ゼロの使い魔〜赤い仮面と命のベルト〜   作:D-ケンタ

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第四話 闇夜の襲撃 危うしV3!

 

草木も寝静まり、風で木々が揺れる音のみが響く深夜。学院の宝物庫の傍に一人の女性の姿があった。

彼女はロングビル。オスマン学院長の秘書を務めている女性だが、その正体は巷を騒がせているメイジの怪盗、「土くれのフーケ」である。

今回はこの学院の宝物庫に保管されている、あるものが目当てで今下見をしているというわけだ。

 

「ふーむ。確かにコルベールの言っていたとおり、これは骨が折れそうだねぇ」

 

宝物庫の外壁は、『固定化』の魔法でガチガチに固めており、『錬金』などで穴を空けるのも無理そうだ。

コルベール曰く、単純な物理的破壊ならば可能らしいが、それもどれ程のレベルからなのか。

 

「私のゴーレムで破壊できるか、五分五分ってところか……一先ず今夜は戻って、作戦を考えるとするか」

 

そう呟き、彼女は宝物庫から離れていく。しかしその途中で、思いがけない人物と出会った。

 

「あれ、ロングビルさん?」

「っ!あ、シンジさんでしたか。こんな時間にどうして外に?」

「いや、ちょっと考え事をしてたら、夜風に当たりたくなりましてね。ロングビルさんこそ、どうして?」

 

シンジの問いかけに、彼女は少し言葉に詰まったものの、すぐにいつもの調子で笑顔をつくって誤魔化した。

 

「私は夜の見回りです。こっそり寮を抜け出す生徒が跡を絶たないもので」

「大変ですね。よろしければ手伝いますよ」

「ありがとうございます。お気持ちだけ受け取っておきますわ」

 

そう言ってロングビルはこの場を去ろうとしたが、それをシンジが引き止めた。

 

「遠慮しないでください。こないだみたいな怪人が急に襲ってこないとも限らないですからね」

「……分かりました。ではここの見回りが終わるまで、お願いします」

 

下手に断って、変な疑いを持たれるよりはマシだと判断し、彼女はシンジの提案を受け入れることにした。

 

「っ!危ない!」

 

突然シンジが彼女を抱えて横に飛び退いた。その直後、先程までいた場所で爆発が起こり、巻き上げられた土が彼らに覆いかかる。

訳が分からずにいると、暗闇から複数の人影が飛び出してきた。

 

「「「「キキーッ!」」」」

「デストロンの戦闘員か!」

 

シンジはロングビルを守るように立ち、戦闘態勢をとる。

彼女は未だ状況が飲み込めないのか、座り込んで呆然としているが、新たに現れた異形の姿を見たときは流石に悲鳴を上げた。

 

「ズゥーカァー!朝火シンジ、貴様がいなければデストロンの邪魔する者はいなくなる。ここで死んでもらうぞ!」

「そうはさせるか!倒されるのはカメバズーカ、お前の方だ」

「減らず口を、いけ戦闘員!」

「「「「キキーッ!」」」」

 

カメバズーカの指令で戦闘員達が一斉にシンジ達に襲いかかる。

 

「トウッ!」

「キーッ!?」

 

徒手空拳で戦闘員に応戦していく。変身しなくても戦闘員如きに遅れは取らない。

 

「今のうちに逃げてください!」

「む、無茶です!死ぬ気ですか!?」

「俺なら大丈夫です。さあ、早く!」

 

強く急かされたことで、漸くロングビルはこの場から逃げようと動く。だがそれを見逃すカメバズーカではない。

 

「逃さん!ズゥーカァー!」

「キャアアっ!?」

「ロングビルさん!?」

 

ロングビルを狙ったカメバズーカの砲撃により、彼女の体が跳ねる。

直撃はしなかったようだが、その衝撃で彼女は気絶してしまった。

 

「くそっ!?こうなったら……フンッ」

 

シンジは覚悟を決めると、両腕を右側へと伸ばす。と同時に、腰に命のベルト、ダブルタイフーンが出現した。

 

「変……身!V3ヤァァッ!!トウッ!!」

 

変身ポーズを決め、飛び上がったシンジの身体が風に包まれ、着地した時には仮面ライダーV3へと変身完了した。

 

「覚悟しろ、カメバズーカ!」

「ほざくなV3!やれぇい!!」

 

再び襲いかかる戦闘員を次々と倒していくV3。

夜の学園で、V3とデストロンの命をかけた戦いが始まった。

 

 

「ふんふーん♪」

 

自室の鏡台の前で鼻歌を歌いつつ、キュルケは髪を梳かしながら、昼のことを思い出していた。

 

「改造人間って言ってたけど、見てると普通の人間と違わないのよね。それに……貴族が平民に奢られるなんて。優しいのか見栄っ張りなのか、どっちなのかしら」

 

思い浮かべるのは、最初の会計時の光景。自分とタバサの分くらいは出すと言ったのにも関わらず、シンジは「年下の女の子に出させられるかよ。黙って奢られとけ」と言って全員分出したのだ。

会計後は予想外に高く付いたことに(大体タバサが食べすぎたせい)ぼやいてはいたが、文句を言うことはなかった。

そこに下心はなく、純粋な善意しかなかったことに、キュルケは関心を持った。

そうしてるうちに身支度も終わり、そろそろ寝ようかとベッドに向かおうとした。

 

ドオォーン!!

 

「な、何!?」

 

しかしその時爆発音が響き、キュルケは驚き反射的に杖を取る。

 

「まさか……デストロンの襲撃!?」

 

そう思い至ると急いで寝間着から着替え、部屋の外に飛び出す。

廊下に出ると同じく爆発音に反応したのか、ルイズと才人の姿があった。

 

「キュルケ!?まさかあんたも行くつもり?」

「当然じゃない。あんたが行くんなら、なおさらね」

「二人共やめとけって!あの爆発音、間違いなくデストロンだぞ!」

 

才人が止めようとするが、二人は聞く耳を持たない。

 

「学院が襲撃されてるのよ!デストロンだろうとなんだろうと、黙っていられないわ!」

「だからって、戦うのは無茶だ!」

 

二人が口論をしていたとき、二度目の爆発音が響き、それを聞いたキュルケは我先にと走り出した。

それに続いて、ルイズと才人も走り出す。

 

(デストロンが来てるということは、間違いなく彼が一人で戦っている筈……シンジ、無事でいなさいよ)

 

シンジの身を案じながらキュルケは駆ける。道中タバサと合流しながら、四人は今まさにデストロンが暴れているであろう現場に向かった。

 

 

「う、うぅ……」

 

うめき声を上げて目を覚ましたロングビルは、体の節々を襲う痛みに顔を歪めた。

 

(わ、私は……そうだ、あいつは……!)

 

体を起こしながら、周囲の把握に努める。すると信じがたい光景が目に入った。

 

「トウッ!やあっ!」

「キーッ!?」

 

赤い虫のような顔をした怪人―V3が、デストロンの戦闘員と戦っている。

 

「な、何が起こって……」

 

ついそう溢れたとき、彼女に気付いた戦闘員が襲いかかってきた。

 

「ひっ!?」

 

迎撃しようとするが、痛みと恐怖で体が強張って動かない。

 

「いかん!?トウッ!」

 

それに気付いたV3が飛び込み、彼女に襲いかかろうとした戦闘員にパンチを食らわせる。

 

「無事か?」

「あ、ああ……」

 

V3が助けてくれたことに暫し放心するロングビルをよそに、V3は周囲への警戒を解かぬまま告げる。

 

「奴らは俺が相手をする。早く逃げるんだ」

「ま、待ってくれ!もう一人、男がいただろう?」

「……彼なら大丈夫だ。さぁ、早く逃げるんだ」

 

それだけ答え、V3は再びデストロン戦闘員へと向かっていく。

ロングビルは立ち上がると、痛む体に鞭打ってこの場から離れようとする。

しかしそれをみすみす見逃すデストロンではない。

 

「キキーッ!」

「っ!?しまった!?」

 

戦闘員の一人がロングビルへと襲いかかる。

V3も気付いて助けに向かおうとするが、他の戦闘員に阻まれて思うように動けない。

 

「くっ!離せ、このっ!」

 

ロングビルも抵抗するが、生身の人間と改造された戦闘員では体力に差があり、振りほどけずにいる。

万事休すかと思われた時、突然戦闘員の体が何かに弾かれたように吹っ飛んだ。

 

「間に合った」

「大丈夫ですか、ミス・ロングビル!?」

「やっぱり仮面ライダー、しかもV3だったんだ!!」

 

駆け寄ってきたルイズがロングビルを助け起こす。彼女に続いてやってきたキュルケやタバサ、才人がそれぞれの得物を戦闘員達へ向けて構える。

 

「あなた達、なんで出てきたの!?」

「学院が危険なんです!黙ってみてられません!」

「あたしは彼が心配だからだけどね」

 

危険な状況に首を突っ込んだことにロングビルはつい口調を荒げるが、ルイズは毅然とした態度で答え、キュルケは視線の先にV3を捉えていた。

 

「V3っ!こっちはあたし達に任せて、あなたはその怪人を!」

 

そうV3に向けて叫びながら、キュルケは迫る戦闘員へと炎を食らわせる。炎に包まれた戦闘員は断末魔を上げながら倒れ、爆発した。

 

「……『エア・カッター』」

 

表情を崩さず、タバサも魔法で戦闘員を撃破していき、それに負け時とルイズが爆発魔法でまとめて吹っ飛ばす。

 

「いつもは忌々しく感じるけど、こういうときは便利ね。ほら、あんたもしっかりやりなさいよ!」

「無茶言うなって……ああ、もう!わかったよ!」

 

ルイズの凄みに圧されて才人も剣を手に戦闘員へと立ち向かう。

戦闘員が振るうククリナイフを躱すと手慣れた動きですれ違いざまに斬りつけていく。

 

「残りは貴様だけだ、カメバズーカ!」

 

V3がカメバズーカに向けて叫ぶ。しかし当のカメバズーカは不敵に笑っていた。

 

「フッフッフッ。そこのガキ共は想定外だが、いい気になるのもここまでだ」

「何っ!?」

「ガキ共もよく聞けぇ!俺の体には、高性能爆弾が仕掛けられている」

「何だと!?」

「俺を倒せば、この学院は木っ端微塵だ」

 

カメバズーカの宣言にV3や才人達の間に緊張が走る。奴の言っていることが本当なら、こちらからは手出しができない。

かと言って学院の人間全員を避難させようにも、そんな時間を与えてくれるほど、デストロンは優しくない。

 

「学院の人間共を助けたければV3、大人しく俺様に殺されるのだ!」

「クソ……卑怯だぞカメバズーカ!」

「どうとでも言え。覚悟しろV3」

 

そこからは一方的にカメバズーカがV3を甚振っていく。爆弾があるとなった以上V3は反撃できず、キュルケ達も迂闊に手を出せずに見ていることしかできない。

 

「卑怯よ!正々堂々戦いなさいよ!」

「V3ー!あたし達のことは気にしないで、戦ってー!」

 

ルイズ達から声援が飛ぶが、それでもV3は手を出さない。しかし彼女達が気に障ったのか、カメバズーカはV3への攻撃を中断して、彼女達へと向き直る。

 

「忌々しいガキ共だ。貴様達から始末してくれる!ズゥーカァー!」

「っ!危ない!!」

 

カメバズーカの砲口がルイズ達に向き、放たれた砲弾は真っ直ぐ彼女達へと向かって飛んでいく。

逃げる時間も、魔法の詠唱の時間もない。才人は砲弾を斬り払おうと前に出るが、斬った瞬間に爆発してしまうのではと、一瞬躊躇してしまった。そのため構えるのが遅れ、気付けばもう間に合わないところまで砲弾は迫っていた。

万事休すと思われたその時、V3が飛び込んできてその身で砲弾を受け止めた。

 

「グワァーッ!?」

「V3ーっ!?」

 

V3が盾になった事でキュルケ達は無事だったが、ダメージによりV3はその場で倒れてしまう。

慌てて駆け寄るキュルケ。倒れたV3を抱え起こして声をかける。

 

「V3、しっかりして!」

「う、ぐぅ……だい、じょうぶか……?」

 

弱々しくなったV3の声に歯噛みするキュルケ。しかし悔やんでいる暇はない。

 

「馬鹿な奴だ。だが丁度いい、貴様ら纏めて地獄に送ってくれる!」

「っ!?」

 

再びカメバズーカの砲弾が迫る。V3は何とか再び立ち上がろうとするが、体は言うことを聞かない。

 

「……『クリエイト・ゴーレム』!」

 

その時誰が唱えたのか、V3達の眼の前に巨大な土の腕が現れた。

 

「おまけだ『錬金』!」

 

瞬間土の腕は鋼鉄に変わり、カメバズーカの砲弾を受け止め、爆風から全員を守った。

 

「一体誰が……?」

「ったく、こんなところで使う羽目になるなんてね」

 

声の出処に全員が視線を向けると、そこにはロングビルが杖を構えて立っていた。

 

「ミス・ロングビル!?」

「あんまり長くは持たないよ。さあ!そいつに治癒の魔法を!」

 

言われるが早く、タバサがV3に治癒魔法をかける。すると改造人間ゆえの回復力なのか、みるみるうちにV3の体に力が戻っていく。

 

「ありがとう、助かった」

「お礼はいい。それより」

「ああ。どうにかして奴を倒す方法を考えねばならん」

 

何とかV3を回復することには成功したが、カメバズーカをどうにかしないことにはこの窮地を脱出したことにはならない。

 

「もうそろそろ限界だ!作戦はまだかい!?」

 

焦った様子で叫んだロングビルの声に反応しゴーレムの腕を見てみれば、所々がひび割れ崩れてきており、もう時間がないことを伝えている。

 

「……そうだ!ロングビルさん、地面に穴を開けることはできますか?可能な限り深く」

 

突然才人がロングビルに向かってそんなことを尋ねた。訊かれたロングビルは怪訝そうな顔をしながら答える。

 

「穴?そんなの朝飯前だが、穴を開けてどうすんだい!?」

「V3が奴を倒したタイミングで、やつの真下に深い穴を開けて、奴を落とすんです」

 

才人の提案に全員が頭に?を浮かべるが、唯一V3は得心したように頷いた。

 

「そうか!拳銃の原理か。だが奴の爆弾は……」

「V3。カメバズーカはさっき、高性能爆弾と言っていた。それに、学院の人間と限定していた。恐らく奴の体に仕込まれているのは原子爆弾じゃない筈だ」

「分かった、君の作戦でいこう。頼めるか?ロングビルさん」

「ああ分かったよ!何でもいいから早くしてくれ!もう……保たない!」

 

その次の瞬間、ゴーレムの腕が弾け飛び、ついにV3達を守るものが無くなった。

 

「ズゥーカァー!手古摺らせおって。これで終わりだ、ライダーV3!」

「では皆、作戦通りに。トウッ!」

 

V3は力強く跳躍すると、カメバズーカの目前まで飛んでいき、バズーカ砲を蹴り上げる。

 

「グオッ!?」

「トウッ!トウッ!」

 

連続でパンチを繰り出し、カメバズーカを攻めるV3。しかしカメバズーカはタックルでV3の動きを止めると強烈な張り手で反撃する。

 

「クッ!?」

「ズゥーカァー!」

 

強靭な体を武器に攻めるカメバズーカ。だがV3も負けていない。カメバズーカの打撃を受け止めると担ぎ上げて投げ飛ばす。

 

「トァーッ!」

「ズゥーカァー!?」

 

叩きつけられたカメバズーカは立ち上がろうとするが、そこをV3は狙っていた。

 

「今だ!トウッ!」

 

V3は飛び上がると体を錐揉み状に回転させながらカメバズーカへ向かって飛び蹴りを繰り出した。

 

「V3錐揉み、キーック!!」

 

回転の勢いにより威力を増した蹴りが、カメバズーカに止めを刺した。

 

「ば、馬鹿め……これで貴様もこの学院の人間も終わりだ……ズ、ズゥーカァー!」

「そうはさせん!ロングビルさん、今だ!!」

 

カメバズーカが倒れる寸前、V3の合図によりロングビルがカメバズーカの真下に深い穴を空けたことにより、カメバズーカの体が穴の中へと落ちていく。

 

「ダメ押しだ!『錬金』!」

 

更に『錬金』の魔法で穴の強度を上げる。その直後、穴の中で大爆発が起こり、爆風が夜空へとまっすぐ伸びていった。

凄まじい爆発だったが、作戦のおかげで爆発の勢いで地揺れが起こったこと以外に学院の被害、しいてはV3やルイズ達への被害はなかった。

 

「やったー!」

「ほ、本当にあのカメバズーカを倒したんだ!」

「やった、やったわよタバサ!」

「……苦しい」

「た、倒したのかい?あの化物を……」

 

カメバズーカを倒し、学院が守られたことを喜ぶルイズ達。

そこにV3が駆け寄ってきた。

 

「君達、怪我はないか?」

「V3!ええ、あたし達は無事よ」

「それなら良かった。怪人も倒したことだ、私はこれで失礼させてもらう。ハリケーン!」

 

V3がその名を呼ぶと、どこからともなくV3専用のマシン、ハリケーンが現れた。

V3はハリケーンに飛び乗ると、調子を確かめるように2、3回アクセルを吹かす。

 

「それじゃあ」

「待ちなさい!……あなたは何者なの」

「おいルイズ!」

「あんたは黙ってなさい!……ハルケギニアでは、亜人は人間の敵というのが常識なの。あんたの説明だけじゃ、納得できないわ。聞かせて、あなたは敵?それとも味方?」

 

そうV3を見据えるルイズの目には敵意などはなく、ただ何かを見極めるかのような意思が感じられた。

 

「君が納得するなら答えよう。私は仮面ライダーV3。悪の組織デストロンと戦う、正義の味方だ」

「そう……正義の味方、ね。ありがとう、二度も学院を守ってくれて」

 

そう言いながらルイズは頭を下げた。V3はそれに片手を上げながら答え、ハリケーンを走らせて夜の闇に消えていった。

 

「ルイズ……」

「さて、部屋に戻って寝ましょう。明日になれば、この騒ぎの事情聴取やらで忙しくなるでしょうから」

「ま、待てよ!」

 

ルイズはそう言って学生寮へと足を向け、その後を才人がついて行った。

 

「私も部屋に戻る」

「そうね。ミス・ロングビル、歩けますか?」

「は、はい。怪我もしてないですし、なんとか」

「分かりました。ですが、無理なさらないでください。職員棟までお送りしますわ」

 

その後、職員棟までロングビルを送ったキュルケとタバサは彼女と別れ、自分達の寮の部屋へと向かう。

その途中、キュルケは立ち止まるとV3が走り去った方向へ視線を向ける。

 

「……また助けられたわね。ありがとう、V3。いえ……シンジ」

 

そう呟き、キュルケは再び歩を進める。

 

(そして確信したわ。あたし、あなたに恋しちゃったみたい。明日から覚悟してね、ダーリン)

 

芽生えた想いを胸に、キュルケは帰路を進む。

 

「は、ハックション!」

 

どこかで激しいクシャミの音がしたが、それはどうでもいい話。




カメバズーカを倒し、束の間の平和を取り戻した魔法学院だったが、そこに新たな襲撃者、土塊のフーケが現れ、宝物庫の宝『捕縛の義手』が盗まれてしまう。しかしそれはデストロンの怪人、テレビバエの卑劣な罠だった!

次回、「奪われた秘宝」ご期待ください。
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