どらごんれでぃいらばーず!!!~現代日本で竜娘にTSしたけど同じ超可愛い竜娘(問題児)と支え合ってハーレム生活を満喫します!~   作:囚人番号虚数番

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登り竜

間合いに入り剣を頭に振るう。出来る限り最高速で最高火力を叩き込む事だけを頭に残しただ一発に全力を注ぐ。

 

目の前の竜はレイトの姿をした多分化け物だ。レイトが苗床を殺す筈がない、赤な私でもそのくらい知っている。どこまでも馬鹿みたいに誰かを気遣って一生懸命なレイトがじれったいけれどレイトらしいって思ってた。

 

「えちょ」

 

この竜はそのレイトを簡単に踏みにじり、私の大切なものを汚し壊し奪っていった。奪われたなら、私に出来る事はコレしかない。

 

感情のままに切り殺し、それから考える。手遅れでも間違っててもいい、停滞こそが許されない。

 

私の刃が白い竜の首を捉えた。

 

「ママ!」

 

だが首は落ちず、代わりにチェーンソーを盾に受け止めている。白痴だって?激雷にそっくりな竜が斬撃の邪魔をした。なら殺せばいい、黎明に向けた二撃目を中断し射出された弾丸の切断に切り替え跳弾で逆に狙ってやった。

 

けれどその攻撃も防がれ斬撃を水面に叩き込み白痴が水しぶきに隠れ、同時に私の背後に現れると背後からの蹴りが入る。吹き飛ばされた先で体勢を整え着地した。

 

「やるわね!私とトントンじゃない?」

 

楽しそうに白痴が笑う。対等なレベルの戦いは心が躍るのは同じだ、けれどあんたみたいなのとは覚悟が違うんだ。

 

「うるさい。お前は殺す。絶対に殺す」

 

両刃剣を構え直し、殺意を込めて睨みつけた。焦点の合わない不気味な目で彼女は笑った。

 

それはそれとして白い泥の上では足元の悪さから戦いにならない。だから私は血の斬撃を飛ばしながら全速力で後退する。当然のように追いかけてくるが、アレが私と同じノリで助かった。

 

にしても激雷の奴と同じ体ねぇ。左右の手をおっぱずして銃と剣とは覚えている範囲では初めての相手。リーチは銃の遠距離攻撃だから相手の方が上だし、あの回転鋸の相手のしかたは接近に入ってからでいいや。

 

走りに走って沼をついに出た。だけどここから先の地形は……うん、爆発の後で何も無い。よしっ!

 

「じゃあここら辺で決着つけましょうか!!」

 

私が叫ぶと同時に久々に竜に戻る。そして久々の竜らしい力任せな斬撃を地面に叩き込んだ。大地が大きく揺れ動き足場が崩れる。思ったより大きい、もしかして地下空洞ぶち抜いた?

 

「うぉあああああ!?落ちた!?」

 

頭が悪いのか予想外だったのか白痴の動きが遅れ、更には地面の崩壊に巻き込まれて一緒に落ちて行った。私も重力に任せて落下しながら後を追う。

 

 

 

ドドドドドドドドドッ

 

「ガアッ!?(ちょ”!?)」

 

突然の衝撃と共に視界がブレた。一瞬だけ見えたけど、どうも白痴が弾を撃ち込んで来たらしい。咄嵯に身をよじったが右肩を貫かれた。甲殻があるのにぶち抜きやがったのか、これは迂闊に被弾できないわね。残りは遅れて剣を回して適当に弾く。

 

「(痛いわねえ!!!うっざいし!)」

 

心の中で叫びながらも下を見る。白痴は既に立ち上がっており、銃を構えたままこちらを見上げていた。

 

「うーん、遠隔は苦手……」

 

「アギャア!(どこがだ!)」

 

撃ち込まれる銃弾を避けつつ急降下し、そのまま剣で引き裂こうとしたが避けられてしまう。

けれど、それで良い。これはフェイントであり本命は別にある。

 

「グォアァ!!!」

 

雄叫びを上げながら剣を心臓にぶん投げる。空を裂き風を切る音を響かせる。亜音速で飛ぶ刃は最早私の目にも捉えるのがキツい。しかし彼女は一切避けず片手で剣を受け止めた。衝撃を踏ん張り耐え、その上ノーダメージで平然としているのを見ると身体能力は私より上だ。

 

「ぎしゃ!あああああああ!(もーあんた何なのよー!)」

 

「いいねいいね!震えて興奮してきちゃったぁ!」

 

次の瞬間、彼女の姿が消えた。一体どこに?と思ったが白い泥が元の場所から飛んでいる。曲線を描きすぐ横の岩場の高台に伸び……

 

衝撃、視界がチカチカする。首元の鱗が剥げる感覚と腹と背に一直線に並んだ空虚感。横には白く歪んだ顔。白い液体が穴という穴から漏れて気持ち悪い。

 

「ギリャアアアアアアア!?」

 

混乱、あまりにも急激かつ致命的なダメージに久々に取り乱した。彼女は大チャンスに首元の回転鋸を更に食い込ませ、振り切った。

 

「あっーはっは!あなたの血は赤いのね!」

 

高速で回る回転鋸が私の血肉を乱雑に飛散させる。白と赤が混じり文字通り首の皮一枚で繋がった状態。お腹も内蔵に弾丸を際限なく叩き込まれミンチ状にまでぐちゃぐちゃだ。明確な死の間際、とんだ首から見える景色に絶叫と共に埋め尽くされた。

 

何が違った。あの程度の敵なんて私は何度も殺してきた筈だ。なんなら同じ実力で過去に勝ったような気がする激雷を相手にして……彼女と私のどこが違った。私といえば意識がトんでないだけ……

 

……もしかして、目の前のこいつが?

 

 

 

「済まない、遅れた!」

 

ブスリ、と背中に何かが差し込まれる。砕けた腹を貫通し白痴を同じく貫いた。続けて砕けた腹と首に暖かい物が当たる。血ではない、だが触れた覚えのある肉塊?が体内に空いた空間を埋める。

 

「(もしかして苗床の肉!?しかもあの声って激雷!?)」

 

「あああああ!?誰!?」

 

両者空中で体勢を崩し地面に落ちる。先に白痴が落下して地面に激突しクレーターを作った。私もその後に続き墜落するも寸前で誰かにキャッチされた。

 

「っ、やはりか。再生力が尋常じゃないな……異常なまでの回復力、緊急とはいえ流石は苗床だ」

 

激雷だ。腕が外れ足も細い鉄の骨組み。爆発で相当のダメージを負ったみたい。あーでも、ちょっと覚えてるかな。銃と剣だっけ、確かそんなのを使ってた気がする。でもなんか見た目が違う?

 

「グッギャ……ギギシャ?(ぐぁー……体痛い、あんた武器変えた?)」

 

「対竜用の武装だ。直剣と貫通弾、当たっても文句は言わないでくれ!」

 

そう言いつつも銃を構える。彼女の銃は腕と一体と一体で、また剣も同じく関節を用いて擬似的に通常と同じ用法を実現している。

 

「あ〜れ?もしかしてあんた、前に殺った竜じゃん。なんで生きてる?」

 

クレーターの底で白痴が起き上がった。彼女は激雷の顔を見るなり目を輝かせて牽制に銃を2、3発撃つ。それらを私が防ぐと「違う!」と文句を言われた。

 

「生憎私の体は換えが効く。というより覚えているのだな」

 

「うん!大きな音がしてまた強いの!って起きてみたら白いのとあんたがいたよね」

 

 

 

……音?

 

あの時の事は一応苗床が全部教えてくれた。あの時の映像も一通り見せてもらったけれど大きな音なんてどこにも写ってなかったような。あの頃の記憶を覚えているらしいのにどこにも大きな音なんて覚えがない。

 

そう言いかけた瞬間、頭の中で記憶と記憶が一致した。叫ぶんだ、竜との戦いの始まりは一つの咆哮から始まる。小さな体を揺らすほどに低く激しい爆発にも似た爆音が全身を包む。

 

あの時、暴走の直前に交通事故が起きていた。竜のそれより小さいとはいえあれ程の至近距離で意識の外からだ。闘争本能を刺激するには十分過ぎる。

 

「(……ああ、スッキリした)」

 

「緋刃?」

 

「(いいえ、こっちの話)」フルフル

 

よくこんな簡単なことに気づけず生きてこれたわね。まるで私が馬鹿みたい。ついでにこいつが私の記憶の欠落した部分を覚えているらしい。欠落するタイミングとこいつが出ているであろう条件は大体合致する。

 

納得する私達についていけず白痴は不思議そうにしている。

 

「でも生き返ったなら便利ね。青い竜が前に強かったから私もちょっと体を真似してみたの」

 

白痴は再び銃を構える。回転鋸も火花を散らし再び戦闘態勢に入る。

 

「また、殺し会えるからね!」

 

狙いは白痴の眉間。疑問は尽きないが、とりあえず殺すか。

 

「緋刃!」

 

「OK!」

 

開戦の合図に2発の銃弾が放たれる。同時に白痴はチェーンソーを盾にして防いだ。しかし弾は囮だ。同時に背後に回り込んだ私が両刃剣を白痴の首を目掛けて振るう。

 

「惜しい!」

 

嘘でしょ!?ほぼゼロ距離から振ったのに振り返って防がれた!?路線変更、このまま力でゴリ押しして押し通せ!回転する刃を相手に鍔迫り合いに持ち込んだ。

 

「ぎしゃああ!!(死ねえぇ!!!)」

 

「いいねいいね!もっと!もっと!熱くさせてよぉ!!」

 

叫びつつ気合を入れ力任せに押すも向こうも同じくらいの力だ。拮抗状態が続き武装の性能差で力比べでは負けると悟った。即座にその場を離れ激雷が私の背後から銃口を覗かせる。そして私ごと撃ち抜いた。白痴の胴体に弾丸が直撃し私も衝撃で吹っ飛ぶ。

 

「突っ込みすぎだ馬鹿!」

 

激雷は私を受け止めつつ更に数発撃っていく。白痴も銃撃を喰らいながらも怯まず白い液体の弾丸を見境なくぶっ放す。

 

コイツ、火力のゴリ押しと捨て身で被弾を辞さないスタンスが最悪に噛み合ってやがる!私以上にパワープレイで逆に付け入るスキが全くない。ぶっぱは厄介だ、雑に放っていても大抵はそれだけで攻撃となる。加えて彼女はそれを乱射しているせいで威力も高い。

 

だからサポートが聞いた瞬間が私の次のチャンスだ。激雷は私を投げ捨てて回避に専念する。

 

「っ私のターンって言いたいかニエ!」

 

当然私が何も言わずに切り替えたから激雷も同様する。しかし流石激雷、無識に戦闘スタイルを接近に切り替えていた。無骨で、だが業物である事を示すように刀身がギラリと光る。

 

「緋刃!援護頼むぞ!」

 

「ギリャア(隙見て叩くわ)」

 

激雷の背中を押しながら私は虎視眈々と一撃の隙を狙う。

 

「(さて、接近はできればやりたくないのだが……)」

 

彼女の装備は機動力を重視しており装甲も最低限しかない。故に銃での中距離以上からの牽制と接近での戦いを組み立てる必要がある。

 

「(まあ、やるしかあるまい)」

 

覚悟を決めて斬り込む。白痴の回転鋸をバックステップで避け、着地と同時に加速。一瞬で距離を詰めて首を狙って剣を振るう。白痴は即座に銃を切り替えて空いた手で掴み取る。

 

「おそーい!」

 

「(やはりこの程度は読まれるか)」

 

そのまま銃を剣のように振るい剣を受け止めた。

 

「そんなんじゃダメだよ!全然足りない!」

 

それよりも掴まれた状態から彼女の馬力では抜け出せない。力勝負は分が悪いな。しかしまだ片手が空いている。剣が振れればどうにかなるはずだ。

 

「ふっ!」

 

「きゃっ」

 

足払いをして体勢を崩させる。銃を捨て両手で支える形になり力の向きが変わった。

 

「(今!)」

 

剣から手を離して拳を握る。腕を捻り腰を入れて思い切り殴りつける。鈍く重い感触が手に伝わり白い液体が血の代わりとばかりに飛び散った。

 

白痴は倒れはしないものの踏ん張りきれず膝をつく。その隙を逃すほど甘くない。激雷も攻め時だと畳み掛ける。横薙ぎの一閃。白痴は咄嵯に銃を捨てて後ろに跳んで避けるも肩から脇腹にかけて斬られる。傷口からまた液体が流れ出すも今度はすぐに治らない。

 

「ぐぅうう、痛いなぁもう!なんで邪魔ばっかするの!?せっかく楽しく遊ぼうとしてたのに!」

 

「遊び、か……」

 

「そうそう、楽しいよ?あんた達も混ざる?」

 

「断る」

 

瞬間、白痴の死角から風が吹く。生暖かく酷く鉄臭い風だ。白痴の首がごろりと地面に転がった。

 

「え?」

 

首をはねた後も白痴は不思議そうな顔をしたまま固まっている。断面からは相変わらず白い液体が溢れ出していた。その剣技の軌道には餐龍の剣に続く。

 

戦闘時に出せる速度は白痴に軍配が上がる。逆説的に戦闘を絡めない瞬間の速度では彼女に勝る事は可能である。瞬間的な加速を見極め抜刀、彼女首一直線で捨て身で一撃を入れた。

 

白痴の体は前のめりに倒れ、そこに激雷がゆっくりと歩み寄り白痴の頭を踏み潰す。グチャリという音が聞こえた。

 

「あ、最後取った」

 

「死ねば同じだ。苗床は後で一時撤退しよう」

 

竜の死骸に背を向ける。あの竜は私達が考えていたよりも遥かに弱くあっけない死にざまだった。竜を殺した後はレイトどうしようかと二人で考えながら帰路に着く準備を始める。えーっと、苗床は一体何どこにいるかな……穴登るのめんどくさいし。しかし、突如爆音と共に地面が大きく揺れる。

 

地震か、否、これは自然現象ではない衝撃。振り向くとそこには先程殺した白い竜が立っていた。

 

「は……はは、あっはっはっはっは!痛い痛い痛い!でもね、まだまだ私は止まらないよ!」

 

「ッはあ!?緋刃!?(死体が生き返っただと!)」

 

「黙れ、武器!また殺すから解析!」

 

意味不明意状況に混乱しつつも激雷は私の指示通り戦闘態勢に入る。しかし、相手は私達の予想の遥か上を行っていた。それの体は手足の形はそのまま、体は私が大人にまで成長した姿となる。しかし体中に白い血管のような筋が浮かび上がり、体のあちこちに鱗のようなものが生え、背中に巨大な翼が生えた。

 

何よりも白い液は白く燃え盛る炎へと変わり、それが全身を包み込む。白き炎は勢いを増して辺りを焼き尽くしていく。一瞬で目の前が白い世界へと一変した。

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