どらごんれでぃいらばーず!!!~現代日本で竜娘にTSしたけど同じ超可愛い竜娘(問題児)と支え合ってハーレム生活を満喫します!~ 作:囚人番号虚数番
「そういや緋刃って下調べ無しでここに来たのによく日本語扱えるよな」
「調べたって言ってるでしょうが。竜は異種族間の言語処理機能が強いの。ある程度知能のある種なら何時間か会話聞けば言語取得できる。たまにそれもすっ飛ばす奴もいるけどね。三巻目頂戴」
「はいよ。読めない漢字があれば教えてくれ」
「ありがと。当て字以外平気」
積み上げた本から緋刃に漫画を渡す。現在彼女に人間社会と情操教育の為に適当な漫画を読ませている。俺自身アニメや漫画は流行り物から何本か面白そうな物を選んで嗜む程度だ。だけど昔偶然買った日常系を持っていて彼女に読ませている。俺も久々に読んだが面白い。久しぶりにまた適当に買ってみようかな。
だがそれ以上に彼女の反応は興味深い。一度読んだ本なのでどの巻のどこがどんな場面化はある程度把握している。彼女はどうやら顔に感情が出やすいタイプらしくどんな場面に何を考えているか分かりやすいのだ。問題は分かりやすいとはいえ反応する箇所と種類が点でバラバラで一貫性が無く参考にならないことだ。自分に知りえない何かが見えているのか、多分何も考えていないのかもしれない。
数分もすると彼女が3巻目を読み終えて本を閉じた。
「……ねえ、もっと別の無いの?もっとゴアなのじゃないと飽きた」
「(ゴアってどこで知った)にしては熟読してる風に見えるが」
「あなたに言われたから仕方なくよ。で、ある?」
あるにはあるが只のバトル系の漫画だ。一応一巻を彼女に渡す。ページをペラペラと捲り数ページおきにピタッと指が止まる。そっとページを盗み見ると彼女らしくやっぱり戦闘シーンだった。
「……チッさっきの返して」
どうやら満足しなかったらしい。文句を垂れつつも日常物を読み始めた。でもストレスが溜まって殺人される前に何かしら対策しておくか。とりあえず協力を頼んだ友人には代理でR18Gハードリョナ総編集同人誌を買ってきてもらおう。で、俺にすぐできる事といえば……
「じゃあそれ読んだら別の事でもするか」
「別の事?それで私を満足させられるならいいけれど」
「……ちょっと待ってろ」
俺は漫画を片付けてゲームを起動した。そして適当なソフトを見繕い起動する。こういう時に趣味のゲームが役立つとは思わなかった。彼女も興味を引いたようで本を置いて画面に見入っている。
タイトルが表示されNEW GAMEから新しいデータを作成、そこで彼女にコントローラーを渡した。
「成程、これが『テレビゲーム』って奴ね。さっき見漫画で見た」
ゲームの内容は王道のファンタジーアクションゲームだ。初めてのゲームには高難易度だけれど竜も出てくるし彼女にも関りがありそうだ。グロを求めるなら最適解はホラゲーや洋ゲーだろう、だがこれらは説明できる程やりこんでいないしこれでなければならない理由が別にあるのだ。
彼女はそう意気込んでキャラメイクを開始した。数多のパラメータを慎重に設定し程なくして彼女の面影のある赤髪の少女のアバターが出来上がる。
「よし、上手くできた。どう、結構自信あるんだけど」
「うわ、めっちゃ上手い。これ本当に初めてかよ。あと作ってもらってなんだけどこのゲーム結構難しいから駄目そうなら別のもあるからな」
「竜を舐めないで、人の玩具なんて一瞬で終わらせてみせるわよ」
そうして彼女は意気揚々とチュートリアルを開始した。
30分後
「こ、これ本当に最初の敵なの?さっき操作説明あったばかりよね!?」
「ボスだし当然強いぞ。しかも残念なことにこれ倒さないとチュートリアルが終わらない。つまりゲームはまだ始まってないぞ」
「冗談でしょ?」
ゲームを開始して三十分、彼女は直剣と盾片手に同じボスに挑み続けて死にを繰り返していた。計算道理である。出会ってからずっとやりたい放題された仕返しも兼ねて私怨で選んだゲームだ。高難易度で有名な作品に初心者が挑めばこうなることは当然の結果だろう。一応このボスは一度倒せば楽な部類だけれど初見プレイヤーが手を出したらこうなることも無理はない。
「ううう……ああもう!次に死んだらもっと簡単ゲームにして!それか黎人が倒して!」
死亡数にして十数回、ついに再戦のストレスに耐え切れずに緋刃がキレた。それでもなお敵の攻撃を華麗に回避し剣を敵に当てている。何度か小突かれて攻撃を受けているもほかすり傷で最初に比べれば大分上手くなった。
「コイツ強すぎでしょ。あんたコレ本当に倒したんでしょうね!?」
「勿論何回も倒してる。コイツ弱いし」
「これで弱いとか竜より修羅じゃ……で、でも私だってもう少しで倒せそ「お、今の一撃で行動パターン変わったな「あああああああああああ!また覚えなおしじゃないのおおおおお!」
この後新たに加わった行動パターンに苦戦しつつも回復が尽きて体力をミリだけ残してどうにかやり直さずに倒した。最後の一撃を入れて敵が膝から崩れ落ちた瞬間彼女は勝利を察して立ち上がりガッツポーズした。
「やったあああああ!倒したああああああ!」
「チュートリアル終了おめでとう」
「どう、これが竜の実力。人とは一味も二味も違うのよ!……で、なんか知らない人が出たけど。え、竜に挑んだ恋人を探せ?ふふーん、どんなのが来ようと私がけちょんけちょんに倒してあげる!」
強敵を倒した事で気分のいい彼女はかなり自慢げだ。なんだかコイツを見てると小さい子供を見ているみたいだ。こいつの突破率が8割を超えてる事はしばらく黙っておこう。
ー--
<アー!ソレマモレナイコウゲキジャナイ!
「(文句垂れながら死に続けてるみたいだけど楽しんでるみたいだな)」
このまま緋刃の殺人癖を誤魔化し続ければいいのだけど。早急に人らしい生活に慣れてくれればいいな。
で、俺は俺で調べ事だ。まともな情報があるとは期待していない。しかし彼女の話を聞く限り竜とは人の生活にも潜んでいるらしい。ならば俺と彼女の例みたいに何かしらの接点位あるかもしれない。「竜 現実」とネット検索する。サジェストと検索結果にはアニメやゲームの話題しか出てこなかった。当然といえば当然か。
「うーん、SNSも軒並み駄目だな。一か八か掲示板とか個人ブログも漁ってみるか」
数年前からの過去ログを手あたり次第漁ってみる。こっちも大抵は下らない情報ばかりであまり役に立たない……あ、オカルト板で面白そうなUMA目撃スレを見つけた。そこでのレスの写真の一枚に見切れた竜の姿の緋刃が映っていた。体の一部でもおぞましい人外の姿にちょっとトラウマが蘇り静止した。
「……よし、ブクマだけしてこれ以上の詮索は止めておこう」
これ以上気分を悪くする前にタブを閉じる。でも一つ分かった。緋刃を顔を知るものがいれば人間社会にいれば居場所を探し出せる。それは彼女にとっては不味い上この上無い、だがどうしようもない。だから今は見つからないことを切実に祈るしかない。
にしても……あの夜出会った化け物は現実のものだったのか。あんな恐ろしい化け物が今は隣の可愛い女の子だとは、まるで夢のようだ。どちらかといえば悪夢だが。しかも俺も女の子なので寧ろ夢なら覚めてほしい。
「(どうして俺だけ……何で殺人鬼と一緒に生活しなきゃなんないんだ。こう、せめてこっちも防衛手段の一つでも取れれば安心なんだけど)」
出会いがしらでボコボコにされてるから実力差は証明されている。彼女は竜で俺は人、生物としての強さは抗いようもないくらい絶望的なのだ。
……あれ、でも今って俺も竜なんだよな。もしかすると今なら一矢報いることができるかもしれない。
「(いや、まだその時じゃないな。喧嘩が出来るほど体術は出来ない。第一緋刃とは協力関係じゃないか)」
パソコンを閉じる。彼女はゲームにまだ夢中で装備が重装備に大剣と大盾になっていた。そして前に立ち塞がる巨体で火を吹く竜と廃城で戦っていた。
「お前の同族の中には今戦ってるみたいな竜もいるのか?」
ふと気になって聞いてみた。
「……現実の話ならいなくはない。だけどこんなコテコテの竜はかえって少ない。私の剣技みたいに誰かしら一点特化してる変人ばっかりよ」
「例えば?」
「色々あるけど私流に分類分けするなら能力持ち、やたら体の一部位が進化してる、技術に特化してるかな。私は技量特化って言える」
「文明とか無いのか?」
「文明と言われれば怪しいし生態系?って奴に近いかな。そもそも竜の世界はこの言語じゃ説明しにくい。でも人の考えたこの世界も面白いと思うわね」
良く分からないけどとにかく竜もいろいろあるらしい。
「じゃあさ、俺みたいな人から竜になったりもできるのか。お前が人になれるみたいに俺も竜の体になれたり出来ないかって思うんだ」
すると彼女は難しい顔になる。直後ゲームのキャラが死んだ。あなたのせいで死んだ、と文句を吐き、続けて画面の竜みたいなのをここで出す気なの?と皮肉を言われた。成程、つまり今はやってはいけないのだな。と同時に何故普段の日常で竜を見ない理由の一つが分かった気がする。
「……で、答えた代わりにボスの攻略手伝って。体力半分からの開幕攻略がどうしても攻略できないの。ちょっと見てくれる?」
彼女の隣に座りコントローラーを借りステータスと記憶を頼りに現状からの勝ち筋を考える。で、何を思ったのか彼女はレベルを上げず使用不可の武器防具を使っていた。多分そこら辺の強そうな武器を拾って使ったのだろう。逆によくこんなのでここまで来れたな。
「あーこのステータスだとそりゃ難しいよな。というかレベルとか上げなかったんだな。途中レベル上げてくれる人いただろ」
「人?さっき敵と間違えて殺しちゃった」
「えっ!?あーうん、ゲームでも人の話を聞こうな。あの人いないと体強くできないから(事故死か。でもあの人確か復活するよな)」
とりあえず防具を外し武器を初期装備の直剣に持ち替える。彼女は弱そうだけどこれで勝てるの?と疑問を抱いていた。だがさっきの状態よりかはマシだろう。まあ俺は初見は遠距離戦法で戦ったけどね。疑問を抱きつつも彼女は幾度目かの戦いに挑む。
適正な武器と軽装で機動性を上げたから敵の攻撃を避けやすく、尚且つ手数が増えてダメージも上昇している。結果より早く安全に件のHP50%以下に到達した。これには彼女も上機嫌で短い尻尾が素早く揺れた。
「よし、そろそろだ。敵が引いたら懐に飛び込め」
「!? 本気で言ってるの。でもあの巨体ならできなくはなさそうね!」
そしてボスの竜は飛び上がりプレイヤー目掛けて急降下してきた。緋人はそれに合わせて前ステップを入力、無敵判定を利用して急所に数発を攻撃を叩き込んだ。しかも怯みも重なり残り体力は3割切った。
「おお!やっぱり倒しただけはあるじゃない!」
「このまま押し切れば勝てるな。ここからは攻撃に炎エンチャが乗るから気をつけろ!」
教えた通り竜の攻撃は更に苛烈になる。だが前半戦が早かった分回復アイテムの残りもある。ここまで来ればあとはゴリ押しでも勝てる。敵の体力はもう1mm、あと一撃叩き込めば緋人の勝ちだ。最後の一撃を前に敵が体勢を崩す。
「「いけえええええええええ!」」
直剣が竜の目に刺さる。そして刺さった勢いと同じだけの勢いで剣を抜き血が溢れ出た。HPゲージは空で崩れ落ちる竜に画面にはドロップアイテム表示された。
「やったああああああ!レイトありがとおおお!」
彼女は喜びの余りコントローラーを持ったまま俺に抱き着いてきた。竜の力とあって中々に強烈なハグで全身の骨が悲鳴を上げる。しかし、それとは別に女の子特有の柔らかさが別の意味で俺の消えかけの本能を掻き立てていた。
「ゔっ痛い、ま、ギブ、嬉しいのは分かるよ、俺も初見は発狂したから。だから放していだだだだだだ」
「うーん恍惚、強敵との闘いはいつも楽しいけど何度も死んでまでは出来ないし最高よ!ありがとう、あなたも元人として誇っていいわね!」
「分かった、分かったから放して、あ、そこ首、首閉まってゔぅん……!」
そういえば首元には緋人からもらった傷があるんだった。腕を汚してないかな。薄れる意識の中で細腕を見ると傷の無い白い肌だった。
「……って、確か人助けに来たの忘れてた!」
だが彼女は次に何をするべきか思い出したらしい。俺を放してゲームに戻った。
「げほっげほっ……っぶね!三途の川見えたぞ今」
「この先に道が続いていて、アイテムまであるじゃない。一体何かしら」
彼女は何気なく鎧を着た遺体から二重の指輪というアイテムを入手した。装備品のようで説明文には思い人を残して死地へと向かう騎士が決意の証として持っていた物とある。性能は序盤にしては破格の性能だ。
「……え?」
「この死体があの人の恋人みたいだな」
俺は答えは知っているから何も言わない。緋刃は暫く硬直し、装備の情報を二三回確認してから件の依頼主の元へ向かう。そして指輪を返した。そして会話の後一度体力を回復しようと休憩を挟んでから再び彼女の元へ向かった。するとさっき人がいた場所に彼女がおらず、騎士の遺体の指輪が落ちていて、その近くの崖際に別の指輪が落ちていた。
「これあの人達の遺品じゃない。せっかく残してくれたんだし有難く使わせてもらいましょうか」
「そうだな。次のボスはボス後の道を直進すると着くぞ。時間も良い所だし一旦そこの拠点を解放してから止めるか」
この後次のセーブまでは特にトラブルもなく辿り着いた。ゲームを止め、インスタントのみの昼食を取りながらお互いゲームについて語り合った。
その裏で俺は緋刃の行動について考察してみた。意外にも彼女は容量がいい。ゲームの中では説明を聞けばちゃんと分かってくれるし事故以外では無暗な殺人はしない。行動も理性的で初めてのゲームが高難度でもここまで攻略出来て物覚えもいい。それに何より嬉しいのは一応人間的な感性を持ってくれている。詰まる所、もしかしたら彼女の殺人は人為的に抑制する余地があるかもしれない。
なんて彼女との生活に勝手に活路を見出した。
ゲーム名は「ashen blood」
追記 今作はちょっと長めです。しかし書き溜めが少ないので時間が掛かります。次話が投稿されるまで前作つゔあいごっどねす、全ての元凶どらごんれでぃい!!!なんていかがでしょうか。