な拘束で解けそうにない。激しく抗うもガシャガシャとなるだけだ。
「あれは色々と万能に作られたデータで遺伝子情報以外にも身体の成分やなんなら排泄物の成分まで事細かに整理している」
「ちょっと待ってください、まさか……」
「さっきの仕返しだ。実験として君の体液、絞れるだけ全部絞りだしてもらう」
普段無愛想な蕾さんの笑顔はまるで悪魔のように見えた。話し始めて怒っている様子が無かったけど内心は今だ激しい怒りを抱えていたようだ。それを見越したかのように実験室の外から数人のメイドが道具を持ってやってきた。
「君も元男だろう?据え膳食わぬは男の恥とあるじゃないか」
「そんな言葉で納得で着ませんし、こんな状況で言われても嬉しくありません!」
「黙れ。メイド、早速実験を始めよう」
「ええええええ!?」